【インタビュー】Lolo Zouai|甘さも苦さも表現する

今年4月、デビューアルバム『High Highs to Low Lows』をリリースし、先日のサマーソニックでもパフォーマンスを披露したLolo Zouai。フランスで生まれ、サンフランシスコ、ラスベガスと移り住み、現在はブルックリンを拠点に活動している彼女の楽曲は多様なバックグラウンドを感じられるとともに、どこかノスタルジックでありながらもバンガー的な要素も持ち合わせている。また、そのルックスからファッションシーンへの露出も多く、有名ブランドのルックにも登場するなど、その活躍の幅をさらに広げつつある。

今回、FNMNLではそんな彼女にインタビューを敢行。デビューアルバムについてはもちろん、影響を受けたというベイエリアヒップホップ、そして自身のファッションについて語ってもらった。

取材・構成:Hironori Hayasaka

通訳:伴野由里子

- まずはサマーソニックお疲れ様でした!盛り上がってたようですが実際どうでしたか?

Lolo Zouai - 最高だったし、すごく自分でも楽しいライブだったわ。お客さんの反応もすごく嬉しくて、何人かは歌の歌詞を覚えていてくれて一緒に歌ってくれたから嬉しかった!

- ちなみにライブをするのは好きですか?

Lolo Zouai - そうね~だいたい好きなんだけど、実はスタジオで楽曲制作をするほうが自分ではもっと好きかな。でもやっぱりミュージシャンをやっている以上人前でパフォーマンスするっていうのも活動の一部になってくるし、最近は結構色々慣れてきたのもあってもっともっと楽しめるようになったわ。

- 昨日のライブではデビューアルバムの『High Highs to Low Lows』からの曲を多くパフォームされていたと思うんですが、ご自身で自分の楽曲を‘Bittersweet Bangers’と表現されていますよね。この‘Bittersweet Bangers'という言葉にはどういう意味が込められているのでしょう?

Lolo Zouai - まず、‘Bangers’というのは基本的にやっぱり‘盛り上がる歌’っていう意味で、一緒に楽曲制作をしているプロデューサーのSteliosの作るビートがすごくそういう‘盛り上がる’要素を持っていて、それに言葉を入れている感じ。‘Bittersweet’に関してはいわゆる‘甘いんだけど苦さもある’という二面性、対比っていうものが自分の音楽には常にあって、悲しいだけではなくて悲しさにもちょっと希望があったりとか、すごい楽しいようだけども実は結構悲しさっていうのもあったりっていう二面性があるっていうのを表現しているわ。

- おっしゃっていたようにその‘Bittersweet Bangers'にStelios(A$AP FergやSZAのプロデューサー)は欠かせない存在だと思うんですが、彼とはどのように出会ったんでしょう?

Lolo Zouai - マネージャーのDougを通して出会ったの。1曲一緒に作ってみて、しばらく経ってもう1曲一緒に作ったんだけど、すごく相性が良いねっていうのを2人で実感してアルバムを作ることになったわ。

- 制作は2人でどのように行っているんでしょう?

Lolo Zouai - まず2人で曲の土台となるサウンドを探すの。例えばピアノでコードを色々やって良いコード進行を探してみたりだとか、まずそうやってサウンドを見つけて、それが見つかった段階でそのサウンドを元にビートを作っていくの。彼が実質打ち込みとかはやっていくんだけど、もちろん自分もプロダクションしているから、当然私の意見も入れながら2人でビートを作っていって。一方で私はヴォーカルの土台となる10分くらいの長さのメロディを考えてる。というのもいつも先にメロディが来るから。それでメロディ、トラックが出来た段階で2人で歌詞を考えていくの。前まではスタジオで一緒に色々話し合いながら書いていたんだけど、最近はお互い忙しくてバラバラだから、Googleドキュメントを作ってお互い書いたものをアップしてるわ。Steliosが朝の4時とかにアップしてくることがあって、「寝なさいよ!!(笑)」っていうくらいお互い思いついたらそのGoogleドキュメントに入れて一緒に書いているって感じ。

- あなたの楽曲の特徴として、英語の中にフランス語が混ざってくるっていうところがあると思うんですが、どの部分は英語で歌って、どの部分はフランス語で歌うっていうのは何か意識していたりするんですか?

Lolo Zouai - まず、英語で全部歌詞を書くの。それで英語で上手い表現が見つからないってなったときに、だったらフランス語で何か入れてみようかなってときにそれが上手くいったらそのままフランス語にする。上手くいかなかったら別のものを考えるんだけど、基本的には英語で上手い言い回しがないときにフランス語を入れてみるっていう感じね。

- ちなみにSteliosと組む前から“IDR”とか世界観が確立されている曲が多い印象なのですが、どのように‘Bittersweet Bangers’に行き着いたんでしょう?

Lolo Zouai - “IDR”は自分でプロダクションをやった曲なんだけど、やりたいことは今とほとんど変わってはいなくて、やっぱり‘Bittersweet Bangers’というものが自分の世界観だと思うし、そういう音楽を作りたいと思って、2015年くらいに書いた曲で、そこからソングライティングだったり歌詞の部分で成長してSteliosと組んで、さらにサウンドの幅が広がったっていう感じかな。

- ベイエリアヒップホップに影響を受けているそうですが、それはどういった部分に出ていると感じますか?

