soh souenによる個展『ささやかな叫び A Modest Scream』が原宿のギャラリーThe Massで開催

藤原ヒロシの最新作『slumbers 2』のジャケットも手がけた福岡在住のアーティスト桑園創(クワゾノ・ハジメ)が、soh souenに名義を一新し初の個展『ささやかな叫び A Modest Scream』を原宿のギャラリーThe Massで開催する。
soh souenは1995年福岡生まれで、大学在学中から一貫して身体、わたし、他者などアイデンティティーを軸に、身体を有する存在として現代における絵画制作の探究を続け、初期作品である 「body to body」を経て本展に発表するシリーズへと表現を広げていった。
今回の個展では2019年から制作を続けているポートレート作品「tie」、抽象表現によるパステル作品「etude」、「caress and hug」と立体作品「my body, your smell, and ours」を発表する。


2020 (117 x 91cm) ©soh souen

ポートレート作品「tie」は知人の証明写真を元にピクセルに起こし、それらをオイルペインティング によってドット状の集合体として表現。1辺6mmの正方形ドット一つ一つから確認するこ とができるマチエールの繊細さと、グリッド化した構図の緻密さにより、souen自身の存在意義や他者との関係性から紡ぎ出される言葉や想いを、独自のアプローチでキャンバスへと落とし込んでいる。


顔料や土を混ぜ自作のパステルを作り、自身の手で直接紙に描かれた「etude」、「caress and hug」のシリーズ。絵肌と対話をし、 徐々に浮かび上がる色面からは静かに湧き上がる内なるエネルギーを感じさせる。パステル絵画などは経年劣化を考慮し最終的に定着材などを使うことが多い中で、souenはあえて顔料を紙面に定着させず現在の表現方法に辿り着き、結実させている。
本展ではパステル作品と合わせ、治癒や浄化を元に採取さ れた25種類のハーブと香木を配したインスタレーション展示にて身体をイメージした立体作品「my body, your smell, and ours」の新作も発表する。
私 他者 痛み(限りなく快楽に近い)身体 治癒
本展示が決まった際にノートに記したもの。 これらの言葉が作品の見方を一方的なものに追いやって欲しくはないが治癒という言葉にもある通り、希望の念をもとに思考を重ねた。 そして身体の回復を実感しながら、治癒という営みがいつも秘めている強烈さを感じながら 1枚1枚の絵を描いていく毎に、傷つきやすい襞やくぼみだらけの存在を大事に包んでいる何かに触れた様な気がする。
か弱くて繊細な光、絶えずこぼれ落ちるもの 生きているという事実による輝きや肌触り 描くことの、身体の祝福。 最後まで決して手離してはいけないもの。
soh souen(2020年10月ステートメントより抜粋)
Info
soh souen
ささやかな叫び A Modest Scream
会期:2020年11月21日(土) - 12月27日(日)
会場:The Mass(東京都渋谷区神宮前5-11-1)