Frank Oceanともコラボした中国の現代写真家の任航(レン・ハン)が死去
中国を代表する若手現代写真家の任航(Ren Hang)が死去したと多くのメディアが報じている。死因は自殺とみられている。
任航は1987年中国・吉林省長春市生まれで現在は北京を拠点に活動をおこなっている。「性」がタブーとされる中国で、任航は友人をモデルにヌードを中心に撮り続け、彫刻のようにポーズをとる男女のヌードを、目の覚めるような色彩感覚と詩的な叙情性で表現。勃起したペニス、全裸の男女のヌードポートレートでその名を知られている。30歳の若さだった。
現在、任航の写真を展示しているギャラリーStieglitz19のオーナーもこのニュースを認めている。
昨年Frank Oceanがリリースした『Boys Don't Cry』Zineにも写真を寄稿している。Frank Oceanはtumblrに彼の写真を投稿した。
またGucci、Opening Ceremony、Numeroなどともコラボレーション。死の直前はPurple Magazineのプロジェクトに携わっていた。
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Purple Magazineの編集のOlivier ZahmはInstagramに「彼はすべての世代の若手写真家を刺激した。僕にとって彼は新しいアラーキーだよ」と投稿している。
これまでに北京、パリ、ニューヨーク、東京など世界各国の主要都市で展覧会を開催し、パリフォトやフォトバーゼルなど数々の国際的アートフェアに出展。2011年、自費出版による写真集『REN HANG 2009-2011』と『ROOM』を発表し、以降多数の写真集を刊行している。昨年は東京でも個展を開催した。
展示が中止させられたり、ウェブサイトが削除されたりと、保守的な母国において彼は論争的なヌードポートレートという表現で挑戦してきた。しかし彼の周りには常に彼の美意識やスタンスに賛同する若いモデルがいたことも忘れてはいけない。レン・ハンは過激な写真家というより、特定の社会状況の中で自然と集まったコレクティブなプロジェクトの真ん中にいたフォトグラファーだ。4年前に公開されたVICEによるドキュメンタリーの中で、狭い部屋に多くのモデルが集まってきたこと、そして「彼にしか撮ってもらいたくない」と語るモデルにそれは象徴されているだろう。