【インタビュー】Koshy | 日本の音楽シーンに合わせようって気持ちがなかった

今回「Koshyアッツー」のプロデューサータグでもお馴染みのKoshyの初インタビューを彼が利用しているTriga Fingaが運営するスタジオで行った。今やシーンを代表する人気プロデューサーのキャリアをスタートさせるきっかけから、"チーム友達"や"MAMUSHI"の制作秘話までを聞いた。

取材・構成 : 和田哲郎

撮影 : 横山純

Koshy - はい。

Koshy - 何個かあるんですけど、小学校の時、映画『ハンコック』の挿入歌で流れたLudacrisの"Move Bitch"がひとつ。その時ヒップホップが好きになったわけではないんですけど、初めてかっこいいと思ったヒップホップがそれでした。それと、高校生の時に友達に教えてもらったKOHHさん(現 千葉雄喜)の存在が、音楽好きになるのにデカかったっすね。

Koshy - そうっすね。何かしらやりたいなと思ったっすね。

Koshy - いや、最初はAKAIのMPC TOUCHってやつを買って、それでビート作りを始めました。

Koshy - クラブに行く友達が2人ぐらいしかいなかったんで、聞かせる人はいなかったんですけど、SoundCloudにあげたりしてました。もうそのアカウントはないんですけど。でもその時はビート作りに今ほどのめり込んでなかったです。「なにかやりたい」ぐらいな感じで。その中でなんとなくビートを選んだんですよ。

Koshy - 昔、ピアノを習ってました。そんな大したもんじゃないですけど。

Koshy - はい、クラブめっちゃ行くようになりました。HARLEMが一番行ってましたね。あと中目黒のsolfaもよく行ったっすね。

Koshy - クラブでめっちゃ遊んでるうちにMARZYとめっちゃ仲良くなって、一緒に住むようになって。そしたら「DJやったら」みたいな感じで誘われて始めたんですよね。その時Red Bull Thre3StyleのチャンピオンのDJ SHINTAROさんとMARZYと3人で一軒家に住んでたんですけど、その家にスタジオみたいなのがついてて、クラブにあるDJ機材とかももらってたんで、いつでもDJできるような状態で。

Koshy - 時々やってたくらい。毎日とかは全然やってなかったです。

Koshy - 本当にもう、超楽しかったっすね。

Koshy - やっぱコロナだったっすね。コロナ前まではもう遊び散らかしてて、ほんと毎日クラブに行ってました。でも、コロナで全く行けなくなって、家にひとりでいることが多かったんで、「うわ暇だな」って。DJもなくなって何しようってなった時に、やっぱビート本気でやってみるかと思って。そっから狂ったように作り始めて(笑)。もう、1日10個とか作ってましたね。あの時はほんとに意味がわかんなかったです。僕、1個始めたらグッて超のめり込んじゃうんですよ。「今日はここまで」って決めたらそれを達成するまで絶対やめたくない。自分の中で変な無理難題を作ってそれを達成するまでやる、とかをやっちゃいがちなんで。1ヶ月ですごい数のビートがたまってましたね。それを、クラブに行きまくってた時代に出会ったラッパー達にひたすら送りまくってました。

Koshy - BFN TOKYOTRILLですね。

Koshy - 自然とでしたね。最初は全くそんな気なくて、ただ一曲一曲作ってったら、SANTAくんとも気があったんで、じゃあ次、次ってなっていってめちゃくちゃ曲ができたから「もう厳選してまとめちゃうか」って感じでした。

Koshy - SANTAくんの時はまだそこまで考えられてなかったんで、ただただ俺たちがかっこいいと思うものを、売れるか売れないかとか考えずに作った曲を出しちゃったんですけど、Watsonのやつはちょっと考えてみました。でも、Watsonっていいラッパーなんで、リリックとかは逆に手直ししたくないんですよ。個性を消すのが怖くて。どっちかっていうと出すタイミングとか、MVの順番とか、そういう方のプロデュースをやりました。ラッパーによってはリリックを手伝ったりとかもしますけど、Watsonに関してはそういうのだけですね。

Koshy - あー、そうっすね。インスパイアを得られるようにチェックするようにしてますね。最初にやってたらカッコイイっすよね、ハハ(笑)。

Koshy - 1日1個は作るんすけど、昨日とかはマジで何個作ったんだろう……5個くらい作ってました。なんか狂ったみたいに作ってたんですけど。

Koshy - 全然あります。

Koshy - マンネリ化したら別のタイプのビートを作ってみるとか。あとまあ、マンネリ化したとしても、同じことやり続けますね。なんか変わるように努力しながらやりますね。で、続ける。ただやり続ける。それで変わる気がしますね、どっかで。

