【インタビュー】山本精一『CAFÉ BRAIN』|音楽は自分の中から湧き出て来てしまうもの

2020年7月16日に山本精一の4年ぶりのソロアルバムがφonon(フォノン)よりリリースされる事が決定した。アルバムタイトルは「CAFÉ BRAIN」(カフェ・ブレイン)。COVID-19渦中の暮らしや、この事態を受けて考えた事、実行した事、そして新作アルバムについて、美術家にしてOPTRONプレーヤーの伊東篤宏が山本精一に話を聞いた。

取材・構成:伊東篤宏

コロナ禍の話

 - 今年に入っての一連のコロナ禍の話から始めたいのですが、まず精一さんは ここ数ヶ月どのようにお過ごしでしたでしょうか?精一さんの場合、通常時ならば個人の楽曲制作やライヴの他にベアーズ(難波ベアーズ/ 精一さんは同店店長) もあるし、最近ではミングル(木屋町ミングル)も始められましたよね?そしてそのミングル、バズってましたね。

山本精一 - そうですね、向こうから絡んでくる感じだなあと。

 - すごいタイムリーな話題になってましたね。

山本精一 - 何かあるんでしょうね。これはもうポジティヴに考えねばと思いましたよ。 あんな「バイキン」に負ける訳にはいかないと。

 - バイキン(笑)

山本精一 - コロナを逆手にとってやろうくらいのつもりでね、とにかくあんなものに負けていられないっていうある種の躁状態でしたね。周りはシュンとしてたからね。こういう時こそチャンスだぞって。例えば俺は無観客ライヴのチケットを後売りしたんだけど、たくさん買ってもらいました。

あれは自分とベアーズ的にはわりと通常のライヴ形態なんですけど、とても有り難かったですよ。まあ確かに、この状況の中でやり方を考えて実行するのはなかなか大変だとは思うけど、色々と頭使ってまだまだやり様はあると思う。なんとか生き残っていかないとね。切実に。でもね、なんかみんなお行儀良くし過ぎだと思うよ。普段いきがって不良っぽい連中がいち早くコロナ自粛にやっきになってるのを見て衝撃を受けましたね。あ、こんなに真面目やったんやって。ヤンキーとか意外と従順なんやなと。日本人はやっぱり真面目なんですね。ヤクザとかもオンラインで会議してるらしいね(笑)。

 - 国やら行政の言う事を大人しく聞き入れ過ぎだろうと。

山本精一 - まあ俺も自粛して申請して、貰えるものは全て貰ったけどね(笑)

 - ちゃんと受理されて給付されましたか?

山本精一 - うん、全部出ましたよ。ちゃっかりしてるよね。でもね、国やら行政やらがこちらに対してそんなに色々はやってくれないのはある意味当然の事で。俺らは元々そういうところとは関係ないところでやってきてる訳で、こういう時だけ国頼みとかそういう考えはないですね、俺自身の考えですけどね。そこはちょっとプライドありますよね。そこはええかっこしたい(笑)

 - そこでツッパるという事はつまり、全部が全部従わないよって事でもありますよね。

山本精一 - そうです。マニュアルを元に基本的には自分達で考えて何とかするって事で。ただ、他人に迷惑はかけないってところはそこは外さない感じで。

 - 苦しい時だけ国頼みっていうのはちょっと...って感じですか?

山本精一 - そうですね。給付金はキチンともらいましたがね(笑) まあどこまでマニュアルに従うか。かなり困難な作業ですよね。勿論お客へのリサーチとそれに基づいた対処はちゃんとする必要あるけど。ここまでが自粛限界っていうところをさぐること。このラインを超えるとライブハウスとしての機能が果たせないという、分岐点はどこかとか。また、いろんな場合、場面に合った対処が必要なんじゃないか、と思います。例えば日本の生活風習は当然欧米とは違うと思うし。日本国内でもそれぞれ生活習慣が違うだろうし。

 - ハグする習慣もあまりないし、靴は玄関で脱ぐし、うがい手洗いは普段から割とするし。

山本精一 - そう、マスクをする習慣もね。俺はこうなる前から割としてるもん、マスク。慢性の気管支炎なんで。ライブもマスクしてやることがありますね。歌ものとかでも。 ライヴハウスにはこれからは皆、ちゃんとマスクしてくればいいし。それでかなりの感染が予防できるそうです。マスク外さないと飲み食いできない飲食店とは違うし、うちなんかお客同士も実はそんなには喋らない。だから考え方や対応はもっと店単位で臨機応変でいいんじゃない? 出演者やライヴの内容によっては、店側が自主的に規制を設けるとかは可能性があります。けれども、お客10人とかに限定しろと言われても、それはできない。それでは全く成り立たないです。俺のライヴのお客は、皆大人しくて喋りもしないでじっと観ておられるしね。それなら別に50人とか入っても問題ないと思います。人との接触はほとんど感染しないという学会の報告がありますし。感染はほとんど器物接触と、飛沫が原因らしいです。

