【対談】 Tim Pepperoni × Lunv Loyal | NERVOUS MODE

東京を拠点にするヒップホップクルー、Sound's Deliに所属するラッパーTim Pepperoniが6月に発表したソロ名義でのファーストEP『LSD VS ADHD』。全5曲の本作で彼はラッパーとしての地力、持ち前のハイトーンラップの響きによる軽やかさ、その第一印象から相反するレイジでダークな世界観を内包したリリックを見事にひとつの作品に落とし込んだ。

本稿では収録曲“NERVOUS MODE”で客演に迎えたLunv Loyalを対談相手に、ふたりがいま思うラッパーとしてのスタンス、サウンドへのアプローチ、将来の展望などを大いに語ってもらった。Tim Pepperoniからの熱いラブコールを経て実現した本コラボレーション。その詳細なコメンタリーとして読んでいただきつつ、『LSD VS ADHD』を随所まで楽しんでもらいたい。

取材 : 高橋圭太

撮影 : Chihiro Ishizuka

構成・企画 : Mr.PM as PoLoGod. (MANHATTAN RECORDS)

- さっそく本題から伺っていくんですが、ふたりはどのようにして“NERVOUS MODE”をいっしょに制作することになったんでしょう。出会いのきっかけというか。

Tim Pepperoni - もともとは自分がLunv Loyalさんの曲をめちゃくちゃ聴いてて。“NAOYA INOUE”が出たぐらいかな? いっしょにやってみたいって気持ちがすごく強くなってコンタクトを取ったんです。そのタイミングではすでに“NERVOUS MODE”は自分のヴァースとフックが入ってたんで、それを送って。

Lunv Loyal - 自分の昔からの友達で、アパレルをやってるRyganoってヤツを介して連絡くれたんだよね。自分は基本、友達以外の客演は断らせてもらってるんですけど、送られてきた音源を聴いたら「おお、やべえ!」ってなって。これはやんないわけにいかないでしょってなったっすね。

- じゃあ直接の面識はない状態で。

Lunv Loyal - まったくなかったっすね。

Tim Pepperoni - オファーしたときは自分もまだソロのリリースがなかったので、ほぼダメ元でオファーしたんですよ。曲を聴いてくれて、参加してくれるってなったときは地元の友達に自慢しましたね(笑)。

Lunv Loyal - マジか(笑)。

Tim Pepperoni - 地元の友達もめっちゃ聴いてるんですよ。家に遊びに行ってもずっと流れてる感じで。

Lunv Loyal - そもそも送られてきた曲がカッコよかったので話が早かったっすね。これで食らって、食らいっぱなしのまま断ったらラッパーじゃないでしょって思って。ビートも普段乗らないような感じだったので、ちょっと苦戦しましたね。録り直しましたもん、めずらしく。

 - 普段の制作では録り直すことはあまりない?

Lunv Loyal - そうっすね。基本的には書き直したりもしないんで。乗せ方だったり、声を乗せたときの違和感とかを埋める作業という感じでしたけど。

 - Lunvさんのヴァースが入って返ってきたときの感想は?

Tim Pepperoni - 自分は内気な性格っていうのもあって、ストレートな表現みたいなのがなかなかできなくて。どうしても、あえてわからないような発音で言ってしまう。Lunvくんのヴァースは自分とはまったく正反対で、自分がこれまでLunvくんの作品で聴いてたような言葉の感じが自分の曲に入ってくることにめっちゃ上がりましたね。上がりすぎて電話しちゃったっすもんね、Lunvくんに。「めっちゃヤバいっす!」って。

Lunv Loyal - 「これじゃちがう」って言われる可能性もあるなとは思ってたんで、気に入ってもらえてよかった。

 - リリックのコンセプトについても訊きたいなと。着想はどのように?

