使用済みレントゲンから作るレコード
1945年から1989年までの冷戦当時、旧ソビエト連邦のロシアではロック
やジャズのレコード販売が禁止されていた。当時のソ連の若者達はレコードを密輸する方法として、使用済みのレントゲンに音楽を焼き付けていた。そんな「ボーン・レコード」と呼ばれる手法を用いてレコードをリリースしているNYのレコードレーベルが登場。
1940年代、スターリン独裁下で、アメリカやヨーロッパなど西洋の芸術や音楽を輸入することを全面禁止されていた時代である。しかし戦争の前線でロックやジャズを聞き、惹かれた兵士がレコードを密輸するために、使用済みのレントゲンフィルムに音源を焼き付ける「ボーン・レコード」を発明し、流通させた。
外国の音楽は社会主義にとって非建設的であるとされ、レコードを販売することも演奏することも禁止されていたため、もちろん所持していることがバレれば処罰されてしまうのだが、それでもロックやジャズを聞きたい若者たちの間でこのレントゲンで作られたレコード「ボーン・レコード」が出回った。
円型カッターでレントゲンを切り取り、音楽を焼き付け、真ん中にタバコの火で穴を空ける。肺のレントゲンがエルビス・プレスリーの曲になったり、そのミスマッチ感と当時戦争中禁じられていた音楽が閉じ込められているという不思議な「ボーン・レコード」に魅力を感じ、現代にレントゲン製のレコードを復活させたレコードレーベルが現れた。
NYのレコードレーベル『Blank City Records』はリリースする音源全ての使用済みレントゲンから作られた「ボーン・レコード」版を限定で販売している。
毎回レントゲン盤は数量限定なため、現在は全て売り切れている。また次のリリースの際にレントゲン版も同時にリリースされるはずだ。
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冷戦当時ソ連で作られた「ボーン・レコード」を画像つきで試聴できるサイトはこちら