【インタビュー】Litty 『Get Litty?』 | 私は自分のことを包み隠さず話してる

"Pull Up"のヒットから、事態は一気に加速した。ラッパーとして歩み始めて間もないはずのLittyは、瞬く間に注目を集め、その勢いのままPOP YOURS 2026のステージへと到達する。けれど、彼女の快進撃は、ただ運よく起きたサクセスストーリーではない。ローティーンの頃からUSラップを浴びるように聴き、メインストリームの輝きも、クラブバンガーの強度も、自分の感覚の中に蓄えてきた。その蓄積が、ローボイスの個性、メロディックなフロウ、そしてヒップホップへの深い愛と結びついた時、Littyの音楽は一気に輪郭を持ちはじめたのだ。デビューアルバム『Get Litty?』は、その急加速の只中で生まれた一作である。幅広いビートアプローチ、客演との化学反応、自身の現在地を刻みつける言葉の数々。駆け上がるスピードと、その裏側で重ねられてきた試行錯誤の両方が、このアルバムには刻まれている。今回のインタビューでは、その濃密な変化の時間をLitty本人にじっくり訊いた。

取材・構成 : つやちゃん

撮影 : 横山純

Litty - だったと思います。当時はUSのトップチャートをラジオアプリでiPod touchに入れて、毎日聴いてました。ちょうどその頃って、DrakeとかNicki MinajとかTygaもそうだし、Lil Wayneもめちゃくちゃ流行っていて。Young Moneyの“BedRock”きっかけでヒップホップがすごくしっくりきて、意味も分からずとにかく歌えるくらいまで聴いてて。そこからだんだん英語も上達していって、毎年夏はアメリカに留学していたので耳も慣れてきた。「こういうことを言ってるんだ」「こんなところで韻を踏んでるんだ」というのが分かるようになってどんどんハマっていきました。

Litty - 全然いなかったですね。私、日本のカトリックの女子校だったので、周りはジャニーズとかK-POPが流行っていたし、自分も結構K-POPは好きで聴いてたんですけど、ヒップホップを語れる人は本当に親友ひとりだけ。唾奇さんとか、そのあたりからラップに入った子がいて。その子が最初、私に日本語ラップを教えてくれたんですよ。私は最初USを聴いていたから、日本語ラップに少し距離があったんですけど、友達が車とか家で流したりカラオケで歌ったりしてるうちに、「めっちゃいいじゃん!」ってなって。日本語の面白さにも気づいて、日本語ラップにすごくのめり込んでいって自分でもディグるようになりました。

Litty - プロデューサーで言うと、私はWheezyが好きなんですよ。なので、やっぱりアトランタのラッパーをよく聴いてきました。Gunnaとか(Playboi)Cartiも好き。でもウェストサイドのヴァイブスも大好きで、やっぱりMustardは良いなって思うし。D.A. Doman(D.A. Got That Dope)みたいなプロデューサーの曲も気づいたら聴いていましたね。プロデューサータグを追っていく中で、自分の好みがだんだん分かっていった感じです。

Litty - チャートの後は、YouTubeも少しは見てたけど、逆にMVはあまり見ずに、Spotifyで探して聴きまくってました。“RapCaviar”とかのSpotifyのプレイリストは更新されたら大体全部聴くし、Apple Musicのニューリリースも更新されたら聴く。好きなアーティストを見つけたら、その人の曲をもっと聴いてみる、みたいな感じで。あと、ずっと自分のプレイリストを作るのにハマっていて、それをずっとやってきましたね。メジャーでド派手なヒップホップが大好きなんです。もちろんアングラなサウンドも好きだし、いま流行ってる潰れた感じのサウンドも聴くんですけど、アトランタのメジャーな音に比べると毎日ずっと聴く感じではないかも。なので、ミーハーです(笑)。

Litty - 私、Young Thugの『UY SCUTI』とか大好きで。1曲目の“Ninja”とか、「Young Thugどうした?!」って笑っちゃうくらいのユニークさだったじゃないですか。そういう面白いものが好きなんです。日本語ラップもそうで、BAD HOPさんも“Chopstick”とか、めちゃくちゃふざけてるけどかっこいい。ああいうのがすごく好き。

