【インタビュー】HIYADAM × Yohji Igarashi 『Capture Land』| ヒップホップを拡張する

HIYADAMが2ndフルアルバム『Capture Land』を完成させた。プロデュースは新しい学校のリーダーズ“Pineapple Kryptonite(Yohji Igarashi Remix)”が世界的にヒットしたYohji Igarashi。しかも収録された全15曲にkZm、Ralph、MonyHorse、Jin Dogg、Elle Teresaといった客演が参加している。前作『Antwerp Juggle』から約5年。ラッパーとして常にフレッシュであり続けるHIYADAMの現在を、Yohji Igarashiとともに語ってもらった。

取材・構成 : 宮崎敬太

イガラシくんのビートは僕の世界観を広げてくれる

- まとまった形の作品は『Antwerp Juggle』から数えると約5年ぶりになります。

HIYADAM - イガラシくん、アルバムを作り始めたのは割と1年前ぐらいからですよね?

Yohji Igarashi - そうですね。『Antwerp Juggle』以降、HIYADAMさんと一緒に何曲かシングルをリリースしていて。でもその段階ではアルバムをリリースする想定じゃなかったんです。

HIYADAM - そう、アルバムの予定じゃなかったですね。

Yohji Igarashi - それこそ1年くらい前にHIYADAMさんが「1作品まるごとイガラシくんでやりたい」と言ってくれたんです。

HIYADAM - ワンプロデューサーのアルバムにするべきだと思ったんですよ。

Yohji Igarashi - そう言ってもらえたのが創作のビジョンになりました。あと他のアーティストともEPサイズの作品を一緒に作ったことはあったけど、アルバムの全曲プロデュースはやったことなかったのでシンプルに嬉しかったです。

HIYADAM - イガラシくんと一緒に曲作りをする中で、この感じでアルバムを作ろうと思ってたんです。でも(『Antwerp Juggle』から)そんなに時間が過ぎてるとは思ってなかったって感じですね。

- HIYADAMさんがYohji Igarashiさんと一緒にアルバムを作りたいと思った理由を教えてください。

HIYADAM - 『Antwerp Juggle』からシングルもずっとイガラシくんと一緒にやっていて、その流れの中でしっかりとしたアルバムを出したいとずっと思ってました。それがようやく形になって実現できました。イガラシくんのビートはサイケデリックだと思うんです。直感的というか。常に「すごくかっこいい」と思わせてくれる。自分では想像つかなかった世界というか。僕の世界観を広げてくれるサウンド。そこがイガラシくんの魅力です。

この人が入ったらもっと曲がかっこよくなる

- 1曲目の“Opera”はかなり前からあったビートだと伺ってます。

HIYADAM - はい、そうですね。この曲はかなり録り直しました。普段あまりそういうことしないんですけど。イガラシくんから送られてきて聴いた瞬間に、これはかなりかっこいいビートだと思ったんです。だからビートのバイブスに負けないように本当に頑張らなきゃいけないなと。納得いくまで録り直しました。

- HIYADAMさんに最初に送ったビートから、完成版になるまでYohjiさんは手直してますか?

Yohji Igarashi - 他の曲は細かく手直ししまくってるんですけど、唯一“Opera”だけは最初からほとんど変わってないです。自分的にも出来た時に「これだ」感があったんです。僕はいつも、ビートが出来上がってもすぐには送らないんです。ちょっと寝かせて、自分でも何回か聴いてみて、そこから相手に送るんですけど、“Opera”は速攻で送りました(笑)。

HIYADAM - 電話してくれましたよね?

Yohji Igarashi - そうですね。この曲だけは絶対にやってほしくて。普段はテキストで送るんですけど、“Opera”はプラス電話もしました。

- Yohjiさん的に会心の一撃みたいな。

Yohji Igarashi - これは相当気に入ってますね。

HIYADAM - 僕もだし、音からイガラシくんの気合いも伝わってきましたね。

- SALUさんとDexus Ogawaさんが客演してますね。HIYADAMさんと同じ札幌ラインです。

HIYADAM - 客演に関しては全曲に言えることなんですが、僕たちの世界観に入ってもらって、ちゃんと爆発が起きそうな方たちにお声がけさせてもらいました。

Yohji Igarashi - 参加してもらう人がどういう活動をしてるか、みたいなことはあまり気にしてないですよね。あくまでこっちの世界に来てもらった時にどういうことが起きるかみたいな感覚で人選されてたように思いました。

