【インタビュー】Campanella『AMULUE』| 満たされながら広がっていった
ユーモラスかつ力強いリリック、そしてどのようなタイプのトラックでも自分のフロウをしっかりと掲示するラッパーとしての技量、ジャンル関係なく年間100本以上のライブで培ってきたパフォーマンス力。Campanellaはこれらの要素を全て満たす稀有なラッパーだ。盟友であるRamzaとFree Babyroniaと3人で作り上げたソリッドな前作『PEASTA』から4年が経ち、新作『AMULUE』と共にラッパーが憧れるラッパーは戻ってきた。
『AMULUE』はCampanellaにとって、これまでの作品よりも音楽的には広がりを見せつつも「だって、俺はラッパー」("Douglas fir"より)というようにラッパーとしてのソリッドさの両方を聴かせてくれる充実作となった。前作を担ったRamzaとFree Babyroniaに加え、バックDJも務めるshobbieconz、BACHLOGICやカナダの音楽家MOCKYが参加したプロデューサー、ERA、鎮座DOPENESS、JJJ、中納良恵(EGO-WRAPPIN')という客演と共に作り上げた新作について話を訊いた。
取材・構成:和田哲郎
撮影:横山純
- まずはアルバム『AMULUE』のリリースおめでとうございます。4年ぶりですが、制作期間はどれくらいだったのでしょうか?
Campanella - 制作期間は、前作『PEASTA』が出来た直後に取り掛かったものもあって、4年間ずっと制作してたかと言われればそうじゃない。正直やってない時期もあって。今年完成に向けて色々動いた感じですね。
- なるほど。
Campanella - 『PEASTA』はコンセプトがある、まとまったものになったと思ったんですよね。その作品とはちょっと違う形にしたいという部分で時間がかかりましたね。最初に取り掛かったときは、続編みたいになりそうな気がしちゃって。それがあまり自分的に面白くないと思ったし、ビートを聴いてもしっくり来るものもそんなに無く。それで時間がかかってしまいましたね。
- 前作は盟友のRamza、Free Babyloniaの2人のビートメイカーと作り上げたソリッドなアルバムで、凄く強度がある作品でしたよね。今作はソリッドさはキープしつつ、音楽的により広がりがあるものになっていたので、今の発言はとても腑に落ちました。特に後半の部分にはそれを感じたんですが、前作とは違うところに向かう意識があったんですね。
Campanella - そうですね。あとは前作が1つの区切りというか集大成だったので出会った人や、その期間の自分の動きを反映させたものにしたかったんですよね。
- Campanellaさんの凄さって、どんなトラックに対してもビシッとしたラップをするところだと思っていて。今はUSだとEarl SweatshirtとかMIKEとかストレンジなビートの中でラップ自体も崩すようなラッパーもいますよね。でもCampanellaさんの場合は他のラッパーは選ばないようなビートの中でも、しっかりとフロウがあるというのは、音楽性が広がった中でも一貫していると感じました。
Campanella - それはすげえ嬉しいっすね(笑)。
- 例えば今作の最後を飾る"PEARE"はアコースティックなトラックでビートも無いじゃないですか。その中でもしっかりグルーヴがあるラップをしているというか。
Campanella - それは結構意識しましたね。アコースティックギターとラップって、正直ベタというか、あまり良いものにならないような気も自分の中ではしていたんですけど。でも乗ってるラップがカッコよければ、ギターも大事ですけど、良いものになるんじゃないかなと思って。それで、なんとなくやってみようと。
- 曲によって違うと思いますが、ラップのフロウのデザインはどういう風に思いつくんですか?トラックを聴いたときに、直感的に思いつくんでしょうか?
Campanella - そうですね。あとリリックは出来るだけ聞き取れるようにするってことは少し意識したりしますね。
- リリックを書くのは時間がかかる方ですか?
Campanella - リリックは、結構速い方だと思いますね。長くても絶対にその日中に完成させたいと思うタイプです。あまり書き直しもしたくないので。
- 自分の憶測かもしれないですけど、曲ごとに言葉の連なりで直感的なイメージが出てくる曲と、今作だと“Freeze”のように一つの情景を描写している曲もありますよね。リリックの使い分け方を曲によって変えているような気がしていて。それも意識的にやっていますか?
