富田克也監督の『サウダーヂ』が公開10周年を記念してデジタルリマスター版が劇場公開決定 | 田我流も出演

富田克也が監督、制作を富田や相澤虎之助など映像制作集団「空族」が行なった映画『サウダーヂ』の公開10周年を記念して、10/23(土)からデジタルリマスター版を新宿・K’s cinemaで劇場公開する。

監督の富田は当時トラック運転手をしながら、相澤虎之助ら仲間と共に、映像制作集団「空族」を勝手に名乗り、1年半の歳月をかけて自主制作で本作を作り上げた。2011年に公開されると第33回ナント三大陸映画祭グランプリ「金の気球賞」、第66回毎日映画コンクール「日本映画優秀賞&監督賞」、「第26回 高崎映画祭 最優秀作品賞」、キネマ旬報2011年日本映画年間ベストテン6位にも輝き、大旋風を巻き起こした。

映画館もデジタル化の流れが推し進められていた時期に、あえて35mmフィルムでの上映を敢行したことや、主演の1人だった田我流がシャッター街で、この国の腐りきった現状をフリースタイルでラップする姿は、映画史に残るシーンとして今も名高い。

土方・移民・ヒップホップ

2011年に公開した『サウダーヂ』は山梨県甲府市を舞台に、北京オリンピック、リーマンショック後の大不況で行き場を失った日系ブラジル人たち、出稼ぎに来たタイ人、そして国籍の選択をせまられているその子供たちとの出会いから着想を得、疲弊しきった地方都市を描くことになった作品である。

そして、、、あれから一体何が変わったのだろうか?

精司がバブル時代を幻視し猛がラップしながら歩いた、あのアーケード街のシャッターは今も閉まったままでいる。ポルトガル語の「サウダーヂ」という言葉には失われたものへの郷愁とともに未来への祈りが込められているという。

『サウダーヂ』を公開したその年、福島で人災としては最悪の核爆発が起こり、わたしたちはもう二度と後戻りできなくなってしまった。

あれから10年―。

“災害と疫病と分断”のこの時代に『サウダーヂ』は新たな意味を持ち始めている。―空族

K’s cinemaでの上映期間中は、特別上映として前作『国道20号線』(77分)、及び『サウダーヂ』のリサーチの為に制作したドキュメンタリー『FURUSATO2009』(48分)の上映も予定されている。

Info

サウダーヂ デジタルリマスター版』 2021年/35mm→DCP/5.1ch/167min 
監督:富田克也 脚本:相澤虎之助/富田克也 撮影:高野貴子 録音・音響効果:山﨑厳 
助監督:河上健太郎 編集:富田克也/高野貴子
エグゼクティブ・プロデューサー:笹本貴之 プロデューサー:伊達浩太朗/富田智美
制作:空族/『サウダーヂ』製作委員会 配給:空族 ©2021 kuzoku 
出演:鷹野毅、伊藤仁、田我流、ディーチャイ・パウイーナ、尾﨑愛、工藤千枝、デニス・オリヴェイラ・デ・ハマツ、イエダ・デ・アルメイダ・ハマツ、野口雄介、村田進二、亜矢乃、熊田ちか、中島朋人(鉄割アルバトロスケット) 
---------------------------------------------------

~~~あらすじ~~~
山梨県・甲府。人通りもまばらな中心街、シャッター通り。
HIPHOP グループ「アーミービレッジ」のクルー・猛は“派遣”で土方として働き始める。そこで、土方ひとすじに生きて来た精司や、同じく派遣されてきた、タイ帰りだという保坂に出会う。タイパブに連れて行かれ盛り上がる精司や保坂に違和感を覚え、やがて外国人を敵視するようになる猛はある行動に出る…

2021年10月23日(土)よりK’s cinemaにて公開!以降全国順次

©2021 kuzoku

RELATED

田我流がインストアルバム『藤沢 2021』をリリース

田我流が、インストアルバム『藤沢 2021』を9/15(日)にリリースする。

田我流がワンマンツアー『縁 ~en~』を開催

田我流が、日本各地を巡るワンマンツアー『縁 ~en~』を7月から開催する。

田我流の野音ワンマンが映像作品化

田我流が、2023年11月11日に日比谷公園大音楽堂で行ったワンマンライブ『OLD ROOKIE』の模様を収めた映像作品『OLD ROOKIE at 日比谷公園大音楽堂』を5/29(水)にリリースする。

MOST POPULAR

ヘイトスピーチや嫌がらせを発見した時にするべき4つのこと

公共の場で嫌がらせを受けている人を見つけた時はこのように行動しようというイラスト付きのリストを投稿され、多くの人にシェアされている。

テキサスで男性が鋼鉄のフェンスとセックスし逮捕

18日、米テキサス州の32歳の男が鋼鉄のフェンスと性行為を行い、告訴された。法廷に現れず、現在逃亡中とのこと。

ヴェネチアのビエンナーレに出展された「世界東京化計画」とは?世界の有名都市が東京に変化する映像作品

6つの都市が「東京のようなアーバンランドスケープになってしまったら?」というテーマ制作された「世界東京化計画」というビデオ作品はヴェネチア・アーキテクチャー・ビエンナーレで展示されている。