インターネット感と現代美術が合流?ヌケメ×みゆととベルリンビエンナーレ放談

DIS Magazine』は、インターネット的な皮肉っぽいユーモアをグラフィックに落とし込んだ、ニューヨーク発のウェブマガジン。言わばネット遊びのプロ。編集を担当するアートコレクティヴ「DIS」が、ベルリンの街中で行われる芸術祭ベルリンビエンナーレのキュレーションすると聞いたのは2年前。ネットっぽい作品がアートフェスに集合? これは行かねばと駆け込んだ。しかしなんだかイマイチ全貌がよくわからない……。

そこで必要なのは集合知。ビエンナーレに足を運んた方に語っていただいて、腑に落ちる答えを導き出すしかない。テクノロジーを用いたファッションデザイナーでありアーティストのヌケメさんと、フォトグラファーでありラップグループ嫁入りランドのラッパー、みゆととさん。もともと交友のあったふたりに集合していただいて、欧風の飲み屋でぶっちゃけ気味に話をしてもらいました。

インタビュー:髙岡謙太郎

image03
今回のベルリンビエンナーレの象徴的な悪ふざけ。リアーナの巨大な立て看板『Juan Sebastián Peláez/Ewaipanoma (Rihanna), 2016』

 

・なんでわざわざベルリンに?

店員 -シャンディーガフと生ビール2つになります。当店では乾杯の音頭がありまして、ご一緒に言っていただいてもよろしいでしょうか? 「お客様本日1杯目」と言うので、そのあとに「サルー!」と言ってください。では、お客様本日1杯目!

一同 - サル〜!

- では、 お酒を飲みつつ旅の思い出を話しましょう。まず、なぜベルリンビエンナーレに行こうと思ったのか経緯を聞かせてください。

ヌケメ - みゆととはオランダのテクノフェスに行こうとしていたのがもともとの目的だよね?

みゆとと - オランダのDekmantelっていうテクノやディスコのフェスと同時期に、ベルリンビエンナーレが行われてて。DISがキュレーションするので、2年前からずっと気になっていて。その2か所をマストにして、ヨーロッパを何カ国か周って。

ヌケメ - 日本国内だとあまり話題になってないよね? DISがビエンナーレをやるのは『美術手帖』のポスト・インターネットの特集で知って、僕やtomad君など一部はヤバい!って言っていたけど、ベルリンの友達に聞いても「何それ?」っていう感じ。

みゆとと - ビエンナーレ自体が、そんなにバカデカい規模ではなかったし。今までのベルリンビエンナーレがどういうものなのか気になりますね。

- どちらかというと二人ともDIS Magazine目当てですよね。

ヌケメ - 去年New Museumでの展示を見られなかったから、今度は行きたいなと思っていて。

 

- ふたりは海外のアートフェスに行ったことはありますか?

ヌケメ - transmedialeArs Electronicaは行ったことあります。同じベルリンのアートフェスでも、規模も予算もtransmedialeの方がでかいし、盛り上がっていた。Arsはもちろん盛り上がる。Arsはオーストリアのフェスティバルですね。

みゆとと - 行ったことないですね。私も予算のなさを薄々感じてしまって(笑)。

ヌケメ - 感じるよね(笑)。これ、あんまり金掛かってないな、みたいな。 毎週パーティーをやってるわけでなく、ギャラリーツアーやトークショー以外のイベントはあまりなかったかな。トークショーの記録もYoutubeにあがっていたけど、英語とドイツ語だからさすがについていけなかった。みゆととはポスト・インターネットアート的なものは前から好きだったの?

みゆとと - ぜんぜん。『美術手帖』をパラっと見たってだけで、がっつりはまってるわけじゃない。現代美術がずっと好きだった流れで気にしていて。Tumblrもちゃんとやってないから追えてないんだけど、 そういうものがビエンナーレというコンテンポラリーでアカデミックな場で、どうなるんだろう?と気になっていた。

- ふたりはネットレーベルの知り合いも多いから気になっていた部分もありそうですね。

みゆとと - そうですね。そういうムーブメントも今落ち着いているじゃないですか。でも、そういう時代を経て、今ビエンナーレでやるとしたらどんなもんだろうか、という回答がビエンナーレにあったかなと思っているんです。

ヌケメ - 俺もそういうのに期待して行った。

・各会場を周ってみて、どう?

Berlin
会場のひとつ、Akademie der Künste。地上4階、地下3階の会場をまるっと使っている

 - 自分も集大成的な位置付けかなと思って行きました。で、 ふたりは5箇所ある会場を全部回りましたか?

ヌケメ - 船乗った?

