サウンドシステムカルチャーをテーマにしたイベント『Dub Cinema』が10月に開催決定 | 映画『SOUND SYSTEM』の監督のスペシャルインタビューを掲載

会場にサウンドシステムを持ち込み、ダブやレゲエなどを中心に様々な音楽映画や映像作品を上映し、そのジャンルのスペシャリストたちのプレイする音楽と一緒に楽しむイベント『Dub Cinema』が、10/6(日)に東京・代官山のB1FLAT(元UNICE)で開催される。

初回ではフランスの映画監督Seb Kartieによるサウンドシステムをメインとしたドキュメンタリー映画『SOUND SYSTEM』を上映。映画はジャマイカやUKのシステムの歴史からNYにおけるラジカセやサウンドシステム事情から現代の南米、カリブにおけるレゲエ以外のサウンドシステムカルチャーのあり方も紹介されている。

FNMNLではこのイベントの開催を記念して監督のSeb Kartieによるインタビューを掲載する。

- まず、自己紹介をお願いします。

Seb Kartie - レゲエ大好きのフランス人のライター/ディレクター。ジャーナリスト、キュレーター。

- はじめてサウンドシステムを体験したときはいつですか? また、このカルチャーにのめり込むきっかけは?

Seb Kartie - 1990年代の半ば、ボリス氏のサウンドシステム「リアリティー」が、ロンドン北部から僕の地元であるフランスのモンペリエにやってきたんだ。僕たちがスケートしていた町の外れのスケートパークでサウンドチェックをやっていた。時々、彼の友達のルーツ・ティングがモンペリエにやってきてルーツレゲエや、デジタルコンシャスな聞いたことのない選曲で、1台のターンテーブルとプリアンプだけでかけていた。ジャー・シャカ、チャンネルワン、アバ・シャンティも、このスタイルでプレイしていたって教えてくれたんだよ。それがカッコよくて、ロンドンに行って、色々なサウンドシステムを見たよ。レゲエミュージックを聞くスタイルが変わった。ルーツ・ティングとリアリティーは僕に大きな影響を与えてくれた。彼らがプレイしていた曲についてのブログもあるよ。

- 映画を作ろうと思った動機は?

Seb Kartie - ジャマイカのサウンドシステム カルチャーを勉強していくうちに、他の国でも、サウンドシステム カルチャーがあることを知ったんだ。その土地のローカルな音を流すための手段で、経済的に貧しかったり、クラブがなかったりする場所で、音楽が必要とされたらサウンドシステムができる。それは人々の言葉でありメッセージ。そこに興味を持ったんだ。 サウンドシステムはストリートカルチャーのルーツなんだと思う。

- この映画の製作中、最も面白かったエピソードは?

Seb Kartie - キングストンのウェディーウェディーダンスホールパーティーの撮影は楽しかったよ。個性的な楽しい人たちがいてね。サウンドシステムビルダーのヘッドリー・ジョーンズに会うことができて、亡くなる半年前に取材できたことも本当に感謝している。トリニダード・トバゴ共和国のマイクメンとの時間も、ブラジルの町ベレンのテクノブレガのクレイジーなパーティーで、何千人のキッズたちと花火と、セキュリティーがゼロだったことも最高だったよ。

- 今後、世界のサウンドシステムカルチャーはどう発展すると思いますか?

Seb Kartie - 今、みんなが聞いているラップやアーバンミュージック、新しい音は、サウンドシステムから枝分かれしたもので、全てのルーツはジャマイカのサウンドシステムなんだよ。

- あなたにとっての理想のサウンドシステムとは?

Seb Kartie - 僕の理想のサウンドシステムは、やっぱりリアリティーとルーツ・ティング、チャンネルワン、ジャーオブザーバーのサウンドシステムだね。みんながダンスしたくなる彼らのセレクションには本当に驚かされる。彼らの音は大きいんだけど優しいんだ。トップクラスだね! 誰が一番パワーがあるかじゃなくて、ベストをかけるか!「音楽は打たれても痛みは感じない」!Bob Marleyの言葉だね。

Info

・日時
2019/10/06 (Sun)
Open 15:00 - 22:00

・会場
B1FLAT (ex UNICE)
http://unice.jp

・イベントタイトル
Dub Cinema

・上映作品
「SOUND SYSTEM」
監督: セブ・カラヨル & カティ・カラン (フランス)
上映1回目 16:20 / 2回目 20:00 (60分)

・DJ
Bim One Production
Cojie of Mighty Crown
荏開津広

・Talk Session
飯島直樹 (DISC SHOP ZERO) x 荏開津広

・シネマ音響
EASS

・FOOD
虎子食堂

Produced by ARTE CREATIVE
Supported by Tokyo Dub Attack

・上映作品のレビュー掲載サイト
http://soundsystemfun.net/

当日 ¥2,500 +1D¥600
前売 ¥2,000 +1D¥600
*小学生以下入場無料

*当日は自由席となり着席番号はありません。また、映画1回目が終わってもそのまま2回目以降もお楽しみいただけます。(入れ替えなし)

- チケット情報 -
・ ぴあ : 0570-02-9999 Pコード:162-272
・ ローソン Lコード: 76328
・ e+ : https://eplus.jp/sf/detail/3039160001-P0030001
・ UNIT WEB TICKET : https://unit-tokyo.zaiko.io
・ 代官山UNIT 店頭 03-5459-8630
・ Dub Store Record Mart 03-3364-5251
・ DISC SHOP ZERO 090-7412-5357
・ OZAWA 03-6451-0265

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この作品にはコミュニティーミュージックに関する、美しくて希望に溢れた物語が詰まっている。サウンドシステムは踊る人を差別しないし、区別もしない。すべての人々に対して平等に低音は与えられる。日々分断が進む世界を(楽しく!)サヴァイヴするために。トリニダードのインド系住民やテクノ・ブレーガのサウンドシステム事情など、あまりにレアなエピソードばかりで目を見張りました。大石始(ライター)
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