Tory Lanezが自殺を教唆する危険なインターネットミーム『MOMO Challenge』に警鐘を鳴らす

昨年の夏頃より海外のインターネット上で爆発的に広がったインターネットミーム『MOMO Challenge』をご存知だろうか?メッセージアプリWhatsAppやFecebook、『マインクラフト』などのオンラインゲームを中心に始まり全SNSに波及したこのミームは、ティーンエイジャーを対象に自殺を教唆する非常に危険なものだ(リンク先はいずれもニュース記事ですが、実例としてショッキングな画像が表示されているためご注意下さい)

まず、SNSで「MOMO」という名前の人物にコンタクトを取る。すると、鳥と人間の女性を合体させたような顔の不気味な画像(日本のアーティスト相蘇圭介氏の作品『姑獲鳥』が元ネタ)が送信され、「お前の行動を全て監視している」などといったメッセージが届く。続いて様々な行動を取るように指示がなされるのだが、これらは全て最終的に自殺へと繋がる危険なもの。要するに、子供を対象とした嫌がらせという訳である。この『MOMO Challenge』によって実際に自殺を図った例も報告されており、昨年死亡したアルゼンチンの12歳の少女のスマートフォンにはこの『MOMO Challenge』を実行した記録が残されていた。自殺には及ばずとも興味本位で「MOMO」とコンタクトを取り、精神的な不快感を覚えたという声がSNSで多く上がっている。現在『MOMO Challenge』はさらに悪質なものとなっており、YouTubeなどで普通のビデオを観ている最中に『MOMO Challenge』の画像が表示されるといった形のものが広がっている。

今回、Joyner Lucasとのビーフも話題となったトロントのラッパーTory Lanezが自身のInstagramを更新し、『MOMO Challenge』への警鐘を鳴らしている。彼は昨日一本のビデオ(現在は削除)を投稿し、「まず、俺はこういった類のビデオを作ったことはない。俺は普段”こういうものに気をつけろ“とか”これをするな”とは言わない。でも、これに関しては、俺は息子を持つ父親だから別だ。YouTubeにある『MOMO Challenge』、これは俺をぞっとさせたよ。怖いからじゃない、それが子供に向けたものだからだ。普通のビデオを観てる途中に、あの人形の顔が出てくる。それで、“自殺しろ”だの“他の子供を殺せ”だのといった指示をするんだ。“親が眠るまで待て”と言ってな。俺たちはこれに目を向けて、親は教育をしなきゃいけない。子供をあれから遠ざけるんだ」と、親の立場から強い危険を感じたことを明かし、親たちに子供を指導するように呼びかけている。

2017年頃にはロシアで『Blue Whale Challenge』という自殺教唆のミームが流行し、実際に100人を超える死者を出したとも言われ社会問題化した。また、YouTubeでの子供を対象とした嫌がらせといえば子供に人気のあるキャラクターに生理的不快感を呼ぶ行動を取らせるビデオ「エルサゲート」が連想される。

このようにインターネットには悪意のあるコンテンツが数多く氾濫しているのが現状だが、Tory Lanezの言う通り親がそれらの存在を認識し、子供を意識的に守ることが危険を回避する一番の方法となる。彼のようなアーティストが警告を行うことで、一人でもこのような危険を認識する者が増えれば事態は改善するのかもしれない。

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