Tim Pepperoni - ああいうキラキラしたビートでやってるひとは日本でもいっぱいいると思うんですけど、自分としてはいわゆるパーティチューンみたいにはしたくなくって。どこかに暗い表現……レイジというか、怒りの感情も含んだものを作ろうと。

Lunv Loyal - 明るさだけじゃない、本音の感情というか。

Tim Pepperoni - そうそう。もがいてる部分も見せたかったんです。そういえば制作中はLunvくんにリリックしか送ってなくて、こういう歌詞の意図についての話はいま初めてしますよね。Lunvくんのリリックもボースティングやフレックスだけで完結してなくて、その裏にクソみたいなこともあるってことも言ってくれたのが最高で。それが自分が曲のなかで言いたいこととも共通してて、まとまったなっていう。

Lunv Loyal

 - Lunvさんはどのようなことを考えながらリリックを書いていったんでしょう。

Lunv loyal - まず、この曲での「NERVOUS」は(気持ちが)張ってる感じじゃないかなと思って。でも、みんなそうじゃないっすか。だれでも自分が勝負する場面ではナーバスになるし、もちろん理想は力を抜いていければいいけど、それは理想であって、そうなるためにいまがんばってるわけですよ。理想と現状ってやっぱりギャップがある。だからこそ、歌詞のなかでそのギャップを伝えたいっていうのがあって。リリックを書くときにオレがいつも意識してるのは、ビートと歌詞のギャップなんです。たとえば暗い曲に暗い内容を歌ってもおもしろくないでしょ? それは毎回意識してる。“NERVOUS MODE”はビートはポップなんだけど、送られてきた歌詞のテーマはポップさとは距離があって。その意味ではいつも通りの自分でいけるなって。

 - ラップの技術的な面でいったら、どんな部分が今回のポイントだと思いますか?

Tim Pepperoni - 自分はこれまで自分がやった曲のなかではいちばん高音域に挑戦しましたね。

Lunv Loyal - やっぱり(笑)?

Tim Pepperoni - この曲について「ピッチ上げてる?」って言われることがあるんですけど、全然ピッチはいじってなくて、オートチューンだけなんですよ。しかも、そんなにたくさんのプラグインを挿してるわけじゃなくて。

Lunv Loyal - これはだいぶ見せつけたでしょ。

Tim Pepperoni - ありがとうございます。タバコをやめたので(高音域が)出たっていうのもありますね。吸ってる時期だったらライブでこの曲できないと思います(笑)。

Lunv Loyal - オレはタバコやめれてないもん。アーティストだなぁ(笑)。自分は技術的なところでいったら……なんだろう? でもいつも思うのは、たとえばひとつのヴァースのなかに100個の技術が含まれてるとすると、気づいてもらえるのって大抵2、3個なんですよね。だから好きなふうに受け取ってもらえたらいいんじゃないかなと思ってます。ただ、毎回だけど自分のできる120%を出してるっていうのは確実に言える。

Tim Pepperoni - 自分はヴァース後半のドラムが抜けるところがヤバいなって思ってます。あと、どこで拍を取ってるんだろうって。

Lunv Loyal - 拍の取り方は企業秘密(笑)。そこまでたいしたもんじゃないけど。

Tim Pepperoni - 天性のリズム感というのもあるんでしょうね。ブーンバップでずっとやってきたひとがトラップやるとすこし後ろで乗っちゃったりとかもあるじゃないですか。

Lunv Loyal - でも、オレがラップはじめた最初のころなんて、トラップはほぼなかったし、どんなビートでも乗れるのがラッパー、みたいな風潮があったんだよね。だから昔からいまでもやってるひとは全員上手いっすもんね。やっぱりラップは練習あるのみ。

Tim Pepperoni - それは間違いないですね。

 - ちなみにおふたりの年齢差って?