みゆとと - 船乗らなかった。船どうだった?

ヌケメ - 船面白かった。わりとオススメだよ。メディアアートを研究している水野さんも同じタイミングでビエンナーレを見に来ていたけど乗れなかった。

- 船2日連続故障してて、自分も乗れなかった。ちょっといい加減だった(笑)。

ヌケメ - 船は、隅田川にあるような遊覧船で、市内の川を遊覧しながら観光をする。船をインスタレーションのために改造して、 デッキの内側で映像を流している。映像を流す空間は、ゴテゴテにコールタールのようなものが塗りたくってあって、ディストピアっぽい感じ。ディストピアっぽい船で映像を観ながら川に揺られる。映像自体は15分ぐらいでループしていて、 映像の内容は船型のタイムマシーンに乗ってディストピアの未来を変えようとして過去に戻るんだけど、結局同じ未来に帰ってきてしまい、もう1回タイムマシン乗ることになるという。それを永遠に繰り返すという、おぼろげながらそういう理解です。

みゆとと - それ聞いたら乗ればよかったなぁ。全体的に映像作品が結構多めだったから理解しきるのは難しいなって。

Berlin
水が張られた部屋内の上でビデオインスタレーションを鑑賞。『Cécile B. Evans/What the Heart Wants, 2016』

ヌケメ - カーベイ(KW Institute for Contemporary Art)の地下にある会場に水を張っている映像作品とか?

みゆとと - あれは長い。50分くらい? 内容は人種問題っぽい話? なんだったんだろう?

ヌケメ -「これはリアルだ」ってひたすら繰り返していて。それこそテキストを読まないとわからないよね。

- 内容も複雑でコンテキストが理解できないですよね。映像は面白かったけど。

ヌケメ - テキストの比率が高いからビジュアル言語として理解するよりは、言葉をちゃんと理解できれば理解できる作品が多かった気がする。

image00
砂が敷き詰められた小部屋で泣き顔が交換される動画が流れる。『Josh Kline/Crying Games, 2015』

- では、この会場で面白かった作品は?

ヌケメ - 水が張ってある作品の隣の半地下にある、砂が敷いてある部屋の映像。

みゆとと - あ、じいさんが泣いてる映像作品。あれはよかった。

ヌケメ -「I’m Sorry」って泣き続けていて、じいさんの顔がブッシュ大統領と編集されて交換される。

- EDMのフェスの模型と映像の作品もよかったですね。

みゆとと - EDMのジオラマはよかった。笑っちゃってtomadに写真を速攻メール送って。なんなんだろうって。

ヌケメ - 作品が面白いというよりはEDMがすごい。これは映像も作家が作ったんですかね?

- こんな立派な映像を作るのは難しいから、どこかのフェスを撮ったものですかね。フェスの熱狂を客観視させるジオラマで面白かった。題材の選び方が今っぽいというか。

ヌケメ - 映像自体はサンプリングしたものですかね。オリンピックの演出よりもEDMの演出の方がすごいように思えた(笑)。

Berlin
奥の壁に巨大フェスの映像が投影され、手前はフェスのジオラマが。『Anne de Vries/Oblivion, 2016』

- これはアートの人ならではの発想で、音楽の人は思いつかなそう。フェスのアフタームービーは基本的に盛り上がっている瞬間を撮るけれど、照明など演出に着目して撮ったのが独特。全体的に展示は今のテクノロジーを取り入れた作品が半分以上あって、それが特殊だなと。

みゆとと - 今しかできない感がありましたね。ベルリンはサブカルチャー的なものからアカデミックなものに行くルートがめっちゃ早い。日本だったらもっと遅いんじゃないかって思っちゃう。

- 日本だとカオスラウンジみたいなものがアートとして認められていく感じなのかな?

みゆとと - 私はそういうのがもっと炸裂してるかなと思ったんですよね。

- ネットの悪ふざけみたいな?

みゆとと - そうそう。悪ふざけみたいなのはそんなになかった。

ヌケメ - 意外と少なかったですよね。

みゆとと - 全体的にメッセージ性が強めですよね。やんちゃな悪意を想像していたんですが、結構普通に現代美術を見に行く気分になっていて。

-  論文的なものを書かないと作品が展示できないのかな。それでかしこまっているのかもかもしれない。DIS Magaznineといったら、カルチャー寄りで悪ふざけ的な作品をサイトで売っているからそういうものを期待してしまった。今回はよそ行きな感じでしたね。

みゆとと - ちゃんと口で説明できるような作品というか。

Berlin
不自然な格好をした自撮り(セルフィー)の立体作品が会場内にいくつか『Anna Uddenberg/Journey of Self Discovery, 2016 』

