【対談】tofubeats × 川辺素(ミツメ)|リミックスと歌詞と「やったるで感」

ミツメが今年リリースしたシングル"トニック・ラブ"のtofubeatsによるリミックスが12インチシングルと配信でも今秋発表となった。ミツメによって初のリミックスは絶対やってほしい人に頼みたかったということでtofubeatsに白羽の矢が立ったのだが、tofubeatsもかねてより様々なメディアでミツメの楽曲を紹介しており、その相性は言わずもがな。原曲のグルーヴを活かしながら、じわじわと展開していく8分ものサイケデリアとグルーヴが融合したリミックスが完成した。

FNMNLではこのリミックスのリリースを記念してtofubeatsとミツメのボーカル・ギターの川辺素の対談を敢行。両者と関係の深いin the blue shirtにもゲスト質問者と参加してもらい、両者の歌詞の秘密や予期せぬ1年となった2020年を振り返ってもらった。

取材・構成:和田哲郎

撮影 : 横山純

ゲスト質問者 : in the blue shirt

- 今日は”トニック・ラブ”のリミックスをtofubeatsさんが手掛けたということで対談を組んでおります。そして、自分よりお二人のことをよく知っているin the blue shirtことアリムラさんに、ゲスト質問者として参加してもらっています。

tofubeats - なんですか、その『A-Studio』方式(笑)。静止画でアリムラくん出してあげてくださいよ。

in the blue shirt

 -  5問ほど質問を考えてもらいまして、核になる質問も多かったので、最初からアリムラさんの質問でやらせてください。

一同 - (笑)。

 - 「もう11月で、今年はなかなか大変だったと思いますが、お互いにどんな一年でしたか?」ということと、「今の状況が引き続くとしたら、来年はどのようなことにトライしたいですか?」という質問です。とはいえミツメもtofuさんもリリースはずっとしていたというか、忙しい一年だったとのかなと思いますが、その辺りを含めていかがですか?

川辺素(以下、川辺) - やっぱりライブが無いってことは結構大きくて。ライブのための練習をしなくてよくなるんで、そうなると制作も出来るし、自分で今までやろうと思っていて手をつけてなかった勉強を、参考書とか買ってやったりしました。

tofubeats - え、楽理の勉強ですか?

川辺 - そう、和声の参考書を買ったり。あとはAbletonも買って、やってみたりしてました。だから制作と、今までやってこなかった自分のやりたいことをトライする期間になりました。

tofubeats - 僕も完全に一緒ですね(笑)。自分は菊地成孔さんのニコニコ動画のチャンネルに入って、『ゼロからの音楽文法』っていう、100本ぐらいある一本一時間の動画を50本ぐらい観終わって。ノートつけながら観てますね。

川辺 - あー、俺もノートつけながらそういう動画観たりしてる(笑)。

tofubeats - 完全なる勉強をしてます。

 - 勉強したことがアウトプットに役に立ったことはありましたか?

川辺 - 僕は曲作りが楽になったというか。「あれ試してみよう」って思った時に技術が無いと「どうやるんだっけ?」ってなるんですけど、それが割とすぐに試してみたり出来るようになったのは、「勉強って良いんだな......」って(笑)。

tofubeats - 営業トークじゃないですけど、“トニックラブ”のリミックスが出来たのも関係があって。週末にイベントが無いので、知識の流れを途切れさせなくて良いんですよね。週末にライブがあるから一回機材をバラしたり、パソコンを一回抜いてライブに持っていくことも無くなったので、週末休んで、月曜日からその状態で仕事が出来るんですよね。これまではいつもクラブに出て、月曜日に生産性が凄く落ちるっていうのが悩みだったんですけど、ある意味それが解消されて、つけてたノートもそのまま置いておくことが出来て。勉強の成果なのかは分からないですけど、それを発揮しやすいというか、使える時間が増えたのはあるかもしれないですね。人生でライブが一ヶ月も無いってことあります?

川辺 - 進学の都合で、ってことはありましたね。それがバンド始めて2年ぐらい経ってからだったので、「これからガツガツ行きたいな」って思ってたぐらいの頃で。そこで一旦「いつでもやりたい時に出来るって訳じゃないんだな」って気持ちになってるので、今回も「まあ、そういうこともあるよな」って感じでしたね。

tofubeats - 自分の場合、7、8年ぐらい週末のイベントないのが3週間続くだけでも激レアだったので、一ヶ月週末のイベントが無いってなった時に、色々覚悟や計算をしましたね(笑)。結果全然大丈夫だったんですけど。5月、6月ぐらいは結構キツかったです。

川辺 - 僕らもツアーとかで稼いだりする部分があったので、今年はメンバー内で売上を分配できませんでした。

tofubeats - 実際バンドってこういう時期にも一緒にいるわけですから、運命共同体度が凄く上がりそうだなって。

川辺 - それもあるし、でもライブに収入を頼りすぎていなかったので、割と「ライブやりたいねぇ」ぐらいで済んでるというか。「ライブとツアーで全員食ってくぞ!」って人とかは、今の状況は結構タフだと思います。

- この期間に、バンドのコミュニケーションに問題は無かったんですか?

川辺 - 2ヶ月間だけ会わないことがあって、それは本当にバンド結成以来初だったかもしれないですね。スタジオにも入らなくて。でも久しぶりにZoom開いたらいつも通りだったんで、「ヒゲ伸びてるね」ぐらいの会話で終わりました(笑)。

tofubeats - そうなんですよね。結局ネットで連絡取るじゃないですか。ウチもマネージャーと10月に7ヶ月ぶりに会ったんですよ。毎月絶対会ってたんですけど、17歳ぐらいから会ってて初めてそんなに会わなかったのに、何の感動も無くて(笑)。

川辺 - いや、分かる(笑)。

 - ある程度長い期間をお互いに過ごしてるからこそ、ってところもあるんですかね。

tofubeats - でもやっぱり、ネットでやってる人とオフ会でいきなり普通に喋れるような感じだと思いますね。それにまた自分は慣れてて、そもそもリモート慣れしてるなと。

川辺 - ライブの会場でしか会わない友達とか、3ヶ月ぶりに会っても普通に喋れるような感覚が身についちゃってるから。それはメンバーとも一緒だったかなって。

 - 「来年はどんなことにトライしたいですか?」って質問もアリムラさんから来ていますが。

tofubeats - (笑)。結構紋切り型の質問じゃないですか?

川辺 - この状態が続くとしたら、段々キツくはなっていますけどね。ライブやりたいってこともありますし。

 - それは精神的なところが大きい?

川辺 - 精神的なところが大きいですね。まあでも、結構外に遊びに行くから。本当にライブが出来ればな、って感じなんですけど、このまま行ったらそれこそひたすら勉強することになる(笑)。

 - そこはそこで、音楽的な勉強は尽きないものですよね。

tofubeats - でもそんなにずっとは打ち込めないですね(笑)。やっぱり何か変化があったりとか、人のライブを観て「がんばらなきゃな」みたいなのが無いと、刺激がちょっと足りないってことがあります。偶然、みたいなことが全然無くなっちゃうので。

 - なるほど。リミックス制作の経緯を伺いたいんですが、お互いに初めてちゃんと喋ったのはいつですか?

tofubeats - 完全に今年のミツメのイベント『WWMM』ですね。

tofubeats

川辺 - そうですね、出演して頂いて。

 - オファーしたのは、そもそもどういう理由だったんですか?

