【オフィシャルレポート】JUBEE『Playground@下北沢SHELTER』| 「みんなの心を解放させるためにライブする」

ヒップホップ、ロック、ブレイクビーツ、ミクスチャーなどの要素を落とし込んだスタイルで唯一無二のラッパー/ビートメイカーのJUBEE。CreativeDrugStoreのメンバーであり、ダンスミュージックプロジェクト・Rave Racersを主宰し、Age Factoryとのミクスチャーロックユニット・AFJBとしても活動している。

そんなJUBEEが、2024年4月8日に下北沢SHELTERでワンマンライブ『Playground』を開催した。SHELTERを選んだのは「クラブしか行ったことない人たちをライブハウスに連れて行きたい」という思いからだった。また、事前の告知でゲストアーティストは無しと宣言。その背景には、どれだけの観客が集まってくれるのか。JUBEEの挑戦的な気持ちが込められていた。

ライブ当日はあいにくの雨だったが、下北沢駅にはJUBEEロゴTシャツに着替え、駅のロッカーに荷物を預けるファンの姿があった。会場に到着すると、既に超満員。前売りチケットの時点でソールドアウトとなった、JUBEEのワンマンライブ『Playground』が始まった。

バックDJを務めるのはRave RacersのCYBERHACKSYSTEM。この日のために用意したビートで、会場の温度を上げていく。“NOISE SURFER MIND”のイントロが流れ、「調子どうだ!」とJUBEEが登場。自身のミクスチャー文化のルーツを表明した1番最初の楽曲を披露し、テンションを上げていく。Yohji Igarashiとの共作“Butterfly”、“Boost”へ続け、ひとりで歌い上げる。観客はサビのシャウトを歌い、自然なセッションが生まれる。

JUBEEは「みんなのことをもっと知りたいから、お互い壁はなしでライブしたい。だから意識してほしいことがある。“ライブに集中してほしい”、“心を解放すること”。その2つをキーワードに今日は楽しんでもらいたい」と伝え、“SWAG”へ。森(どんぐりず)のヴァースも歌い上げ、間髪入れずに“Direct Drive”、BPMを上げ、“Zombieez”へ。会場が暗転し、“Black Flys”のイントロが始まると観客から合いの手が入り、ライブハウスならではの盛り上がりをみせる。

「1番古い曲やろうかな」と“FRESH”を。そして、「自分がソロ活動で何して良いか分からないときに作った曲」と、自主制作アルバム『TIME GOES BY』から“Walk in the park”、“Goldfish”を久しぶりに歌う。「今はみんなのおかげで清々しく歌えたから良かった」と伝え、“Morning Dew”、“Sunny Day”、“Blue Zone”へ。歓声を浴びながら“Mass Infection”、“AXL”、“Bad Morning”をパフォーマンスする。

MCでは、ソロ活動に迷っていたときを振り返る。「自分のルーツや初期衝動をメモして、最初にできたのが2019年の“NOISE SURFER MIND”だった。そのときから自分を見つけつつある時代になってきた。そして自分のやりたいことを追求したら、22年前に喰らったDragon Ashと対バンできるようになったんだよ。今も迷ったときは、22年前の少年JUBEEがどう思うかを大事にしてる。次はそんな少年がきっとブチ上がるであろう曲」と“手紙”を披露し、“”Spotlight  VaVa Remix”、“Vanilla”へ。JUBEEがアカペラで“Joyride”を歌い、ビートが流れると観客のテンションは最高潮に。サビでは大合唱となった。

「残り3曲だけど、まだアガれる?」と“Mess”へ。観客は飛び跳ねて、“electroclash”に続けた。最後の曲の前に「どんなやつが、おれの音楽を好きか知りたかった。これからもっと大きなことを成し遂げるけど、その前に今日はみんなと決起集会だよ。今年はアルバムを出すと思うから」と宣言し、“彼方”で本編が終了した。

観客から拍手と“JB”コールが鳴り響くまま、アンコールへ。JUBEEはバックDJのCYBERHACKSYSTEM、スタッフ、下北沢SHELTER、観客に感謝を告げ、最後のMCへ。

「去年、AFJBのライブで宮崎のライブが決まったとき、そこに親友がいるから、ライブ来てほしいって連絡したんだよ。でも、“事情があって行けない”って言われて。そのときはライブ半年前だったから“もし行けそうだったら来てよ”で終わったんだけど、ライブ当日になったら、その友だちがいて、しかもモッシュしててさ。次の日に“JUBEE、心が解放されて最高だった”って連絡きて。おれは目の前にいるやつらを解放させて、エネルギー作って、最高な空間にすることがいいライブなんだなって解釈した。だから、おれはみんなの心を解放させるためにライブをするから、その心構えで来てほしい」とライブ序盤で伝えたメッセージの真意を。そして、そのエピソードをストレートに描写した新曲“Playground”を初披露。“ゲストアーティスト無し”というコンセプトを掲げたワンマンライブ本編を完走したJUBEEから、この日訪れた観客だけに用意した特別なサプライズアンコール。ワンマンライブと同タイトルの新曲「Playground」のステージには(sic)boyとHIYADAMが登場し、この日初披露の新曲と共にJUBEEは最後まで観客のテンションを上げ続けた。

1時間半、24曲を歌いきったJUBEEは圧巻で、最後まで盛り上がり続けた観客、この日の下北沢SHELTERは両者にとって、“Playground”だったに違いない。また、観客の目を逸らさず、真っ直ぐにメッセージを伝える、MCとしてのJUBEEの姿が記憶に残る1日だった。(撮影 : 横山マサト 取材・構成 : 宮本徹)

Info

【SETLIST】

1.Noise Surfer Mind 

2.Butterfly 

3.Boost 

4.SWAG 

5.Direct Drive 

6.ZOMBIEEZ (gato feat. JUBEE) 

7.Black Flys 

8.FRESH 

9.Walk in the park 

10.Goldfish 

11.Morning Dew

12.Sunny Day (doooo feat. JUBEE) 

13.BLUE ZONE 

14.Mass Infection 

15.AXL (Age Factory feat. JUBEE) 

16.Bad Morning (AFJB) 

17.手紙

18.Spotlight [VaVa Remix] 

19.Vanilla 

20.Joyride  

21.Mess  

22.electroclash 

23.彼方 

-encore- 

Playground feat. (sic)boy, HIYADAM

セットリストプレイリスト
https://jubee-cds.lnk.to/Playground_Shelter240405

【リリース情報】


NEW シングル 「Playground feat. (sic)boy, HIYADAM」
発売日:2024年4月24日(水)
リリース形態:ストリーミング & ダウンロード
リンク:https://lnk.to/JUBEE_Playground

【ライブ情報】


『JUBEE Presents. “CROSSOVER”』

日程:2024年5月2日 木曜日
会場:EBISU LIQUIDROOM
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
金額:Adv. ¥5,500 / Door. ¥6,000 / U20 ¥4,500 ※ドリンク代金別

出演者:
JUBEE
Age Factory
The BONEZ

[チケット販売詳細]
チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット
https://jubee-cds.lnk.to/crossover_ticket240502

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