YouTubeがロンドン市警のリストにあったUKドリルのミュージックビデオの大半を削除

アメリカのシカゴ発祥の音楽ジャンルであるドリルの影響を受け、独自の発展を遂げてきたUKドリル。しかし、昨年の6月、暴力的だとしてUKドリルシーンのミュージックビデオ30本がYouTubeから削除されたことを皮切りに、その削除されたビデオがPornHubにアップされたり、実際にUKドリルのアーティストが声明を発表するなどUKドリルシーンは混迷を極めつつあった。そんな中、ついにYouTubeがロンドン市警からの要請によりさらに70にも及ぶUKドリルのミュージックビデオを削除した。

これにより、2015年にロンドン市警の対策チームがリストアップした129のビデオの内、102のビデオが削除されたことになる。この活動はロンドンにおけるギャングによる犯罪や殺人などの事件を減らすために行われているもので、UKドリルのミュージックビデオにそのような犯罪を助長するような描写があるため削除の対象にされているのである。

対策チームは1900にも及ぶ数のビデオを監視していたそうで、メンバーの1人であるMike Westは「事実として、2年半から3年かけてではなく6ヶ月でより多くのビデオが削除されたのは正しい方向への一歩だ」と今後も規制を強めていくことをほのめかしており、UKドリルシーンに吹く向かい風はまだまだ続きそうだ。

しかし、もちろんこの方針に反対している人々もいる。今月の初めには、人権問題を取り扱う弁護士や学者、そして多くのアーティスト達が警察に対し、ギャングによる犯罪を捜査する際に差止命令やその他の抑圧的な措置を行うのを止めるよう求める文書に署名している。

この動きはロンドンを拠点に活動するデュオSkengdo × AMがコンサートにて警察を批判する曲を披露した後、警察により拘束されてしまったという事件を発端として起こったものでロンドンにおける警察権力の暴走が見て取れる。

実際にビデオを削除することにより、ギャングによる犯罪は減っているのかは不明だが、いずれにせよ国の公的機関が音楽の一ジャンルにここまで介入するのは暴走と捉えられても致し方ないといえるだろう。もう少し視野を広げ、問題の本質を見極めるべきだ。

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