ちゃんみな『未成年』リリースインタビュー | 私は音楽がなかったらどうなってるんだろう

FEATURED  2017.03.24  FNMNL編集部

高校生ラップ選手権で注目を集めた、ちゃんみながデビューアルバム『未成年』をリリースした。わずか1歳半で歌手を目指していたという、ちゃんみなは高校生の間にメジャーデビューするという目標を掲げ、それを見事に達成した。

ラッパーとして見られることの多い、ちゃんみなのデビュー作ではもちろんハードなラップチューンなども聴くことができるが、その内容はダンスチューンから元々は苦手だったという歌を聴かせるバラードなどバラエティーに富んだものになっている。

ずっと音楽についてだけ考えてきたというちゃんみなに、アルバムについてそして意外な悩みなどを聞いた。

取材・構成 : 和田哲郎

- アルバムリリースおめでとうございます。まず10代のうちにアルバムをリリースしたかったのはなぜですか?

ちゃんみな - 私の中で高校生のうちにメジャーデビューするという目標がずっとあったからですね。1歳半くらいから歌手になりたいと思っていて、明確にそれが目標になったのは小6くらいです。特別な出来事があったわけではなくて、その時に気持ちが盛り上がったんだと思います。

- 曲を聴かせてもらって、大人なテイストの曲だったり、まだ子供的な部分を感じる曲だったり、大人と子供の中間という印象を受けたんですが、全体的なテーマは設けましたか?

ちゃんみな - 全体的なテーマって聞かれるんですけど、実はなくて1曲ずつに個別のテーマがしっかりあって、だからしっちゃかめっちゃかなアルバムではあるんですけど(笑)。"Lady"とかはまさに大人でも子供でもない、18歳だからこそ書ける内容だったりとか、"未成年 Feat. めっし"もそうだったり、今を大事にしたかったので、まさに今って曲ばかりになってます。

 

- デビュー作とはいえ、初々しいものというよりは、挑発的なリリックの曲もあるし、トラックもバラエティーに富んでいて、すごい完成度が高いものになってますよね。

ちゃんみな - ありがたいです。それはプロデューサーの皆さん含めスタッフの方が頑張ってもらえたからかなと思ってます。でも私自身は他のアーティストのデビューアルバムとかをあんまり聞いたことがなくて、だからどういう基準のものになってるかはわからないですね。

- Twitterで私がやりたいのはラップじゃないというツイートをしていた通り、楽曲の幅も広いですよね。

ちゃんみな - とりあえず私はいろんな音楽を聴くんですよ。ツイートの通りでいろんな音楽をやりたいと自分でも思ってるので、その時にやりたい音楽をやったという感じなんですよ。それをバランス良く配置したくらいですね。そのツイートをした理由は、「これヒップホップじゃなくない?」とか、「あいつヒップホップじゃねえよな」とか言われてたんですよ。ヒップホップってなん何なの、ジャンルにとらわれるのカッコ悪いなと思って、ツイートしたんですよ。だから正直あんまりジャンルとかは考えてないです。メジャーだからポップになったんじゃないって思われる曲もあれば、メジャーなのにポップじゃないねって思う曲もあるし、「何がしたいの?」と思われると思います(笑)ラップしたいの?歌いたいの?みたいな。まあでも全部が全部私なので、型にハメないでほしいですね。

- いろいろ言われてヒップホップシーンは窮屈だなという感じはありますか?

ちゃんみな - でもヒップホップシーンにいたつもりはないですし、ストリートも通ってないので。窮屈とは感じたことないですね。でも日本自体が窮屈かなとは思います。メジャーになってくると言葉の制限もあるし。かといって世界でやるには、まだ広すぎるし。

- でも韓国で活動したいんですよね、韓国のファンからはリアクションがあったりしますか?

ちゃんみな - 韓国で活動したいというのは、ずっとありますね。韓国のラッパーの友達から明洞のアクセサリーショップで私の曲が流れてたって聞きましたね。ヤバくないですか?日本でも私のファンの子達ってK-Pop好きな子が多くて、SNSのプロフィールの名前がハングルだったり。そういう子達に好かれてることは私にとってプラスになると思いますし、韓国にもファンは何人かいてくれるので、もうちょっと頑張りたいなと思います。いろんな方向でやりつつ、そこも推せたらなと思ってます。

- 韓国の音楽の魅力ってどういうところに感じますか?