山本精一 - 今になって感染者数がまた増えてるのは、前より少し検査数が多くなったからでしょ。でもじゃあ、今迄みたいなままでダラダラ曖昧な自粛やってたら、それはそれで経済的に、各業種当然成り立たなくなりますよ。劇場とかライヴハウスとか、経営を維持出来ないからどんどんなくなっていく。それに伴って劇団やバンドなんかも組織を維持できなくなってつぶれていく。そういうものが全部なくなって、じゃあそれでOKなのかって。しょうがないって? 今世論の一部なんかじゃ、それを「淘汰」って言うでしょう?俺、あの言葉が大嫌いで。演劇やライヴは「淘汰」されるものか? そういう言葉を平気で使う人たちはハナから演劇や音楽に全然関係ない人間だと思う。もともと文化、芸術の「本質的な部分」とは何の接点もない連中。

 - 全てお金とか既得権とかに還元出来るものの事しか考えられない連中のセリフだと思います。

山本精一 - それもそうだし、何と言うかもう感性が壊れた連中の言い草ですね。自分達に関係ないから、そういうものは要らないって平気で言う。まさに今世界中に蔓延する排外主義の典型だと思いますね。

 - 他者への想像力が著しく欠けた人達ですよね。

山本精一 - ホント想像力の欠如。思考停止。

 - でもそういうヤツに限って偉そうなポジションに居たりするんですよね...

山本精一 - そういう人々はスポーツ観戦とライヴハウス事情を同じ様なレベルで話してたりする。 大体ライヴハウスの事なんて何も知らないでものを言ってるし、多分来た事すらないと思う。何となく不良が何百人も集まって(笑)、盛り上がってるとかそんな認識でしょ、どうせ。こっちは普段は20~30人、いやもっと少ないことだってあるお客を日々相手にしているんだけどね。で、割と大きな音を出すところは一括りで「ライヴハウス」にされちゃうからね。 我々がいわゆる「大バコ」って呼んでいる様なところはライヴハウスじゃない。あれはホールでしょ。1000~2000人以上の規模のところと俺達が普段演っている様なハコと同じ様な基準で語られてもね。いろんなライブハウス、クラブの状況、様態に応じて臨機応変な対応でいいでしょ。でも行政にそのへんの事の理解、対処を望んでも無理。だって「ライブハウスという業種」はないし、役所に開業届け出しに行ったら、「それは『うたごえ喫茶』みたいなもんですか?」って訊かれたからね。昭和30年代で止まってる。

山本精一 - コロナの影響が出て、今後のライヴパフォーマンスとオーディエンスとの関係性を考える上で、まあ経済はちょっと置いておいて、俺は今、巷で言われている「配信」っていうのが本当に嫌いで。「配信すればいいやん」っていわれるのも本当に嫌で。今後は配信でやっていく「しかない」とか、そうでなきゃ持続出来ないっていうなら俺はやらなくていいし、ライブ自体辞めてやるわって思う。

 - 現状でライヴ配信を視野に入れて動き出しているライヴハウスやクラブは多いです。でも僕個人の意見としては、ライヴ生配信は当然ライヴとは異なるし、普通にライヴを生配信するだけならライヴによく来ていた連中に対して広 くポピュラリティを得て定着するかはちょっと微妙だと感じています。それだけでは難しいだろうなと思います。

山本精一 - だからライヴハウスやクラブは今後は配信をメインに「すべき」だとか、配信事業に「移らざるを得ないだろう」とか、そんな訳ない。配信もライブだけどライヴハウスがやるべき事じゃない。俺はそれならやらない方がいい。やっぱりオーディエンスからのフィードバックが、リアルタイムで演者に打ち掛かってこないものは、自分はライブとは思えないです。 配信が好きな人っているの?

 - どうなんですかね?配信に特化した表現はこれから出て来るだろうし、個人的にはそうなってきたら、それはそれで面白いかもしれないと思いますけどね。

山本精一 - 俺はベアーズで、配信に対してのパロディみたいな映像を作ったけど、そういうのは勿論ありだと思ってるけどね。あれは多分に配信に対するアンチが入ってます。別にあの映像で儲けようとしてる訳でもないし、ああやって気まぐれ的に訳の解らないものを作って出していく、みたいのはアリだと思っている。でもそれはあえて「ライヴ配信」って言わなくてもいいし、たんに作品を作って出していくっていうだけで。

 - そうですね。僕はここ数ヶ月で何本かライヴ配信に参加してみたんですけ ど、実際に演奏なりをしてそれをリアルタイムで配信してネットを通じて同時に人に届ける事にどれだけ意味なり価値なりを見出せるのかといえば、個人的には微妙だなあと感じています。

山本精一 - 面白いですか?