Campanella - 自分的には、その辺を意識して曲を作りたいんですよ。だけどやっぱり、ラップ歴も割と長くなっちゃって、そうすると作り方が固まってきちゃうのもあって。だから、前作のときもそうだったんですけど、ビートを聴きながら書く曲と、聴かずに「大体これくらいのBPMだな」って、携帯でバーっと書いていって、スタジオでそれを歌ってみたりします。そうすると、自分が思っていたよりも速かったとか遅かったな、っていうのがその場で分かるんですけど、それが新鮮に聴こえたら良いなと思って、それをそのまま曲にするとか。
- 予定調和にせずに、違和感を与えるということですね。ちなみに、今作だとそういう作り方をしたのはどれですか?
Campanella - “Freeze”とかはオートチューンも使ってるので、そういう作り方に近いのかもしれないですね。
- 去年先行で発表していた“Douglas fir”はこれまでに無い乗り方をしているように思ったんですけど、あのアプローチになったのは何故でしょうか?あの曲は、「俺はラッパーだ」みたいな気持ちが凄く強く出ている曲だから、自分としてはラッパーとしての力を見せつけるような気概を感じて。
Campanella - まさにそれですね(笑)。レコーディングの仕方も、自分のこだわりとしては1ヴァースは頭からケツまで良いテイクをバーって録って「よし、最高」っていうのが今までの形なんですけど、あれに関しては一通り録るんじゃ出来ないような呼吸のところにもラップを置いているから、音源で聴いたときの方がちょっとリズムがくちゃくちゃになるかなって。
- 基本的に一本で録ってるんですか?
Campanella - 16小節だったら16小節をパーンって録って、「これカッコいいヴァース」だなってなる方が自分で納得がいくんですけど、そういうやり方も変えていかないとなって思ってたりしていて。
- “Hana Dyson”は途中でビートがチェンジする中で細かくフロウも変化していきますよね。あれは元々ああいうビートだったんですか?
Campanella - 元々あの展開でしたね。あの曲は作るのは凄く速かった気がします。下手したら本当に3、40分くらいで作ってるかもしれないです。
- ビートを聴いて、言葉もすぐに出てきた?
Campanella - 展開が元々あったから、大体そうなるだろうなっていうのが想像できるんですよね。
- その瞬発力は凄いですね。
Campanella - じゃあ4年もかけんなっていう(笑)。だから曲に関しては、そんなに悩んだ曲は無いですね。でも、そこに取り掛かるまでというか、辿り着くまでが......。
- ビートを選ぶところに時間がかかったんですか?
Campanella - そうなんですかね。実は今年作った曲は少ないんじゃないかな。
- ちなみに、今回は前作と同じくタイトルの『AMULUE』(アムル)が春日井にある雑貨店の名前ですよね。最後の曲のタイトルの“PEARE”(ピアーレ)も小牧にある商業施設。
Campanella - そうです(笑)。ピエスタ(『PEASTA』)の隣の、スーパーとかが入ってる複合施設の名前が「ピアーレ」で。
- AMULUEにも行っていたんですか?
Campanella - 高校生の時によく行ってましたね。僕らの世代よりちょっと上の人たちがド真ん中の街にあるようなお洒落なショップで。今考えるとそんなに大したことなかったんですけど、その頃は女の子とか連れていくような、ちょっと背伸びした感じだったんです。本屋と雑貨屋さんなんですけど。そこはもう無くなったんですけど、僕らの世代とか僕らの上の世代の人は、名古屋から行ってる人もいたりして。ピエスタから名古屋の間にあるところで、なんとなくタイトルにつけてみた感じです。
- タイトルからも自分の手の届く範囲内というか、生活圏内みたいな場所を良くしていくようなマインドが全編に繋がっていて、最後の曲でも「Feel so good」「365日そう思ってたい」と言ってますよね。そうしたマインドはどのように生み出されたのでしょうか?
Campanella - 前作を出して、それ以降の活動は本当に自分にとって満たされたものだったので、これ以上「今の生活が最悪で」ってことを歌う必要も無いし、自分の身の回りとか友達が上がってくれたらいいなって。少しだけポジティブになれたところですかね。
- 元々はそんなにポジティブじゃなかった?