HIYADAM - うん、まさにそういう感じです。

Yohji Igarashi - “Dirty”のJin Doggさんとかね。

- あのセクシーなJin Doggさんにはすごくびっくりしました。

Yohji Igarashi - ですよね。オファーを受けていただいて本当に嬉しかったです。

HIYADAM - 僕もです。Jin Doggさんは本当にかっこいい方ですから。

Yohji Igarashi - これも3年くらい前の曲です。ビートに関して言うと、どの曲も客演の方たちはあまり意識して作ってないです。むしろHIYADAMさんが聴いて、この人が入ったらもっと曲が格好良くなるという感覚でオファーされてた印象ですね。

僕のリリックを聴いてもらって、みんなに解釈してもらう

- ジャケットのアートワークはどのように制作したんですか?

HIYADAM - 基本的には見た人がそれぞれ自由に想像してほしいんですが、今回の作品は自分の部屋からすべて始まっているというのがテーマのひとつにあるんです。

- “Opera”が数年前からあったビートということは制作は基本的にリモートだったんですか?

Yohji Igarashi - そうですね。会って一緒にビート作ったり、レコーディングしたり、みたいなことはしてないです。最終的な詰めの段階になって、HIYADAMさんがよくうちに来てました。

- 詰めの作業というと、具体的にどんなことを?

Yohji Igarashi - ヴォーカルのミックスとビートの微調整ですね。

HIYADAM - 「ここはヴォーカルのピッチをちょっと合わせてほしい」とか。

Yohji Igarashi - 最初の2時間くらいは集中して作業してるんですけど、そのあと4時間くらいは喋ってたよね(笑)。

HIYADAM - (sic)boyと一緒に“E:motion”のヴォーカルのミックスをしに行った時はひどかったです。作業が終わったあとイガラシくんの部屋で12時間くらい飲んでて、僕、あの日、帰り道に吐きましたから(笑)。

- Yohjiさんの家に行くといつもそんな感じなんですか?

Yohji Igarashi - (sic)boyの時だけだよね。

HIYADAM - そう、(sic)boy限定(笑)。

- ちなみに今作で最新のビートは?

HIYADAM - “Small World”とか?

Yohji Igarashi - HIYADAMさんのヴォーカルが乗った順番だとそうですね。ビート的にはそれこそ“E:motion”が一番新しいです。最後の最後まで手直ししてました。“Sp33d★s (feat. JUBEE)”も2〜3年前からあったし。

- “E:motion”は(sic)boyさんに加えて、Ryugo Ishidaさん、藤田織也さんとまったく違う個性のアーティストが参加されてますね。先ほど、HIYADAMさんは「この人が入ったらもっと曲がかっこよくなる」という基準で客演陣にオファーされたと話されてましたが、この曲の制作はどのように進行していったんでしょうか?

Yohji Igarashi - “E:motion”に関しては、(sic)boyのパートのみ唯一決め打ちでした。ビートもちゃんとコード感ある感じで歌えるように作ってます。

- ということは、“E:motion”は(sic)boyさんが最初にラップを入れたんですか?

HIYADAM - どうだったっけ? イガラシくん覚えてますか?

Yohji Igarashi - 確かHIYADAMさんが先でしたよ。

HIYADAM - そうですよね。どの曲も大体僕が先にラップを入れてるんです。僕からテーマを伝えることはなくて、僕のリリックを聴いてもらって、みんなに解釈してもらう感じ。そしたら自然と曲としてまとまるかなと。“E:motion”だったら、まず僕がリリックを書いてラップして、次に(sic)boyに送って、その後にRyugo(Ishida)くんに書いてもらい、最後に(藤田)織也くんに送りました。送られてきたヴォーカルには口出ししません。そういう感じで連鎖してってできた曲ですね。

Yohji Igarashi

『Capture Land』の世界観全開のほうが喜んでくれるんだ

- “Honey”のYo-Seaさんのヴォーカルはお二人のディレクションがあったのかと思ってました。

HIYADAM - 全然。

Yohji Igarashi - これも結構前の曲ですよね。コロナ禍に制作した記憶があるんですよ。歌でもラップでもいけるハウスのビートにしようって意識しましたね。

- “PUMPPP”のkZmさんもディレクションしてない?