ちゃんみな - 多分韓国の音楽はルーツがアメリカの曲だと思うんですよ。最新ヒットから引いてきていて。そうなると韓国もUSのパクリだとか言われちゃうじゃないですか。でもルーツがあっても韓国はK-Popってジャンルになるじゃないですか。やっぱりそれってオリジナル性があるからだし、K-Popって華やかじゃないですか、展開とかも多いし。アイドルの曲なのにクオリティーが高すぎてビックリするというか。そのことに私は小学校の頃から衝撃を受けてました。アメリカの音楽を聴くようになったのは最近で、韓国の曲以外はほとんど聴いてなかったです。韓国のアーティストで影響を受けたのはやっぱりBIGBANGですね。

- ラッパーにもあんまり影響を受けていないし、実際シーンにいるという意識もないのに、ラップというスタイルをやってみようと思ったのはなぜですか?

ちゃんみな - ラップってものをやろうとしてやったわけじゃなくて、気づいたらラップしてたって感じなんですね。歌の延長線だと思ってて、早くてメロディーが動くような歌だと思ってたんですよ。だからヒップホップとかには影響を受けてなかったんです。ラッパーがアカペラでフリースタイルをしても、すげーってなるくらいで、本当にやべえじゃんってなるのは、マイケル・ジャクソンさんの素晴らしいステージとか、スーザン・ボイルさんの素晴らしい歌声とかのほうがなります。そっちのほうが全然くらうし、未だにラップでくらったことは、あまりなくて。でもラップをやろうとしたきっかけは自分のラップにくらったからだと思います。ははは(笑)私、ここまで出来るんだって、自分のラップにくらったんだと思います。初めてラップをしたのは覚えてないけど、中1くらいじゃないですか。それがラップだと知って、自分でくらったのは高一ですね。「私、これ上手くね?」って。

 

- ラップのほうが歌より言いたいことを言いやすいということではないんですね。

ちゃんみな - 単純にラップってかっこいいじゃないですか。もちろん言葉を伝えるのは大事ですけど、メロディーとか聴いててかっこいいって思うものって大事じゃないですか。人がどう思うかとかじゃなくて、私がかっこいいと思ったら、同じものをかっこいいっていう人はいるはずだし、私がかっこいいって思わなきゃダメなんだなって思ってたら、ラップに行き着きましたね。

- でもそのメンタリティーって、すごいラッパーぽいですよね。

ちゃんみな - そうかもしれないですね。自分よりラップのフロウが上手い人に出会ったことないんですよ。

- ははは。特に練習とかもしてないんですよね?

ちゃんみな - あまり練習はしていないですね!どちらかというと私は歌とか作曲とかのほうが練習は必要だと思いますけどね。

- それくらい自然にできちゃうんですね。

ちゃんみな - そんなに追求するものではないと思います、センスが必要だと思います。上手くなろうと思って練習して、上手くはなると思いますけど、練習してかっこよくなるものではないと思います。

- ちゃんみなさん自身は、歌が苦手だったというのを読んだのですが。

ちゃんみな - 本当です、1歳半からピアノをやり始めて、いろんな楽器に触れてバレエとかもやって、歌だけはノータッチだったんですよ。なんで私は歌手になりたいのに歌をやらせてくれないんだろと思って。でも歌は大好きだったんで、先生とかに見てもらっても「歌は諦めたほうがいいよ」って言われるくらい音痴だったし、音感もつかめてなかったし、高い声も低い声も出ないし、最悪じゃんって思ってたんですけど。歌は練習したら絶対に上手くなるんですよね。だからすごく練習しました。でも私がシンガー志望でラップをやらなかったら、デビューは出来なかったと思います。歌が私より上手い人なんて何千といるし、そこで何が人と違うかっていうのが問題なんで。私がデビューできたのはラップがあったからだと思います。

- なるほど。でもアルバムは本当にバランスがいいですよね。歌とラップのバリエーションもいろいろチャレンジしてるじゃないですか。

ちゃんみな - 本当ですか、ありがたいです。いつもすごい怒られるんですよ、詰め込みすぎとか、いつも予算オーバーは当たり前なので(笑)

- 音楽以外の趣味とかも詰め込んじゃいますか?