Campanella - ポジティブなんですけど、音楽に対してはどうしても納得いかない部分が今までは多くて。「もっと認められたいな」とか焦燥心があったんです。そういう部分がこの4年でどんどん無くなっていった。
- 前作でも特に葛藤などを出したつもりはなかったということでしたよね。
Campanella - 葛藤とか、そういう風に取られて。でも自分で歌詞を読み返したりしてみると、確かにそうかもなって。自分が落ちてるってわけじゃなかったんですけどね。
- この4年間で「これでいい」と思えるようになったのは、どういう変化が自分の中にあったんですか?
Campanella - ライブを沢山やったんですけど、本当にいっぱい呼んで貰えて、それって「ライブを観てもらいたい」とか「一緒に遊びたい」と思って向こうが呼んでくれるわけじゃないですか。それが毎週あったり、色んな場所に呼んで貰えて一緒に遊んでくれたりとか、そうしてるうちに普通に「ありえないことだし、ありがたいことだよな」ってめちゃくちゃ感じて。それが自分の中での充実に繋がっていったというか。
- ライブって意味だと、今年のコロナ禍の中でもCampanellaさんはかなりやられてましたよね。
Campanella - そうですね。だから、一回スケジュールがゼロになってからこういう状況になって、一から呼んでくれたりとか、「まだイベントはやれないけど、どういう状況ですか?」って聞いてくれる人たちもいるから、ありがたいなと。
- 今年もそういう意味では極端に落ち込んだりとか、そういうことも無かったと。
Campanella - 落ち込んだ人もいると思うからこういうことは言いたくないけど、実は自分はコロナの状況でひたすら上がってましたね。競争が無くなったなって。ちょっとした競争みたいなものを去年は色んなアーティストがやってたのが、それがコロナになってピタっと止まって、やりたい人はやるし、やれない人はやれないしとか。音楽をもっと本気でやろうと思った人もいるだろうけど、やめちゃった人も多いだろうし。競争っぽくなくなって、音楽聴くのを楽しめましたね。
- ERAさんがフィーチャリングされている“Minstrel”は、今年の状況を盛り込んでいますよね。
Campanella - かなりジャストで。普通に「クラブ行きたいな」「クラブで遊びたいな」ってことをなんとなく歌おうと思って。ERAくんも元々ファンで、会ってなかったので、「ERAくんどう思ってるんだろう」と思ってお願いして。
- 鎮座DOPENESSさんとJJJさんをフィーチャーした“SUMIYOI”は、凄くタイトルが良いなと思って。「住み良い」って建築会社の広告とかでしか目にしたことなかったんですが、とても今作のムードを表してますよね。
Campanella - 本当にCMに使って欲しいですね(笑)。鎮さんとはまた曲をつくることを色々話してたりして、一緒に遊んだことがあったんです。鎮さんの地元の方をグルグル回って、本当に良い場所で。そこから「住み良い」って話になって、「次作る曲はそういう曲だよね」って話してて。JJJを誘ったのも、去年はJJJとよく会って遊んでたりしてたからで。仲良い人とそういう曲を作りたいなっていう。
- JJJさんはゲーム好きで知られてますし、CampanellaさんもTwitterを見たら、ゲームが趣味とのことで”SUMIYOI”のリリックにも『Cuphead』が出てきますよね。ゲームからリリックのインスピレーションが沸くこともありますか?
Campanella - 元々Jの家でSwitchやってて、「俺もう買うわ」ってなって、そこからなんですけど。ゲームとかからのインスピレーションは全く無いですね。Jとかはリリックにも結構出てきますよね。『Cuphead』はJJJもやってたからそういうゲームのワードを入れようと思ったんですよね。デザインもゲームも凄く好きなんで。
- じゃあ、これは特別なんですね。歌詞のインスピレーションは、自分が経験したことがほとんどですか?
