1TAが選ぶ2010年代のベストダンスホールレゲエ10曲

ダンスホールは2016年の音楽シーンを語る上で外せないキーワードの1つだ。昨年のMajor Lazerの"Lean On"のメガヒットがその端緒であるのは間違い無いだろう。

 

そして今年に入ってからのRihannaがDrakeと"Work"をリリースし、Drakeは続けて"One Dance feat. Wizkid、Kyla"を発表。この一連の流れがUSのアーバンサウンドにおけるダンスホールのトレンド化を決定付けた。

EDM方面をみれば、昨年からじわじわと人気が出始めていたトロピカルハウスと融合し、ダンスホール的なグルーヴを取り入れた曲が量産され、Chainsmokersの"Closer"というビッグチューンも誕生している。

またEDMと対照的なUK周辺のアンダーグラウンドなシーンに目を向けてもダンスホールが一種のムーブメントとなっている。Hyperdubと契約を結んだEndgameやKamixlo擁するBala Clubクルーが生み出すインダストリアルなトラックや、テイストメーカーのレーベルNight SlugsがDJCという謎のアーティストのダンスホール・リディムなどから考えるに、ダンスホールはUKアンダーグラウンドにも隠れトレンドになっているようだ。

これほどまでに様々なシーンにおいて1つのキーワードが浸透しているのは、音楽シーンが細分化した現在ではとても珍しい状態だ。ではダンスホールの本場ジャマイカが2010年代に生み出したビッグチューンを、あなたは何曲知っているだろうか?

FNMNLではレゲエ/ダブを軸に世界中に点在するストリート・ミュージックの"リズム"を結合するDJであり、Bim One ProductionsやレーベルRiddim Changoを主宰する1TAに2010年代のベストダンスホールチューン10曲をセレクトしてもらった。

10. Mungo's Hi Fi ft. Mr. Williamz - Musically Mad (2011)

変わり種としてヨーロッパはスコッランドの雄Mungo's Hi Fiとロンドン在住のディージェイMr.Williamzの低音ダンスホール名曲。温故知新なスタイルでその地位を確立してるMungo's Hi Fiのえぐい部分がよく出てると思います。個人的にこれをプレイして下が鳴らないサウンドシステム/スピーカーはディビディビ(よくないシステム)と認定してます(笑) (1TA)

 

9. Equiknoxx Introduces Masicka To King Tubby (2013)

Demdike Stareのレーベルからインスト・アルバムが突如リリースされ他ジャンルでも話題になっているEquiknoxxが2013年にMasickaと共にフリー・ダウンロードでリリースしたEPです。King Tubbyのトラックを全面的に使用した、ある意味彼ららしい奇抜な発想が素晴らしいほっこり漆黒な全7曲。煙い!(1TA)

 

8. Busy Signal - What If (2015)

近年インターナショナルな活躍も目覚ましい彼ですが、ちゃんとダンスホール/レゲエの歴史を踏まえてクラシックスを器用にカバーする引き出しも嫌みなくて素晴らしい才能。攻守揃ったスキル、センスあるリディム選びに脱帽。リリース毎にワクワクできる安定感の兄貴乙な一曲!(1TA)

 

7. Spice - So Mi Like It (2014)

ここ数年プロダクションの良さも手伝って注目せざるを得ない女性アーティスト。オゲレツなリリック100%ですが汗 すこぶるタフなリディムにハマれる世界観は非常にキラーだと思います。ジャマイカ女子最強を感じさせる一曲!同オケのAlkalineも◎ ていうかリディムが最高。やはりNOTNICE Records発!(1TA)

 

6. Safaree feat. Ward 21 - Volume (2015)

皆大好き!?Ward21の2000年初期の名(迷)作"Volume"のご本人登場リメイク。NYのヒップホップ・アーティストSafaree名義の作品ですが、ダンスホール/レゲエの歴史を語るに欠かせない都市からのひとつの回答ということと、2000年代のリディムをそのまま使うアイデアが、大胆かつ斬新です。変化球ですがなにはともあれSUKUは天才、キラー!(1TA)

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