Mix for Weekenders Vol.7|Selected by nutsman、Stupid Kozo、KIRAYAMA

インターネット上にアップロードされているDJミックスの中から、週末を楽しむのにぴったりな物を紹介する連載企画『Mix for Weekenders』。

第7回となる今回は岐阜市在住で昨年は初の流通作品となる『amago』をリリースしたnutsman、ネットラジオAbysmal Loungeを主宰するStupid Kozo、自身がホストを務めるNTS Radioのレギュラープログラム『From Sun City』にて数多くのミックスを披露するKIRAYAMAの三人に、お気に入りのミックスや影響を受けたものを紹介してもらった。これらのミックスと共に、楽しい年末年始を過ごして欲しい。

Selected by nutsman

PPTV - New Ugly Fellow

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加速が更なる加速を呼ぶ時代、今回紹介させて頂くMIXはそんな時代に合ったものではないのかもしれませんが、週末というよりは年の瀬、多くの人達が駆け足で過ぎがちなこの時期にゆっくり聴いてもらいたい素敵なMIXです。

私がDJを始めてから勝手に「妖精」と認定している(失礼でしたらすいません)DJが日本各地にいます。明確な定義は無いけれど、分かりやすく説明するのであれば、選んでいる曲から常にそのDJの中身がぼんやりと、湯けむりのように立ち昇り、包まれていく感覚。皆さんも経験したことありませんか?確かにDJであれば誰もが自分の好きな曲をプレイすることが前提だとは思いますが、私が惹かれる妖精達のDJからは、単なるノスタルジック(又は懐古主義的)ではない、こんな時代だからこそ大切にすべき事柄をいつも教えられます。

前置きが長くなってしまいましたが、今回は北陸金沢の妖精「PPTV」が7年前にSoundCloudへUPしたMIX「New Ugly Fellow」を紹介します。DJだけでなく、和菓子職人、また近年は電気囃子ユニット「おしくらまんじゅう」の一人としても活躍する氏ですが、このMIXは氏のより有機的な一面にフォーカスした内容になっていると思います。イタリアのジャズトランぺッターPaolo FresuとキューバのピアニストOmar Sosaによる幸福感に満ちた奇跡の一曲から幕を開け、近年では日本でもお馴染みとなったMockyの楽曲へ。その後も2010年以降のブラジル音楽、フォークレロ、どこか一癖あるHIPHOPにR&B。DJ KOZEによる隠れた名曲から後半のJAZZパート、静かに込み上げるクライマックスまで。実は今回の紹介にあたって氏から新しいMIXも送ってもらい、勿論そちらも素晴らしかったのですが、今回はあえて7年という時を経て、今まさに発酵を始めているこちらのMIXを選ばせて頂きました。とはいえ氏がリリースし続けている作品はパッケージングも含め、どれも素晴らしいので是非チェックしてみて下さい。

それでは皆さま、よい12月を~

Selected by Stupid Kozo

ALL ABOUT OUR LOVE W/ HARRIET BROWN - 21st October 2019

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ミックスと言ってもシチュエーション/気分/目的で聴くものが変わるので1つ選ぶとなるとかなり迷いましたが、今回は今年2月に発表した2ndアルバム”Mall of Fortune”も素晴らしかったLAのシンガー/マルチインストゥルメンタリストHarriet BrownのNTSショウ”All About Our Love”から10/21放送の最新回を選ばせて頂きました。

この”All About Out Love”はHarriet Brownがただひたすら彼のお気に入りのR&B/Soul/Funk/Rock/Reggaeを流していくショウなのですが、彼のレイドバックした選曲が最高で、肩肘張らずに気持ちよくなれるミックスショウとしていつも重宝してます。

普段はLAのNTSスタジオから放送してるんですが、今回はロンドンのスタジオから放送ということで、持参したレコードに加えて、現地でゲットしたレコードを掛けるという更にゆるいスタイル。レゲエから始まり、R&B、Princeの20分弱に渡る”The Scandalous Sex Suite”を挟みOmar、Maxwellといったスロウジャムで完結していく、とにかく場所と天気を選ばない、つい何回も手が伸びる素晴らしいミックスになっています。

Princeガン流しもそうですが、この回に限らずこのショウは彼の曲を聴いたことのある人なら納得のいく選曲というか、ファンクでもアンニュイなテイストだったり、Maxwellがやたら多かったりと彼の趣味全開な所にいつも1人で妙に納得しちゃってます。

毎回オープニングに使用している波の音となぜかスクリューボイスの彼の喋りも絶妙で、是非この回を聴いて気に入った方は、過去回も溯ってみて下さい。

次点で選びかけたミックス

大好きだが身内過ぎて選ぶのがはばかられたミックス達

Selected by KIRAYAMA

20190518_b2b

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‘19年5月に大阪HOPEKENで開催されたイベント「街道そだち」で録音されたyudayajazz氏とDJ bobu氏によるB2B。

今年は今までの人生で一番クラブミュージックの新譜(とDJミックス)を聴いていたのですが、振り返ってこの年一番好きで聴いてた記憶がある録音です。

2時間と少しのこのミックスで聴かれる日本の音楽は、70年代と80年代を中心としながら、いわゆるシティポップ再評価の色々とはそもそも関係ない所で、でも確かにアップデートされている「今聴きたさ」を共有しながら優しく降りて行く感じ…。

背景に両氏の歯をくいしばるようなディグを想像せずにはいられませんが(終盤の山達love spaceの学生カバーとか壮絶過ぎませんか…)、そうして出力されたものは非常な音楽愛に満ちた優しい世界。。最高です。お正月休みに聴くのもぴったりかと思います。

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