Litty - そうなんですよ、ぶっ飛んでますよね。Gunnaも、いろいろ非難されてるのに今でも曲が聴かれてるし、トップラインやフロウは本当にやばいなと思う。リリックを書くのも速いって聞くし、いろんな人の曲も書いてるって話もあるし、すごいなと思います。

Litty - 女性だったら、やっぱりCardi B、Nicki Minajかな。その2人を超える人はいないかも。Megan Thee Stallionも好きでしたし、Doja Catも好きでしたけど、Doja Catは後々ポップス寄りになっていったので、自分の中ではNickiとCardiが世界のトップ2のフィメールだなと思ってます。日本だと、ちょうどLANAちゃんが出てきた頃に、「この声なんだ?!」って思ってびっくりしました。あとAwichさんは、日本の中では一番好き。友達と横浜アリーナに観に行ってグッズも買ったりしましたね。Awichさんのライブは何回行っても感動する。世界的なアーティストのステージもちゃんと研究してるし、なかなか日本にはいないバックボーンがあるじゃないですか。

Litty - ヘッズですね(笑)。BAD HOPさんのライブも、汗臭いなとか思いながら女の子2人でもみくちゃになりながら前に行ったし(笑)、グッズも買いましたし。あと、JP THE WAVYさんのグッズも買ったことある。ミーハーではあるかもしれないですけど、愛はめちゃくちゃ深いです。

Litty - デビューする前、“NO TEARS”を人生で初めてちゃんとフルで作って、プロデューサーのLion Meloくんに聴かせたんですよ。そしたら「めちゃくちゃいい」って言ってくれて。でも、最初はそれがお世辞なのか本当なのかわからなかった。それで友達にも聴かせたら、「本当に実体験を歌ってるし、すごくいい」って言ってくれて、少しずつ自信にはなっていきました。でもそれより、作っていて楽しい気持ちのほうが勝っていたんですよね。自信があるとかないとかよりも、楽しさが先行していた。会社員時代で、当時リモート勤務だったので、仕事中も曲のことばかり考えてしまうぐらいわくわくして。17時に仕事が終わって、残業もしない会社だったので、終わったらすぐ家でレコーディングして気づいたら夜中の2時3時で。寝なきゃ! って寝て、朝9時にまた出勤して……みたいな生活を繰り返してました。

Litty - そう。毎日作って、ダサくてもいいからLion Meloくんに送り続けて。彼も、当時私は無名だったのにちゃんと聴いてくれて、その中で、「これいいんじゃない?」ってなったら、「じゃあこれフルで作ります」って作って送る、みたいなことをずっと繰り返してた時に、2曲目で“Pull Up”ができた。フルで聴いてもらったら、「やばいじゃん、これ。一番やばい」って言われて。楽しい気持ちが先行してたし、どうせやるなら後悔したくないなという気持ちのほうが強かったです。でももちろん、憧れの世界に自分が入れるとは簡単には思ってなかったし、認知してもらうまで何年かかるんだろうという不安はすごくありました。でも本当に運がよくて、1曲目から聴かれましたね。

Litty - 世界にひとつしかない曲が自分で作れるんだ! っていう驚きですね。自分が考えたフロウと歌詞で、ビートを作ってもらって、それで自分の曲ができちゃうんだ、みたいな。その感覚がもう愛おしくてしょうがなくて。そうやって曲が作れるようになってからは、デモの段階から自分の曲ばっかり聴くようになって、他人のラッパーの曲よりも自作の曲のことしか考えられなくなっちゃった。それくらい嬉しかった。あと、Lion Melo 君の周りでBPM100に乗れるラッパーがあまりいなかったらしくて。私はクラブバンガーが好きだし、BPM100が好みなんですよ。そこも嬉しかったみたいです。“BOUNCE (feat. C.O.S.A.)”も“My Fan (w/ 310babii)”も“Cheese (feat. Manaka)”も、そっち系の曲ですよね。

Litty - 激変しましたね。何だったんだ、今までの会社員生活は? みたいな。普通に真面目に大学で授業を受けて、勉強頑張ってオールAとって首席で卒業して、就職して、毎朝会議して……みたいなことを経てきているので、本当に生活が変わったなと思います。