- 不思議な感じですよ。自分的にやる事自体はライヴと同じなんだけど、当然お客さんはいないし、目の前の空間は実際にはフレームで切りとられて配信されるから、どう見えるのかは予測出来ないし。でも今はまだ演者も配信する側も試行錯誤の段階ですから、色々試してみるのは悪くないと思ってます。先程も言いましたが、あくまでライヴ配信はフィジカルなライヴの替わりにはなり得ない全く別の物なのは間違いないです。

 - まあ、コロナにまつわる話は尽きないですね、やっぱり(笑)。

山本精一 - どうあれコロナウイルス自体は、悪いとか良いとかではないですから。あいつらは「ウイルス」で、あいつらの法則に則って生きているだけですからね。人間はとりあえず、あまり変わった生き物を無闇に捕獲したり食べたりしないっていうのは大事かなと思う(笑)。 センザンコウやコウモリをわざわざ食べたり薬にせんでええやん、珍獣に手を出すのは止めようよ(笑) 真面目な話、ヒトと関係なかったウイルスをやつらが持っていたりする事は当然あるだろうし、最近は人間の移動が原因で矢継ぎ早にそういったことが顕在化するのは本当に問題だと思う。普通に生活してりゃ人間が出会わない様なもんならそっとしとけばええやん。わざわざ寝た子を起こさなくてもいい。

アルバム『CAFÉ BRAIN』と今後

 - さて、最新アルバムの話をしたいと思いますが、ソロアルバムは実に4年ぶりですよね。 まずはこのアルバムは精一さん的にどんなアルバムなんでしょうか?

山本精一 - 今迄に結構貯まっていたライヴ音源を加工して出したって感じで、まあ割とラフに作った感はあるかな。

 - 本作はいわゆる歌ものでもなく、解りやすくギターアルバムって感じでもないじゃないですか。今迄にあまりないスタイルのアルバムではありますよね。

山本精一 - まあ敢えて言えば『クラウン~』(Crown Of Fuzzy Groove / 2002)とかが割と近いかな。

 - でも『クラウン~』はもっと凝った感じがしますよね。今作は色々なライヴ音源が素材なのに、とても聴き易くて楽に、というか気持ちよくすんなり聴けました。

山本精一 - そう、このアルバムに関しては、本当に肩肘張ってないというか、あまり考えてないというか(笑)、何かこうスラ~っと聴ける感じがいいなと思って作ったところはある。何だろうねえ... アヴァンギャルドのイージーリスニングっていうか。ちょっとでも先鋭的な方に行きそうになると引き戻したりしてた。

 - ずっと聴いていても大変な方には行かないで、気持ち良いところに漂ってる感じが絶妙でした。

山本精一 - メロディアスですからね。メロディーと和音がありますからね。 俺がちょっと前から言っている「オルタナA.O.R」ってやつの亜種ですね(笑) 。アヴァンギャルドとかそういうのを知らない人でも聴ける、そういうテイストの少しトンガったのがあっても良いと思うから。本来のアヴァンギャルド、前衛的な音楽はなかなか何回も続けて聴けない。分析・解析目的の人や音楽の学者みたいな人はアナリーゼが必要だから何回も聴くのかも知れませんけど。自分はある意味辛くなりますね。やっぱり命がけの音楽だと思うから前衛は。アヴァンギャルドは解体とか破壊を身上とする部分があって、そこから生じるある種の「威圧感」みたいなもんがあったり、音楽の中の安定性を意識的にすっとばしたりするから。前衛はなまぬるいもんじゃない。血を流すっていうかね。そういうものを目指すならそれでいいと思うけど、このアルバムはそういうものじゃない。もっとリラックスしたもの。とにかくライヴ音源をベースに再構築したアルバムで、気持ちよく聴いてもらえればそれでいい。

 - 僕は気持ち良く聴けました。

山本精一 - 何よりです。

でもね、聴いてもらえば解ると思うんだけど、このアルバムは確かに4年ぶりのソロアルバムなのは間違いないんだけど、4年間ずっと創ってた、渾身の作品!っていうのともちょっと違う。もっと力抜いたものっていうか。こういった音作りで構築したアルバムを今年何枚か出す予定です。このアルバムがその最初になる訳ですけど。

 - こういった音作りの作品をシリーズ的にリリースする感じなんですか?

