ストリーミングサービスへの違法アップロードによって推定300億円の損失がアーティストとレーベル側に与えられている可能性
ストリーミングサービスが浸透し、多くの音楽ファンが利便性を享受した一方で、様々な違法な利用が生まれている様だ。
Rolling Stoneによると、Hopeless Recordsの創設者であるLouis Posenはストリーミングサービスへの違法アップロードによって、推定300億円の損失がアーティストとレーベル側に与えられている可能性がある事を主張した。ストリーミングサービスが普及した昨今では、違法アップロードは無視できないものとなっている。
Posenは初めに、自身のレーベルからリリースされたある楽曲が6つのプレイリストに追加された後、3日間連続して1日に35000回も再生されていた事に気付き、不可解に感じたという。調査に乗り出したPosenは「プレイリストは最近作成されたもので、1週間の内に多くのフォロワーを獲得していました。しかし、それ以来フォロワーが増える事はありませんでした。そして、これらは全て3日間で行われるのです。」と、作成されたプレイリストが再生回数を獲得するためだけに、何者かによって作為的に作られたものではないかという可能性を示唆した。
また、最も問題とされているのがプレイリストへのハッキングだという。デジタル配信の匿名のソースによると「プレイリストはネットワークを構築しており、何百万のリスナーへのアクセスが可能」となっており、「アーティストはそのプレイリストに自身の楽曲を加えるためにお金を支払っている」そうだ。しかし、Posenは何者かが「プレイリストが音楽を配信していない際に、プレイリストのアカウントをハッキングし、そのアカウントから違法アップロードの楽曲が配信している可能性がある」と話す。
Posenは「私たちはFacebookや他のソーシャルメディアの様に、後ろ盾を伴わずに急成長したテクノロジーを扱っている」と、急速に普及したストリーミングサービスに対して慎重になる必要性を取り上げ、「ストリーミングサービスは急成長を遂げた一方で、プラットフォームの悪用を防ぐリソースを持ち合わせていない」とストリーミングサービスの脆弱性についても言及した。
そして、世界のストリーミング再生の3~4%が偽物、あるいは違法なものだとPosenは主張し、「まだ理解されていないものであり、レーベルやアーティストと話をしても彼らは自分達のポケットから金を抜かれているという感覚を持っていない」と、当事者ですら違法アップロードなどへの理解が進んでいない現状を危険視している事を明かした。