Litty - かなり変わりましたね。“Pull Up”の時なんて「MV再生、5万、10万いったらいいね」って言われて、「いやいや難しいですよ!」みたいな話をしてたのに、本当に10万いっちゃって、2人で「え……?」ってなって。そこから「やばいやばい、もっと曲作らないと」って感じでどんどん作っていった。Lion Meloくんはすごくストイックなので、私が毎日作ってた曲も、本当にいいものじゃないと「いい」と言わないんですよ。だからお互い相当厳選していて。「ストックないね、でもEP出したいよね」ってなって、そこから本当に毎日やりとりしてました。彼は和歌山に住んでいたので、電話して「これどうする?」「この曲もうちょい作ってみたい」って話しながら、お互い曲を作って、ミュートにして電話をつなげっぱなしでやるぐらい密接に関わらせてもらって。いまでは何でも話せるし、今回のアルバムも本当に2人で考えて作った。彼はエグゼクティブプロデューサーで、私は表ではあまり言ってないけど、共同プロデューサーみたいな感覚です。

Litty - Lion Meloくんは最近東京に来ましたね。だからスタジオでも会えるしいつでもミーティングもできるし、そういう意味ではありがたい環境になってきたんですけど、何せすごく売れてめちゃくちゃ忙しそうなので、私の方でちゃんと曲を作って聴かせたり、たまにスタジオに入ったり、という感じになってます。

Litty - "Cheese"をリリースする前くらいで、ちょうどメジャーから話をいただいて迷ってたんですよ。大変そうだし、でも夢もあるし、みたいな狭間にいた時に、EMPIRREの(齋藤)妙子さんから連絡をいただいてビデオ通話しようってなって。メジャーの相談をしようと思ってたんですけど、その話をしていたら、「てか、うちどう?」みたいに言ってくださって。「いいんですか?!」って。それで、「一回聞いてみるね」って言ってくれて、後日EMPIREの主要メンバー、社長も含めて全員一致で契約になったと聞いたんです。私は、EMPIREの雰囲気とは真逆にいるような人なので、なんで私だったんですか? って訊いたんですよ。そうしたら、「日本語が分からなくても伝わるフロウがある」って言ってくださって。やっぱりそれは、USラップをずっと聴いてきたおかげなのかなとも思うし、すごく嬉しかったです。あと、見た目と音楽性のギャップも良かったみたいです。USっぽい見た目でUSラップっぽいことを歌うラッパーじゃないから良いって。

Litty - めちゃくちゃ喜んでました。私、EMPIREに入る時に、Lion Meloくんも出版契約してくださいって言ったんですよ。そしたら、いいよって返ってきて。やっぱり彼のサウンドあってこその自分だという感覚があるので、入れてもらえてよかった。今では一緒にライティングキャンプにも行けるし、そこでタイのプロデューサーとかカンボジアのアーティストとかと一緒にやれて、すごく刺激的な機会をもらえるようになった。

Litty - そうですね。ひとつのスタイルを極めているラッパーもかっこいいと思うんですけど、自分はそのタイプではないなと思っていて。わりと聴いてる曲も幅広いから、自ずと自分の好きな音楽も幅広くなっていて、色んなビートに乗せてみると毎回新しい自分に出会えて楽しい。日本のフィメールラッパーは独自のスタイルをずっと貫いている人が多い印象なので、そこには挑戦したい気持ちがずっとあります。

Litty - 降ってくる。ビートを聴いてるとフロウが浮かんでくるから、すぐ録ってみますね。常にリスナーの気持ちになるようにはしています。自己満足で終わらせてもいいんですけど、やっぱり人に伝えるのが仕事だと思うので、より多くの人が心地いいと思うサウンドを探っていきたい。

Litty - あれ、千葉雄喜さんが使ってるし大丈夫かな? と思ったんですけど、周りが「全然いいんじゃない?」って言うし、別に「ありのまま」って普通にみんなが使う言葉だし、今の自分をすごく体現してるからこれでいいんじゃないかなと思って使いました。

Litty - えー、それは嬉しいですね。声って生まれ持ったものだし、変えられないじゃないですか。最初は自分の声が嫌いだったので、そう言ってもらえるようになってめちゃくちゃ嬉しい。