ヌケメ - 全体的に意外とファッション感は薄め。会場のAkademie der Künsteはファッションぽい雰囲気で、スーツケースに体を入れてたり、自分のアナルを自撮りしている彫刻作品とかは期待していたDIS Magazine感があった。あと、Timur Si-Qinのディスプレイに木が生えてて周りにカメラが置いてあるジオラマがあったじゃない? これも期待していたもので、これこれ!って。

みゆとと - 見に行ったら本人がいたんだけど、「今ちょっと壊れてるからあんま見ないでくれ」って。 本人が悪戦苦闘しながら直していて、ずっとため息ついている(笑)。でも、展示物はこれこれ!っていう感じで。

ヌケメ - 本人いたんだ(笑)。この界隈のメインプレイヤーは結構僕と同世代、1986年周辺生まれの世代が多い。Artie Vierkantとか同い年だし。

image05
ディスプレイには会場の生映像やInstagramに投稿されたこの展示の写真が投影される「Timur Si-Qin/A Reflected Landscape, 2016」

- 全体のキュレーション的にどういう人選なんだろ?

ヌケメ - ベルリンの友達に聞いたら、「ベルリンビエンナーレなのにアメリカのアーティストばかり来ている」って。 ドイツから参加した人よりもDISがアメリカから連れてきた人が多いから不満らしい。Aram BarthollKim Asendorfなどドイツのアーティストが入ってないし、隣のオランダからJODIを呼ぶというのもない。DIS Magazineっぽさは少ないけれど、展示してもおかしくないなと。 あとドローンの作品はいっぱいあったけど、3Dプリントにフィーチャーした作品が全然なかったのも、印象的だった

- 展示はどんな感じで周ったんですか?

みゆとと - ベルリンは1日だけ滞在する予定で、着いた日が休館日だったんです。せっかくここまで来たので、飛行機の便を1日延ばして8万円ぐらいロスして。2年待っても別の展示になるし。一回帰って戻るのも考えたけど、そっちの方がお金が掛かる。午前中からガッツリ動いて、船以外の4箇所周りました。(ESMT European School of Management and Technologyでの)Bitcoinの展示も回って、翌日飛行機に乗る前に地下にある会場(The Feuerle Collection)を見ました。

- 地下の会場にあった、スマホ触ってる手だけを撮った写真が50枚ぐらいズラッと並んでいるのも場所を贅沢に使っていて面白かったなぁ。

・2人のベスト作品を紹介

Berlin
場所が投影される、この場所でしか体験できないVR作品『 Jon Rafman/Pariser Platz, 2016』

- 全体を通して、ふたりが一番面白いと思った作品は?

ヌケメ - Jon RafmanのVR作品。

みゆとと - すごい並んでて、やってない……。

ヌケメ - 超並んだけど、本当におすすめだよ。ネットで見てもどうしようもないと思うし、行かないと面白くない。

- では、ネタバレを。会期も終わっているので。

ヌケメ - 会場の4階のベランダに、イグアナがナマケモノを飲み込んでいる彫刻とか、牛がライオンを飲み込んでいる彫刻が置いてあって、VRゴーグルを付けると、現実の展示空間と同じ映像空間広がる。VR映像が再生されると、さっきの彫刻がお互いを飲み込んだり吐き出したり動き出して、しばらくすると天気が悪くなって、人間が風で飛んできたり、ベランダの床が崩れて海に落ちる。現実から始まってだんだん悪的な世界に行って現実に戻ってくる、約5分の作品。 本当によくできていた悪夢で、Jon Rafmanは作品の見せ方がすごい上手い。

みゆとと - じゃあ私もそれがべストです(笑)。

一同 -(笑)。

Berlin
『CUSS Group, ANGEL-HO, FAKA, Megan Mace, NTU/Nguni Arts International, 2016』

みゆとと - 私はCUSS Groupっていうアートコレクティヴ集団の展示が良かった。Rihannaの巨大な看板の展示の近くにポップアップショップがあって、展示用にベルリンに寄せた内容の架空の雑誌を売っていて。CUSS GroupのメンバーにレーベルNON RecordsのアーティストANGEL-HOがいて、SoundCloud界隈とアートフェスがつながっているのは面白いな。

- Akademie der Künsteの展示で、ラップのミュージックビデオが流れていて、そのトラップのトラックがNGUZUNGUZUで、クラブミュージック系が参加しているのも面白い。カメラを積んだドローンに向かって移民の問題をラップするミュージックビデオで、独特でしたね。