川辺 - もちろん前から、2012年ごろの、“水星”のティザーが出た時から知っていて、身の回りにも関わっている方が多かったりして。でも少しルートが違うような感じで活動してきたんですけど、『FANTASY CLUB』ってアルバムには凄くシンパシーを感じたんです。

tofubeats - 本当にありがとうございます。

川辺 - (笑)。それでどこかでご一緒出来るタイミングが無いかなと思っていて。他に今年出ていただく方も考えて、「今年はtofuさんだな」って話にメンバーでなって、お誘いしたら出て頂けたんです。

 - 『FANTASY CLUB』にシンパシーを感じたというのは、どういう部分からですか?

川辺 - もちろんそれまでの曲も凄く好きなものが沢山あったんですけど。その時よく言われていたと思いますが、自分がちょっと内省的で、あまり作為を感じないものが好きだったりするのもあって、それが凄く自然に内から出てきているように感じて。音像的にもリリック的にも良いなと思って、同時代を一緒に頑張っているミュージシャンの人って感じで「俺も頑張ろう」って思ったんです。そこからますます好きになって、どこかでご一緒出来たらなって思ってました。

川辺素

 - tofuさんもミツメのことはずっと追ってたんですか?

tofubeats - そうですね、折に触れて雑誌とかで紹介していて、特に前のアルバムにかけての流れの作品は何個か紹介していて。それこそアリムラくんとかから「会ったこと無いんすか?」みたいな話になったり(笑)。京都の人はお互い関わりが深いじゃないですか。Second Royal周りの人とかには高校生ぐらいの時からお世話になっていて、「まだ会ったこと無いんですね」みたいな感じではあったので。ミツメは普通に良いなと思ってたんですけど、前回の『ゴースト』が出るぐらいの流れにかけてから、より意識していくようになってきて。それこそちょっと遠いなって感じがあったのが、意外とそんなことないなって思って。あと、俺はこの話を聞いて信用したというか、話してみたいと思ったことがあって。アリムラくんが「川辺さんは澤部さん(スカート)のことしか信用してない」って言ってて(笑)。それを聞いて「絶対に良い人だな」って思ったんです。そういう人が僕は凄く好きなんで。

川辺 - (笑)。

tofubeats - まず澤部さんが、「ああいう男」じゃないですか(笑)。俺が思う素敵なシンガーソングライターの条件を持っているので。「澤部さんを信用してるってことは、きっと話せるはずや」って。長くミュージシャンをやってると「この人はまず話せるのかどうか」っていうのが一個あったりするじゃないですか。やっぱりどんなに音楽が好きでも、いざ会って話してみたら正直......っていうのがある。それこそ『FANTASY CLUB』を出した時に超思ったことで。あれは結構自分の中の問題意識をナチュラルに世の中に出したんですけど、あれに対してどうリアクションを取るか、どう思うかってところで「全然考え方が合わないな」っていうのがすごく浮き彫りになっちゃって。あと、それが分かるのが嫌だったので、自分が思ってることをちゃんと言うのを避けてたところもあるんですけど。あの作品は人を分けちゃうというか、人が分かれて見えるように思ったりしたので、そこにシンパシーを感じて頂いたっていうのが、ある意味俺の中で「澤部さんが好き」みたいなところと一緒の話かなって感じがするというか。

 - 『WWMM』からリミックスを頼んだのはどういう流れで?

川辺 - 僕たちはリミックスを誰かにお願いしたことが無くて、そうなった時に、やっぱり一番やって貰いたい人って誰かなと思って。そうなると、コミュニケーションを取れるっていうのも大事だなと思ったんですよね。別に今回のリミックスにあたって凄く意見交換をした訳ではないですけど、さっきの話じゃないですが、「話が通じる!」というか(笑)。海外の人にいきなりお願いするのも違うなって思って、その中で一番やってもらいたいなと思ったのがtofuさんだったんです。

tofubeats - めっちゃびっくりしました。自分で言うのもアレですけど、「意外だな~」と思って(笑)。

 - 「意外だな」というのは?

tofubeats - 嬉しかったんですけど、びっくりもしたんです。「おっ」みたいな。「自分だ」みたいな(笑)。やっぱりミツメがやってるような音楽って、凄く聴く音楽なんですけど、自分が出来るタイプの音楽じゃないし作れなくて。だからこそ、聴いてるってところもあったので、そこに自分が関わっていくというのは結構ビビるなって。そういうのもあるので普段と全然違う作り方を試したりもして。それも結構あったかな。

 - 普段とは違う作り方というのはどういうことですか?

tofubeats - 自分の曲で全部ハードで作ったことって、実はあまり無くて。今回のトラックはシーケンスから全部ハードなんです。しかも半分一発録りみたいな感じで作ってて、それもあまり無い。結構パソコンで直して行ったり、打ち込んでいくことが多くて、フレーズもそれで詰めることが多いんですけど、そうじゃなくてハードでやってみようって。それこそコロナの賜物で、10トラックの機材とか走らせてても放置出来るんで(笑)。それで一週間ぐらいじっくり時間をかけて作ることが出来たので、よかったですね。

 - あんなに長尺なものが出来るとは予想していましたか?

川辺 - 正直、僕は頭のどこかで曽我部恵一BANDの“ロックンロール”のリミックスのイメージがあったんです。だから送って頂いたのをDropboxで見てみたら「8分!?」って(笑)。最初は後ろに余白があるのかなと思ってたんですけど。

tofubeats - 書き出しミス(笑)。

川辺 - 「まさかな」と思っていたら、8分に渡ってドラマティックに展開されていくことに結構驚いたのと、バンドの音楽ってあんなにローパスフィルターが開いていくような表現って出来ないんですよね。ビートメイカーの人とかがライブしてるのを見て「めちゃくちゃ良いな」と思ってたけど、自分たちにはどうしても出来なくて。Tame Impalaとかああいうバンドは最近DJミキサーを使ってEQをかけたりしてて「こういうのもあるんだ」と思いつつ、漠然と「こういうライブができたら良いな」というイメージが形になったようなリミックスが来たから凄く感動しました。

 - 実際どういうリミックスにしようと思って始めたんですか?

tofubeats - 聴いた時に、「これはそのまま長くしたいな」っていうのが結構あって。あと、リミックスって言うとオケ総取っ替え系と元の素材使う系があると思うんですけど、ミツメはフレーズとか素材がバンドじゃないですか。アンサンブルが結構重要というか、フレーズとかを変えちゃうと良さが無くなりそうだなと思ったので、活かした状態でどうにか出来ひんかなっていうのが念頭にありました。そうなると、ちょっと長くなるんですよね。あと、原曲がスマートじゃないですか。全部が超ミニマルというか、要らない物が無い状態で出来てるので、「これを変えるって時にこれよりシンプルには出来ん」って(笑)。で、しかも中で干渉し過ぎたくないから「後に足す」っていう展開になったんです。あと、テーマ的にも酩酊していく感じにしたかったので、そういうテーマでやった感じですね。ちょっとバレアリックな感じというか。

川辺 - より納得感が増しますね。

 - でもミツメの2020年に出してる曲は、前のアルバムでもジャムっぽい感じってことを話してましたけど、ダンスミュージックっぽい感覚というか、Tame Impalaみたいな演奏でグルーヴしていく形を意識しているように感じます。

