Pop Smokeの遺作でのリリックをきっかけにPusha TとYoung Thugとの間でビーフが発生

先週金曜日にリリースされた、故Pop Smokeの最初で最後のアルバム『Shoot For The Stars Aim For The Moon』。同作はVirgil Abloh手掛けるアートワークを巡り議論が起こるなどの騒動もありながら無事リリースとなったが、生前の彼が遺した楽曲でコラボレーションを行なっていたPusha TとYoung Thugとの間に、その楽曲をきっかけとしたトラブルが発生してしまった。

XXLの記事によると、事の発端はPusha T、Young Thug、Gunnaがフィーチャリングアーティストとして参加したPop Smokeの未発表曲“Paranoia”。同曲の中でPusha Tが、かつて激しいビーフを繰り広げたDrakeのことをディスするリリックを書いたところ、Young ThugがPusha Tに対する批判的な意見を発表した。

Young Thugは自身のInstagramに「俺は、俺とGunnaが参加した曲のPusha Tのヴァースをリスペクトしていない。俺とGunnaはお前らのビーフに参加するつもりは無いし、あれがDrakeについてのヴァースだと知っていたなら、俺は変更するよう言っていたはずだ」と綴り、自身とGunnaがPusha TサイドについてDrakeとのビーフに参加したような印象を与えかねないことに苦言を呈している。

一方、これを受けたPusha TはInstagramのストーリーにて「1. 悪く捉えないでくれ、誰もこのヴァースが何についての物なのか知らなかった。レーベルのボスですら止めなかったんだ」「2.Young Thug、ヴァースを付け足したのはお前がリクエストしたからだ」「3.最も重要なのは、このラップゲームにおいて、俺はお前からのリスペクトを一切求めていない」と反論。Young Thugからヴァースを咎められたことについて不快感を露わにしている。

さらにPusha Tは問題の楽曲が本来『Shoot For The Stars Aim For The Moon』のデラックスバージョンに収録予定であったが、今回の騒動を受けて収録しないことを仄めかすような投稿も行っている。

Pusha TがPop Smokeの遺作のためのレコーディングという場でDrakeへのディスを行ったことは、先述の通り無関係な二人がPusha T側に味方していると捉えられかねないリスクもある上、果たして故人の楽曲に付け加えるリリックに個人的なビーフ相手へのディスを入れ込むことが適切なのか、という疑問も残る。実際、その後Young Thugはストーリーにて「お前は安らかに眠っている男の音楽の中でめちゃくちゃなことを言ったんだ。お前はあの曲が完璧なプラットフォームだと思って、バイブスを台無しにしようとしている。自分の曲でやれよ」と、至極最もな意見を述べている。

果たしてYoung ThugとPusha Tのビーフはどのように展開してゆくのだろうか。また、事のきっかけでもありながら今回は巻き込まれた形となるDrakeが何らかのリアクションを見せるのかどうかも気になるところである。

RELATED

アドビがYoung Thugの新作『Punk』をテーマにしたクリエイティブチャレンジを開催 | グランプリの作品を用いたジャケットをYoung Thugが着用へ

アドビが10月にニューアルバム『Punk』をリリースするYoung Thugとクリエイティブチャレンジを開催する。

The WeekndやTeyana Taylor、故Pop Smokeのレーベルオーナーが2021年グラミー賞のノミネーションを批判

今週、毎年の恒例行事であるグラミー賞の候補作がいよいよ発表となった。主要4部門の最優秀レコード賞にはBeyonceの“Black Parade”やDaBabyとRoddy Ricchの“ROCKSTAR”、Doja Catの“Say So”などがノミネートされ、また最優秀アルバム賞にはJhene Aikoの『Chilombo』、Post Maloneの『Hollywood’s Bleeding』、Taylor Swiftの『Folklore』などがノミネート。また、最優秀楽曲賞の候補作としてRoddy Ricchの“The Box”やH.E.R.の“I Can’t Breathe”などが挙がり、最優秀新人アーティスト賞の候補としてMegan Thee Stallion、Doja Cat、KAYTRANADA、D Smokeらが名を連ねている。そんな中、複数のアーティストが賞の在り方に疑問を呈し、話題を呼んでいる。

Lil DurkがミームとなったYoung Thugとの画像について詳細を明かす

2年ほど前、コラボ曲を制作していたYoung ThugとLil Durkがパソコンを見つめる画像がインターネットミームとして流行したことを覚えているだろうか?Young Thugの神妙な面持ちとLil Durkのポカンとした表情がなんとも可笑しいこの画像は現在でもしばしばTwitter等で用いられているが、今回、Lil Durkが画像についてのSNS上の声に反応した。

MOST POPULAR

音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果

音楽を聴いて鳥肌が立つ、という体験をしたことがあるだろうか。もしあるならば、あなたはとてもラッキーな経験をしている。

大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていると、研究により明らかになった。

Appleの重役がiTunesの音楽ダウンロードが終了することを認める

ついにその日が来てしまうのだろうか。先日発表されたアメリカレコード協会(RIAA)の2017年末の収入報告でもデジタルダウンロードの売り上げが2011年以来6年ぶりにCDやアナログレコードなどの売り上げよりも少なくなったと発表されたが、ちょうどそのタイミングでApple Musicの重役のJimmy Iovineが、iTunesストアの音楽ダウンロードが、終了する見込みであることをBBCの取材に対して認めている。