Litty - "Nandaro?"を作った時に、ちょっとおちゃらけたビートだけどリリックは哲学的という組み合わせだったので、これ絶対Skippaくんのスタイルが合うって思ったんです。これはもう確定だなと思って、私からDMしてすぐ決まりました。Skippaくんとは「RASEN」の撮影で初めましてで会って、その後、「YOUNG PRO」で会ったのかな。インスタもお互いフォローしてたし、打ち上げで皆でカラオケに行ったりもして。その時、Skippaくんが“Cheese”を歌ってくれたりもしたんですよ。ちゃんと私の曲も認めてくれてるっていう嬉しさもあったし、お互いいきなりヒットしてるタイプで立ち位置もすごく身近に感じる。お互い上に行けたらいいなって思ってます。

Litty - こんなこと言っていいか分からないけど、アンチからは「大金積んで作ったんじゃないか」とか「EMPIREのコネだ」とか言われて(苦笑)。もちろん同じレーベルというのは大きかったと思うけど、だからといって彼も自分がいいと思わなきゃやらないし。私が彼のチームに曲を送ったんですけど、「ちょっと待ってね。でも大丈夫だよ」って言われて。何が大丈夫なんだろうって思ってたら、1日くらいですぐ返ってきたんですよ。しかもラフじゃなくて結構仕上がったやつが来て、やばいなって思って。私のフックのトピックもちゃんと押さえて、そこから膨らませてくれてた。すごく愛を感じました。

Litty - 私がLAに行った時に310babiiチームから連絡が来て、「MV撮らない?」って言われて。「えっ、撮っていいの? いいならもちろん撮るけど?」みたいな感じで、急遽撮ることになったんですよ(笑)。MV撮影の時に初めて会ってめちゃくちゃ緊張したんですけど、310babiiは本当に優しくて。「この曲は本当にいいと思ったから入ったし、2010vibesとか2015 vibesを感じる」って言ってくれて。「やばっ!」って思いました。そんなこと言ってくれるんだ、って。

Litty - 去年、EMPIREと契約しにLAへ行った時に初めてDiegoと会ってセッションしたんですよ。そもそもLion Meloくんとも、ちゃんとしたセッションはその時までしたことがなかったのに、人生初の本格的なセッションがDiegoで。「これはやばいぞ、どういうことだ?」ってなるじゃないですか。でもやるしかないからやってみたんだけど、最初はすごく苦戦しました。3日間確保してもらってて、2日目まではしっくりこないなと思いながらも食らいついて。でも途中で圧倒されてしまって、緊張して、全然言葉が出てこなくて書けなくなった時もあった。

Litty - さすがにDiegoに時間を無駄にさせてしまうわけにはいかないじゃないですか。あと一日しかないけど何か作らなきゃ、という焦りでいっぱいで。それでホテルに戻ってからもあまり寝ずにバーッと書いて、頑張って絞り出して作ってできたのが“Stack”と“Regular”。Diegoはすごくディレクションしてくれる人で、色んなアドリブも学びました。

Litty - いや、でもまだまだですよ。自分はダメだ、っていう謙虚な気持ちはずっとある。周りが羨ましく見えるし、自分なんてまだまだだなって思うし、ここからもっと見せつけていきたい。

Litty - それ、訊いてほしかったです。本当に悩んできたから。最初、アルバムを作るぞと思って去年の夏頃に取り掛かり始めた時、当時の私の気持ちがかなり前面に出てしまってたんですよ。すごい言われようだったから、気持ち的には相当やられてて。ムキになって、「ヘイターなんてクソだ」みたいな吐き方をした曲を作ってた。でも、あとから聴いて「違うな」と思って。ヘイターがいるって、それだけ名前が広がってるってことだし、アテンションをくれてる時点で、みんなが言うように「ヘイターはお金になる」って本当にそうかもなって思いはじめた。もちろん、人間だから傷つきますよ。どんなにメンタルが強くても、ヘイトを向けられたら傷つくに決まってる。なんで周りのラッパー以上に私は言われるの? って、ずっと悲しかった。もちろん自分はラッパーとしてバックボーンは足りてないかもしれないし、非難したくなる気持ちも分かる。でも私は決して文化を貶そうとも思ってないし、むしろ盛り上げたい。もっといろんな人にヒップホップを聴いてほしいし、ヒップホップがメインストリームになってほしいと思ってやってる。だから、それが伝わるまでには時間がかかるのかなと思います。でも最近、その人たちが手のひらを返してくれるようになってきたんですよ。最初は拒否してたけど最近は聴くようになった、みたいなコメントもちらほら見るようになって、すごく嬉しい。