Lunv Loyal - 自分が5歳上ですね。

 - とはいえそこまで年齢差のギャップは感じませんね。

Lunv Loyal - そのための音楽でもありますからね。でもやっぱりまわりがみんな若いし、ケツがつっかえちゃってるんで。自分ががんばらないとっすね。意外と東京って世代の入れ替わりがそこまでないんだなって思ったっす。でもこれは日本全体の話でもあるかも。年功序列って文化がある時点で、いくらヒップホップとはいえ全然ザラに30歳くらいでも売れてくるわけじゃないですか。それってこの国のシステムだなとも思ってて。そこをオレらは、次の若い世代がおなじようにならないような動きをしていかないと。

 - ヒップホップは基本的にユースミュージックですからね。もちろん上の世代でもカッコいいひとはカッコいいと思うんですが、上の世代が実力もないのにシステムの構造というだけで若い世代から搾取できちゃうのは違うというか。

Lunv Loyal - 結局、金を生むのは若い子だから、金がほしかったらそこにはアプローチしていかないといけないし、その部分はむずかしいですね。じゃあオレがおっさんになったときどうなるのかはわからないけど、そのためにいまはパイプをつなげるというか。自分のまわりの若い子たちに確実につないでいかないといけない。もちろん若い世代のためでもあるけど、同時に将来の自分のためでもあるんで。自分は東京生まれ東京育ちじゃないから、東京でガッツリやってきたアーティストにはやっぱり遅れをとっちゃうんですよ。その点に関してはマジで近道がないなと思ったし、ローカルでゼロからプロップスを得ても、そこから東京に出てきたらまたゼロからスタートじゃないですか。そのシステムも自分が頑張ることで若い東京以外のアーティストが時短できるようなモデルを作れればなって。

Tim Pepperoni - ネットが強くなって、最近はSoundCloudとかで発信できるけど……

Lunv Loyal - そう。でも、とはいえなんですよ。逆にTimみたいにそこのアドバンテージがないひとはだれよりも突っ切ってほしいし、いくべきだと思う。

 - かたやTimさんは東京で育ってラップをすることのむずかしさは感じている?

Tim Pepperoni - 東京はもうカルチャーがめっちゃあって、ラッパーはなかなか入れ替わらないかもしれないですけど、流行のスピードはマジでめっちゃ速いわけですよね。本当は流行を引っ張らなきゃいけないけど、それについていっちゃってる時期とかもあるし、それが東京らしい悩みだと思うっすね。ぼやっとしてると取り残されちゃう。逆に東京にいないことで、流行とは関係なく、自分の好きなものを発掘して、それをちゃんと伸ばせる時間があるというのがいいと思うんですよね。

 - ちゃんとブレないようなマインドが育ちますね。

Tim Pepperoni - 自分の場合は、ちゃんと深く向き合っていく時間が去年ぐらいからあったおかげでブレずにいられる。でも東京は全然アンバランスで、つねに綱渡りだと思いますね。しかも音楽以外にもアパレルとかいろんな道があるんで。

Lunv Loyal - たしかに。オレらなんてすがるしかなかったもんな。「これしかねえ!」みたいな(笑)。自己暗示じゃないけど、ほかの道への入口は地元にはないからさ。その違いはおもしろいっすね。どっちも本気でやってくってなると大変な道なんだけど。

Tim Pepperoni - でも自分は恵まれてるっすよ、やっぱ。それを理解して取り組むっていうのはつねにあって。ふんぞりかえっちゃいけない。

Lunv Loyal - それは大事だと思う。そのマインドがないとせっかくの武器も活かせないから。

 - 話を戻して、改めてラップスタイルの話をしたいと思います。そもそもビートに対してのアプローチってラッパーごとに違うし、ある種のタイプがあるなと思ってて。もちろん曲によってもグラデーションがあると思いますが、おふたりはどんなタイプだと自認してますか?

Lunv Loyal - どうなんすかね。タイプというとむずかしいけど、これまで取り入れてきたものや聴いてきたものはめちゃくちゃ影響してるんじゃないですか。そのなかでどう「オリジナルである」ということを意識するか、というか。「オリジナルである」ってことも考えずにただ乗っかるひともいるわけで。日本はそれでも売れちゃえるって部分もありますよね。それで成り立っちゃってるのはどうかなと思うこともあるけど、自分はそういう世界とは別にオリジナルを生むことにやりがいを感じます。

Tim Pepperoni - そうですね。自分だったらハイトーンっていうだけで「Young Thugのパクり」って言われかねない。でも極論、日本語でやってる時点でパクりじゃないと思いますね。大きい枠組みで見たらおなじ手法を採ってるけど、伝えたいこととかは全然違うわけで。

