w-inds.のFM802『LNEM』出演時の未放送分も含めたインタビュー

FEATURED  2017.05.26  FNMNL編集部

FM802で深夜3:00〜5:00に、日替わりで異なるDJが担当する番組『LNEM』。火曜の『LNEM Tuesday』では、ヒップホップやR&Bなどをフェイバリットとする河嶋奈津実がDJを担当し、海外のHIP-HOP/R&B/POPS/EDMなどのニューリリースを中心に選曲している。

そんな『LNEM Tuesday』とFNMNLのコラボが実現。番組に出演するゲストとのトークコーナーを、番組では惜しくも放送できなかった部分も含めて公開していく。

今回は、デビューから17年目を迎えてより成熟したパフォーマンスだけでなく、トロピカル・ハウスやインディ・ダンス、ディープ・ハウスなど、トレンドを貪欲に取り入れたサウンドが大きな注目を集めている、ダンスボーカルユニットw-inds.が登場。

DJの河嶋とともに、2017/3にリリースされた12thアルバム『INVISIBLE』に込めた思いや、おすすめのダンストラックについて語り合う。

W-Inds

河嶋 - 慶太さんは昨年『FRAGMENTS』というソロ作品を持ってきていただきましたが、w-inds.の皆さん全員では今回初登場です。ようこそ!

橘慶太(以下慶太) - その時は時間が足りなくて。また来られてよかったです。今日も楽しみです。

河嶋 - これは来ていただく皆さんに聞いているのですが、この番組が夜中の3:00~5:00というディープな時間帯でして、皆さんはいつも何をされていますか?前回うかがったとき、慶太さんは「クリエイティブの神様が一番降りてくる時間だ」と。

慶太 - 間違いないです。今でもそうです。

河嶋 - 涼平さんと龍一さんはどうですか?

緒方龍一 (以下龍一) - 僕は海に向かって車を飛ばしてる時間ですね。朝日と海を求めて。サーフィンをしに。

千葉涼平 (以下涼平) - 僕はお風呂に入るかどうか悩んでるくらいの時間ですね。映像とか見始めちゃうと、入んなきゃと思っているのに結局引きずっちゃって。

河嶋 - 3人とも起きたか起きているか、ということで。眠ってはいないということですね。「がんがん眠ってます」とかじゃなくて良かった。そんな深い時間帯に3人の声をお届けしております。今回はw-inds.の新しいアルバム『INVISIBLE』のお話を聞きたくて。最高ですね、この作品も。

w-inds. - ありがとうございます!

河嶋 - 2年前に『Blue Blood』という作品をリリースしてますが、ちょっとここでこの2年の間に音楽のトレンドがどうなったかというのを、振り返ってみたいと思います。まず『Blue Blood』のときは、レトロなファンクとかソウルをリバイバルする流れがありましたよね。2015年1月にMark Ronsonの『Uptown Special』、3月にTuxedoのファースト・アルバム『Tuxedo』が出て、7月に『Blue Blood』が出て。

慶太 - そこ一緒にしてくれるんですね、ありがとうございます(笑)

河嶋 - これが2015年のモードだったんですが、時を同じくして2015年3月くらいにMajor Lazer & DJ Snakeの"Lean On"とか、あの辺の浮遊感ある電子音が印象的な作品が出て、『Blue Blood』リリースの翌月の8月にはJustin Bieberの“What Do You Mean?”が出ると。

 

慶太 - Justin Bieberの早さはすごかったですよね。

河嶋 - あれで世界が「トロピカル・ハウスって何?」って意識し始めましたよね。2016年は、ほぼほぼThe Chainsmokersの年っていう感じで(笑) いわゆるフューチャー・ベースみたいなものが出てきつつ、今回2017年3月にw-inds.の『INVISIBLE』と。歌のないドロップというか、音サビとか、フューチャー・ベースのような隙間のあるエレクトロを主とした……ここまで合ってますか?

龍一 - いや、すごいですね。こんなに温度感が同じDJはじめてです。温度感一緒過ぎて気持ち良くなっちゃいました(笑)

慶太 - 僕がしゃべる必要がないですね(笑)

龍一 - でもw-inds.としての音楽と世界の音楽の流れ、この2年間は本当にね。

慶太 - 全くその通りで、その流れを汲んで制作しました。

河嶋 - 今回は、耳心地のよい優しいダンス・ミュージックを凝縮したアルバムになっていると思います。もちろんシングルもたくさん入っているんですが、シングル以外では 以前この番組で全国初オンエアさせていただいた3曲目の“Complicated”、これはまさに“What Do You Mean?”以降のトロピカル・サウンドを汲んだ曲だと思いますが、これはどういった思いで作られたんですか?