Campanella - 本だったり映画だったり、そういうのはそこまで無いです。本当はもうちょっと広く書きたいなって思うんですけど、制作をしてるときはなかなかそれが出来ない。もし毎日リリックを書いてたりしたら色んなことが浮かぶかもしれないですけど、歌詞を書くときはやっぱり自分にとっての出来事を優先してしまう。それを書いちゃうから、関係無かったり、自分も出てこないようなストーリーはあまり書けないですね。そういう曲も作りたいんですけどね。
- ワードのチョイスが、一つ一つは分かりやすい単語なんですけど、イメージが飛躍したり、他のアーティストの名前や歌詞も意外性のあるものが出てきますよね。その辺りが、Campanellaさんはユーモアセンスがあるというか......。
Campanella - それは嬉しいですね(笑)。
- 例えば”Next Phase”の「このステージ フロアのキー握る船長 全裸でダイブ 一番風呂浴びるテンション」っていうところがステージから一番風呂につながるのが好きでした。こういう連なりの歌詞は聞いたことがないなと。
Campanella - 結構気に入ってます(笑)。まさに、そういう風に「そこでそういう言葉が出てくるのが面白いな」って思って欲しくて(笑)。本当にそれのみですね。
- こういうリリックって、書く本人からしてみると凄く自然に出てくるのかもしれないですけど、実際どういう風に浮かんでくるんですか?
Campanella - 自分が思ってることが意外と伝わらないっていうのは分かってて。だから、そこを過剰に表現しないと伝わらないと感じてるんです。今のリリックは、「これ必要あるか?」って自分でも思うんですけど、必要無いことをいきなり歌われたら面白いと思ってくれる人もいるよな、とか。ちょっとやりすぎなぐらいの表現を入れると、ちょうど反応してくれるって考えてますね。
- じゃあ、サービス精神的なところもあると。
Campanella - そうですね。BUDDHA BRANDとか、ああいう言葉のセンスの影響もあって。みんなそうだと思いますけど。
- サザンの名前も出てきますけど、桑田佳祐も言葉遊びの人ですよね。そういう影響もありますか?
Campanella - ちょっとありますよ。サザンは凄く好きだから。あの人の、照れ隠し的なところでふざけたことをやるスタイルって、あれはあれで男らしいなと思うんですよね。
- ビートに関しても聞かせてください。前作でも中心的な役割を担っていたRamzaさんが引き続きメインのビートメイカーですよね。ビートはどれくらいもらったのでしょうか?
Campanella - そんなに沢山じゃなかったかもしれないですね。Ramzaもそんなに色々なラッパーのトラックを作るわけではないので、割とイメージはしてくれてるっぽいんですよ。俺が好きそうだな、とか、やって欲しいっていうのもあるから。だからそんなにいっぱいは聴かずに、聴いて「これいいな」ってやつをやった感じですね。ただ選んだビートに対してラップを乗せた後のフィードバックなどは特にないですね。“Freeze”は曲自体の形がかなり前から出来ていたので、あれに関してはトラックも結構変わったりしているんですけど。
- “Freeze”も凄く好きな曲で、チャチな言い方かもしれないですけど、Campanellaさん流のエモラップというか。オートチューンも使っていて。オートチューンを使うのは結構珍しいですよね?
Campanella - 実はフックにちょっとかけたりはしていて。でも、全体的に使用するのは珍しいですね。これは本当に3年前ぐらいに出来た曲で。もうちょっとシンプルだったんですけど、それをもっと深く、あれやってみて、これやってみて、って感じで完成させて。この曲を作ったのも、自分の中で「ラップがどう」みたいな曲はもういいかなって思ったり、そういうことを考えて。オートチューンも一つの楽器として使ってみて、一回作ってみるってことをやりたかったからですね。スタジオでやってみてどうなるかという実験でした。
- なるほど。課題じゃないですけど、自分の中で新しいこととしてやってみたと。
Campanella - そうですね。
- 最近のBACHLOGICさんのトラックはメロディーの部分が派手なものが多いですけど、”SUMIYOI”はベースラインに比重がおかれてます。
Campanella - 最初にサンプルとしてループを渡されて、それも結構数があったんですけど、「気に入るものがあったら教えてください」って風にこれを貰って。それをベースに作ることになって、あのトラックが出来て。鎮さんのフックも録った状態でBLさんに送ったら、最初はもう少し派手なトラックにしようとしていたらしいんですよ。でもそれを聴いて、「これ以上やらなくていいと思う」と判断して、あの状態で。
- そうだったんですね。BACHLOGICさんはCampanellaさんにとってどういうトラックメイカーですか?
