T.I.がキャンセルカルチャーはフェイクだと主張
自身が審査員を務めるオーディション番組『リズム+フロー』も話題となっているT.I.。そんな彼が今回、キャンセルカルチャーはフェイクだと主張した。
キャンセルカルチャーというのは、日本で言ういわゆる炎上に近いもの。TwitterやInstagramなど様々なSNSが普及し、今やあらゆる人々が情報を発信出来る時代になった。しかし、その中で度々起こるのがいわゆる炎上である。とりわけインフルエンサーやセレブリティはひとたびその言動が炎上すれば、キャリアの進退に関わってくるのは周知の通り。そのような現象のことを海外ではキャンセルカルチャーと表現するのである。
そして今週火曜日、人気番組『Tamron Hall Show』に登場したT.I.がそんなキャンセルカルチャーに言及している。
「俺が思うに、全てのキャンセルカルチャーはフェイクだ」と一刀両断した彼は続けて、「‘First they hate you, then they love you, then they hate you again,(最初に奴らはお前を憎み、そして奴らはお前を愛し、その後また奴らはお前を憎むんだ)ってJay-Zも言ってただろ」とJay-Zの2002年にリリースされた楽曲“Meet the Parents”のリリックを引用し、自身の考えを述べた。
さらにT.I.は度々その言動が物議を醸すKanye Westを引き合いに出し、キャンセルカルチャーがフェイクである理由について語っている。
「皆、Kanyeみたいな奴をキャンセルしようとするんだ。今、俺は彼(Kanye)の考え方には反対だ。俺が同意しかねる様々なことを彼は言っているし、色んな立場や見方から彼は話している。でも、それは彼が驚異的なアーティストであり、素晴らしい音楽を作ってきたという事実から離れさせる理由にはならない」と彼は現在のKanyeの考えには賛同しかねるものの、それを理由にして彼をキャンセルするのは違うと主張。加えて、「もし、お前らがKanyeをキャンセルしたとしても、同じタイミングでGucciのブラックフェイスセーターみたいなのを着てた奴が居たらかっこいいって思うんだろ。だから、お前らはGucciを着続けるけど、Kanyeのことはキャンセルするんだ」と述べ、いわゆるダブルスタンダードを皮肉っている。
今年初めに、差別的だとして問題になったGucciのブラックフェイスセーターに対して、当初から反対の姿勢を示していたT.I.だったが、Young ThugやKodak Blackなどは逆に擁護の姿勢を見せていた。つまり上でT.I.が言いたいのは、Kanyeの言動は非難するのに、ブラックフェイスセーターを着たYoung Thugを非難しないのはおかしいということだ。
今回、T.I.はアメリカにおけるキャンセルカルチャーについてフェイクだと主張したわけだが、彼の主張は日本でもおおいに当てはまると言えるだろう。