Koshy - そっすね(笑)。

Koshy - たぶん諦めもいいんですけど、好きなものには粘り強く好きになっちゃうんですよ。一個ハマるとヤバいほどやっちゃうっていうか。でも、「これ向いてないな」ってやつは結構すぐ諦めます。

Koshy - 本当に心の底から楽しくなかったら、「あっこれ違うな」って。

Koshy - 苦しい時もあるけど楽しいっす。

Koshy - なんかうまくいかなくて悔しいみたいな時ですね。

Koshy - ストック……どのくらいあるんだろう?

Koshy - ないっす。わかんないっす。でも最近マジでよく言われて改善したんすけど、ビートパック送ったら「多すぎて選べない」って言われますね。

Koshy - 最初はAKAIのMPCだったっすけど、今はずっとAbleton Liveです。

Koshy - Logicもちょっと使ってみたんですけど、でもこれがいいなって。周りに使っている人が多かったっていうのがデカかったかもしれないですね。

Koshy - 独学と、友達と教え合い系で覚えました。あとYouTube。

Koshy - めっちゃいるんですけど、特にかっこいいのは、やっぱSouthside。僕とはキャラクターのタイプは全然違うけど、もうむっちゃボスっててかっこいいですね。808 Mafiaのメンバーにチェーンあげたりとか、イケてるっすね。もちろんビートもめっちゃかっこいいっす。

Koshy - シンプルやし、僕アトランタのヒップホップが好きなんですけど、ほんとそれって感じで。無駄がない。

Koshy - あと808 Mafiaのメンバーもめっちゃヤバイから、あんだけ彼についてくるのってやっぱ。

Koshy - 技術以外の部分、俺も大事だと思ってるんで。そういうのを持ってる人だと思います。

Koshy - いいビートの基準か……自分で作ったビートに自分でフロウをハメて、「いけそう」みたいに思ったらですね。「なんかこれヤベー、俺でもラップできる」みたいなのはいいと思いますね。

Koshy - ほんとにそればっかり。

Koshy - 複雑に作って、展開も多い、音だけで聴けるようなビートの方が自分的には思い入れがあるんですよ。長い時間かけて作った曲の方が。でも意外と、ラッパーってすっげーシンプルに作ったやつの方を選ぶんで、そこなんすかね、もしかすると。

Koshy - いや、基本好きに作ってるっすね。考えてる時期もあったんすけど、もう考えなくなりました。「これ売れるかも」とかはなんか違うって気づいたんですよね。

Koshy - いや、上ネタから作ります。

Koshy - 弾くこともあるし、サンプリングもあるんすけど、最近とか鍵盤もないとこも全然あるじゃないですか。電車の中で打てるとか。だからスタジオのこのキーボードで叩くか、MIDIをクリックで打っていくか、みたいな感じの方が多くなってます。

Koshy - 新幹線とかであれば。暇な時間があればできるだけ作りたいんですよね。

Koshy - クラブ行ったら、「いやもうこれビート作ってた方がいいわ」ってなっちゃうんですけど、でもビートメイカーとしての立ち位置を確立するまでは、色んなラッパーとも会えるので絶対クラブ行った方がいいと思う。

Koshy - さっきも喋ったSANTAの『I'M THE ONE』は、なんか変わった気がしますね。自分の人生の起点、名刺になった。誰かが僕を紹介する時とかも「SANTAのアルバムやってるビートメーカーの……」みたいな紹介のされ方をしたり。本当は20曲ぐらいでアルバム出そうとしてたんですよ。曲がもっとあって、デラックス版で出そうとしてたんですけど、いろいろあってなくなって。出したいのいっぱいあったな……

Koshy - 結構ウロウロしました。今はそうじゃないんですけど、若い時って影響されやすいのでスポンジみたいに吸収しちゃって。最初は好きにやっていたけど、次はプロデューサーとして売れる曲を作らなくちゃいけないってマインドになって右往左往してましたね。「日本人はどういうのが好きなんだろう」とかめっちゃ研究したし、マーケティングとか、今のサブスクの中でどういう出し方をすればいいのかとか、そういうのもすごい試行錯誤した時期もありました。でも、また戻りました。好きにやればいいんだって。

Koshy - そうっすね。一曲一曲。今はマジひたすら作ってるんですけど、その時期は一曲入魂系で作ってました。今ほど楽しくなかった気がするっすね……だし、「売れさせるって何?」って。