山本精一 - 世界観が共通しているっていうかね。

 - その世界観っていうのはどういったものなのでしょうか?

山本精一 - 俺の中に昔から流れている、ひょっとしたら太古から流れている、ちょっと得体の知れないメロディとか、フレーズとか、スケールとか、リズムとか...リズムが大きいかな。そういうものがあって。で、『クラウン~』もそうだったんだけど、そういうものを定期的に出したくなるんです。それがコロナの影響でずっと家にいたお陰で作り易くなって、このアルバムの兄弟作品みたいなものは、自分のレーベルから割とすぐに出す予定ですね、『Air House』ってタイトルで。CDRなんですけど。このアルバムよりもう少し作り込んであるけど、凄く似ていると思う。なんていうか、やはり無意識下に蓄積された得体の知れないもの、俺の中にずーっといる様な、まさにウイルスみたいなものかもね。精神ウイルス、音のウイルスかな。とにかくそれを定期的に外に出したくなるんだよね。

 - それを音楽として形にするのは難しいですよね?

山本精一 - 難しいですね。主にアウトプットの作業ですけどそのままアウトプットするのは凄く難しい。石油とか石炭を掘るっていうか...化石かな?化石発掘。

 - 精製し過ぎると別のものになっちゃいそうですね。

山本精一 - そう、なかなかその辺りの事は上手く言葉に出来ないんだけど。

 - 作曲する作業とかとは全く違う事ですもんね。

山本精一 - うん、全く違う、そういうものとは。

- 作るというよりは、湧き出て来てしまうものをそのまま定着させるみたいな...精一さんはそれをやはりギターでおこなうのですか?

山本精一 - そう、それは俺がギターしか弾けないからね。違う楽器が出来たらそれを使うだろうけどね。

 - 面白いなあ、精一さんは絵もお描きになるじゃないですか。 何となく描く事と似てるところありませんか?

山本精一 - 絵もそうですよ、自分の中に昔からあるっていうか。

 - 何となく「イメージ」っていうのとも違う感じで描かれているんじゃないかなって精一さんの絵を観ていて思うんです。今回のアルバムの作られ方と精一さんが描く絵にちょっと似た部分があったりするのかなと。僕も音以外に絵描いたり何かしら作ったりするので。僕のは落書きなどの手癖の集積から作品作る感じなのですが。

山本精一 - ああ、そうですよね。俺、絵を描く時に目をつぶって描く時があるんだよね。何も見えない状態というか...そうすると何か本当に描きたいものが出て来る事がある。まず最初に本当に自分の中にあるものを出す感じ。

 - それは凄いなあ、癖が癖になる以前の状態を描こうとするというか。

山本精一 - そうです、まさに。本当にそれ。何も考えないでなるべく脳内のものをそのまま出すっていうかね。

 - どうしても目に見えるものを追っちゃいますよね。

山本精一 - 上手く描こうとか思っちゃうじゃない、目で追うと。

 - そこについ何かを入れちゃいますね。

山本精一 - そうそう。だから一番良いのはこういう話をしながらとか、電話で話してる時だったりする。

 - あっ、一緒だ!僕もよくそれやります!

山本精一 - あれはある意味では半分無意識でやってるでしょ。そうすると時々、凄く良い絵が描けたりするよね。

 - 自分もそういう落書きの集積をベースに色々やってます。

山本精一 - どんどん洗練させていくと、目をつぶって描くって事になる。

 - 目をつぶるっていうのは凄いですね。何かを描く時の鉄則、約束事が最初の段階で抜け落ちる。

山本精一 - そういえば昔、赤塚不二夫がバカボンを左手で描くっていうのをやってたよね(笑)。ピカソとかも言っていた「無垢の領域」。

 - 話を音楽に戻しますが、とにかく今年はこのアルバムを契機に一連のシリーズが出る訳ですね。

山本精一 - 前述の通り、このアルバムの発売とほぼ同時に『Air House』っていう作品を出して、その後にあと2作は出す可能性があります。ひとつは『Cabinet』って いうんですけど、これも兄弟的なアルバムです。

 - タイトルももう決まっているんですね。

山本精一 - 決まってます。えーっとね、やっぱりあと3枚かな(笑)。あ、あと、山本達久氏とのコラボアルバムも出ます。今思い出した。

 - こうして何枚もアルバムが出せる状態にある理由には、確かにコロナがきっかけというのはあった訳ですね。

山本精一 - そうですね、確かに。何か音源作りたいなと思っていて、こういう状況もあって止めどなく作ってし まって、そうなるとやはり発表したいなって思う訳です。で、気が付いたら割と似た様な作品がいっぱい出来た(笑)。 ただね、似るっていうのは当たり前で、今迄話して来た様な音の在り方や方法論をもって作る訳だから、当然似てくる。脳内ミュージックっていう。

 - そこに歌や言葉っていうものは入らないのでしょうか?