川辺 - 元々好きだったんですけど、最近Sly & The Family Stoneが好きになってて。『There's A Riot Going On』ってアルバムはゲストプレイヤーを招いているものもあるけど、ほぼ一人で宅録のように作ったのであの音像になってて、「密室ファンク」みたいな感じで。あれを改めて聴き直してるときに「こういう感じやっぱり良いな」って思って。バンドで言うと一番ダンスミュージックに接近してる辺りだと思ってて、その感覚はちょっとありましたね。バーンって外側に向ける感じは無いけど、「内なる踊り」というか(笑)。

tofubeats - Tame Impalaとか、自分にとってはもうクラブミュージックの枠ですね。

川辺 - Tame Impalaは完全に開けてますよね。

tofubeats - でもミツメもダンスミュージック感はありますよね。ドラムがめっちゃタイトじゃないですか。あれがめっちゃ良いというか、点を超強調するのでタイミングがシビアじゃないですか。ああいうヒリヒリした感じが全部にあるのは凄いな、って。それでバチバチしてくるというか。今日インタビューに向かうときにアルバム聴いてて、「ハーコーだな」みたいな感想が出てきて(笑)。やっぱりハードコアって言ったら語弊があるんですけど、気持ちがハードというか、「やったるで」感というか。

川辺 - それはあると思います(笑)。

tofubeats - 前のめりな感じを出さないようにするからめっちゃ前のめりになる、って感じが凄く好きで、超カッコいいというか。ライブもそうですけど、「冷静にするぞ」って感じが逆に激しい。「何がなんでも激しくしないぞ」って感じは、もはや激しいじゃないですか。良く言うんですけど、「ジャーン」って鳴らして「激しい気持ちです」っていうのは超簡単だけど、そうじゃないのにそれが出来る方がカッコいいやん、っていうのは結構昔から思っていて。

 - tofuさんは前もそれ言ってましたよね。

tofubeats - ミツメはその最たる例というか。その全く違う方向線の上に澤部さんがいると思う。「絶対に曲を3分以上にしないぞ」みたいな。「なんなんそれ?」みたいな感じだけど、自分の中にルールがあるからああなってるというか。その違う形だからカッコいいと思ってる感じですね。

川辺 - こういう話をしてくれるのもtofuさんと澤部くんぐらい(笑)。それとアリムラくん。

- またアリムラさんの質問に行きます。「お互いの作る楽曲で好きなところ、魅力を感じる部分はどこですか」っていうことで。「川辺くんはtofuさんを、tofuさんは川辺くんないしミツメのことをよく褒めるので、直接言い合って欲しい」とのことです。

tofubeats - 川辺さんのソロもまた良いんですよね。ミツメのリズム隊がいないことによって、逆に川辺さんのソロがああいう感じなのが自分にとっては最初意外だったんですよ。ミツメを先に聴いてたので。“トニックラブ”のリミックスを作った時にその影響がめっちゃあったんですよ。ソロのLP2枚を改めて聴いてから作ったんですけど。「ミツメって4人でああなるんや」と思って。川辺さん一人だともうちょっとローファイというか。

川辺 - 出来ることが少ないっていうのはありますね。メンバーに頼って、僕はギターに関してさえ大竹くんがいるから、アレンジとかをする頭をあまり鍛えてこなかった部分があって。

tofubeats - でもそれって、多分自分の音楽の必要十分の範囲とまた別って感じがするんですよね。ソロでやるんだったら、それでいいからそうなってるってところもあるじゃないですか。だから、他のメンバーの意匠みたいなのを全取り出来ないと思ったので、オケを活かそうと思ったんですよね。そこが面白いなって。川辺さんは川辺さんで結構ミツメと違ったカラーがあって、ミツメになるとああなるんやって。言葉の面になるとどっちもハードというか、川辺さんの良さがあって。自分が日本で好きなボーカリストは何がなんでも日本語で歌詞を入れてくれるんですよね。カタカナとか、一音に2文字入れるとか、ああいう「逃げ」(笑)。自分の中でそれは「逃げ」なんですよね。前もTENDREさんと「baby」って言葉入れやすいって話をしたんですけど。日本語でちゃんと成り立たせて、かつ良い歌詞ってむちゃくちゃ難しいんですよ。特に洋楽に影響を受けてたら難しくないですか?歌詞を絶対に日本語で、しかもスクエアに、一音に一音節入れるのって凄いと思うんですよ。

川辺 - メロディ変えますね。歌詞がハマらない時に、「こういうメロディで行きたい」って思ってるのがあると多分出来ないかなと思って。

tofubeats - じゃあ、逆に詞先でメロディ変えたりする時もあるんですか?

川辺 - 鼻歌で歌ってて「これで行きましょう」ってみんなでアレンジ進めてる時に、歌詞を書いてきて「ここはハマり悪いな」って思ったらメロディ勝手に変えちゃったりもするんで。

tofubeats - 言葉のハマり悪かったらメロ変えるってことじゃないですか。そこまで言葉の比重がデカいっていうのが凄く良いなって。歌詞ってめっちゃ難しいじゃないですか。そうでもないですか?

川辺 - いやいや、時間はかけますけど。

tofubeats - 日本語であんなにバチッと収まってる状態が、近年出来てるのが結構凄いなって。「こうなりたい」みたいな。

川辺 - そんなに褒めていただけると......(笑)。

tofubeats - 自分はミツメとか川辺さんっていうと、作詞が一番ヤバいなって思うこと多いですね。あと、タイトルって先に決めてますか?

川辺 - タイトルは場合によりけりというか。ダルマの目を入れるような時みたいにタイトルを入れてやっと完成って曲もあれば、タイトルが先に決まってて、そこからバーっと広げて書く場合もあったりして。それは演奏がどういう風に仕上がってるかによるというか。

tofubeats - タイトルと本編の歌詞の距離感もめっちゃ良い感じなんですよね。それも良いなって。

川辺 - そうですね。今作ってる曲で歌詞完成しててリリースどうしようかってなってる曲も、「タイトルどうしよう......」みたいなのがありますね。 大喜利感が出てきちゃうんですよね。

tofubeats - でも「正解!」みたいなのがあるじゃないですか。それが出るまで頑張るかどうかってところも作詞にはあると思うんで。

 - 直接歌詞からはつけないってことですよね。

川辺 - そうですね。レコーディングがあるんで歌の歌詞は先に作らないといけないんですけど。タイトルはギリギリまで今粘ってるものがあるんです。

tofubeats - それこそ“エスパー”とか、「いつ歌詞で“エスパー”って出てくるんだろう」って思って。「エスパー」なんて言葉思いついたら絶対歌に入れたいって思うはずなのに、出てこないところに結構ブチ上がったりして(笑)。かと思いきや意外とフックの言葉がタイトルだったりするじゃないですか。自分もそれを凄くオシャレに出来るようになりたくて。自分はめっちゃ小西康陽さんとかが好きなので、言葉のバランスが取れる人に憧れがあって。しかも日本語で、っていう。

 - ミツメはどんどん歌詞が短くなってきている感じがします。

川辺 - そうですね、短いのも多いかもしれないですね。あんまり「歌詞、ドーン!」みたいなのもどうかなって気持ちはずっとあったりするんで。邪魔にならない感じ、というのは意識してます。「歌詞に耳が行きすぎたら嫌だな」って。ヒップホップの、一行でグサっとくるパンチラインはそれはそれで凄いなって思うんですけど。あんまり自分はそういうことが出来てるタイプだとは思ってない。