Koshy - 千葉(雄喜)さんがきっかけですね。前に一回、ある先輩から「Koshyが作ってるビートがかっこいいのはわかるんだけど、これ日本じゃ売れないよ」みたいに言われたんですよ。「そうなんだ」と思ったんですけど、千葉さんとレックするようになって、俺が好きに作った、本当に好きなビート、今まで売れないって言われてたようなビートで、「やべー!」みたいな曲が千葉さんとならできるんですよ。「全然いけんじゃん!」みたいな。"チーム友達"もそうだし、"MAMUSHI"も超ハードだし、わかりやすいビートではないと思うんですよ。「やっぱ好きに作ってもいいものって生み出せんじゃん」みたいな、「日本人はこうだから」とかそんな気にしなくていいんだって。千葉さんがめっちゃでかいっすね。

Koshy - Watsonの"小リッチ"のMV撮影を大阪にたまたま見に行ってて、Young CocoとかJin Doggさんが使ってるスタジオに寝泊まりさせてもらうことになって。そしたら「なんか千葉が暇してるらしいんだけど今から来てもいい?」ってJake(Jin Dogg)さんに言われて、Cocoと僕は「もちろん全然」って。そしたら千葉さんが来たんですけど、前に一度会った時のことは覚えてなかったんですよ。だから僕もはじめましてとしてもっかい挨拶して。で、最初は作ったばかりの千葉さんの曲を聴かせてもらったり、最近聴いてる曲とか雑談してたんですけど、そしたら、「俺、『チーム友達』って言葉使って曲作りたいんだよね」って千葉さんが言って、Jakeさんに確認したら「いいよ」ってなって。その後はリリック通りなんすけど、鶴橋にお好み焼き食い行って、Jakeさんとも合流して、その後みんなでまたスタジオ戻って。その場でビートをCocoと作って、完成したやつにそのまんま千葉さんがフリースタイルで「チーム友達、チーム友達…」って乗っけたって感じで。最初の出会いが"チーム友達"でした。

Koshy - ほんとそうですね。全部運めっちゃいいっす。

Koshy - 思ってました。

Koshy - 千葉さんの曲はもう、違いすぎますね。全部が違いすぎて「どこが」って言えない。もう全部やばいです。まあ……聞けばわかるって感じで(笑)。これから出るやつも本当にやばすぎます。

Koshy - はい、来ました。

Koshy - 千葉さんが別のとこで会ってたみたいで。このスタジオの隣が千葉さんのスタジオなんですけど、ここを使うこともあって、「ちょっとMegan来るからこっちのスタジオ使っていい?」ってエンジニアの子が千葉さんに言われて。で、千葉さんから僕に電話かかってきて「Megan来るけど、来る?」って聞かれたので「行きます」って。その時代々木でレコーディングしてたんですけど、すぐここに来ましたね。王子にまさかのMegan登場。

Koshy - やばかった(笑)。すげーみたいな。

Koshy - やばい人数連れてきちゃった(笑)。もう本当にこっから行列で外出ちゃうぐらい人連れてきて、全員は入れないから、半分ぐらい帰ってもらいました。しかもこの建物でガチガチのセキュリティーが二人エレベーターの前に立ってました。

Koshy - だから他の住人とかどう思ってたんだろうと思って。

Koshy - そうそう、その場で。

Koshy - いやなんか、千葉さんと俺のスタイルが、スタジオに着いたらまずその場でビートを作るんです。絶対にそれがスタート。ストックのビートが嫌いなのかわかんないですけど、千葉さん絶対使わないんですよね。フリースタイルで作ったビートしか。

Koshy - そうなんですよ。

Koshy - 時間制限はないですけど、でもまあまあ焦りますよね。Duke Deuceの時もそうだったし、ルールとかじゃないんですが絶対そうなるんですよね。あの時とか、Dukeの目の前でビート何個作ったんだろう。途中Duke寝てましたもん。

Koshy - 千葉さんが「次行こう」って言うんで。口癖が「次行こう」で、それ言われたら次のビート作んないといけないんですよ。ハマるやつが来たら、もう速攻マイクのとこに歩いていって録る。

Koshy - Dukeの時は3つ目か4つ目でしたね。で、Meganの時は1個作ったら「そのメロディーむっちゃいいからループにして」みたいな。で、「次行こう」ってなって。それでできたのが"MAMUSHI"。

Koshy - はい。

Koshy - いつもと一緒と言ったら嘘になります。でもそんなガチガチ焦るとかはないんですよ。若干プレッシャーはあるんですけど。

Koshy - そうっすね。でもMeganの時のおかげでDukeの時はもっと冷静にやれたし。まあ慣れなのかな。あの人数に見られてたのは初めてだったので、あれはなかなか……