山本精一 - 実は歌は同時並行的に作っています。なので歌モノも出ると思いますね、年内には。なのでつまり.... まあ、ここから先はいっぱい出します(笑)。コロナ特需ですね。いや、供給過多だからコロナデフレか。

 - おお、凄い。4年分を一気に放出ですね。

山本精一 - そうそう、一気に出しますよ。

 - 歌ものっていうか、言葉については先程までのお話にあった様な在り方や方法論が作用していたりしますか?

山本精一 - 言葉に関して言うと、あまり整合性っていうか、自分の中にある言葉っていうのとも違うかも知れない。自分の場合、完全に曲が先に出来て、その曲を聴いていると曲の中に言葉が埋め込まれているんだよね。それを拾い上げていく。 割とそういう作詞の方法をする人は多いと思うけど、その拾い上げた言葉の前後や、そこからまた広げた言葉を繋げたり切ったりしていると、意味が生じる訳。

 - そうやって作り上げた歌モノ作品も、今後用意されているという事ですね。

山本精一 - うん、秋くらいには。許されるならば、今回のアルバムの兄弟的な作品と歌モノを、2作同時に出したいと思っています。まだそういうリリース形態が可能かは判らないけど。レーベルの人にも何にも言ってないし。

- 精一さんの歌モノアルバムを待ち望んでいるひとは多いです。

山本精一 - 歌モノはもう、俺の趣味みたいなものです。歌に関してはそう言い切っていいかも。 歌モノは“好き”、で、例えば今回のアルバムの様な音楽はまたちょっとそれとは違う。前に話した様に、こういう音楽は自分の中から湧き出て来てしまうもの。そしてそれを出来る限り素直に出して来るだけで 「好き」とはちょっと違う。歌は「好き」なんですよ、俺は。

Info

Seiichi Yamamoto - CAFÉ BRAIN

SPF-016 ¥2,000 (税別) 2020年7月16日

ジャケットデザイン:Material

■トラックリスト
01. SKIP #2
02. objet C
03. In ◯
04. up-age #1
05. up-age #2
06. Fairway
07. Hazara

φonon presents,「山本精一 カフェ・ブレイン」アルバムリリース記念 ソロLIVE

2020/7/19 SUN 19:00/open 20:00/start

山本精一 カフェ・ブレイン アルバムリリース記念 ソロLIVE

@ UrBANGUILD / アバンギルド

tel: 075-212-1125
mail: info@urbanguild.net
http://urbanguild.net

VJ: 井上理緒奈

Sound Operator: 井上潤一

前売り:¥3,000 (+drink)

当日 : ¥3,500 (+drink)

--新型コロナウイルス感染予防対策により座席数が制限され、前売りと当日売りを
合わせて30名様限定となりますのでご了承下さい。
当日はマスクの着用をお願い致します。

2020/7/25 SAT
山本精一有観客有配信ディナーショー
「PHYSICAL CAFÉ BRAIN」
@SUPER DOMMUNE
18:30開場 19:00開演 24:00閉演
●19:00-21:30

第一部:TALK「山本精一解体新書」Anatomical Tables of SEIICHI YAMAMOTO(+無料配信)

出演:山本精一 聞き手:佐藤薫(φonon)、宇川直宏

ゲスト:大友良英、一楽儀光(ドラびでお)

司会:伊東篤宏

●21:30-24:00 第二部:LIVE「山本精一有観客有配信LIVE|PHYSICAL CAFÉ BRAIN」(+有料配信)

■LIVE:山本精一

■SEIICHI YAMAMOTO Shibari DJ:MOODMAN

<フィジカル入場券>

●山本精一有観客有配信ディナーショー「PHYSICAL CAFÉ BRAIN」第一部&第二部
フィジカル入場券: 30,000円
(限定 7人、おみやげサイン入『CAFÉ BRAIN』CD付、配信アーカイヴ鑑賞チケット付)
完売しました❗️
ありがとうございました!
配信チケットは絶賛予約受付中です!よろしくお願い致します!

<ヴァーチャル入場券>

●第一部:TALK|無料配信
●第二部:LIVE|有料配信ヴァーチャル入場券:2,000円
(当日はマスクの着用をお願い致します。)

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