慶太 - このアルバムに関していうと、トロピカル・ハウス、インディ・ダンス、ディープ・ハウスというのを主として作っていこうという中で、やっぱりトロピカル・サウンドってw-inds.では難しいなと思って。初回盤のリミックスにはザ・トロピカルみたいなものも作ったんですけど、もうちょっとBPMもそんなに落とさず、軽快なトロピカル・ハウスを作りたいなって思いながらこのアルバムを作りましたね。それこそ“What Do You Mean?”のプラック音が好きだったので。

河嶋 - プラック音ってどれですか?

慶太 - メインのリードの音ですね。

河嶋 - なるほど、ちょっと打楽器っぽいシンセっぽい音ですね。

慶太 - あれが実はすごく良くできていて、そういうクラックで聞かせるようなトロピカル・ハウスを作りたいなっていうことで、この楽曲は作りました。

河嶋 - トロピカル・ハウスでいうと、このアルバムにも収録されているんですけど“Backstage”というシングルでもトロピカル・ハウスを取り入れてますよね。トロピカル・ハウスにダンスを付けるって、たぶんw-inds.が最初だったんじゃないかなって思うんですけど、涼平さんはトロピカル・ハウスを踊ってみてどうですか?

涼平 - 超気持ち良いっすよ。

河嶋 - 気持ち良さそうですよね!今までのEDMで連想されるタテの四つ打ちとは感覚が違いますか?

涼平 - あれは隙間がなさ過ぎて。もちろんその時はそれで良かったんですけど、今思うとすごい疲れるというか(笑)

龍一 - やっぱり30代には厳しいっすよ。

慶太 - サウンドでも踊りでも、引き算があるとないとでは全然違うんですよね、見え方って。足していくかっこ良さももちろんあるんですけど、引くと一気におしゃれになるというか、余裕が見えてスタイリッシュになるんです。それは今回のアルバムもそうだし、パフォーマンスもそうだと思います。

河嶋 - 確かに。近い将来、この“Complicated”でも見ていて気持ち良いパフォーマンスが見られるんじゃないかなと。

慶太 - だと思います。

河嶋 - 楽しみですね。で、その次に入っているのが、慶太さんがフル・プロデュースされました、 “We Don’t Need To Talk Anymore”ですね。正直すごくびっくりしました。能ある鷹は爪を隠すだなって。全部できるんかい!みたいな。

 

慶太 - 隠してたつもりは全然ないんですけど(笑)この曲に関してはちょっと制作の経緯がありまして。最初はそれこそトロピカル・ハウス、ディープ・ハウス、インディー・ダンスの曲を集めていたんですけど、全然なかったんですよね。海外の人が日本に送ってこないというか。僕の予想だと、海外のトラック・メーカーも日本はちょっと遅れて渡せばいいでしょ、っていう感じがあると思っていて。海外から曲を取り寄せると、まだ80年代のファンク&ソウル系のトラックをどんどん送ってきたりするんですよね。

河嶋 - そうなんですか!

慶太 - 「いや、こっちじゃないんだけど」って思いながらずっとやり取りをしていて、「早くそっちで今流行っている音をよこせよ」って言ってたんですけど、全然来なくて。

龍一 - だって、送ってきてくれたデータの日付が2015年とか2016年とか、その辺のデータファイルが来るから、もうちょっと新しいのがほしいなって。

河嶋 - それはファイルを開く前からがっかりしちゃいますね。

慶太 - これは舐められてるなーと思いつつ「だったら自分で作った方が早いや」っていうことで、このフューチャー・ベース系のトラックを。

龍一 - このトラックがあることを思い出したんですよ。それで、スタジオで聞いたときに「これじゃない?」っていう空気感が生まれてきて。慶太もそういうつもりで作ったんじゃない曲なんだろうけど、盛り上がっちゃって。

河嶋 - それで慶太さんの初めてのフル・プロデュースの曲がw-inds.のシングルになって、なおかつそこに振りも付いて、ミュージックビデオも撮影されてって形になって。自分で全部作った曲に振りが付くってどんな感じですか?