Koshy - 確実に15人はいましたね。

Koshy - こっちも自信はあるんですけど、やっぱりカルチャーの本場の人たちの首を縦に振らせないといけないじゃないですか。その緊張感みたいなやつありましたね、正直。それが強かったな。

Koshy - いや、Meganがセレクトしました。Meganセレクトで、Meganはその場で作る気あったのかわかんないんですけど、とりあえず千葉さんがフリースタイルで乗せ始めて、みたいな。Meganはフックだけ録りましたね。バースは後日録ってました。Dukeもその場で作ってったっすね。

Koshy - Cocoとかはもう完全にそれでパックを作ってますね。ストックは使わないです。でもWatsonとかはストックだったり、Watson用でビート作ったり。距離感が近ければ近いほどその場でっていうのはやりやすいですよね。あと、フリースタイルで録るラッパーじゃないとできないかも。だから限られてるっすね。

Koshy - でもフリースタイルの人だったら、僕がビート作ってる間にもう完成されてる。

Koshy - びっくりっす。

Koshy - いや、そこは「まさか」すぎました。でも僕は海外のラッパーと曲作るのを目標にずっとやってきたんで、Meganとやれたのはすごい嬉しかった。日本で「海外の誰々と作ったことある」って人だったら意外といると思うけど、リリースするまでがやっぱり……本当にリリースできるとこまで行くのって、確率的にどうなんだろうと思ってて。だからまずリリースされるって聞いて、嬉しくて。でも、嬉しいけど、『MEGAN』の中のフィーチャリングにも他に豪華な人が入ってるし、"HISS"とかめっちゃ売れてたし、他にもヒット曲あるだろうから、まあ「アルバムの1曲」ぐらいになるのかな思ってたら、今一番聴かれていて、マジかって感じですね。しかもあのビートで。

Koshy - シンプルだし、速くもないから。ハットも2ステップのリズム早めのやつとかじゃないし、ノリも玄人系なのに、それで流行るのもヤバいなって、びっくりして。

Koshy - ありますね。

Koshy - そうっすね、近々海外のレーベルと契約するので色々進展ありそうなんでチェックしてほしいですね。

Koshy - 生活で言ったらもう180度変わったっすね。

Koshy - 想像してました。オヤユビさん(Triga Finga)も知ってると思うけど、僕ずっと「ビルボード取りたい」とか「海外のラッパーとやりたい」って目標でずっとやってきたんで、それは想像しまくってましたね。

Koshy - そうだと思うっす。そもそも日本の音楽シーンに合わせようって気持ちがなかったっす。なんならこっちの感性に近づいてきてほしいぐらい。こっちが寄せるんじゃなくて、っていう気持ちでやってましたね。今もそうですけど。

Koshy - まず乗りやすさ。あとやっぱ、明るめのエモい系のやつは日本では人気ありますね。海外はドープでハードなやつでもガンガン売れるんで。こっちでハードなやつは、ちょっとチャラめなやつとかならウケる傾向があると僕は思うんですけど、向こうってもっと幅広くて。そういう違いがある気がする。

Koshy - 展開すごいあったり、歌っぽいやつとか、分かりやすいのが好きな感じがしますよね。

Koshy - いや本当に。ラッパーがイケてればいい感じに融合して、そういうビートでもいけるぜっていうのを証明していきたいですよね。

Koshy - 最初Choppa(Capone)とBene(Baby)がなんかのパーティーに呼ばれてて、知り合いだったんで遊びに行ったんですよ。その後にみんなでMADAM WOOに行ったんですけど、その時にChoppaの連れとしていたのがWatsonで。まだ売れてない時でした。でもめっちゃ礼儀正しくて、こんなに礼儀正しい子いるんだってくらい衝撃的なぐらいいい子だなって思ったんですよ。その後DMも来て、「今日はありがとうございました。もしよかったら……」みたいな。そんなんビートを送るじゃないですか。正直曲を聞いてもなかったけど、送ったっすね。そっから始まりましたね。

Koshy - えーっと、どうだっけ。一回見ていいですか。ボツにしたやつがめっちゃあるんで。あーでも、"24/7"とか"Plan A"とか、"Fake Love"とか、その時のビートパックに入ってたっすね。

Koshy - ほんと作ってくうちに、お互いに相性いいなって思ったと思うんですよ。SANTAの時と一緒っすけど、とりあえずどんどん作って、もうまとめちゃうか、みたいな感じで出したっすね。で、今、『Soul Quake 2』を作ってます。めっちゃ聴いてほしいっすね。

