トラップブームの立役者、Salvaインタビュー!!

LAを拠点とするアーティストでヒップホップからR&B、ゲットーハウスまで様々なジャンルをブレンドしユニークなダンストラックを作るSalvaのインタビューをお届けする。

Mail Interview 和田哲郎(WASABEAT)

翻訳 ラウリーウィリアム勝己、Gregory GOUTY

- こんにちは!今日はインタビューを受けてくれてありがとう。Friends Of Friendsからの新しいEP、Odd Furniture EPめちゃくちゃかっこよかった!今回のEPもTrapとかUK Bass、Beatsとかの影響を受けつつもsalvaの作る音楽は未来的でノージャンルだよね

Salva - ありがとう。自分がこのEPに盛り込んだ数々のジャンルスタイルを理解してもらえるなんて光栄だよ。正直あまりにジャンルを混ぜ合わせたせいで曲を聴いてくれるオーディエンスが消化しきれるか心配だったんだよ。エレクトロニック・ミュージックならなんでも好きだから毎日色んなアーティストやジャンルからインスピレーションを受けて、それを自分のプロダクションやDJセットに反映させるようにしてる。正直自分もこのEPをどんなジャンルに区別するかわからないよ(笑)

- 子供のときはシカゴに住んでたみたいだけど、シカゴの音楽、ゲットーハウスとかジュークの影響をあなたの音からは感じますが、どんな音楽を聞いて育ったんですか?

Salva - 基本的にラップやR&Bだね。シカゴで初めてダンス・エレクトロニックミュージックに触れたのはラテンフリースタイルだね。オールドスクールハウスやゲットーハウス (ジュークになる前の)も出てたけどその頃にはアンダーグラウンドなバックパックヒップホップとターンテーブリズムにどっぷりハマっていたね。あの頃はまさにスクラッチマニアだったね。

- 昨年のビッグリミックスKanye Westの"Mercy"(RL Grime & Salva Remix)のリミックスについて死ぬ程聞かれただろうけど、聞かせてください。最初あのリミックスはハードなダブステップリミックスになる予定だったらしいんだけど、なんでああいうトラップみたいなかたちになったの?日本でもあの曲のおかげでトラップの名前を知った人も多いと思う。

Salva - まだリミックスが出来たときはトラップという言葉が普及していないと思うね。ダブステップとヒップホップのドラムを混ぜ合わせたトラックになる予定だったんだけど気づいたらハードスタイルやダッチハウスのシンセの影響が強いトラックになったね。自分とRL(とその他のプロヂューサーをしている友人)で共通することは皆ラップ好きで最近の流行る以前からラップやグライムを作っていたんだよ。このリミックスはうれしい誤算としか言いようがないよ。

 

- Frineds Of Friendsのレーベルについて教えて。レーベルに入るきっかけは誰の紹介だったの?レーベルオーナーのLeeorの第一印象とか重要なエピソードがあったら教えて下さい。

Salva -もうFOFのみんなは家族も同然さ。Leeorとは最初Shlohmoを俺が毎週主宰しているサンフランシスコのイベントにブッキングしようとしたときに会ったんだよ。それで突然俺から彼宛てにその後FoFからリリースすることになる『Complex Housing』の未完成のトラックをいくつか送ったら、彼がエグゼクティブプロデューサーとして助けてくれたんだよ。この数年作ったトラックを作るのに最高な環境を提供してくれたのは彼さ。Thomas BarfodやShlohmoのような個性的かつ幅広いジャンルを扱う彼だからこそありえたことだね。

 - 他のレーベルに比べてもFriends Of FrinedsはFriendというよりはfamilyみたいっていう話をきくけど、レーベルのムードとかスタッフのサポートはどうですか?

Salva -ビッグなファミリーだよ。ショーやイベント以外のときでも交流があるし、レーベルのスタッフやインターンもDJだったりものすごい音楽好きな人ばかりだからね。ロサンゼルスではしょっちゅう遊んだねへへ。

Salva

- Frineds Of FrinedsのリリースのなかでDJ中に一番プレイするトラックは自分の曲以外だと誰の曲?

Salva - FoFのアーティスト達は必ずミックステープに入れるようにはしているよ。最近のポッドキャストにはほぼ必ずShlohmoのトラックも入れているし、Groundislava, Jerome LOLやTomas Barfodも入れるようにしているよ。でもこれからはYoung Adultsのレーベルからでているファンキーなボディーハウスも入れようと思うよ。

 - 最近どんなアーティストたちに注目している?DJだとヒップホップからビーツ、4×4までジャンル関係なくプレイしているよね。

Salva - ドープなプロデューサーはそこらじゅういるよ。ニューヨークのObey CityなんてLP出すのを楽しみにしているよ。彼にもらったサンプルとかもう素晴らしいの一言…しかも自分みたいに色んな音楽スタイルを駆使するから親近感が湧いちゃうね。

- 日本についてなにか知ってることはある?音楽についてでも女の子についてでもいいんだけど。

Salva -海外において一番行ってパフォーマンスしてみたかった場所だね。東京と大阪は素晴らしい場所だとよく聞くし、田舎にも行ってとにかく日本の文化をこの身で体験したいよ。日本食も大好きだし。昔のアルバムで"Issey Miyake"ってトラックも作ったしね(笑)あの頃は彼のコロンを使っていたからね!

- 今後の活動予定を教えて。今回のEPのリリースでLPに期待が高まってると思うんですけど、リリース予定はあったりする?

Salva - 今はアルバム制作中だよ。他のアーティストのプロダクションもしているし、リミックスなんてもちろんだよ!最近はDJする事も結構増えてきたし、とにかく楽しんでいるよ。音楽で海外を渡り歩くのが夢だったからそれがかなっているのが幸せでしかたないよ。

- 最後にメッセージを!日本であなたのプレイを観れる日を本当に楽しみにしています!今日はありがとう!

Salva - とにかく音楽を購入、サポートしてくれた人、聞いてくれた人たちに感謝の一言。日本に行くのが待ち遠しいよ。新しい友達も作りたいし。ロサンゼルスからPeace and Respect!

RELATED

【インタビュー】DYGL 『Cut the Collar』| 楽しい場を作るという意味でのロック

DYGLが先ごろ発表したニューEP『Cut the Collar』は、自由を謳歌するバンドの現在地をそのまま鳴らしたかのような作品だ。

【インタビュー】maya ongaku 『Electronic Phantoms』| 亡霊 / AI / シンクロニシティ

GURUGURU BRAIN/BAYON PRODUCTIONから共同リリースされたデビュー・アルバム『Approach to Anima』が幅広いリスナーの評価を受け、ヨーロッパ・ツアーを含む積極的なライブ活動で数多くの観客を魅了してきたバンド、maya ongaku

【インタビュー】Minchanbaby | 活動終了について

Minchanbabyがラッパー活動を終了した。突如SNSで発表されたその情報は驚きをもって迎えられたが、それもそのはず、近年も彼は精力的にリリースを続けていたからだ。詳細も分からないまま活動終了となってから数か月が経ったある日、突然「誰か最後に活動を振り返ってインタビューしてくれるライターさんや...

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

Floating Pointsが選ぶ日本産のベストレコードと日本のベストレコード・ショップ

Floating Pointsは昨年11月にリリースした待望のデビュー・アルバム『Elaenia』を引っ提げたワールドツアーを敢行中だ。日本でも10/7の渋谷WWW Xと翌日の朝霧JAMで、評判の高いバンドでのライブセットを披露した。