慶太 - 「もっとこうしてほしい」とか、急に発注が細かくなるっていうか。自分で曲を作っていると、全部自分の中にイメージがあるんですよね。ミュージックビデオの世界観の色味もそうだし、衣装とかもそうだし。もちろん今までもこういうことをやりたいというのはあったんですけど、「これじゃなきゃいやだ」っていうくらい思いが強くなりますよね、全部自分で作ると。

涼平 - 現場で振付師の人と慶太が細かくやり合ってたよね。

河嶋 - 振付はShow-heyさんですよね?ご自身もアーティストとして活躍されている方で。

涼平 - 詳しいですねー!

河嶋 - 思ったのは、歌って踊れる人がサビで歌うの止めた時の本気ってすごいなって。

慶太 - 僕ずっと10年くらい前から言ってたんですよ。ライブのリハやっているときに「なんでお前たちは100パーセントで踊れて、俺は踊れないんだ」って。「俺は100パーセントで踊りたい!」ってずっと2人に言ってて。

河嶋 - それは、お2人も「言われたところで」って感じですよね(笑)

龍一 - 「やりゃええやん」って(笑) おれは歌ってないからそれが言えるんですよ。

慶太 - フルでやっても70パーセントくらいだったダンスが、100パーセント見せられるってことで、それこそ踊りの武器っていうのも鋭利になったと思うし、トラックもエッジが効いていて、すごくいい1枚になったと思います。

河嶋 -  このアルバムの注目ポイントは、何と言っても初めてそれぞれのソロ楽曲が収録されたということなんですけど。まず7曲目が慶太さんのソロ楽曲で“Separate Way”。意外な曲が慶太さんのソロになったというか、こんなアコースティックな感じで来ると思ってなくて。

慶太 - 僕が歌ったらどれもw-inds.っぽくなるとは思ってたんですけど、このアルバムの中にビートレスな曲が絶対ほしかったので、だったらソロでやろうということで。ちょっと切ない詩の世界観でやってみました。

河嶋 - ここでバチンとアルバムの色が変わるというか。

慶太 - そうですね。転換ポイントというか、アルバムの中で1個作りたいなと思っていましたね。

河嶋 - 声を張ったりハイトーンを出したりっていうイメージも慶太さんは強いんですけど、ソロの楽曲であえてあまり感情的なボーカルがないじゃないですか最後まで。それがなんか「あぁ、この恋ってどうにもならんねや」っていう切なさとか諦めをめっちゃ感じるんですよ。全然感情的にならないから。「このままあかんねやな」みたいな。

慶太 - それはうれしいですね。ありがとうございます。

河嶋 - Ed Sheeranのアルバムも出たので、このタイミングでアコギ主体の楽曲を聞けてうれしいなって感じなんですけど。それでこの次が“ORIGINAL LOVE”、龍一さんのソロ曲で。8曲目ですね。これもトラック聞いたとき驚きました。これはもう聞いて1発目でこれでいこうと?

龍一 - そうですね。いろんな曲があった上で、この曲が来た時に「これでやりたい」と、聞いた瞬間そう思いました。

河嶋 - 龍一さんのソロはラップ主体でいこうというのは決めていらっしゃったんですか?

龍一 - そうですね。歌詞を書くって決めてから曲探しをしたんですよ。w-inds.の作品で初めて作詞をしたんで、せっかく自分で書くなら自分の言葉がストレートに乗る楽曲がいいし、それだと多分ラップかなって。他の曲も良いとは思ったんですけど、今回はラップにしましたね。

河嶋 - ラップの歌詞を書くって、すごく難しいと思うんですけど。

龍一 - 僕はでも割とやりやすかったですけどね。韻を踏むとすらすらいけるときとかあるので。そういう意味では書きやすかったです。自分の中でテーマも決まっていたし、情報量も定まっていたので。

河嶋 - なるほど。ここまでアルバム前半は女性に対して歌った曲だったりみんなで盛り上がろうっていう曲だったりが入っている中で、きっとこれはそのどちらでもないじゃないですか。同性でもない、友達に向けた曲ですよね。そこもなんか"ORIGINAL LOVE"っていう、愛として表現するあたりが龍一さんらしいと思ったんですけど。

龍一 - 2人もそう言ってくれるんですよね。僕らしいねっていうのは。

河嶋 - 曲調こそすごく今っぽい楽曲ですけど、しっかり龍一さんらしさが落とし込まれていて、すごい素敵な1曲ですよね。続いて、ソロ・パート最後は涼平さんの“In your warmth”が9曲目ですね。甘い感じで、たぶんみんな待ってた系ですよね。

涼平 - そうなんですか?

