【コラム】SKATELOG by hakase Vol.7|オーリー練習する前に、身につけるべき大事な事

こんにちはハカセです。さて、ついに緊急事態宣言も解除され、コロナも少しずつ落ち着きを見せはじめてきましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

前回のコラムでは、コロナにより休校やお仕事がお休みになった人達を中心に、密になりにくいスケートボードが新たな趣味として爆発的ブームになっていると書かせてもらいました。

きっとみなさんの中にも、なんか最近SNSでスケート動画を投稿している人増えたな〜、って感じていた人も多いのではないでしょうか。それもそのはず、先月に引き続き全国のスケートショップでは、連日訪れるお客様に朝から晩までスケートボードを組み続ける嬉しい悲鳴状態が続き、最早パーツが揃わずスケートボードを一台も組み立てれないというお店も珍しくなくなってきています。

しかし、それだけスケーターが増えれば問題も発生しておりまして、全国のスケートパークやスケートスポットでゴミが大量発生していたり、決められた時間以外に侵入して滑ったり、騒音や接触などで近隣の住民や通行人とトラブルになったりなど、ルールとマナーを守らない、(というかわからない)人達もたくさん増えてしまっているようで、長年ローカルスケーターが近隣の住民の顔色をうかがいながらなんとか存続させてきたスポットが滑れなくなってしまった、なんて話もちらほら聞こえてくる現状です...。

「これだから初心者は...」と文句を言うのは簡単ですが、こうなってしまわないよう、しっかりルールを教えてあげるのは先輩の使命ではないでしょうか。きっとじぶんも始めたては右も左もわからず、同じように迷惑をかけていたと思います。(ってかかけまくってた)

そこで今回は、新たにスケート始めた人たちに、スケートスポットやスケーター達とどうやって接していけばよいのかについて、コラムで書いていきたいと思います。

文:hakase
写真:Cho Ongo

1. スポットやパークのルールを確認する

まず滑れる場所には大まかに分けて2つあります。市などによって管理されているパブリックのパーク、そしてそれ以外の、パークじゃないけどローカルスケーターが地域の住民に理解を得て存続しているスケートスポット(スケートのために作られたわけではない、普通の公園や広場などが多い)の2つです。

パブリックのパークには柵や門のような仕切りがされている場合が多く、大抵は管理している体育施設の職員の方が施錠、または解錠をしてくれます。で、使用時間なんかも書かれてたりするのでそれ読めば一発でわかるんですが、はいそうです、利用時間以外は絶対NGです。

昼間はうまい人たちがいるから練習しにくくて時間外に柵を乗り越えて滑っちゃいました...なんてのはダメです、それこそ滑りずらくなります(笑)スケーターのネットワークは良くも悪くも広いので、そういうルールを守らないスケーターは速攻特定されて村八分を受けます。

で、パーク以外のスポットはさらに厳しくて、そうやって深夜や早朝などの時間外に滑っちゃったことで近隣の住民から苦情が入り、ローカルのスケーターの交渉の末、ギリギリオッケーをもらってやっと滑ることが出来ていたスポットが一発で滑れなくなる...なんてことになったらそりゃみんな怒っちゃいますよね?パブリックのパークと違い、看板等にスケートする上での注意事項などが明記されていない場合も多いので、スポットで滑る前には一度ローカルのスケーターにどんなルールがあるのか聞いてみるといいと思います。

パークにしろスポットにしろ、いずれも先人スケーター達が署名を集めたり交渉したり、お金を出し合って道具を用意したりして作られた場所です。いっときの暇つぶしではなく、一人前のスケーターとなってこれからも滑り続けていく為には、それぞれの場所に応じたルールに従いましょう。

2. 挨拶

もうこれは書く必要もないかと思いますが、とりあえずパークやスポットにいったら一言軽くでいいんで「こんちわ〜!」帰る時は「お疲れ様で〜す!」してください。1.のように、スケートできる場所の多くは先輩スケーターによって作られています。挨拶はそういうまわりのスケーターにリスペクトの気持ちを表す一番簡単な表現です。

自分も始めたての時は先輩にビビって挨拶できず、そのせいで仲よくなるまでめちゃめちゃ時間がかかった覚えがあります...。挨拶苦手って人はせめて笑顔で会釈だけでもいいです。だいぶ印象違うので!