アリムラくんの質問で僕がtofuさんに対して思うことなんですが、バンドって形態でやってると、「みんなでこういう風にやっていこうよ」って決めるまでに使うエネルギーがめちゃくちゃあって。何か物事を決めるときも一回一回話し合って、「ライブどうしようか」とか「活動の方向性どうしようか」「あれは嫌だ、これは嫌だ」って話をして、4人の意見をまとめるために使うエネルギーが多すぎて、制作に辿り着く頃にはもうヘトヘトになってることが結構あったりするんですよ。ライブもただ曲を演奏するだけになっちゃうとか、思い描く完璧な形に辿り着く前に「もうダメだ」みたいになっていくっていうのをずっと続けてきた10年だなと勝手に思ってて。「なんとかやってきた」という感じなんですね。tofuさんの活動は本当にめちゃくちゃアウトプットが沢山ある中で、沢山素晴らしい曲があって。本当に自分が思ったことを形に出来てるのってめちゃくちゃ良いなと思って憧れてる部分があるんです。

tofubeats - 出来てるんですかね......でも、それで言うとバンドに比べたら出来てるのか。

川辺 - そうだと思いますね。何かしら自分が良いなと思ってるアイデアが他の人の話によって無くなることに抵抗が薄いのもあったと思うんですけど。

tofubeats - あー、確かにそれは自分は耐えられへんかもな。

川辺 - 「そういえばそういうのを当たり前に思ってたな」っていうのを、この前okadadaさんと話してる時に思って。「昔から自分は当たり前にやってるけど、親とかの影響だったりでそうなってるだけで、他の人と比べて見たら変だな、って思うところってある?」って聞かれて、「確かに自分のアイディアが失われることを平気で受け入れてるな」と思って。ソロをやろうと思ったのは、10年間バンドをやったからこそ、自分だけで完成させるってことをもうちょっと突き詰めたいなってことが大きくて。tofuさんの『FANTASY CLUB』以前の作品はフィーチャリングが結構多い中での曲の良さもありましたけど、『FANTASY CLUB』を聴いたときに「自分で自分がやりたいことを、自分が思った形に完成させてるって本当に途方も無い到達点だな」って思ったんです。

tofubeats - 確かに、鏡と喋ってる狂人みたいな状態になりますからね(笑)。

川辺 - それでいて"WHAT YOU GOT”の歌詞とかが「あるある、そういう気持ち」みたいな。ずっと持久走みたいな気持ちでバンドやってる時もあったので。同じメンバーでいても視点はそれぞれ違って、だから運命共同体だけど、分かり合える存在かって言うと、そうじゃない部分もあるんです。それがバンドの良さでもあるとは思ってるけど、見えてる角度が違うので。だからそれで言うと「こういう風に見えることあるよね」みたいにtofuさんの作品は同じ視点で見たような感覚を得ることがあります。それもあって、結構憧れる存在ですね。やられてる音楽も音色を絞ってるところがあるなと思って。自分のトーンがあるのって、なかなか難しいことだなと思うんですよね。

tofubeats - そうなんすかね。いやなんか、使いまわしてるだけ......。

川辺 - でも、その精神はハーコーな感じだと思いますよ。

tofubeats - それで言うと、バンドってずっとギターじゃないですか。「全然同じ音でよくね」ってなったことがあって。それこそ小西さんはずっと同じドラムフィルを使ってて、一発で分かる。俺はあれが良いし、全部同じような曲で全然良いなって思ったんで。自分の好きなものなんてそんなに大して量無いし、似たようなことやっていこう、っていうのは、正直本当に思ってますね。

 - それって不安にならないんですか?

tofubeats - 自分が好きなものが狭いんで、もうしゃあなくないですか?

川辺 - それ、マーシーとヒロトも近いことをインタビューで言ってましたね。「自分が好きなんだったら、別に同じことやっててもいいじゃん」って。

tofubeats - それしか無いんですよ。感動できる範囲も狭いし。感動できることの中で自分が出来ることって、やればやるほど分かっていくじゃないですか。「これしか出来ひんねや」って。それこそ「ミツメ好き、めっちゃカッコいい。バンドやろ」とはやっぱりならない訳で。何度ギターを手に持ってもやる気が出ない訳ですよ。ベースもギターも自分の部屋にあるし、反りも直して、「いざ弾くぞ」ってなったんですけど、やっぱり「Fが弾けたからもうええわ」ってなるんですよ。運指までは行かないから、だからトラックを作ってるんですよね

川辺 - それに向き合ってずっと作品を作り続けるって、多少狂人の域に達して行きますよね。

tofubeats - でも、凄い人ってみんなそんな感じしますよね。自分を狙いすぎていくと変形していく、みたいな。そこがヤバいんやろうなって感じるんで。凄い人の曲とかって、ずっとその人っぽいけど変わっていくって感じなんで、どうやっても変化はあるよなって。

川辺 - それを受け入れて突き進んでる感じが、凄いカッコいいなって思いますね。

tofubeats - とにかく量作るし、「良い曲なんて基本出来ひん」の精神でやってるんで。100個作って1個良いのがあれば良い、みたいな感じですね。

川辺 - その気持ちは、自分にもあるなって思います。

tofubeats - いっぱい作る以外に上手くなる方法って無いじゃないですか。こればっかりは。

川辺 - 勉強しても、結局それがありつついつも通り試して、勉強したことが滲み出たら良いなって。

tofubeats - 自分がやってることの内容が分かるだけ、って感じもありますよね。結局出来ることは増えないっていう。

川辺 - 「あっ、これってこういう技術を使って作ってたんだ」っていう。

tofubeats - でも分かるってことは、それがまた解像度が上がるってことなので、変質していくと良いなって感じですね。

 - なるほど。お互い結構歌詞の話が出ましたが、アリムラさんからも「二人とも素晴らしい歌詞を書きますが、二人ともタイプが違うので、お互い歌詞をどのように書いているか教えてください」という質問が来ています。

tofubeats - それめっちゃ気になります。特にアリムラくんとの”Swim”みたいな、トラックがあるタイプの歌詞はどうやって書いてるんですか?

川辺 - 歌詞は、結構パターンを絞らないでやりたいと思ってた時期があって。本当にめちゃくちゃ狙いすましてやったり、展開に合わせて少しずつ歌詞も展開させてみようと思ってやったりしてたんですけど、アリムラくんのやつとかは、鼻歌で適当に歌ってみて出来たやつを活かしつつ。

tofubeats - ハナモゲラっぽいのを、母音だけ取り出してハマる言葉を探す感じですか?

川辺 - いや、メロディを音階で覚えるのがあまり得意じゃなくて、言葉をつけちゃうんですよ。それで自然に出てきたやつを活かしつつ、その内容と近いものを膨らませていく感じで作りましたね。一個空間をイメージして、そこに居合わせても大丈夫な要素をどんどん足していって、箱庭を一つ完成させていくというか。

tofubeats - めちゃくちゃ難しい(笑)。観念的な......。

川辺 - 部屋を想像して、例えばこの部屋だったら絵があって、それはどういう絵で、どういう人が座ってるか、とかを足したり引いたりして「この空間が完成だ」ってなったのが歌詞ですね。

 - 確かに歌詞は空間っぽさというか、広がりがありますし、でもその空間も全部表現するわけじゃなくて限定的にしか表現しないから、ちょっと不気味さのようなものがあるところもありますよね。

川辺 - 直線的な、時間の流れ的な歌詞より、どの行から見ても一つ成立すれば良いなと思っていて。そういうのは意識して書くやり方の一つかもしれないですね。本当に勢いで出たやつでそのまま行くこともあります。アリムラくんのやつはそうやって作りましたね。「こういう感じだったら何があるかな」って。

tofubeats - ちなみに、手書きですか?

川辺 - パソコンの時もあるし、手書きの時もありますね。

tofubeats - 結構限定が無い?