河嶋 - ド直球バラードというか。なんか龍一さん、ずっと笑ってらっしゃいますけど。

龍一 - 実は、さっきちょっと話してたんですよ。涼平の英語歌詞を日本語に直したものを見てたら、もう、すっごくエロくて(笑)

河嶋 - え、教えてください!3:00~5:00の番組なんで全然大丈夫です!

龍一 - 「Wanna be in your warmth」って、「君の温度を感じたいんだ」っていう意味で……。

涼平 - 日本語にしたら、そりゃ恥ずかしいこともありますけど(笑)

龍一 - 涼平からそういうセリフが聞けてるっていうのが、俺的にはアツいっていうか、面白くて。

慶太 - 一番言わなそうだもんね。

河嶋 - でもご自身から出てきた言葉をしたためられたんですよね?

涼平 - そうですね。ストレートに。

慶太 - 言うんだね、意外と。

涼平 - 言うわ。32だわ(笑)

河嶋 - 今回ボーカル・ディレクションというのをすべて慶太さんがやられていて。ソロ楽曲もそうだということですけど、それは具体的にどういった作業になるんですか?

慶太 - レコーディングで歌うグルーヴとか声の質とかを、「もうちょっとこうして」っていう風に僕が判断してアドバイスを送ったりして、完成形を作っていくっていう感じですね。

龍一 - 良くも悪くも癖があると乗りやすい場所とか乗りづらい場所とかあったりするんですが、客観的に聞いてくれる人がいてフラットにまとめてくれると、スムーズにいきますよね。

慶太 - 基本デモが英語なので、日本語に直した時にデモの通りにやってもどうしても乗らないなっていうときがあるので、そういうときはラインを変えたりコーラスを付け足したりして。

河嶋 - なるほど。そんな慶太さんのディレクションを受けた感想はどうでしたか?

涼平 - w-inds.の楽曲は他のアルバムも全部そうなんですけど、今回はソロの楽曲もフルで全部やってもらって。それはなんか面白かったですね。

河嶋 - また新たな発見もあり?

涼平 - 勉強にもなったし、一緒にやっている感じが楽しかったというか。一番これが硬くなく自然体で2人でできたかなって感じがしますね。

河嶋 - 16年経ってようやくソロ楽曲が入って、ファンの皆さんもずっと待ってたと思うんですけど、10曲目の“wind wind blow”も大好きなんですけど。この曲もリリースになったタイミングで掛けさせてもらったんです、龍一さんと涼平さんのリリックが好きで。めっちゃ良くないですか?

龍一 - でも、女子目線でいったら結構ひどい男なんじゃないかなって。

河嶋 - 全然! 確かに歌詞を読むと「しらけたまま流す dance music 転がってる your lipstick 散らかった記憶の欠片は 拾わずに… 風に飛ばそう」ってラインがあるんですけど、失恋の後の虚無感ってこれだよねって。私あまり女性らしい感覚がないので、大好きな曲なんですけど。そんな曲も入り、慶太さん作詞の“TABOO”、それから“Players”、これもまたドロップというか、音サビでどんなダンスが見れるんだろうなっていう感じで。

慶太 - ニュー・ディスコっていうジャンルですね。

河嶋 - それから“We Don’t Need To Talk Anymore”のDMD Remixというのが入っていて。

慶太 - フューチャー・ベースのリミックスになっています。

河嶋 -初回盤Aに入っているDisk2の方も、w-inds.の今までのダンスナンバーを集めたノンストップ・リミックスを同じDMDが手掛けているということで。(※) とにかく、1枚聞いたら今のダンス・ミュージックが分かるし、なおかつ今までw-inds.が積み重ねてきたものがソロ楽曲も含めて凝縮された感じもあるので、1枚で説明がつくアルバムではないかなと思います。

※DMDは橘慶太さんが所属するプロデュース・チーム。

 

河嶋 - 改めましてこの時間はw-inds.さんをお迎えしています。この番組では毎週ゲストの方に今気になっている音楽をスタジオに持ってきていただいて、聞きながらお話ししましょうということをしているんですが、初登場のW-inds.の皆さんに選んでいただいたテーマは「ご自身の楽曲以外で、これで踊りたいと思う旬なダンスナンバーはありますか? 」ということなんですが、最高の3曲が揃いました。では慶太さんから紹介してもらっていいですか?

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