みゆとと - 音楽寄りのものを見るとウキウキしちゃう。ビエンナーレのサントラもTotal Freedomがプロデュースしていたり、アナログが3枚ぐらい出ていましたね。

ヌケメ - Gang Gang DanceBrian Degrawも参加者にクレジットされていて。

Berlin
ビットコインをテーマにしたサイバー感たっぷりのインスタレーション作品が3点並ぶ。『Simon Denny with Linda Kantchev/Blockchain Visionaries, 2016 』

・結局一体なんだったのか、まとめ

ヌケメ - 結構寝っ転がって観せるタイプの映像作品が多いのは面白かった。映像はVimeoでも観られるので、観る環境に左右される作品が多かった気がする。 映像単体の内容よりも映像をどういう環境で観せるかの手法が、今回のビエンナーレの手法的なテーマなのかもしれない。

みゆとと - でも、何言ってるかわかったらなあ……。

ヌケメ - もともとインターネットでTumblrとかを観ていて面白いなと思ったのは、言ってることがわからないけれどビジュアルから大体の感覚がわかるころ。それが今回言葉の壁で引き剥がされたのは、ショックな体験だった。やっぱりそこか……言葉の壁で帰ってきちゃうのか……そうじゃないから入れたのに!

みゆとと - すごい! いいまとめだ。「分かる、分かる」みたいな感じ。

- まとまった……。確かにTumblr的な面白さとは別になってる。

ヌケメ - Vaporwaveぐらいまでの流れは言葉が分からなくてもなんとかなった。初期のポスト・インターネットアートもそう、ビジュアルの感覚だけでなるほどね!って腑に落ちたけど、分からないところに行ってしまった感じがある。相変わらず気になる存在であるから理解をしたいけれど時間が掛かりそう。

- 突き放された感がある。

みゆとと - わかるわかる。期待外れとかそういうことじゃなくて、ビジュアルショックがもう少し欲しかった。

ヌケメ - ビジュアル的な目新しさは今回なかった。知ってるビジュアルだった。

Berlin
DIS Magazineらしいビジュアルが並ぶ会場。ネットで見たような感覚が立体物として現実に

みゆとと - ビエンナーレという機会で作品を見せるから、アートに特別詳しくない地元のじいさんばあさんでも作品を見ることになる。そういう人にも分からせられるようにするために言葉が多いのかな。難しいですよね。内輪ノリみたいな良さもあるから。

ヌケメ - だから、もっとでかい内輪ノリだと思っていた。別に内輪でいてくれて良かったんだけど。

みゆとと - 正装でよそ行きでしたでしたね。違和感があったなぁ。ふざけてなかったなぁ。

- ぼくもインターネットアートに対しては、悪意だったり冗談、 シニカルさを求めていたけれど、そうではなかったね。

みゆとと - こういう作風がひとつのジャンルとして定着した展示なのかもしれない。メディアアートとも違うし。こういうノリが普通になっていくと思う。

ヌケメ - ヒップホップみたいな感じで、ひとつの手法が確立されて、あたりまえ化したみたいな。最初は「発明」としてみんな扱ってたけど

みゆとと - ニューヨークのMOMAで、DISがキュレーションするスペースがあって気になります。HyperdubのFatima Al Qadiriが研究員でいるらしく、Total Freedomと繋がりがある人だからかな。帰ってきてから考えたけど、インターネット抜きにしても面白い美術を見に行くならニューヨークかなって思った。

・ベルリン、遊びに行ったスポット

- ふたりはベルリンで他に美術館とか行きました?

ヌケメ - ネットアートの美術館、FUTURE GALLERYに行こうと思ったけど会期ではなく閉まってた。ニューヨークの方がネット寄りのギャラリーが多いですよね。Postmastersbitformsとか。

- Babycastles、ギャラリー以外にRhizomeEYEBEAMとか。では、ビエンナーレ以外にベルリンは何が面白かったですかね?

みゆとと - ホテルの横にあったベルリン動物園。 ヌケメくん、Liquidrom行ったじゃないですか。

ヌケメ - 最高だったよ! ウェブサイトの雰囲気から感じる現代的な洗練されたスパ。ヒッピー的な空気を出していて建物自体はめっちゃ綺麗で、入場料は約20ユーロ。温水の塩分が濃くて身体がめちゃくちゃ浮くプールがあって、水着着てても全裸でもいい。僕がいた時は、めちゃくちゃイチャついている熟年のカップルがいて、あとで友達に聞いたらたまにセックスしている人がいるとか(笑)。

- 現地に住んでいる人からサウナがメインと言われて。サウナの中は全裸にならなければいけないというルールがあるみたい。

ヌケメ - 男だろうが女だろうが、全員裸に。サウナは四種類あって、80度、90度、ドライでミスト、ハーブの匂いのする塩の蒸気の濃い霧の中のサウナ。2時間と4時間のコースがあるけれど、意外に2時間超えちゃう。おしゃれだし、悪い意味でのアングラ感もなかった。

みゆとと - 女性が一人でも行けるんですかね?

