Def Jamの重役がA&Rの意義について語る
若いミュージシャンがブレイクすることは過去に比べますます簡単になってきている。SNSやSoundCloudのようなサイトなど様々なプラットフォームを利用してインデペンデントな活動を行い、レーベルと契約をしないアーティストも増えてきているなか、レーベルのA&Rがスカウトをするというスタイルは廃れつつあるという意見もある。しかし、Def Jamの副社長であるSteven VictorはHITS Daily Doubleに対してA&Rによるアプローチのメリットを語っている。
Steven Victorは「俺は古風な方法でやってるよ。誰かを見つけて、才能があるスーパースターだと思ったら契約するんだ。数字は見てないよ、数字は嘘をつくからね。最近は流行がすぐに変わるんだ。誰かが出てきても、半年後には何かやらかすか何かが起こって消えたりする。データに基づいた契約をしても少ししか得るものはない。才能もあって、数字も持っていればそれに越したことはないけどね。数字は契約の助けにはなるけど、俺はそれを契約の理由にはしない」と、売り上げなどのデータではなく、自らのセンスでスカウトをし、レーベルがアーティストをサポートすることで長期的な成功と成長が見込めると述べた。
確かに、Chance The RapperやNonameのようにレーベルと契約しないスタイルで成功を収めているアーティストは安定性とスマートさを持ち合わせているが、全てのアーティストがそのようにいられる訳ではない。一過性のバズによって短期的なヒットを記録し、その後消えていく者も多い現在、経験を積んだA&Rによってスカウトをされ、アーティストを正しい方向に導いていくのはとても可能性のあることだろう。レコード会社の存在意義が問われる中、A&Rのスカウトによるデビューが再び音楽業界で主流になることはあるのだろうか?