Campanella - ラッパーならやりたいと思う人は本当に多いと思うし、自分も好きで聴いてたし。だから自分のアルバムに一曲BACHLOGICが入っていたらいいなって。実は昔一回一緒にやりそうだったんですけど、それが無しになっちゃったことがあって。だから、それも実現したいというか。佐々木(KID FRESINO)との"Attention"で一回やってるんですけど、自分が直接やりとりしたわけじゃなかったので。
- “Think Free”ではEGO-WRAPPIN’の中納良恵さんがフィーチャリングされていて、次の“Palo Santo”でもEGO-WRAPPIN’がサンプリングされています。
Campanella - 本当に、まさかこんな風に関われるとは思ってなかったし、尊敬できる方だし先輩なんですが、友達というか、そんな風に同じ目線で話してもくれて。でも、ステージとか観るとやっぱり凄いっすね。半端ないなって思うっす。さっきまで普通に一緒に喋ってたのに、ステージを観ると凄いと思いますね。
- この曲の歌詞のイメージはどういう風に伝えたんですか?中納さんとはどういうコミュニケーションで作り上げていったんでしょうか。
Campanella - 歌詞を見せてフックを書いてもらった感じですね。多分トラックのテンションとラップを聴いたら分かると思うんですけど、明るい曲で。前回一緒にやらせて貰った”PELNOD”とは違う曲を作りたいな、って。この曲は良いですよね(笑)。すげえ良いと思います。
- これはトラックを聴いたときに「こういうテーマで作りたいな」と思った感じですか?
Campanella - やっぱりMockyの人生観というか、話した時もそうだったし、日常に音楽がある人で。そういう曲になって良かったなと思ったんですけど、その時に話したのが、Mockyはヒップホップは好きだけど、子供の前では聴けないって。Drakeとかも好きだけど、ダーティーなワードが出てくるものは一緒に聴けないって話もしてて。だから、みんな聴けるような曲にしたかったっていうのはありますね。普段は意識しないんですけど。
- ちなみに、色々な音楽を聴かれると思いますが、制作期間中に聴いて一番影響を受けた作品は何ですか?
Campanella - Sigur Rósの裸のジャケ(『Med Sud í Eyrum Vid Splium Endalaust』)のアルバム、タイトル何て読むか分からないんだけど(笑)。あのアルバムは昔に聴いてたんですけど、昔好きだった曲を久しぶりに聴いたりするのはよくあって。それとかは好きでしたね。後は、こういう時代だから普通にヒップホップの新譜はよく聴いていましたね。
- 何か刺激を受けるアルバムはありましたか?
Campanella - slowthaiはずっと好きっすね。アルバム出ますよね?
- slowthaiも色々なトラックでやろうとするというか。アプローチも色々変えてきて面白いですよね。あまりUK、USみたいな感じで隔てることなく聴いてる感じですか?
Campanella - そうですね。最近出たやつを聴いてみるとか。
- 今日本でもヒップホップは凄く広がりも出てると思いますが、そういうブームを一人のラッパーとしてどう感じていますか?
Campanella - 凄く良いし、凄く人気だなと思います(笑)。どう言って良いかは分からないですけど。色んな人がどんどん出てくれば良いと思いますね。シーン自体が人気になって盛り上がってるから、自分たちも音楽をやり易くなってるから良いことだと思いますけどね。
- 日本のラッパーで誰か聴いてる人はいますか?
Campanella - 基本的に、TohjiだったりLEXだったり、そういう人たちは聴きますけどMonyHorseとかは昔からずっと好きですね。割とフロウも研究してそうじゃないですか。だからカッコいいなと思いますね。
- よく「ラッパーならどんなトラックでもラップ出来なければいけない」とおっしゃっていますよね。そういうマインドはどうやって育まれたものなんですか?名古屋のラッパーっていう括り方はあれかもしれないですけど、C.O.S.A.さんだったり、最近だとNEIさんだったり、凄くチャレンジングなトラックでちゃんとカッコよくラップする美学が貫かれている感じがして。それは街の影響というか、そういう空気感があったりするんでしょうか?