Koshy - ありのままってとこっすかね。なんも隠してない。嘘がないっすね、本当に。そういうラッパーが好きっすね。だしやっぱり、今のヒップホップシーンって、ラップがうまいとか、かっこいいとか、USの誰々をうまく再現できてるとか、もういっぱいいると思うんですよ。いい意味ですごい成長していて。昔はそれができていたら絶対超売れてたっしょってくらい。そんな人がいっぱいいる中で、Watsonってそういう「誰々っぽい」とかが一切ない。WatsonはWatson。そこがすごい魅力っすね。

Koshy - そうなんですよね。こんなん言うのはアレですけど、子供の時から楽器すげえやってきた子だとか歌を習ってた子だとかいるわけじゃないですか。正直Watsonより歌うまい子、俺より色んな楽器を弾ける子とかも、ビート作ってたりラッパーやってたりシンガーやってたりする。けど、絶対それじゃないなにかが必要。それを持ってるっすよね。僕らは絶対に。

Koshy - プロデューサーとラッパーは獲得の仕方が一緒の部分もあるし、違うところもあると思うんですけど……今こういう時代になったけど、プロデューサーは、やっぱりラッパーと直接セッションすること、直接会ってコミュニケーションを取ること。ビートの共作にしても、もちろんネット上でもいいとは思うんですけど、直接会ってセッションしたり。たとえば日本人で、海外のラッパーの曲にループが使われてるプロデューサーって一人、二人じゃなくて意外といるんすよね。でも、なんていうんだろうな、それでも食えてない人がいっぱいいるっていうのは、やっぱり直接会ってないからだと思うんすよね。僕はMeganも、Dukeも、千葉さんも、Watsonも、みんな直接会って、ビートを作って、こっちも見せつけるつもりで聴かせていて……っていうのがあった上で、他のビートメーカーとの差が生まれていくと僕は思ってる。

Koshy - そうですね。1回、2回会ったくらいで関係性は薄いかもしんないけど、やっぱ直接会っとくってことは、天と地ほど違うと思うんです。ループ使ってもらうのとは絶対違うっすね。それこそ、海外の人とやってもみんなタグ入ってないじゃないですか。別に悪いことじゃないと思うけど、直接会ってちゃんとやってれば、そういうのも起こらないと思うんですよ。だからやっぱり、プロデューサーはそれが必要な気がします。だって、僕なんて前に一切出ずに、メディアにも出てないのに今みたいになれてるのは、アーティストたちと直接関係持ってるからこそだと思うんで。そこが大事な気がします。

Koshy - めっちゃ自信あるっすね。NENEさんも個性がすごいありますよね、めちゃくちゃ。なんていうんだろうな……こう、個性はみ出してる感じがすごいいいっすね。ほんと好きっすね、ああいう人。

Koshy - やっぱり「日本人やべえっしょ」みたいなのを見せていきたいっすよね、めっちゃ。満足しないで、もっともっと海外のラッパーとやって、グラミーもゲトりたいし、プラークめっちゃ飾りたいっすよね。今回初めて1位取ったっすけど、それが当たり前みたいになれるように。それで、「日本のヒップホップシーンやばいっしょ」みたいなのを見せていく、世界に届けていくのが目標です。

RELATED

【インタビュー】Minchanbaby | 活動終了について

Minchanbabyがラッパー活動を終了した。突如SNSで発表されたその情報は驚きをもって迎えられたが、それもそのはず、近年も彼は精力的にリリースを続けていたからだ。詳細も分からないまま活動終了となってから数か月が経ったある日、突然「誰か最後に活動を振り返ってインタビューしてくれるライターさんや...

【インタビュー】Tete 『茈』| 紫の道の上で

長崎出身で現在は家族と共に沖縄で生活するTeteは、今年3枚の作品を連続でリリースした。

【インタビュー】Keep in Touch | R&B / ダンスミュージックにフォーカスした新しい才能を

ダンス・クラブミュージック、R&Bにフォーカスをあてたプロジェクト『Keep In Touch』をソニー・ミュージックレーベルズ/EPIC Records Japanがスタートさせた。

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

Floating Pointsが選ぶ日本産のベストレコードと日本のベストレコード・ショップ

Floating Pointsは昨年11月にリリースした待望のデビュー・アルバム『Elaenia』を引っ提げたワールドツアーを敢行中だ。日本でも10/7の渋谷WWW Xと翌日の朝霧JAMで、評判の高いバンドでのライブセットを披露した。