Yohji Igarashi - これはビートを作ってる段階で、なんとなくkZmに合いそうだなとは思ってました。HIYADAMさんに送ったら、やっぱり「kZmくんっぽいね」となって。

HIYADAM - kZmくんにも何も伝えてないですね。ビートと僕の感じに合わせてくれたんだと思います。意図してたニュアンスが一致した感じ。

- なるほど。それを最終的にYohjiさんが微調整していくと。ラッパーの中には自分がラップを入れた段階からトラックをいじらないでほしいという方もいますよね? 今作でそういうお願いをされた方はいましたか?

Yohji Igarashi - 質問のニュアンスとはちょっと違う答えになっちゃいますけど、Ralphにはノリを変えないでほしいと言われました。Ralphから送られてきたラップは、いい意味ですごくRalphだったんです。アカペラでもRalphの世界観だったというか。

- すごい強度だったんですね。

Yohji Igarashi - まさに。だからビートをもうちょっとRalphっぽい感じに寄せたほうがいいかなって考えてたんです。ドラムの打ち込みを変えたりとか。そしたらたまたま何かのイベントでRalphと一緒になって、なんとなく“Bet”の話をしたんですよ。そしたらRalphが「こういうビートは自分(の作品)だとできないからむしろ変えないでほしい」的なことを言ってくれたんです。

- 2人の世界に飛び込みたい、と。

Yohji Igarashi - そうです。だからノリは変えずに、トラックの賑やかさを抑えてRalphのラップを立たせるように調整しました。Ralphとの会話で気づいたことは自分的にも勉強になりましたね。つまり、客演の人たちは、HIYADAMさんの、『Capture Land』の世界観全開のほうが喜んでくれるんだというか。相手にとってもメリットがあるんだなって。

- なるほど。さっきHIYADAMさんがおっしゃった「爆発が起きそうな方たち」というのはそういう意味なんですね。だからJin DoggさんもYo-Seaさんも他では聴いたことがない感じになってるんだ。

HIYADAM - みなさんに汲み取っていただいて、このアルバムができてると思います。それこそ“I RAVE U”なんてKAMIYAさんが入ってくれて、別の曲になりましたし。

「お蔵入りにしてるビートをまとめて僕に送ってください」

- HIYADAMさんからYohjiさんに「こういう感じにしてほしい」とオーダーすることはあるんですか?

HIYADAM - ほとんどないっすよね?

Yohji Igarashi - 最初期の頃はありましたけど、もう何年もやってるので今はほぼないですね。リファレンスが送られてきたりはしますけど。

HIYADAM - リファレンスというか「最近こういう曲を聴いてるんだよね」ぐらいのですよ。

- HIYADAMさんは制作期間中、どんな作品を聴いてたんですか?

HIYADAM - いろいろ聴いてましたね。

Yohji Igarashi - HIYADAMさんはいわゆる現行のヒップホップは僕より聴いてますよ。

- マジですか……。僕の周りではYohjiさんが一番幅広くヒップホップを聴いてる印象でした。

Yohji Igarashi - いやいや。HIYADAMさんはメジャーな作品からアンダーグラウンドな作品までものすごくいろんな作品をたくさん聴いてるんです。制作期間中に「これ聴いてるんだ」って教えてもらったのもヒップホップが多かった印象ですね。

HIYADAM - そうっすね。

Yohji Igarashi - それを僕が拡大解釈して、こういう作品になっていった感じです。

HIYADAM - 僕とイガラシくんは「こういうのやりたい」というタイミングが同じなんです。だから例えば僕が聴いてたのがヒップホップの曲だったとしても「これはリズムが四つ打ちでも成立するよね」みたいな感覚を理解してくれてるというか。しかもそういうことを僕からイガラシくんに言ったことはたぶんないんですよ。

Yohji Igarashi ああ、確かにそうでしたね。“I RAVE U”あたりからはそんな感じだったかもしれないです。僕が勝手に作ってHIYADAMさんに送ったビートもたくさんありますし、アルバム用に作ったわけじゃないけど、HIYADAMさんがうちに来た時になんとなく聴いて気に入ってくれたビートもありますね。

