The Weekndが自身の楽曲の女性蔑視的なリリックについて「自分ではなくキャラクターが歌っていること」と説明
今年リリースの新作『After Hours』がパンデミック下のサウンドトラックとして高く評価されたThe Weeknd。そんな彼が、自身のリリックの一部が女性蔑視的であるとの指摘を受け説明を行なっている。
Geniusによると、Esquireのリモートインタビューに応えたThe Weekndは、自身の2015年の楽曲“The Hills”に含まれる「I just fucked two bitches ‘fore I saw you/And you gon’ have to do it at my tempo(君と会う前に二人のビッチをファックした/僕のテンポでやってくれよ)」というリリックについて尋ねられ、「間違いなくキャラクターだ。激しい、大胆なものについては聞いて欲しい。僕が歌っていて、僕が書いたものだからトリッキーなんだけどね。聴いている人にある種の感情を抱いて欲しかったんだ。怒りや、悲しみを感じて欲しい。誰かを攻撃する意図は無いんだよ」と、自分自身の思想や実際の感情から来るものではなく、あくまでキャラクターの感情を描写するために先述のようなリリックを書いたと明かしている。
続けて彼はリリックを書く際の手法として複数の人物、複数の視点から物事を語ると説明しており、「僕が曲を書いていても、時々、それが自分の頭の中にあるものじゃない時があるんだ。誰かのために曲を書いているのに、結局それを自分で歌うことになる。女性アーティストのためにアルバム全体を作ってみたい。僕にはThe Weekndの全てのビジョンが見えてる。でもそれは、僕が他のアーティストのために曲を書きたいと思うのと同じ理由なのかな?」と語っている。要するに彼はThe Weekndというペルソナを、あたかも別人である他のアーティストと同じように捉えており、他人のために楽曲を提供するような感覚で自身の制作を行なっているということだろう。
またインタビューの後半では、「自身を定義する楽曲」を尋ねられた彼が”What You Need“、“Wunderlust”、Ariana Grandeとの“Love Me Harder”、“Often”、“Earned It”、そして“Starboy”を挙げている。
もちろんある種のアーティストが歌うリリックの全てがその人自身の感情を体現したものであるとは限らないが、場合によってはリスナーをぎょっとさせてしまうこともあるようだ。しかし、The Weekndの詩作のアプローチを知ることが出来るという点でファンにとっては興味深いインタビューとなっている。
EsquireのThe Weekndインタビューの全文はこちらから。