川辺 - 限定しないで頑張ろうってところがちょっとあって。観念的かもしれないので、さっきの話が伝わったのかどうか......。

tofubeats - 鼻歌からどんどん言葉にしていくやり方じゃないのが面白いですよね。言葉があって、メロディがあって、それを寄せていくようなやり方は面白いですね。

川辺 - そうなんですね。他の人のやり方は分からなくて。

tofubeats - 自分はハナモゲラみたいな鼻歌を入れて、音節というか「あいうえお」ぐらいが決まってるんです。「い、え、お」ならそこは「消えよう」とか入れられるな、って。そういう意味ではもともと好きだったのでラップっぽい作り方かもしれないですね。あと、あまり押韻してない歌詞を書けないっていう。それは結構自分を意識しちゃいますね。普通の歌物でも押韻していた方が気持ちいい病にかかってて、ミツメみたいにバシッと言葉を止めて書くことに抵抗があるっていうか、出来ないんですよ。ある程度語尾とか揃ってないと気持ちわるいって感じがあって。作詞の方法って、確かに説明難しいですね。

川辺 - ギターの場合って小節が決まってる訳じゃなくて、「ここはもうちょっと歌詞と歌メロ長くしたいな」みたいなので、曲自体を伸ばしたりもしてるから、それは結構違いが出ますね。

tofubeats - そっか、そうやって作っていく時はどっちも伸び縮みしやすい、っていうのは確かにあるかもしれないですね。それで言うと、こっちはかなりカッチリ決まった状態で歌詞を書くんで、どっちも融通効かないことになっちゃうんですよね。

川辺 - 韻は今まで考えてやったことが無かったから、次はそれをやってみます。

tofubeats - 急にリズミカルな歌詞になったりして(笑)。

 - お互いの書く歌詞で気になるところはありますか?

tofubeats - 僕はさっき言ったタイトルとの距離感は結構気になってたんで、聞けて嬉しかったですね。もう一個が、結構特徴的な言葉を使う時に、例えば「ふやけた」という言葉を使う時は「ふやけた」ありきなのか、作ってて「ふやけた」が出てくるのか結構気になってて。自分はそういう言葉を結構溜めてあるんですよ。「使いたいシリーズ」みたいなのがあって。そういうのがあるのか、どこかから取ってくることがあるのかなって。凄くプレーンな感じがするんですけど、でも「エスパー」とかいきなり出てくるかな、みたいなのがあって。「ゴースト」でも良いですけど、タイトルの肝になる言葉ってどうやって発想してるのかが気になります。

川辺 - 一個一個だと普通だけど、ぶつかると生まれる宇宙のようなものがあって。「ふやけた」と「友達」がぶつかった瞬間に、何かよじれる感じが自分の中であって。

 - シュルレアリスムみたいな感覚なんですか?

川辺 - 確かに、昔そういう本読んだので、そういうのはあるかもしれないですね。コラージュ的な、何の変哲も無いものが同じ空間に合わさると、急に意味分からなくなるようなことが好きだったりするので。出来るだけプレーンな言葉を使いつつも。

tofubeats - プレーンな言葉を使うことは意識してるんですね。

川辺 - そうですね。あんまり言葉一つで意味を持ちすぎてることが嫌で。だから歌詞の中に「渋谷」とか入れたくないんですよ。

tofubeats - あー、それは確かに分からないでもないですね。

川辺 - いつ読んでも大丈夫っていうのは極論を言うと無理なんですけど。どうしてもこの時代に生きてる感覚になるので。でも出来るだけ、100年後とか200年後に聴いてもなんとなく分かるぐらいの感覚が良いなって。

tofubeats - タイムレスな感じって、超意識してやってるんですね。それはめっちゃ面白いです。

川辺 - 星新一とかそういうのも好きだったりしたのはあるかもしれないですね。いつ読んでも新しい感じがして驚いた記憶があるので。古典って今読んでも面白いですけど、書かれたのが1979年だったりすると「すげー」みたいな気持ちになったりしますね。そういうのが好きなのでやってきました。でも、心情の吐露みたいなのが難しいなと思って。

 - それこそラッパー的な、ということですよね。

tofubeats - 属人性みたいなものって、要るのか要らないのか難しいところがありますよね。

川辺 - 属人性の塩梅って言い方はどうかなって思いますけど、その人のパーソナリティが滲み出ているような言葉がリリックになってるのって本当に凄いと思うんですよね。「何がリアルか」みたいなことって、本当に自分も向き合うところで。しかも僕の場合はバンドでやってるので、俺の気持ちが前のめりに出過ぎても違うなってことがあって。

tofubeats - そこがバンドって面白いですよね。

川辺 - GEZANとかはマヒトくんがガーってところはあるけど、自分はそうじゃないしな、って。外向きのパワーがあるリリックも、もちろん素敵だなと思うんですけど、tofuさんは自分が一人で歩いたりしてて「こうだよな」みたいなのが自然に出てて、しかもそれが歌詞だけじゃなくてトラックと合わさって、切り離せない一つの楽曲として完成してるのは「作品」「アート」みたいなところに到達してるなと思って、いつも素晴らしいなと思ってます。

tofubeats - ありがとうございます......アリムラくんによって恥ずかしい時間が流れてますね(笑)。アリムラくんの曲をけなしたりしたいですけどね、もう(笑)。

 - “Swim”についてはtofuさんは「(暫定)年間一位」と言ってましたよね。

tofubeats - アリムラくんから一番最初にデモを貰った時点で「この曲をはよ出さんかい」ってめっちゃ言ったのを覚えてます。僕はずっと曲名を“水分”だと思ってて(笑)。「オシャレな曲名やなぁ」って、恥ずかしかったです(笑)。

 - あの曲の良いところはどこだと思いますか?

tofubeats - めちゃくちゃ化学反応が生まれてますよね。僕はアリムラくんの曲って凄く昔から好きなんですけど、良さがイマイチ世間に届いてないなってずっと思ってて。前回の『Recollect the Feeling』が出て、あれもどんどん仕上がってきてるし、ライブもエッジーやのに、なんか届いてないなって。

アリムラくんもそれはなんとなく分かっていて、ライブでアカペラを使ったりするのも、そうすれば超届くっていうのが分かってるけどやってないって感じだと思うんですよね。あとはそれを託せる人がいなかったっていうところもありそうだなと思って、川辺さんとやるっていうのはちょうどいいなって。アリムラくんがそれを託せる相手で、かつ川辺さんの歌詞がプレーンだっていうのが良くて。アリムラくんの曲って、ああいうボーカルチョップで地獄から誰かが叫んでるような感じじゃないですか。言葉にしないことで、逆に何かを伝えようとしているような。

川辺 - 「うめき」みたいな(笑)。

tofubeats - そう(笑)。それは多分意識してると思う。ボーカルチョップなのにブレスとかをわざわざ入れたりしてるので。そういう感じが合ってるなって。川辺さんは「うめき成分」が無くならないボーカリスト、みたいな。歌詞もまた凄く良いのがのって、まあ要するに、良い感じなんですよね(笑)。「良い曲なんで早く出してくれ」って言ってから半年ぐらい経ちましたけど。

 - しかも、他にも曲を作ってたんですよね?