ちゃんみな - 私、本当に趣味がないんですよ。最近の子達に注意したいんですけど、小さい頃から音楽しかやっていないと本当に音楽しかなくなりますよ。夢を叶えたいと思って、ずっとやってきたことが習慣になって、趣味になって特技になっていくじゃないですか。私は昔から趣味は歌です、特技はダンスですとか全部音楽にまつわることで、今音楽が仕事になって趣味はなんですか?って聞かれると答えられないんですよ。音楽以外何にもない人間ですよ。

- ははは。それを続けられるのもすごいですよね。

ちゃんみな - いや、ほんとですよね。びっくりしてます。私は音楽がなかったらどうなってるんだろうって、すごい思います。

- 中学の時は少し荒れてたんですよね、その時も音楽への気持ちは変わらなかったんですか?

ちゃんみな - 基本的に変わらなかったですね。ずっと楽器と歌はやってきてたので。荒れてた時代が他の趣味が唯一あった時代かなって感じですね。でも今は休みの日に、何したらいいのかわからないんですよ、困ってて。中学の時にいた友達とは、高校入って本気出したあたりから関わらなくなって、携帯も変えて心機一転しようと思って。

- めちゃめちゃストイックですね。

ちゃんみな - そうなんですよ、それをやったから友達もいないし本当に何をしたらいいのかわからないんですよ。ずっと音楽しかしてないです。

- でもアルバムでも友達について歌ってる曲はありますよね。

ちゃんみな - あ、それは今の親友のめっしですね。めっしも変わってて、友達がいないんで。最近はあんまり会えてないですね、お互い忙しくて。

 

- どうやって仲良くなったんですか?

ちゃんみな - 高校で出会って、最初は仲悪かったんですよ。高校に元ヤンチームとギャルチームが分かれてて、ギャルチームは高校デビューって感じだったんですよ。私はやることは中学のときに全部やってきて、落ち着こうぜって感じで。めっしはギャル側で、最初は「何なの?あの高校デビュー」って感じで仲は悪かったですね。私は最初は相手にもしてなくて、嫌いとかでもなかったんですよ。私の高校はちょっと特殊で音楽寄りの学校でサマーライブっていうのがあるんですよ。私はボーカルコースだったんで、歌を唄うことになっていて、めっしはダンスをやってたんですよ。ある日サマーライブのときにバックダンサーをつけたいと思って、それで声かけたんですよ。その時何回か練習していくうちに、すごい共通点がみつかって。夢に対する思いとか、本気でやりたかったりとか。高校にはあんまり本気でやりたい子がいなかったんですよ。

- 一緒に曲をやろうと思ったのは?めっしさんはダンサーだったんですよね。

ちゃんみな - 急にあいつが歌いたいって言い出して。ずっとボーカルとダンサーって関係でやってたんですよ。その前は私はもう一人別のボーカルの子と、ボーカル&ラップチームって感じでやってたんですけど、解散することになって。それでどうしようかなって思ってたら、めっしが「実は私歌って踊れる人になりたかったんだ」って言ってきて。でもそれはなんとなく知ってたから、「歌えばいいじゃん、なんで歌わないの?」って言ったら、「でも、みなを見てるからさ」って言われて、「いやいやいや、歌えよ」って感じで一緒にやったんですよ。それで私が曲を書いて、"未成年 Feat. めっし"ができました。

- そうだったんですね、でもあの曲もキャラ立ちもはっきりしてるじゃないですか。

ちゃんみな - そうですね、私がめっしの部分も全部書いたんですよ。実際ああいう歌詞の子なんで、歌詞をみせたら「わかるぅ」って言ってくれたから、じゃあいいじゃんって感じでやってもらって。他人に対して書くほうが気楽に書けますね、その人のキャラが客観視できるから。めっしの曲も結構手伝ってるんですよ。自分の曲のほうが慎重っていうか、自分のことを客観視するのって難しいじゃないですか。

次ページ : 私には音楽しかない

MUSIC

FASHION

CULTURE