MISOミニインタビュー clubeskimoに所属する韓国の注目ビートメーカーに聞くシーンの現在

MUSIC  2016.12.27  Tetsuro Wada

現在ヒップホップが盛り上がりをみせている韓国の中でも、独自のサウンドで注目されているのがDEANやCrushが率いるクルーclubeskimoだ。90'sのR&Bなどから影響を受けた、チルでメロウなビートを操るビートを操るMillicや、今年YGのサブレーベルHIGHGRNDからデビューEPをリリースしたばかりのラッパーPunchnelloなどの注目アーティストが自由に活動を続けるコレクティブだ。clubeskimoのメンバーで昨年パリで開催されたRed Bull Music Academyにも選出されたビートメーカーでシンガーのMISOが10月に来日公演を行うとのことで、謎の多いclubeskimoについてや、彼女から見た韓国のシーンについて話を聞いた。

取材・構成 和田哲郎 取材協力 YonYon(BRIDGE)

- 最初に音楽に興味を持つようになったのはいつですか?

MISO - 幼い頃から両親が、家でクラシックとかジャズをずっと聴いてて、それを自然に聴くようになって、当時は両親の影響もあって、チェロとかフルートを習ってました。

MISO

- 前に読んだインタビューで90年代のR&Bなどに影響を受けたと言っていたんですが、そうした音楽にはどのように出会ったのですか?

MISO - 私はイギリスに住んでたので、当時周りで90年代のR&Bがすごい流行ってて、ナチュラルに入ってきたし、学校から帰ってきてすぐにMTVチェックしたりとか、アーティストのミュージックビデオを見るのが楽しみでしたね。当時好きだったアーティストはAaliyahとかJennifer Lopez、Busta Rhymez、Usher、R.Kellyとかですね。あとはTLC、Mary J Blige、Brandy、Janet Jackson、City High、Erykah Baduも好きです。生まれたのは韓国で3歳のときに、イギリスに引っ越して10年間暮らして、韓国に戻ってきました。

- イギリスから韓国に戻って音楽の趣味は変わったりしましたか?

MISO - 基本的には変わらなかったけど、韓国に戻ってからは、韓国のアンダーグラウンドのヒップホップとかR&Bのアーティストをチェックするようにはなりましたね。韓国のアーティストで当時好きだったのは、FanaやThe Quiett、Eternal Morning、Verbal Jintですね。

 

- 実際にビートを作り始めたのはいつですか?

MISO - 19歳のときに始めました。FL Studioをダウンロードしたのが、ささやかなきっかけでしたね。周りにはあまりプロデューサーはいなくて1人で始めました。clubeskimoに入ったのは、友達の友達の紹介でclubeskimoのMillicと知り合って、そこから彼に直接声をかけてもらって入りました。

clubeskimoに入る前は別のレーベルと契約直前だったんですけど、正直自分の中で心の準備がまだできてなくて、その前に一緒に音楽ができる仲間がいたらいいなと思って相談してたら、clubeskimoを紹介してもらったんです。clubeskimoのメンバーとは一緒に作業するとき以外でも、プライベートで遊んだり、旅行に行ったりしてます。clubeskimoに入ってくるメンバーはSoundCloudとかSNSで仲良くなったりして、クルーに入ることが多いですね。

- 今後clubeskimoでアルバムなどを作る予定はあるのですか?

MISO - 出すつもりはあるんですけど、まだいつになるかはわからないですね。それぞれがすごい忙しくて。

- MISOさんはなんでレーベルに入るのを一度やめたんですか?

MISO - clubeskimo自体もレーベルといえばレーベルなんですが、インディペンデントだし、自分の力でどこまでいけるか試してみたかったんですよね。今はclubeskimoでお互い刺激しあっている状況なので、今後自分がどうやって音楽をやるか模索している最中ですね。去年RBMAに参加したのは募集してたから、ノリで応募してみたら受かっちゃって、まさか自分がって感じでしたね。RBMAはいろんな国の参加者が来るし、それまで自分が考えてたこれが音楽だって以上に、音楽って深くて広いものだってことを知るきっかけにもなったし、今までずっと部屋で1人で音楽を作ってきたのが、毎日いろんな人とセッションしたりする行為が、自分には新鮮だったし、いろんな国のプロデューサーがバックグラウンドで持っているカルチャーが、目に見えてわかるから、文化の違いっていうのは面白いんだっていうのを感じましたね。

- RBMAから帰ってから、作る音に変化はありましたか?

MISO - 作る音は直接的には変化はないですね、でも参加者を通じて知った新しい技術とか、音楽を作る上での考え方の視野が広がったっていうのはありますね。

- 韓国の今の音楽シーンの状況について教えてください。DeanやCrushは今やメインストリームに近い存在ですよね。

MISO - 元々韓国といえばK-Popで、韓国といえばアイドルというイメージが強かった中、DeanやCrushの登場によって、アンダーグラウンドのヒップホップとかR&Bとかのシーンが注目されるようになったのは、すごいいいことだなと思ってます。でも正直、ヒップホップやR&Bが大衆化してしまって、本当のアンダーグラウンドはなんなのかってなった時に、RBMAに参加したことが大きくてテクノやジャングルとか、もっとコアな音楽は世の中にあふれているのに、韓国の人たちはそれを知らないから。あるのを知ってても認めないのが、大きな問題で、韓国のシーンを動かしている人たちがそういうアンダーグラウンドな音楽を紹介してくれたらもっといいなと思いますね。

- それは韓国のシーンがアメリカに大きな影響を受けすぎているからというのもあるんですかね。

MISO - やっぱり、テクノとかジャングルとか、グライムとかもそうですけど、ヨーロッパの音楽というよりも、アメリカのポップスが聞かれやすい状況になってて、K-Popの曲もアメリカをルーツにしてるから、そういうところはあると思います。

- そんなシーンの中でMISOさんはどういったアーティストになっていきたいですか?

MISO - 一番好きな音楽はヒップホップやR&B、ジャズですが、ジャンルに縛られない純粋な音楽をやりたいと思ってますし、自分だけにしか作れない何かっていうのを今後追求していきたいと思ってますし、将来的には映画の音楽とかもチャレンジしてみたいなと思ってますね。今はシングルがリリースされてちょうどミュージックビデオもリリースされたところなのでチェックしてください。

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