川辺 - 他にも4つぐらい作っていて。自分のリリースがあったりアリムラくん自身が他のをやったりしていたのもあって、締切が決まっていなかったから。

tofubeats - そうですよね。あんなに良いのが8割出来てるものがありながら、10割にしない(笑)。二人の間では出来たことになってるみたいなありがちなやつですよね。。

川辺 - 7インチにしないかって話を頂いたので、B面を年内に完成させようってモチベーションが今湧いてます。

 - 更にアリムラさんからの質問で、「二人とも本をよく読むイメージがあるので、最近読んでよかった本を教えてください」。

川辺 - 最近何か読んだかな......。

tofubeats - ちょうど読み終わったところなんですけど、『現代経済学の直観的方法』って本ですね。あと西村ツチカさんの『北極百貨店のコンシェルジュさん』。『現代経済学の直観的方法』は、銀行の偉い人と話すっていう謎の仕事があって。経済学部でやるようなことが一冊読めば全部分かるっていう本で、普通に面白かったです、っていう(笑)。「ポスト資本主義、資本主義リアリズムとか言ってるこの時代、そもそも資本主義ってなんなんや」みたいなところからおさらい中って感じで、最近経済学の本を大学生時代以来にポツポツ読んでて。これは基本が凄く分かりやすくて、なおかつ今時の感じで説明してくれてるので、大学生の時より理解が深まったという、音楽とは全く関係の無い(笑)。「ビジネス書大賞2020」らしいです(笑)。

川辺 - そういう本を(笑)。

tofubeats - 僕、小説全く読まないんですよ。新書とかこういう本か、人文系しか読まないんですよね。逆にピュアすぎて、小説とか読んだら小説の曲とか作っちゃうんです。こういう事実が並記してある本の方が、「これを見てどう思ったか」っていうのにしやすくて。ノンフィクションとかで、「資本主義ってこうなってるんや」ってところからロマンを考える方が。あとは、詩的な言葉が出てこないのが逆に良いというか。ピュアすぎて本当に使っちゃったり、パクったりしちゃったら嫌なので。「感動しぃ」なんですよ。

川辺 - 「感動しぃ」問題は俺もありますね。

tofubeats - 本何読みました?

川辺 - 履歴見たら、最近読んでたのが本当に「対位法」とか「和声学」みたいな(笑)。

tofubeats - ほんまの音大生とかが読む赤いやつ読んでるってことですか?

川辺 - 黄色いやつですね。そういうのばっかり読んでて。最近買ったのは、okadadaさんが読んでた『「百合映画」完全ガイド』っていう本です。あらゆる映画を百合的な視点で観直してみよう、っていう。

tofubeats - 面白そうですね。

川辺 - めちゃくちゃ面白くて、それが面白かった印象で他の本がマスキングされてて(笑)。購入履歴見たけど何も思い出せなくて。

tofubeats - コロナに入った3月くらいからだと無いですか?

川辺 - ウエルベックの『素粒子』とか読み直して面白いなと思ったっすけどね。テッド・チャンも読み直したけど、何読んだかな......。『「百合映画」完全ガイド』がめちゃくちゃ面白かったです(笑)。スパイク・ジョーンズの全然百合でもなんでもない映画を「この二人の女性の関係はこういう倒錯した関係があって」みたいに解釈するんですよね。別にそういう「ラブ」の感じじゃないけど、「映画の中での女性同士の関係がこうで」みたいなのがあって、めちゃくちゃ面白いと思って。「そんな視点で映画を観てる人がこの世に存在してるんだ」みたいな。

tofubeats - それは結構納得がいくんですか?

川辺 - いや、結構狂人の域なのもあって(笑)。決めつけというよりは立ち位置を証明されるから、「この人とこの人がいると、こういう関係性が間に存在しますよね」っていうのが客観的に書いてある。さも事実かのように(笑)。それが本当に、誰もが観たことあるような『アナと雪の女王』とかに関しても書いてある。

tofubeats - 「百合」っていうのをどこまで捉えるかってところもありますよね。「愛」までいかなくても百合ですからね。ホワンとしたのも百合ですから。

川辺 - もし手に取ることがあったら序文から読んで頂きたいです。

 - なるほど。

tofubeats - 逆にそういう、面白本が無いな......。そういうの読んでたらよかったな。

川辺 - あ、ドストエフスキーの『罪と罰』読んだ。

tofubeats - なんでなんですか?(笑)。この時期に結構なものを読みましたね。

川辺 - いや、この時期だからこそ(笑)。この答えもどうなんだろう、ってなりますけどね。

tofubeats - 名作ですからね、問答無用の。

川辺 - ドストエフスキーは今まで挫けてきたので、このタイミングで読んでやろうと思って。自分もこの場面にいたらこういう背筋の凍り方するだろうな、って描写が凄いなと思ってましたけど。アリムラくんが求めてる答えでは無さそうだな......。

tofubeats - 逆にアリムラくんとか何読んでるんでしょうね。本読んでるイメージが無いな。論文とか読んでそうですけど。

 - もう一問アリムラさんから来ていて、「ミツメとtofubeatsは共に一般的なアーティストよりセルフで担当する領域が大きく、自主運営の色が強いですが、そういった活動形態を選択して良かったことを教えてください」。

tofubeats - これ、自分が思う「ミツメが自主でやってるから凄い」みたいな話で、アリムラくんから聞いた話なんですけど、ミツメはレコーディングとかで本当に100回録るっていう。

川辺 - いや、嘘、嘘(笑)。

tofubeats - ちょっと盛ってるかもしれないですけど(笑)。本当に100回目に良いのが録れるなら100回録るタイプの人たちだっていう。

川辺 - 都市伝説ですね(笑)。

tofubeats - でもこれはアリムラくんが吹聴してますよ。『WWMM』でのミツメのライブを映像で観ながら、アリムラくんからこの話をされて感動しました。でも、そういうできるまでやるっていうのは自分たちでやってるウェイトが大きくないと出来ないじゃないですか。後ミツメは凄く練習をするって話を聞いて。自分は練習はしないけど、作るときにそれを打ち込むのは自分たちでやってる部分が多い方が出来そう、みたいな。どこかのサッカーチームが、ユニフォームをアシスタントが畳むようになってからめっちゃ負けるようになったって聞いたことあるんですよ。

川辺 - (笑)。

tofubeats - 僕もマネージャーに機材とか持たせるのむっちゃ嫌なんですよ。バンドの場合は仕方無いですけど、僕はライブの機材は絶対全部自分で持っていくんですけど、セッティングも自分でやるじゃないですか。客前に一回出るのに自分で出てやるのは、それをしないと身の丈をオーバーする印象があって。

 - ハードコア性が出てますよね。

tofubeats - 「人に機材置いてもらうような立場かい」みたいなこともあって。メジャーにいて色んなことやってもらってはいるんですけど、何でもかんでもやってもらったら人として大丈夫かなって心配が超ある。育成とかで5、6年ぐらい無碍な時間を過ごしたことがあるのかもしれないですけど、「ナンボのもんやねん」っていうのを自分が客やったら思うと思うんですよ。自分の厳しさ故に、「人に対してそれを言うんだったら自分がそれをやる訳には行かへん」っていうのでこうなってるような気がします。ポジティブな理由もあるんですけど、そうやって締め付けてる(笑)。

川辺 - 武士道のような「道」を感じますよね。

tofubeats - 若いうちからやってると「調子乗んな」って言われるじゃないですか。それを過分に恐れた結果こうなってるってところもあると思うんですけどね。

川辺 - でも裏を返すと、ストイックな印象は伝わってくる。

tofubeats - 機材を出すっていうのも、毎年論争になるんですけどね。「客前に一回出るのってどうなん?」みたいな。でも自分的には、出来るんだったらやらせて欲しい。

川辺 - 最近はローディーさんに「川辺くん出てこなくていいから」って言われて、「じゃあお願いします」ってなっちゃってるかもしれないですね。

tofubeats - でも、それは当たり前なんですよ。先に出たら興醒めするっていうのは自分も思ってるんですけど、機材の準備は自分でやりたいし、マネージャーが自分の機材の配線の仕方を知らないし、教えてもないし、別に教えて欲しいって言ってこない関係なのでこうなってる。我々はちょっと特殊ですからね。自分でいっぱいやるのに凄くメリットを感じてるというか、それしか出来ない。単にそういう趣味嗜好の問題だったりもするんで、大それた感じではないですね。「任せられない」という病(笑)。分かってないと気持ち悪い。

川辺 - 「分かってないと気持ち悪い」精神はありますよね。「なんでこういう風になってるんだ」とか。

tofubeats - ミツメさんはずっとインデペンデントになるんですか?