Litty - そう。自分が10代だったらこの考えには至らなかったかもしれないけど。でも、陽の目を浴びないラッパーだって世の中にいっぱいいるじゃないですか。才能があるのに、注目されない人もいる。そういう中で、こうやって注目してもらえて取り上げてもらえて、しかもコメントを残す労力までかけてくれてるんだって思うともはや可愛いです。もちろんムカつくけど。

Litty - そう、本当にそうです。めちゃくちゃ言われる。私はラッパーを始めてから、本当に男に生まれたかったと思いました。外見の話で言うと、私もスウェットでライブに出させてくれって思う。男性ラッパーはそういう恰好でも出るじゃないですか。でも私がスウェットを着て出ると、本当にそこら辺にいる人みたいになっちゃう。アーティスト感がなくなって、見に来てくれる子の方がおしゃれみたいになっちゃうから、それはできないなって。靴も、男性はスニーカーだから飛び跳ねられるけど、こっちはヒールだったりする。全国ツアーしてても、毎回ヘアセットも衣装もお金がかかる。もちろん男性でもそこにこだわってる方はいると思うので一概には言えないですけど、やっぱり大変だなと思う。

Litty - そうそう。たとえば日本では圧倒的に男性ラッパーの方が多いから、女性というのは最初の注目のされ方としては有利だとは思う。活動を始めた時、どちらかといえば陽の目を浴びるのは早いだろうな、と自分でも思ってました。でも、それがどれくらい続くかは分からないし……という感じで、ないものねだりではあります。だからもちろん文句だけ言ってたらだめなんだけど。ライブも最初の頃は、ステージの上で「早く終わってくれ」と思いながらやってた。MCしてる時にひどいことを言われたり、セクハラみたいなことをされたりしたこともあって、ショックを受けました。ただ、そういう経験があったから学んだこともあるし、そこはアーティストとして強くならなきゃいけないなと思います。ひとりの女の子のままじゃだめだ、っていう責任感は強くなってる。

Litty - いや、1年後ですらまだ分からないですね。怖いですよ。いまだに怖いです。今回のアルバムもリリース前でめちゃくちゃ緊張してるし、聴かれなかったらどうしようって不安が止まらない。自信がある時もあるけど、もちろんない時もあるから。そんな中で1年後ですらまだ分からないという感じなんですけど、自分のスタイルは崩したくないし、好きなことしかしないっていうのは決めてます。もっと先の5年後とかで言うと、新しい世代を育てたりプロデュースしたり、といったことには興味がありますね。でも、私もまさか1年ちょっとで『POP YOURS』に出られるとは思ってなかったし、何が起きるか分からないので、目標は高く持ってます。Billboard1位になって世界を獲る、くらいのつもりで今やってます。

Litty - 努力の方向を間違えないでほしい、って言いたい。前に「RASEN」で、「私努力だけじゃないからよく見ろ」みたいなことを言ってめちゃくちゃ叩かれたんですけど、本当にそうで。だって、世の中がむしゃらな努力だけで成り上がれるなら、みんな成り上がってるじゃないですか。努力の方向性ってめちゃくちゃ大事で、間違った努力の仕方をしてると前に進まないから、自分をちゃんと多面的に見ることが大事だと思ってます。たとえば、いろんな人に聴かせて意見をもらうとか、売れてる曲ってなんで売れてるんだろうって分析するとか。そうすると、「フックの最初の1音目はだいたい母音が“a”だよね」とか「数字を入れると面白いよね」とか、色んな気づきがある。バズの法則みたいなものも結構ありますよね。もちろん、まったく新しいジャンルを一人で切り開いていく天才型もいると思うんですけど、私みたいなタイプはそうじゃないから、ちゃんと自分を分析しながら努力の方向性を定めています。