Lunv Loyal - まぁ聴くひと次第みたいなところはあるよね。Young Thug自身が別のハイトーンのラッパーの曲を聴いたときにどう思うかっていうのを考えるのは大事だと思う。基本は聴くひと次第ですよ。ただ、絶対的な線引きはあると思ってて。ラッパー目線から見て「ここがおなじならパクり」みたいな。それを知らないヘッズがたまに言ってる場合とかは「いやいやいや!」みたいなことはある。オレの曲を聴いて「Roddy Ricchに似てる」って書かれて「え〜!」みたいな。とはいえ、むずかしいっすけどね。突き詰めたらそれも自己満足の世界なんで。

Tim Pepperoni - でも、ラッパー側からしたらそれもセンスのうちだなと思うんですよ。自分のなかで出していいこと、出しちゃいけないことがあるじゃないですか。だれかの影響があっても、それを自分で消化できてなかったら「まだリリースできないな」って思うわけだし。でも、そこの考え方が浅いひともいるから。

Lunv Loyal - でも結局はそこの線引きがちゃんとできてるやつが売れていくんだよ。

 - クオリティコントロールというか。

Lunv Loyal - そう。で、それを続けてるひとが勝ってくだけ。

 - その話の延長として、ラッパーとしてのご法度というか、「これだけはやらない」っていうルールってありますか?

Lunv Loyal - いっぱいありますよ。よく言われるけど、ウソを言わないとか。それを歌いたいんだったら、そういう自分にならなきゃいけない。ヒップホップってそういうゲームでもあると思うんですよ。たとえば「ランボルギーニに乗ってる」ってことを歌いたいからランボルギーニ買うためにがんばろうっていう。歌いたいことのほうに自分が引っ張られる、みたいな。

Tim Pepperoni - 自分のなかのルールとして、これから続けていくうちに客演の話とかも来ると思うんですけど、マジですげぇなと思った曲以外は、お金がいくら動いてもやらないっていう意志は持っていたいですね。自分はまだニューカマーなのでどうなるかわからないですけど、そういうことになったときに自分が負けるか負けないかっていうのはいまから備えようかなって。

 - 「負け」という言葉が出ましたが、自分は“NERVOUS MODE”を聴いて「勝っていく」っていう意思をおふたりのリリックから共通して感じたんですよね。それはヒップホップというゲームの話かもしれないし、個々人の人生かもしれないけど、おふたりにとっての「勝ち」ってどんなものなのか訊きたくて。

Lunv Loyal - 自分はいわゆる勝ち負けの世界では生きていないと思っていて。でもあえて言えば、戦ってるのは自分自身だと思うんですよ。過去の自分とか。去年の自分より結果が出ていないとかは自分のなかで負けだし、ここまでのキャリアで負けてたら音楽はやめてると思います。音楽って格闘技とかスポーツと違って勝ち負けが出るものじゃないじゃないですか。数字で勝ち負けが出ない。売れてなくても、ひとりに「世界でいちばんのラッパーはおまえだ」って言ってもらえたら勝ちだとも言える。そういう捉え方ですね、自分は。だから、自分としてはもう勝ってる(笑)。

 - ただ、自分に勝つというのが結局はいちばん高いハードルだったりもしますね。

Lunv Loyal - そうですね。自分のリリックでは「本当の意味で敵はいない」って言ってるんだけど、本当の敵は自分ですよ、やっぱ。

Tim Pepperoni - 自分にとって「楽しい」と「苦しい」みたいなことって表裏一体のところにあると思ってて。それでいったら「勝ち」も「負け」もおなじかなと思ってます。どこまでいってもオレのなかで勝つことで負けが生まれるというか。その繰り返しなんですよね。死ぬまでそうじゃないかなって思います。逆に言ったら、死んだら負けなんですよ。

