Tory Lanezが「音楽は歌詞よりもメロディが重要」だと語る

Joyner Lucasとのオールドスクールなビーフが話題を呼んだトロントのラッパーTory Lanezが、自身のレコーディングの過程についてインタビューで語っている。

Hard Knoxk TVのインタビューにおいて、Tory Lanezは「歌詞なんて本当は重要じゃないんだ。それはただのフィーリングだから」と発言。Kanye WestとLil Pumpによる“I Love It”を例にとり「誰も歌詞なんて気にしてないんだよ。今若い女の子がみんな“You’re such a fucking ho”って歌ってるだろ。彼らは自分で言ってる意味も分かっていない。メロディーが、音楽的に正しいように感じさせているんだ」と、いくら歌詞が酷くてもメロディーが良ければ構わない、という持論を展開している。ラッパーとしてはかなり尖った発言のようにも思えるが、メロディのあるラップが主流となった現在は単純なラップスキルよりもメロディーの方が重視される傾向があるのも確かだ。

また、同じインタビューの中で彼は「最初にビートを聴いた際に“適当なことの寄せ集め”を歌って曲を作る」と、リリックを書く際の手法を明かしている。「俺は、自分が絶対にしないような、考えてもいないような奇妙なことをしたいんだ。だから、いつも変なことを言う。変な風に聞こえるかもしれないけど、これでドープな曲とメロディが出来上がるんだよ」と語る彼は、ビートを聴いてその上に意味のない言葉を即興で当てはめてフロウを完成させ、あとから歌詞を作っていくという方法を採用しているようだ。ちなみに、Joyner Lucasとのビーフの際に作った“Litty Again (Freestyle)”を作ることで彼は更にリリカルなフロウを見つけることに成功した、とも語っている。

もともとメロディアスなラップで知られていたTory Lanezだけに「歌詞よりもメロディの方が重要」という主張も頷けるが、彼は同時に高度なラップスキルも持ち合わせているところが興味深い点だ。今後もリリックの内容よりもメロディを重視するスタイルのラッパーが増えていくのだろうか?

RELATED

【コラム】Tory Lanezは有罪か? | Megan Thee Stallion銃撃事件の行方

と、9月26日につぶやいたところ、2日後にFNMNLの和田さんから「なかなか難しいテーマだと思いますが」と、気遣いながらこのテーマで書いてほしい、との発注がきた。ツイッターには「私、こんな情報に注目しています(=記事を書けますよ)」的な意味合いのつぶやきも紛れ込ませているので、いつもならありがたく、うれしい流れだ。でも、このメールを読んだとき、「来ちゃったか」とお腹のあたりが重くなった。今年の5月末に始まったアメリカでのBlack Lives Matterの盛り上がりを受け、日本でもなにが起きているのか理解しようと、様々な解説がされ、文化史を中心に黒人の歴史が見直され、検証されてきた。それ自体はいいことなのだが、今回の一連の抗議運動の土台となる「感情」を説明するのは非常に難しい、という事実も浮かび上がったように思う。そして、私は友人も多い黒人女性の現状について、過度にかわいそうに描かず、しかし実際にとても困難が多いことを伝えようとトライしては、挫折してきた。

Tory LanezがMegan Thee Stallion銃撃後の沈黙を破り新作『Daystar』をリリース|謝罪無しのリリースに批判や再生を控えるよう呼びかける声も

7月、車内でMegan Thee Stallionの足を銃撃し怪我を負わせ逮捕されたTory Lanez。その後彼は保釈されたもののSNSでは多くの批判を浴び、またそれに対するコメントも出していなかったが、本日突如として沈黙を破りニューアルバム『Daystar』をリリースした。

Tory LanezがMegan Thee Stallionを銃撃してしまったのは「飲み過ぎていたから」と謝罪していたことが判明

パーティー会場においてMegan Thee Stallionを銃撃し、逮捕されたTory Lanezに対してはヒップホップシーンからも大きな批判が出ているが、Toryが銃撃した約15時間後にMeganへ謝罪していたことが判明した。

MOST POPULAR

音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果

音楽を聴いて鳥肌が立つ、という体験をしたことがあるだろうか。もしあるならば、あなたはとてもラッキーな経験をしている。

大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていると、研究により明らかになった。

Appleの重役がiTunesの音楽ダウンロードが終了することを認める

ついにその日が来てしまうのだろうか。先日発表されたアメリカレコード協会(RIAA)の2017年末の収入報告でもデジタルダウンロードの売り上げが2011年以来6年ぶりにCDやアナログレコードなどの売り上げよりも少なくなったと発表されたが、ちょうどそのタイミングでApple Musicの重役のJimmy Iovineが、iTunesストアの音楽ダウンロードが、終了する見込みであることをBBCの取材に対して認めている。