高品位のアナログレコード"HD Vinyl”が特許申請中
高品位のアナログレコード、”HD(High Definition) Vinyl”が特許申請されていることを米webメディアDigital Music Newsが報じた。
文:辻本秀太郎
音質が一般のLPの2倍。容量と音質は30%増の"HD Vinyl"
高品位のアナログレコード、”HD(High Definition) Vinyl”が特許申請されていることを米webメディアDigital Music Newsが報じた。この特許を申請したRebeat Digitalによれば、この”HD Vinyl"は3年以内に市場に流通する計画だという。
この”HD Vinyl“には、現在一般のアナログレコードの製作に使われている方法とは異なる、3D地形図とレーザー加工の技術を組み合わせた方法が用いられている。これにより、高品位な製品の製作が実現しただけでなく、製作にかかる時間が圧倒的に短縮されることとなった。
一般のターンテーブルで再生可能
一般のLPと見た目が変わらないだけでなく、この"HD Vinyl”は現在販売されている一般のプレイヤーで再生することができることが特徴だ。HD Vinyl用の追加機能をもったターンテーブルも今後発売される予定ではあるが、HD Vinylの高品位さを新な再生機を買い揃えずとも楽しめるというのは大きな特徴であるだろう。
アナログレコード再評価のなかで
また、この”HD Vinyl”は上のような製作技術により近年のアナログブームのなか産業が抱えていた大きな課題も解決することになる。現在はほとんどのレコードがいまだに1960年代の製造技術をそのまま用いており、これは非常に時間的コストが大きく、これが環境にとっても非常に悪影響であったのだ。
現在アナログレコードは再評価の流れにあり、アメリカでのアナログレコードの昨年の売り上げは29.8%増加し、またこれに伴いプレイヤーの売り上げも増加を見せている。昨年末、米Amazonは価格50ドルのJensenのターンテーブルが家庭用オーディオ製品の売り上げ1位であったとしており、また海外のみならず国内でもレコードショップが新たにオープンしている。
アーティストたちもレコードからの収益の大きさについて意識し始めており、サブスクリプション収益よりもレコードによる収益が大きくなっていることをDigital Music Newsは昨年報じている。
Rebeat Digitalは現在ヨーロッパでの特許申請を終え、今後アメリカや世界での特許取得を行う予定である。
Via: Digital Music News