Lunv Loyal - それはそうだね。人生っていうゲームにおいて。

 - 今回のEPではリリックにTimさん自身の死生観がしばしば表れてると思うんですが、「死」ということに関してはどのように考えていますか。

Tim Pepperoni - 自分自身ではそう思ってないですけど、ADHDということもあって、まわりよりも自分のことを考える性質なんです。思い詰めちゃうときがあって、それを自分のなかで消化するためにリリックを書いてる。なので「死」とかは自分が落ちてるときの表現というか。本当に死が身近であるとか、自殺願望があるとか、大切なひとが亡くなったとかってわけではないんですよ。でも、だからこそ恐れてるっすね。歌詞にそういう表現が出てくるのも恐れてるからこそなのかもしれない。

 - あとは「神」や「GOD」という単語も頻出しますが。

Tim Pepperoni - これは自分にとって超越した視点のなにかとして、都合よく使ってるところがあって。だから神様をめちゃくちゃ信じてるというわけでもないんですよ。

Lunv Loyal - 話に入ると、神様って結局自分じゃねえかなって思うことがよくあって。自分のすべてを知ってるのは神様しかいないとか、自分がサボったときに“神様が見てるぞ”っていうのも、それって結局は自分自身だと思う。みんな自分のなかに神様がいるんですよ。さっきの自分との戦いの話ともつながるけど、俺はそう思ってるっす。神様は自分のなかにしかいないけど、自分のことを全部わかってるし、自分がしちゃいけないと思ってることをしちゃったときは自分に返ってくるっていう。

Tim Pepperoni - たしかに。「神様からのお告げ」みたいなことも、最終的には自分のなかの罪悪感みたいなことからきていると思ってて。だからリリックで「ありがとう、神様」みたいなフレーズを言っていても、それって自分の成果であって、「神様」って言うことで謙遜した表現にしてる感じなんですよ。

 - なるほど。EPのサウンド面についても伺いたいんですが、打ち出しとして『LSD VS ADHD』はハイパーポップ的なサウンドで構成されていると。ここでいうハイパーポップって厳密な定義付けがむずかしいと思うんですけど、Timさんが考えるハイパーポップを言語化すると?

Tim Pepperoni - ハイパーポップもいろいろな音楽が組み合わさって派生したジャンルだから、便宜上そう言ってるというのもあって。そんなに「オレ、ハイパーポップです!」みたいなことでもない。でも、ハイパーポップも終わりはじめてるって海外のプロデューサーのなかではなってるっぽくて。しかも1曲目の“+RAGE”はハイパーポップというより、「レイジ」っていうジャンルで。Trippie Reddの“Miss The Rage”がルーツらしくって。まぁ、こういうジャンルってどんどん消えたり生まれたりして変わっていくと思うし、特に強いこだわりがあるわけじゃない。単純にヤバいと思ったビートでやったって感じですかね。ただ、ひとつ自分のこだわりとしては暗いビートでやらないってことかな。

 - それにはなにか理由があるんですか?

Tim Pepperoni - 自分自身がいまはまだ暗いマインドだからですね。もっと上に行って、お金があって、高級車とか乗ってたら暗い曲を作ってもいいかなって。

 - Lunvさんはこれから挑戦したいビートのタイプってありますか? これまでやってこなかったようなサウンドで、かつ自分のラップスタイルにも合いそうなものというか。

Lunv Loyal - オレはなんでもやりたいと思ってます。自分でやりたいものは自分のアルバムでできちゃうから、こういう客演のお話はその意味でチャンスというか、チャレンジできるタイミングだと思ってるので、バンバンやりたい。自信もあるし。ダサくなるんだったら出さないですけど、カッコいいと思うビートに関してはなんでもいけるというか、いきたい。日本人ってやっぱりこだわりが多いじゃないですか。USのビートってアメリカのいろんな街の色が出てるものだと思っていて。NYならNYっぽいビート、アトランタならトラップ、LAならウェッサイとか。あれって街のカルチャーですよね。だから、そうなのに日本人はたとえば「俺はウェッサイだ」つって西海岸っぽいビートしか使わないっていうのは、もったいないんじゃないかなって。それならUSの流行とはまったく違う角度で自分だけのビートを作って、それを自分の地元で流行らせたい。地元でその街っぽいビートを流行らせるほうがおもしろいんじゃないかなって。それに挑戦する前にいろんなタイプのビートでやりたいと思ってます。

 - では最後におふたりの今後のビジョンを伺ってインタビューを締めたいと思います。Lunvさんの今後の展望は?