Litty - たぶん大学かな。アメリカの大学に行って、その時にテスト勉強を重ねていく中で身についたのかもしれない。私は高校までは成績がやばくて、ずっと先生に怒られてたタイプなんですよ。勉強嫌いだったし。でも大学の時に、就活して希望の会社に就職するっていう目標ができて、それに向かって何が必要かを逆算していった。毎日コツコツ積み上げていけば自ずとゴールに近づくんだという感覚をそこで学んだし、ビジネス学部だったので、マーケティングについてもそこで勉強しました。それは本当に両親のおかげでもあります。教育って、やっぱり金銭的な余裕がないと難しくもあるから、そこはすごく感謝してる。でも、よく「大富豪の娘なの?」とか言われるんですけど、まったくそんなわけではないです(笑)。でも教育には不自由しなかったし、それが今に活きているので、大学も就職も無駄じゃなかったと思ってます。

Litty - めちゃくちゃあるんですけど、ひとつは、もうちょっとボーカルの基礎をちゃんと磨いていきたい。特にライブでの発声をはじめとした、アーティストとしてのスキル面。私は会社員からいきなりラッパーになったからこそ、自分の知名度にもっとスキルが追いついていかなきゃいけない。あとは、ひたすらヒットをもっと作りたいですね。ヒットがあれば自分のできることも広がるし、夢も広がるから。

Litty - 日本のヒップホップシーンって、認められるまでに時間がかかる部分が結構あって、特に私みたいなタイプは「バックボーンがない」「フェイクだ」って言われやすい。でも私は自分のことを包み隠さず話してるし、曲の中でもインタビューでも全部さらけ出して言ってるから、そこはもう少し理解してほしいなという気持ちもあります。C.O.S.A.さんとか、ある意味すごく勇気がいったと思うんですよ。あの立場で、私とコラボするって相当覚悟がいるじゃないですか。でも C.O.S.A.さんって、自分がどこにいてもかませる自信があるからああいう動きもできるんだと思う。そういった先輩の姿を間近で見ながら、自分もまだジャッジされてる部分はあるんだけど、それをぶち壊していきたい。皆がLittyと曲やりたいって思えるくらい頑張ろうって。

Info

Litty - Get Litty?

https://music.empi.re/getlitty

Litty『Ready To Get Litty?』

日時:2026年6月12日(金)OPEN 18:30 / START 19:30

会場:東京・渋谷 WWW X

料金:ADV. ¥3,800(1D代別途)

出演:Litty(with Friends)公演URL:https://eplus.jp/litty/ 

RELATED

【インタビュー】soakubeats 『ひとり分の力』| それでも自分の人生を引き受ける

三重出身のビートメイカーsoakubeatsが、2024年にCDでリリースした3枚目のアルバム『ひとり分の力』が、今春、アナログでリリースされる。

【インタビュー】Watson × Koshy 『Soul Quake 3』 | いい曲を作ってもっとでかいところに

徳島出身のシーンのゲームチェンジャーWatsonと、千葉雄喜なども手がけるプロデューサーのKoshyの2人がタッグを組んで発表してきた『Soul Quake』シリーズ。3作目となりシリーズ最後を飾る『Soul Quake 3』は、シーン屈指のラッパーたちをゲストに迎えつつも、主役のWatsonの圧倒的な存在感が光る充実作と言える。

【インタビュー】Nosh 『MORFH』| ビートはシンプルなのが一番いい

KID FRESINO、KANDYTOWNなどの活動初期やIO、KEIJU、JJJ、C.O.S.A.などヒップホップシーンの重要アーティストたちにビートを提供してきたプロデューサーのNoshが、リリースした初の自身名義の作品『MORFH』。ACE COOL、C.O.S.A.、COVANという名うて...

MOST POPULAR

【対談】AI × Awich | 私たちはそんなに違わない

AIが2/24(水)にリリースするミニアルバム『IT’S ALL ME - Vol. 2』の先行シングルとしてリリースされた"Not So Different"にAwichが参加したリミックスバージョン。

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。