川辺 - 途中からスペースシャワーさんがリリースは手伝ってくださってます。

tofubeats - でもマネージャーさんの仲原さんはずっといるんですよね?

川辺 - そうですね、友達で。でもやんわりしてるんで、ライブの時は絶対きてくれるんですけど、それ以外は場合によりけりですね。

tofubeats - 事務所にいた時によく分からない仕事があったり、どうなってるか分からないことがあった時に、生意気なんですけど「なんでなんだ」って凄く思ってたりして。そういうことが独立とかをさせてしまったので。でもどっちかというとそっちの方が普通だと思ってません?

川辺 - そうですね。CDも最初自分たちでプレスして、物販で手売りから始めて、ディスクユニオンに置いてもらったらいくら、って。それで流通するとまたこうなって、っていうのを知っていって、「もうこれ自分たちでやるの限界だ」ってなった時に手伝ってもらう感じですね。

tofubeats - 自分も最初CDRを卸してヴィレバンに行って、流通が必要になって、って、そういう順番じゃないですか。それで言うと、自分たちの規模ではそんな大事務所でも車で送迎する感じではないので、ある意味自然にこうなってる。

川辺 - ただ自分たちは自然にこうなってるけど、環境を用意しもらって状況に合うようにバンドが大きく成長していくようなパターンも見ているから、自分たちはそうするといつまで経ってもジリジリとちょっとずつ頑張っていくしかないのかなって思ったりして。若いうちにガツっとメジャーでやったりしてた未来があったらどうなってたんだろうなって。

tofubeats - それで言うと、自分は最初はメジャーデビューでめちゃめちゃ華々しく出してもらってますからね。

川辺 - 一回もメジャーデビューしてなくて、自分たちの周りで2、3個上の世代でお手本になるような存在がいなくて。自分たちみたいに好きな音源を作って好きなペースでライブをやって、メンバーがそれで潤ってて、楽しくやってるのが近い界隈で全然いないんです。ファンの目線ですけど、活動の感じで憧れる存在は曽我部恵一さんだったり坂本慎太郎さんとか、それぐらい上になっちゃうんですよね。

tofubeats - でも、曽我部さんってそんなにめっちゃ上のイメージあります?でも一回メジャーデビューしてるもんな。

川辺 - 20個いかないくらい上で。それより下の世代でそういう存在が......。

tofubeats - よくよく考えたら我々もテイ・トウワさんとかがモデルケースなので。DJでもいるんですけど、30代ってなると急にいない気がしますね。

川辺 - 自分たちでもがきながらやってきた結果、今こういう状態になってる感じで。良かったなって思うのは、自分たちで原盤とか持ってたから、それが今も初期の作品から全部あるんですよね。

tofubeats - それはもう、本当に一番大事なことですよ。太字で書いておいて欲しい(笑)。権利のことを考えておくっていうのは。

川辺 - 本当に、昔インディーズレーベルから出してて、今はもう昔のタイトルを廃盤にするしかないって友達もいるから。そういうところは自分たちでやってて良かったなと思うけど、それ以外の「華々しく世間に広まる」って視点で見たときに、「果たして俺らの活動は正解だったのだろうか」って気持ちになったりすることがたまにあります。

tofubeats - 難しいですよね。関わる人が増える分、華々しさとインカムの部分は全然比例しないですからね。自分らは一番最初に自分でCDRを卸すところもやってるし、メジャーで今やらせてもらってて、原盤の割合が自分が100%から今の割合まで、大体のグラデーションを見てきたので、結構思うところがありますね。ベストな状態ってどれなんやって。

川辺 - じゃあ、今の状態もまだベストではない?

tofubeats - いや、限りなくベストに近い状態なんですけど、自分のコンディションとか、それこそ“水星”や“Lonely Nights”とかのヒットが出た時と、そうじゃない時もあるじゃないですか。もちろん今年これからウルトラ大ヒットみたいな曲が出るかと言われたら、多分厳しいし。年で契約も違うので、正直ちゃんと比べられないってところがあるんですよ。自分の技術とかが変わっていくじゃないですか。ミツメとかもそうですけど、作風が変わってて状態が変わってたら、同じ状態じゃないから比較も難しいっていうのが、音楽やってる人のジレンマがありますよね。同じ商品をずっと作ってる会社だったら割合も比べられるんですけど。 今はメインもサブスクになってて、今の時期は本当にサブスクに足向けて寝られないなって思いますけど(笑)。

川辺 - 本当にそう(笑)。アリムラくんの答えになったのかな。

tofubeats - 何よりも一番やってるのはアリムラくんですからね。フルタイムワークをしながらスタジオを作って。

川辺 - 出力がバグってるな、と思いますね(笑)エネルギーを出しすぎてて心配になる。

tofubeats - 本人もよく言ってますけど、溜められなくなっちゃってる感じがしますよね。仕事は辞めそうやなって思いますけど。

川辺 - 「音楽辞めますわ!」みたいな感じにならないか心配ですね(笑)。

tofubeats - どっちかでしょうね(笑)。

 - 今後両者で、このリミックスをきっかけに一緒にやってみたいことはありますか?

川辺 - それはいつでも。

tofubeats - 俺はリミックスやって欲しいです。結構夢があって、もっと偉くなったらトリビュートアルバムを出して、色んな人に自分の曲をカバーして貰いたいっていう。それで「tofubeatsが歌ってたらイマイチだけど、意外と曲が良かったんだな」って思って貰いたい(笑)。

川辺 - そんな(笑)。

tofubeats - あと、自分が歌ってる自分の曲を聴きたくない時ってないですか?自分の曲って聴きます?

川辺 - 確認みたいな感じでは聴きますけど。

tofubeats - 自分は結構聴く派なんですよ。普通にブラブラ歩いてて、「自分の曲どんなんやったっけ?」って聴いて、「悪くはないな」みたいに思う(笑)。

川辺 - そういう感じはあります。他の人の曲を聴いてる時とは明らかに違う感じがありますね。

tofubeats - それで、他の人の曲みたいに自分の曲を聴きたい気持ちがあって。人の曲は凄いリミックスしてますけど、自分のもそういう風に聴きたくて。自分の場合は自分の声が自分にとって一番障壁なんですよ。自意識が生まれて。

川辺 - 没入出来ないところ(笑)。

tofubeats - なので、それをやって貰いたくて。何年後かに出すことになったら是非よろしくお願いします。

川辺 - めっちゃやりたいです。是非是非。

 - どの曲をやって欲しいですか?

tofubeats - これはもう、全部渡して何でもいいので選んで貰いたいです。“水星”とかでもいいですし(笑)。

川辺 - ハードルが(笑)。

tofubeats - 普通に初期の曲とかやって貰いたいですね。

川辺 - 僕らは今リミックスをやって貰って、一緒に曲を作ってみるっていうのはやってみたいところですね。

tofubeats - 打ち込みのオケでああいう歌メロが乗る感じは良いなっていうか、何でやってないんだって思ったんですよ。やっぱりあの感じを両者分かってるっていう、貴重な存在だなって思ったんですけど。