HIYADAM - 「なんで僕に送ってくれないの?」みたいな(笑)。Daokoさんの“MAD”もリリースされるまで知らなくて。めっちゃかっこよかったので、Daokoさんにお願いして僕のヴァースを入れた“MAD”をアルバムに収録させてもらいました。

Yohji Igarashi - ラップが乗らないとわからない魅力があるんですよね。自分で作ってた段階では「リリースするまでじゃないな」と思ってても、HIYADAMさんが新しいフロウでラップを乗せてくれると確かにかっこよくなる。そうやって生き返ったビートはたくさんあります。

HIYADAM - イガラシくんに「お蔵入りにしてるビートをまとめて僕に送ってください」ってメールしましたもん。しかも実際送られて来たビートはかっこいいのばかり。マジでイガラシくんの基準がわからないです(笑)。

「僕から提案する世界観のすべてがみんなとまったく違うんだ」と思わせたい

- お二人の出会いはかなり前だと思うんですが、HIYADAMさんがYohjiさんと一緒にやろうと思った時、HIYADAMさんのヒップホップ観はどんなモードだったんですか?

HIYADAM - 20歳くらいの頃からなんとなく四つ打ちでラップしたいって思ってて、ずっと自分に合うビートメイカーを探してました。僕がその時々で今面白いと思うビートをくれる人が良かったけど、イガラシくんと出会うまではなかなかいなくて。「別に今トラップとかやりたいわけじゃないんだよな」みたいな。そんな時にイガラシくんと出会ったんです。

Yohji Igarashi - 2017〜18年くらいだよね。

- トラップ全盛期ですね。

HIYADAM - そうっすね。

- ヒップホップには人と違うことをやって、常にフレッシュであり続けることも大事ですが、一方で、あえてトレンドのビートに乗ることで自分のスキルやバイブスのヤバさを際立たせるコンペティティブ(競争的)な側面もあります。

HIYADAM - 確かにそういう面もありますね。それで言うと、僕は「僕から提案する世界観のすべてがみんなとまったく違うんだ」と聴いてる人に思わせたいです。だからイガラシくんのようにめちゃくちゃヒップホップが好きで、同時にいろんなタイプのビートを作れる人をずっと探してました。

- それってすごく言語化が難しい感覚なので、2人が出会えたのはほとんど奇跡ですね。

HIYADAM - はい。すごくデカいっす。イガラシくんのおかげで僕の世界観は劇的に広がりましたから。

Yohji Igarashi - そんなふうに言ってもらえるのはすごく光栄です。確かにラップが乗った四つ打ちのヒップホップって、昔はパーティーっぽいのばっかりだった印象なんですよね。僕はもっとダーティな雰囲気のものがあっても良いと思ってたけど、HIYADAMさんと出会う前の僕は、今もまだ何者でもないですけど、もっと何者でもなかったので、発信したとしてもなかなか届かなかいような気がしてたんです。だからHIYADAMさんが自分のビートに反応してくれたのは本当に嬉しかった。

- 良い話。

Yohji Igarashi - 僕は知り合う前から普通にHIYADAMさんのファンだったんです。ずっとヒップホップのフィーリングを感じてました。僕はあまり人からそう見られないけど、本当にヒップホップが大好きなんです。ハウスを聴くようになったのは大人になってからだし、自分が聞いて育ったのはヒップホップです。自分的にはすべての価値基準の軸になってるのがヒップホップ。極論、洋服ですら「これはヒップホップか否か」で選んでますし。そういう感覚もHIYADAMさんとは共有できたんですよね。

HIYADAM - そこは間違いなくそう。

Yohji Igarashi - HIYADAMさんはずっとヒップホップを体現してる。僕はヒップホップ的にもアリなクラブミュージックをミクスチャしたサウンドを作りたかったんです。

中学生でSALUくんを見て「壊してっていいんだ」と思った

- Yohjiさんとは別媒体で一緒に連載していることもあって、日本語ラップがベースにありつつ、AraabMUZIKやDiplo、EDM、さらにハイパーポップなどネット発のダンスミュージックに至るまで幅広く音楽を聴いてると知ってるんですが、HIYADAMさんはどんな音楽に影響を受けてきたんですか?