- ドイツ人は裸になる感覚が日本人と違うから全然気にしてないよ。裸が恥ずかしいと思ってるのは自分たちだけだから。のんびりする場所ですね。

Berlin
世界的な知名度を誇るテクノクラブBerghain。雰囲気を保つため入場制限がある

みゆとと - ヨーロッパはヌーディストビーチがあるし。スパに行けなかったのは心残りですよ。次回は絶対行きたい。12月にテクノのクラブBerghainの周年イベントがあるらしいので行こうかなって。ちょうど週末にベルリンに居られなかったから行けなかったなぁ。

- Berghain、行きましたよ。日曜夕方に行ったけど満員。半分ぐらいが半裸のゲイで、フロアに居るだけで汗かいてくる。みんな黒っぽい服を来ていて統一感があった。現地の音楽ライターの浅沼優子さんと待ち合わせて、日本人ハウス・クリエイターのKeita Sanoさんのプレイを見に行って。日本人の観光客もいた。

ヌケメ - Berghainは、女性同士のカップルが多いのもいいですね。日本でも男性同士のカップルはたまに見かけるけど、女性同士のカップルはあんまり見かけないのでハッピー感あります。あと、トイレが男と女で分かれてないのもいい。男性なのか女性なのか曖昧な人が多いので、ジェンダー的なことを配慮するとトイレが一緒になる。それにすごい納得したんですよね。あと酒が3ユーロくらいで安い。クラブは、OHMっていう基板とか電子部品の工場跡地の店にも行ったけど面白かった。広さでいうとスーパーデラックスぐらいで、C.E.のパーティにいそうな人がいっぱいいた。

- それと街自体が住み心地が良さそうだった。有機食品のチェーン店が街中に増えていて。

みゆとと - アムステルダムも住み心地がよさそうでしたよ。今回は5ヶ国、パリ、ロンドン、バルセロナ、アムス、ベルリンって周って、アムスが一番精神的に進んでいるっていうか。寛容だし、自己責任というのをみんな知っている。嫌な思いをぜんぜんしない。

ヌケメ - ベルリンもそうだけど、都会の便利さと田舎のノンビリさが両立されていて、あのハイブリット感は居心地が良かった。

みゆとと - あと、ベルリンの電車の乗車システム。あれ、キセルしようと思えばぜんぜんできる。私は一斉検査の日があって超怖かった。私はちゃんと買っていたけど、ドキッとしている人もいて面白かった(笑)。

ヌケメ - 無賃乗車の罰金が45ユーロから60ユーロに上がったみたい。8000円ぐらいでしょ。

- 社会のシステムが信頼ベースで動いているのがいいですね。ということろで、旅の思い出話はこれぐらいにして、録音を止めてゆっくり飲みましょう。お疲れ様でした!

RELATED

【インタビュー】DYGL 『Cut the Collar』| 楽しい場を作るという意味でのロック

DYGLが先ごろ発表したニューEP『Cut the Collar』は、自由を謳歌するバンドの現在地をそのまま鳴らしたかのような作品だ。

【インタビュー】maya ongaku 『Electronic Phantoms』| 亡霊 / AI / シンクロニシティ

GURUGURU BRAIN/BAYON PRODUCTIONから共同リリースされたデビュー・アルバム『Approach to Anima』が幅広いリスナーの評価を受け、ヨーロッパ・ツアーを含む積極的なライブ活動で数多くの観客を魅了してきたバンド、maya ongaku

【インタビュー】Minchanbaby | 活動終了について

Minchanbabyがラッパー活動を終了した。突如SNSで発表されたその情報は驚きをもって迎えられたが、それもそのはず、近年も彼は精力的にリリースを続けていたからだ。詳細も分からないまま活動終了となってから数か月が経ったある日、突然「誰か最後に活動を振り返ってインタビューしてくれるライターさんや...

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

Floating Pointsが選ぶ日本産のベストレコードと日本のベストレコード・ショップ

Floating Pointsは昨年11月にリリースした待望のデビュー・アルバム『Elaenia』を引っ提げたワールドツアーを敢行中だ。日本でも10/7の渋谷WWW Xと翌日の朝霧JAMで、評判の高いバンドでのライブセットを披露した。