川辺 - アリムラくんはずっと昔からSecond Royalに観にきてくれたりしてたんで。

tofubeats - 出自がまあまあ近いですからね。アリムラくんは元々結構インディがルーツにあるし。

川辺 - アリムラくんが結構トラックとか作るようになったので、僕もソロとか作ってみて、ちょっと学ばせて貰いたいなって気持ちがあって。それで「一緒に曲作りませんか?」って相談したのがさっきの曲なんですけど、2日後ぐらいに完成に近いデモが送られてきたんで、学ぶどころの話じゃなくて(笑)。「こういうことか!」と思って。後に勉強になったところはあるんですけど。

tofubeats - でも最初のデモから結構変わりましたよね。

川辺 - 思い描いていた共作って形じゃなかったっていう。

tofubeats - 確かに、逆に0から作るってあんまり無いんですよね。ビートメイカーは9割がた出来てるデモがあって、やりとりするっていうのが基本多いかもしれないです。そこからは大喜利し合いみたいな。待って、向こうが一回送って、「ちょっと変えました!」とか言ってめっちゃ変えて送ったりして(笑)。それのやり合いみたいな感じですね。

川辺 - メンバーとしか曲を作ったことが無かったので、凄い刺激になって。

tofubeats - トラックメイクをやる人って、ラフに100を作る方に慣れてるというか、完成形が思い浮かぶところまで行ってからじゃないと人に投げない人が多いと思います。それが普通になってるので。ただ、それを完全に煮るなり焼くなりしてくださいと思っていて。ドラムしか使わなくてもいい、みたいな。多分そういう感じなんじゃないですかね。

川辺 - 色々勉強になりますね。

tofubeats - でも本当、今年は勉強の年っていう(笑)。サブドミナント、とか言ってますからね。

川辺 - 旋法って沢山あるんだなって。

tofubeats - 自分は譜面読めなかったのが、ちょっとずつって感じです。

川辺 - 俺も完全にそうだな。

tofubeats - これが週末にクラブとか入り出すともうダメですね(笑)。どうなるか、って感じですけど。

 - クラブはまだやってないですか?

tofubeats - 自分はお客さん入ったイベントにまだ出てなくて。クローズドのイベントに11月に出るのが半年以上ぶりのライブですね。自分はさておきお客さんに対して責任取れないってところが自分にはどうしてもあって、それが無いのは今のところは良いかなって感じですね。配信なんかをして、「やってる感」だけ出しながら......(笑)。

 - でも、この間やっていたHIHATTの5周年イベントも相当過剰というか(笑)。

tofubeats - YEBISU YA PRO借りてチケット1000円っていう。300人配信観てくれても。でもそういう、感謝祭的な感じでしかやらないですね。あれも箱を借りてたんですけど、「お客さん入れてやるのはな」ってなったので変えて。3月くらいに「10月くらいになったら出来るんじゃね」とか言って悠長に借りてた自分を殴りたいです(笑)。

 - じゃあ、まだ来年に向けて具体的なイベントの予定とかも無いんですね。

川辺 - 『WWMM』は厳しいなと言ってて、ワンマンをまたやりたいねとは話してます

tofubeats - でもまだ分からないですよね。

川辺 - 多分無理だと思いますね。単独公演以外の大変さがヤバくて。沢山の人に出演依頼して、それが飛んだりすると後々の「延期するのか、中止するのか」みたいなのが......。

tofubeats - 2回延期で中止、みたいなのもありましたからね。

川辺 - ホストになって色んな人誘うのは、今回は無理だなって。

 - 状況が全然見えないですもんね。ちょっとずつイベントも復活してるとは言え。来年に向けてはいかがですか?それぞれキャリアが10年以上になってきて、中堅という感じですよね。

tofubeats - 「中堅になりたいな」っていうのでここ2年はやってきたので、「目指せ、中堅!」っていうのが弊社内のテーマとしてあったんですよね。「中堅って言われるぐらいになろう」って。

 - 「若手」じゃなくて(笑)。

tofubeats - 本当はアルバムを今年すぐ出すつもりだったんですけど、全然アレだったので。来年はアルバムっぽいものを出したいんですけど、どうなることやらって感じですね。来年はめっちゃアルバム出したいです。

川辺 - 僕らも来年に出したいなと思ってはいます。来年の目標としては、正常になればいいんですけどね。

tofubeats - 「ならなかった時にどうするか」ってことも、ちょっと考え始めなきゃなと思いますしね。

川辺 - 考えないようにしてるって感じですね(笑)。上向きの目標は無いかもしれないです。

tofubeats - そういうことばっかり考えちゃうな......。「来年の何月までコレだったらコレか」みたいなことばっかり。明るいニュース何かあったかな。

川辺 - 「ヨーロッパでライブしたい!」とか、そういうのが良いんですけどね。

tofubeats - 今年は海外に行きたかったな。

 - ヨーロッパはもっと酷いことになってますよね。

tofubeats - コラボしてる外国の人から急に返信が止まって、「バタバタしてたわ」って一ヶ月後に来たり。「そりゃそうですよね」みたいな。台湾だけが楽しそうですね。Airheadの皆さんだけが楽しそうで(笑)。

川辺 - Airheadの皆さんは羨ましい(笑)。

tofubeats - 「ツアー普通にやってていいな」って、インスタ見てて思ったり。ツアーの日程が出ててびっくりしたし。来年に向けては頑張ります。

Info

ミツメ
デジタル・シングル「トニック・ラブ (tofubeats remix)」
2020.9.23 Release
URL
https://ssm.lnk.to/tonicloveremix

--

ミツメ
12inch シングル「トニック・ラブ」
2020.10.29 Release
PEJF-91032 MITSUME-024
定価:¥2,100+税

Side A  トニック・ラブ
Side B  トニック・ラブ (tofubeats remix)

related

【インタビュー】ILL-BOSSTINO『KINGS CROSS』|ヒップホップを突き詰めていけば絶対にここに来る

THA BLUE HERBのILL-BOSSTINOとdj hondaがタッグでフルアルバム『KINGS CROSS』を完成させた。若いリスナーにとってdjhondaの名前は知らなくても「h」のロゴキャップは見たことがあるはず。その主である彼は1990年に単身渡米。ニューヨークのシーンで初めて実力を認められた日本人ヒップホップDJだ。そしてKRS-ONE、Common、Mos Def(Yasiin Bey)、De La Soul、EMPDなど90年代を代表するラッパーたちと共演してきた。

【Rappers Update Vol.5】guca owl (前編)

「guca owl」と書いて「グカール」と読む。もともとはowl kid(オウル・キッド)という名前で活動していたが、guca(ジー・ユー・カ)=自由化という意味を込めた文字を頭に付け、夜の世界に生きていたフクロウは大空へと羽ばたいた。

【座談会】SIMI LAB『Page 1: ANATOMY OF INSANE』 |10年目の青春、カオス、邂逅

国内のヒップホップ・レーベル、SUMMITが今年10周年をむかえた。そして、そのSUMMITが発足した2011年にファースト・アルバム『Page 1: ANATOMY OF INSANE』を発表したのが、SIMI LABだ。

most popular

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

Floating Pointsが選ぶ日本産のベストレコードと日本のベストレコード・ショップ

Floating Pointsは昨年11月にリリースした待望のデビュー・アルバム『Elaenia』を引っ提げたワールドツアーを敢行中だ。日本でも10/7の渋谷WWW Xと翌日の朝霧JAMで、評判の高いバンドでのライブセットを披露した。