Campanella - 街の影響は少なからず絶対に受けてると思うんですけど、単純に、普通なことをやっても名古屋から全国に届けようとしたときに伝えられないというか。東京っていう街があって、東京ほどメディアとか近くないし。だから、まずは目立たなきゃいけないっていう。それも大きいと思いますね。
- 環境的な問題というか。
Campanella - そう。それだけを意識してるわけじゃないんですけど。
- でも、それがあからさまに見えないというか、凄くパーソナルなものとしてそれを選んで出てきてる感じがあるんですよね。今作を作って、今後のことは何か考えていたりしますか?
Campanella - もうちょっと時間をかけずに作品を作りたいと思うのと、最近色々なところに行かせてもらって、楽器のプレイヤーだったり、そういう人と知り合うことも多くて。セッション的なことに誘われたりすることもたまにあるんですけど、そういうのをやってみて、凄く楽しいし今の自分に合ってる気もするんで、そういうものをちょっとやりつつ、また作品にセッション的な感覚を入れられたらいいなと思っていますね。否定するわけじゃないですけど、バンドとヒップホップのセットが最近増えてるじゃないですか。自分がそれをやるんだったら、不自然なものは絶対に入れたくないんですよね。だから自分の中で、バンドの人たちとのやり取りを勉強していこうかなと思っています。
- 「不自然にならないように」というのは、ただ弾き直すだけじゃないというか。
Campanella - そうですね。ゼロから一緒に曲を作るのもそうだし、一緒にプレイすることをもう少し深くやれたらなと。出会う人はジャズの人たちが多くて、そういう人たちって「あの曲やって、あの曲やって」っていうんじゃない世界じゃないですか。だからその感覚を自分でもやってみたいというか。そういうところですね。
- ラッパーとして、自分の曲をやるっていう部分以外に、ということですか?
Campanella - そうですね。レゲエのラバダブにも近かったり、即興のフリースタイルにも近かたり、ってことを柔軟に出来たら良いなと思いますね。
- それはヤバそうですね。今日はありがとうございました。
-
Info
Campanella『AMULUE』
2020.12.23 On Sale
CD【バンダナ付・初回生産限定盤】
DDCB-12115 / 3,500yen+tax
Digital https://campanella.lnk.to/AMULUE
Released by MADE DAY MAIDER / AWDR/LR2
[TRACK LIST]
01. AMULUE
02. Bell Bottom
03. Douglas Fir
04. Next Phase
05. Hana Dyson
06. Freeze
07. Minstrel feat. ERA
08. SUMIYOI feat. 鎮座DOPENESS, JJJ
09. Think Free feat. 中納良恵
10. Palo Santo
11. PEARE
02. Bell Bottom
Contains a sample of "Pastis DUB à minuit" as performed by 阿部海太郎. Licensed by THEATRE MUSICA
03. Douglas Fir
Contains a sample of "ZURE" as performed by Ryuichi Sakamoto (Music:Ryuichi Sakamoto) . Licensed by Milan Records, Avex Music Publishing Inc. (Japan, Korea)
10. Palo Santo
Contains a sample of "かつて...。" as performed by EGO-WRAPPIN'". Licensed by MINOR SWING
【MD+CD SET】
BAL×Campanella CMPY C/N SWEAT+CD SET
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【LIVE情報】
Campanella “AMULUE” Release Live
2021年1月16日(土) @WWW X
LIVE : Campanella
BEAT LIVE : Ramza / Free Babyronia
OPEN 18:00 / START 19:00
adv.¥3800 / door.¥4,300 (税込 / ドリンク代別)
チケット発売日 : 2020年12月24日(木) 18:00
e+ / ローソン (電子チケット1人1枚のみ)
お問い合わせ : WWW X 03-5458-7688
公演詳細ページ : https://www-shibuya.jp/schedule/013424.php
※本公演は「ライブハウス・ライブホールにおける 新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に基づいた新型コロナウィルス対策を講じ開催します。
今後、感染状況の変化やガイドラインの改定により、内容に変更が生じる可能性があります。
WWW HPにて「新型コロナウィルス感染拡大予防に関する注意事項」を必ずご確認いただき、ご同意の上でチケットのご購入とご来場をお願いいたします。