DJ Jazzy Jeffが「ストリーミング配信はレーベルが得をするだけ」と語る
ストリーミングサービスで音楽を聴くことが当たり前になった今日この頃。今や楽曲をストリーミング配信することに疑問を抱かないアーティストも多いが、古くから活動してきた者にとってはそうもいかないらしい。
フィラデルフィア出身の伝説的なDJであるJazzy Jeffは、Vibeのインタビューに対しストリーミング配信によって自身が十分な利益を得られていないと主張。「俺は90年代に、アルバムをCDとカセットでリリースする契約をレーベルと交わした。契約にストリーミングは入っていないんだ。誰が俺の曲をストリーミング配信するときに交渉してきた?誰が俺のストリーミングでの利益を決めたんだ?誰かがストリーミングで莫大な利益を得ている。そして、それは俺じゃない」と、ストリーミングサービスを視野に入れた契約をレーベルと交わしていないにも関わらず無断で楽曲が配信され、自身はその恩恵を受けられていないことを明かしている。
さらに「ストリーミングサービスに文句を言うのはアーティストだけだ。レーベルがストリーミングカルチャーに否定的なことを言うのは見たことがない。奴らは自分たちが得をして、誰かを飲み込む方法を見つけた。それについて黙っている方法も。奴らは何も言わない。分かってるよ、みんなが店に行ってレコードを買わなくなったけど、彼らは携帯を持っている。みんなが何かのプラットフォームに入っているから、みんなから携帯を通じてお金をもらっているんだ」と語る彼は、そもそもストリーミングというフォーマット自体がアーティストではなくレーベルが得をするように作られていると考えてはいることが分かる。
Spotifyなどのストリーミングサービスが勃興した初期の段階ではTaylor Swiftを始め多くのアーティストから抗議の声が起こった。しかし、現在ではストリーミングで楽曲を配信しているアーティストの方が多数派で、それぞれに自身が相応の利益を得られるように模索している。Jazzy Jeffも同じインタビューの中で「自分の曲をいかにコントロールするか、というのが戦いだ」と語っており、彼もまた中間搾取されず楽曲の収益を得る方法を考えているようだ。
フォーマットの変化に従って、音楽業界を生き抜く方法も時代ごとに変わっていく。これからのアーティストには、今まで以上にインデペンデントな思考能力が必要になるのかもしれない。