HIYADAM - いわゆるレジェンドみたいな人ですよ。Lauryn Hill、Bob Marley、D'Angeloとか。

- でもHIYADAMさんはクラシックへのリスペクトは感じるけど、同時に固執せずにどんどん拡張している印象を受けます。

HIYADAM - どうなんだろう……。そこはたぶん自分が中学生だった頃にSALUくんの活動を見てたからだと思います。型に囚われずどんどん新しいことをしてたじゃないですか。僕は「あ、壊してっていいんだ」って思ったんですよ。そういう先輩方がいたから、僕自身も別に何聴いてもいいよね、って感覚になっていったんだと思います。

Yohji Igarashi - 拡張って話で言うと、例えば今から四つ打ちのラップを始めるのはあまり格好良いタイミングではないと思うんです。さっきも言ったけど、HIYADAMさんが四つ打ちでラップし始めた頃は、ほとんど誰もこういうことやってなかった印象なんです。長い時間をかけて地盤を築いてきたからこそ、このアルバムがあると思うんですよね。

HIYADAM - そういう感じなんですね。そこは僕、自分じゃわかんないかも。無意識ですね。

Yohji Igarashi - 嘘がないというか。「やってみた」感がないというか。今の時代ってそこも伝達しちゃうと思う。

- では、制作で難しかったポイントはありましたか?

HIYADAM - やっぱり“Opera”ですね。乗せるのが難しいわけじゃないんですよ。そこはどうにもでもなる。でもどれくらい気持ちを込めて歌えるかっていうのが。

- それはSALUさんとDexus Ogawaさんのラップが入って、「もっと自分もやらなきゃ」と思わせられた?

HIYADAM - いやそういう意味ではないです。これは他の曲にも言えるんですけど、勝ち負けとかないです。あくまで僕個人の中の問題ですね。

- Yohjiさんはいかがでしょうか?

Yohji Igarashi - 今回は半分くらいミックスもやらせてもらったので、最後の数ヶ月はいろんな曲のいろんな部分をずっと直してましたね。クラップの音とか、すごく細かいところ。でも実はそういうちょっとした部分が一番大事だったりするんですよ。自分の中のゴールラインに辿り着くためにずっとやってました。僕は結構色強めのトラックメイカーだと思われてる気がするんですけど、基本的に今回のビートは、自分というよりHIYADAMさんの世界観をよりかっこよくするためのものだという感覚でやってましたね。

HIYADAM - 嬉しいっすね。

- 最後に「これだけは言っておきたい」ということがあれば。

HIYADAM - ……僕は特にないかな(笑)。

Yohji Igarashi - じゃあ僕はなんか良いこと言ったほうがいいですね(笑)。冗談はさておき、これは本当にそうなんですけど、HIYADAMさんと出会った頃の自分は本当に何者でもなかったんですよ。自分でEPを作ったり、近いところの方にビートの提供はさせてもらってましたけど、本当、何者でもなかった。だからそういう意味ではHIYADAMさんには僕とやるメリットはなかったと思うんです。なのに僕と組んでくれたのが、その時の僕にとってはすごく大きなことで。今回のアルバムは「あの時、HIYADAMさんが僕を選んだことが間違ってなかった」と証明できる作品にしたかったんです。

HIYADAM - 嬉しいですね。イガラシくんあっての僕ですよ。これからもよろしくお願いしますね。

Info

2024.05.22 Digital Release
ALBUM「Capture Land」
Label:AOTL

M01:Opera feat. SALU, Dexus Ogawa
M02:Small World feat. Elle Teresa
M03:Come! feat. Only U
M04:Yabba Dabba Doo! feat. ゆるふわギャング
M05:E:motion feat. (sic)boy, Ryugo Ishida & Kenya Fujita
M06:Sp33d★s feat. JUBEE
M07:Bet feat. Ralph
M08:Dishhh! feat. MonyHorse
M09:寝起 feat. VILLSHANA
M10:I RAVE U (Remix) feat. KAMIYA
M11:Dirty feat. Jin Dogg
M12:PUMPPP feat. kZm
M13:MAD (Remix) feat. Daoko
M14:Honey feat. Yo-Sea
M15:Champ feat. vividboooy
All Tracks Produced by Yohji Igarashi

配信リンク:https://aotl.lnk.to/HIYADAM_CaptureLand

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