Lolo Zouai - 高校の時にE-40、Too $hort、Mac Dreとか結構オールドスクールなものを聴いていて、あとはベイエリアだけでなく、YGとかTy Dolla $ignとかのウェストコーストラップも聴いてたわ。E-40は実際に会ったこともあるし、Too $hortも結構好きだったから、彼を真似て、髪の刈り上げ部分に$マークの刈り込みを入れていたくらい。ヒップホップはとにかく踊れて、自分自身がすごく強くなった気持ちになれる曲がすごく好き。実際歌ってる内容は女性蔑視の内容だったりするんだけど、それを特にうわ~女性蔑視で嫌だっていう風に思うのではなくて、逆に自分の原動力にするくらいな感じで。実際自分で作る歌はそういう女性蔑視のものに対して真逆の女性からの視点の歌詞みたいなものを書いていると思う。

- ご自身のInstagramでE-40の物真似を披露されていたり、先ほどの$マークの話もそうですが、結構ふざけるのが好きな性格なんですか?

 

この投稿をInstagramで見る

 

Earl Steven selections mang! I'm Mrs. flamboyant! #e40sogonechallenge #e40 #sogonechallenge #bayarea @e40

Lolo Zouaïさん(@lolozouai)がシェアした投稿 -


Lolo Zouai - やっぱり自分の中にも二面性があると思っていて、半面お笑いだったりコメディだったりちょっとバカみたいなことをやったりとかおちゃらけたことをやるし、アルバムだったら“Caffeine”とか“Out the Bottle”とかはそういう自分の側面が出ていると思うんでだけど、“Desert Rose”とかは逆にすごくシリアスな側面があって、そういう自分自身の内面、内省的な部分というのも表現している曲も入っていると思うわ。

- 最近Kenny Beatsとスタジオ入りされてましたね

Lolo Zouai - 4時間くらいしかその時はスタジオには居なかったんだけど、でもすごく良い感触だったので、まあ何か今後に発展する感じがしたわ。

- 結構今までと違う曲調になりそうで楽しみです

Lolo Zouai - Oh,Cool!!

- その他に今後コラボしたいアーティストとかいますか?

Lolo Zouai - 見てのお楽しみ(笑)

- あなたはファッションシーンへの露出も多いのでファッションについても聞きたいんですけど、いつも何を着ることが多いですか?

Lolo Zouai - 大きめな派手なジャケットが好きで、ちょっと変わっているものとか、あとはバギーなものが好き。スカートはミニが好きで、あとは大きいブーツとナイキが好き。あとヴィンテージのTシャツも。

- 古着がお好きだそうですが、新品の服と比べて古着の良い点ってなんだと思いますか?

Lolo Zouai - 1人でオフの日は古着屋に行って、そこで無心になって服を見るのが好きなの。やっぱり古着ってお店に行って、自分が好きなものを見つけないといけない、努力をしないと物が見つからないっていう簡単に手に入らないけど、その分気に入った物を手に入れた時の嬉しさとか思い入れとか愛着が新品の服とは全然違う。あとは誰かが着てたっていうところに物語性、ロマンを感じるし、環境にも良い。新しい物をただ買って捨てるよりも、リサイクルしているから環境にも良いし、他に人が絶対に着ていない物が手に入るっていうところが魅力。あと安いしね。

- 今回、日本に来るのは初めてだそうですが、どこか行ったり食べたりしましたか?

Lolo Zouai - まだ遊びには全然行けてないんだけど、明日オフなので買い物とか行きたい!日本食は食べに行ったんだけど、日本語が分かる人がいなくて(笑)お寿司が大好きなんだけど、アメリカはだいたい鮭かマグロなの。日本で頼んだらウニとかイカとか今まで見たことないものが一杯入っててどうしようってなった(笑)まあでも靴を脱いであがるちゃんとした日本食のお店に行ったから新鮮だった。

- 最後に今後の目標などあれば教えてください

Lolo Zouai - もっともっとアーティストとしてアルバムを出し続けていきたいし、ファッションに関しては、ブランドとコラボしてコレクションを出したりとか、あとは口紅が好きなのでそれこそ化粧品ブランドとコラボして自分のリップを出したいし、あと声優にも挑戦したいし、色々やりたいわ。

- ありがとうございました。

RELATED

【インタビュー】LITTLE DEAD GIRL|学ぶことが自由になる唯一の方法

DJやプロデューサーとして活動しているtokyovitaminのLITTLE DEAD GIRL。彼女の縦横無尽に独自の世界観を作り出していくDJスタイルが注目され、国内外のクラブ、多くのパーティやショーにブッキングされている。Trackmaker/Producerとしては昨年11月に『My Boyfriend Is EchoBoy』を配信リリース。また、AWAではプレイリスト『錠剤“A”』を公開した。

【インタビュー】Diaspora skateboards|From Somewhere to Everywhere

東京を中心に活動するスケートレーベル「Diaspora skateboards(ディアスポラスケートボーズ)」と、スイスのスケートレーベル「THE STRAIGHT AND NARROW(ザストレイトアンドナロー)」のコラボレーションアイテムがFNMNL STOREにて予約受付中だ。

【インタビュー】Daichi Yamamoto 『Andless』|自分を脱いでいく

Daichi Yamamotoが本日9/4に1stアルバム『Andless』をリリースした。昨年リリースしたAaron Choulaiとのコラボ作『WINDOW』やKojoeの作品への客演などでも、その自由なフロウで斬新な印象を与えてきた彼だが、ソロアルバムとなった本作では、多彩なフロウはそのままに...

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

Floating Pointsが選ぶ日本産のベストレコードと日本のベストレコード・ショップ

Floating Pointsは昨年11月にリリースした待望のデビュー・アルバム『Elaenia』を引っ提げたワールドツアーを敢行中だ。日本でも10/7の渋谷WWW Xと翌日の朝霧JAMで、評判の高いバンドでのライブセットを披露した。