余談ですが昔は挨拶しても返ってこない、お疲れ様ですっていったらお疲れじゃねーよって返されたなんて話もザラでしたね。今はそんな怖い人あまりいませんので安心して挨拶してください(笑)

3. まず滑っている人達をよく見る

スケートパークやスポットに着いたら、先に滑ってる上手なスケーターがどうやって滑っているかよく見てみてください。例えば、あのスケーターはあのレールを練習してるな、あのスケーターはあのへんでトリックの練習してるな、と、だんだんパークやスポットでのスケーターの流れが見えてくるはずです。スケーターは意外に真面目です。ちゃんと順番が存在します。守らずに突っ込むと守ってるスケーターに怒られたり、衝突したりします。

また、逆に明らかに自分に順番回してくれてるのに滑らないと無駄な時間になってしまって、アイツやるんだかやらないんだかわかんねーーな...ってなったりもしちゃいます。よく見て、「ここなら練習しても大丈夫そうだな、今なら滑っても大丈夫だな」っていうのをしっかり見極めましょう。

4. 座って見学だけして帰らない

これ。まあたしかに少しの見学は必要です。が、そのあとなにもせず帰るのはあまりおススメしません。上手なスケーターに圧倒されてしまう気持ちはよく分かりますが、人はみな平等です。上手だからってパークを占領していいはずもありませんし、下手だから滑っちゃいけないなんてルールはありません。

きっとそれなりに滑れる人はローカルだったりするでしょう。てことは今後そこで滑るためには、その人達に本当にやる気があるスケーターであるということを認めさせなければならない。スキルがまだまだでも一生懸命な姿勢は滑り方を見れば伝わります。むしろ、スキル不足だけど頑張ってるスケーターのほうが上手いだけでいばってるスケーターより好印象です。

自分はローカルスポットに初めて行ったとき、怖い先輩ばかりでかなり緊張しましたが、ここで逃げたら絶対ダセーやつだと思われると思ったので毎週通いました。少しずつ仲良くしてくれる人が増えていったのを覚えています。

5. ゴミは持ち帰る

当たり前すぎて...って感じの話かもしれないですが、ゴミはいま日本中のスケートパークやスポットで一番深刻な問題となっています。今でこそマシになってきましたがそもそもスケーターに対する世間の印象はどちらかといえば不良ってか輩です。ゴミを捨てていけば、ほらやっぱり。って感じです。

もともとスケーターにあまりいいイメージをもっていない一般の人達からすれば、スケートパークやスポットを閉鎖させる良い材料にもなります。あいつらはうるさいし危ないしゴミも捨ててく不良だからもう滑らせない、って言われたら何も言い返せません。

やっかいなのはパーク以外の公園や広場のようなスケートスポットの場合、スケーター以外の利用者がゴミを捨てて行ってもスケーターのせいにされたりする事もあります。自分のゴミだけではなく一個でもいいので近くのゴミを持って帰るようにしましょう。

6. イキらない

スケートボードは一朝一夕には上手になれないので、頑張ってちょっとできるようになると嬉しくてつい調子に乗ってしまう気持ち、非常にわかります。が、自分より初心者なスケーターやスケーターでない一般の人の前でオラオラするのはやめましょう。

脳ある鷹は...まさにその通りで、本当にかっこいい上手なスケーターはまさに忍者のごとく滑ります。そもそもスケートボードは多少なりとも他人に迷惑をかけてしまう乗り物です。だからこそ、その迷惑を最小限に抑えるようスマートにスケートすることを心がけなければなりません。

真のストリートスケーターは立つ鳥跡を濁さず、通行人や車などに干渉しない一瞬の隙をついてトリックをメイクして去っていきます。何度も何度も失敗して歩いている人やまわりのスケーターに接触しそうな見ていて危なっかしいスケーターはダセーの一言です。

もしあなたが、街で自由自在に滑っているかっこいいスケーターに憧れてスケートを始めたとしたら、そのスケーターはきっとスマートなスケーターだったのでしょう。もしかしたら、あなたが一番最初に見かけたのがヘタクソで危なっかしくてただ周りに迷惑をかけてるだけのスケーターだったとしたら、きっとあなたは「スケーターってダセーな(笑)」って思ってスケートボードを始めてないかもしれません。

以上ざっと思いつく事をいろいろ書いてみましたが、難しいことはありません。ただ人として当たり前の行動をすればいいだけです。どんなに初心者でもどんなにベテランでも同じスケーターです。そこに上下関係はなく、あるのはモラルやマナーだけです。一つ一つしっかり考えて行動するだけで自ずとスケートボードのスキルもついてきます。

オーリー練習する前に、身につけるべき大事な事ではないでしょうか!

 

Info

PROFILE

hakase

長野県出身。Diaspora Skateboardsのメンバー。あだ名のhakaseは、詳しい方の博士ではなく、ひょっこりひょうたん島の同名キャラクターが由来。4月に松本にて自身のスケートショップ「canola skateshop」をオープン。

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