Syd『Fin』リリースインタビュー | 2017年はソロ、The Internetとして動き続ける

The Internetは今年それぞれのメンバーがソロ作をリリースすると、昨年予告していた。その予告通り1月にMatt Martiansがアルバム『The Drum Chord Theory』、そして2月にボーカリストSydも『Fin』リリースした。さらにSteve Lacyが2/24にソロ作『Steve Lacy's Demo』をリリースすることも新たに発表された。

ソロ活動はそれぞれのメンバーの個性を強調することもあるが、メンバーはソロ作を出すことでThe Internetとして最高な形でカムバックを果たすことを第一に考えているようだ。

その通りこれまでにリリースされたMatt MartiansとSydのアルバムは、それぞれのパーソナリティーを色濃く反映しつつも、延長線上にはThe Internetという稀有なバンドの新しい姿が見えてきそうな内容になっていた。

Sydのアルバム『Fin』は、彼女の音楽の原体験となった、UsherやBritney Spears、Justin TimberlakeやBrandy、そしてAaliyahなどの影響を受けつつも、モダンでソリッドな音像そしてフラットなテンションのボーカルが、クールな風合いの作品となっていた。そんなアルバムについて、そしてThe InternetについてSydが語ってくれた。

そもそもソロ・アルバムを作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

Syd - そうね、ジ・インターネットとは違うタイプの曲がたくさん出来あがったからかしら。当初は他のアーティストに提供しようと思っていたんだけど、まだそういうタイミングでもないかなって思って。それでちょうどジ・インターネットの他のメンバーがソロ・アルバムの創作に取り掛かっていたから、私も自分のソロをやってみようと思った。

- 具体的に『Fin』の制作に取り掛かったのはいつ頃でしょうか?

Syd - 分からない。アルバムのために曲作りを始めたわけじゃないから。とにかく曲を書きためていたの、他のアーティストへ提供するためにね。実はほとんどの曲がそういう目的で書いたの。

 - こういうアルバムにしたいという明確なヴィジョンはあったのでしょうか?それとも自然な流れだったのでしょうか?

Syd - アルバム全体通して中だるみしないように気を付けた。あとはわりと自然に出来て行った。

- タイトルの『Fin』にはどういった意味が込められているのでしょうか?

Syd - バンドでの私の役割を表している。サメのヒレ(Fin)みたいに、最初に目に付くのは私だけど、それは全体のほんの一部でしかないということ。

- レコーディング作業はどうでしたか?何か面白いエピソードはありますか?

Syd - レコーディングは自宅のスタジオでほとんど一人でやって、わりと地味な作業だったから、あんまり面白いエピソードは無いね(笑)

-『Fin』にはゲスト・プロデューサーとしてメロー・X、ヒット・ボーイ、ラーキ、ヘイズ、そして同じジ・インターネットのメンバー、スティーヴ・レイシーが参加していますが彼らとの仕事はどうでしたか?

Syd - メロー・Xはとても素敵な人。ある日彼がやって来て、たくさんビートを作り始めて、最終的に4ついいのが出来て、その内の一つが"Body"になった。ヒット・ボーイも超ナイス・ガイ。彼が"Shake Em Off"を一から作り上げるのを目の前で見ていたわ。ラーキは超ドープ。彼の曲作りってものすごく細かくて、それがすごい楽しかった。ヘイズは最初のコラボ相手で、彼のエンジニア含めてすごく仕事がしやすくて、ヘイズとは2曲やった。とにかく素晴らしいプロデューサー達と一緒に仕事が出来てとても恵まれていたと思う。

- アルバムで一番のお気に入りの曲は?

Syd - 全部私の赤ちゃんよ。でも今お気に入りなのは"Know"ね。いまちょうどこの曲のリハーサルをしていて、歌うのがとても楽しいの。

- サウンドと歌詞の面でソロとジ・インターネットの違いをあげるとしたら?

Syd - サウンド面でいうと、ソロのほうがジ・インターネットよりエレクトロニックな要素が強いと思う、もっとモダンでエッジー。歌詞はジ・インターネットの時と同じアプローチ。

- 2017年はソロ、そしてジ・インターネットにとってどんな年になるでしょうか?

Syd - とにかく作品を作り続ける。今度のジ・インターネットのツアーではみんなそれぞれソロも披露する。そこから何かしら生まれるかもね。いまはみんなそれぞれ全く違うことをやっている。シナリオはないの。だから進みながら色々見えてくると思う。

- ところでいま一番お気に入りのアーティストは?

Syd - そうね、これっていうアーティストがいるわけじゃないんだけど、最近はサンダーキャットの新しいやつ、ケラーニ、それとマット・マーシャンズの新しいアルバムをよく聞いてる。

- 日本のアーティストは誰か知っていますか?

Syd - うーん、知っているアーティストはいないんだけど、すごく興味ある。いい日本のアーティストを発見したい。

最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

Syd - ずっとサポートを続けてきてくれてありがとう、とても感謝している。早くみんなに会えるのを楽しみにしている!

Release Info

Syd - Fin

tracklist:
1. Shake ’Em Off
2. Know
3. Nothin to Something
4. No Complaints
5. All About Me
6. Smile More
7. Got Her Own
8. Drown in It
9. Body
10. Dollar Bills
11. Over
12. Insecurities

RELATED

【インタビュー】Cram & Budamunk by ISSUGI | Talk About Beats

今年DOGEAR RECORDSからそれぞれアルバムをリリースしたビートメイカーのCramとBudamunk。世代が違う中でも自身のビートの世界を追求してきた2人に対して、毎月7インチをリリースする前人未到の企画『7INCTREE』にも両者をプロデューサーとして招き入れたISSUGIがインタビューを...

【メールインタビュー】CYK | 若きハウス・コレクティヴが作り出す新しいグルーヴ

活動から2年弱、今旬なアーティストを招聘し続けているハウス・コレクティブ CYK。若手ながらもruralやソウルのローカルラジオ Seoul Community Radioに出演したりと精力的に活動し、常に成長し続ける彼らのパーティーは、世代関係なく東京の新しいダンスミュージックコミュニティーを作り上げている。そして次に彼らがしかけるパーティーは、Baba Stiltz、C'est Quiを迎えた、東京・大阪・韓国のアジアツアーである。

【特集 Red Bull Music Festival Tokyo】ShintaroとMarzyが共謀するオンラインパーティ『PLUG (24 HOURS)』

世界的ターンテーブリストのDJ Shintaro、そしてストリートを賑わせるDJのMarzyは、実はプライベート含めて親密な仲。意外な組み合わせの彼らが中心となった、24時間ブッ続けのパーティが10/6(土)昼12時からRed Bull Music Studios Tokyoで配信されることになった。

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

Floating Pointsが選ぶ日本産のベストレコードと日本のベストレコード・ショップ

Floating Pointsは昨年11月にリリースした待望のデビュー・アルバム『Elaenia』を引っ提げたワールドツアーを敢行中だ。日本でも10/7の渋谷WWW Xと翌日の朝霧JAMで、評判の高いバンドでのライブセットを披露した。