Lunv Loyal - いい音源を作ってリリースして、そっからライブして、ってルーティンは変わらないですね。で、そのルーティンを続けながら、できるだけ自分のなかの世界をデカくしていきたい。ゆくゆくは日本を代表するラッパーになりたいし、海外でもライブしたい。思うんすけど、50年後とか100年後は絶対音楽の教科書にヒップホップが載ると思うんですよ。ラッパーも載ると思うし。そこに載れるようなアーティストになりたいっす。

Tim Pepperoni - 自分は今回のEPを作るにあたって、収録された5曲は自分にとってクラシックになったなって。そういう曲を今後もずっと作り続けていくストイックさを持って、時間とかお金に囚われずに続けていければ。リリースに関しては、クルーのSound's Deliのアルバムがリリースするし、ソロはもちろんガンガン出していきます。いまいっしょに制作してるビートメイカーとのEPもいいタイミングで出せればいいなと思ってて。で、Lunvくんともまた曲作れればいいな。

Lunv Loyal - いいね。今後もいっしょに曲作りしよう。楽しみにしてます。

Info

アーティスト:Tim Pepperoni

タイトル:LSD VS ADHD

発売日:2021年6月9日 (水)

仕様:デジタル

レーベル: 2021 Tim Pepperoni

【Tracklist】

1. +RAGE (Prod.Pulp K) 

2. THE SIMULATION 2021 (feat. Kaleido) (Prod.Pulp K x KAAJ) 

3. NERVOUS MODE (feat. Lunv Loyal) (Prod.Pulp K x Synthetic x Sharkboy) 

4. GOD SLIME (feat. Moon Jam) (Prod.Pulp K x Synthetic x Sharkboy) 

5. HAPPY BIRTHDAY(Prod. Atsunori Kaneda)

Written by Tim Pepperoni

Mixed by MET TOKYO BANGIN'

■配信リンク:

https://timpepperoni.lnk.to/LSD_VS_ADHD

■Tim Pepperoni / LSD VS ADHD T-Shirts

発売日:2021年8月15日 (日)  

*18時よりManhattan Records オンラインより販売スタート

商品価格 : 3600円+TAX

カラー : WHITE

サイズ : M / L / XL

販売Link :  https://manhattanrecords.jp/Form/Product/ProductList.aspx?shop=0&cat=&pgi=&cicon=&dosp=&dpcnt=60&img=1&max=&min=&sort=10&swrd=TPG001&udns=2&fpfl=0&col=&pno=1

RELATED

【インタビュー】DYGL 『Cut the Collar』| 楽しい場を作るという意味でのロック

DYGLが先ごろ発表したニューEP『Cut the Collar』は、自由を謳歌するバンドの現在地をそのまま鳴らしたかのような作品だ。

【インタビュー】maya ongaku 『Electronic Phantoms』| 亡霊 / AI / シンクロニシティ

GURUGURU BRAIN/BAYON PRODUCTIONから共同リリースされたデビュー・アルバム『Approach to Anima』が幅広いリスナーの評価を受け、ヨーロッパ・ツアーを含む積極的なライブ活動で数多くの観客を魅了してきたバンド、maya ongaku

【インタビュー】Minchanbaby | 活動終了について

Minchanbabyがラッパー活動を終了した。突如SNSで発表されたその情報は驚きをもって迎えられたが、それもそのはず、近年も彼は精力的にリリースを続けていたからだ。詳細も分からないまま活動終了となってから数か月が経ったある日、突然「誰か最後に活動を振り返ってインタビューしてくれるライターさんや...

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

Floating Pointsが選ぶ日本産のベストレコードと日本のベストレコード・ショップ

Floating Pointsは昨年11月にリリースした待望のデビュー・アルバム『Elaenia』を引っ提げたワールドツアーを敢行中だ。日本でも10/7の渋谷WWW Xと翌日の朝霧JAMで、評判の高いバンドでのライブセットを披露した。