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平均的なアメリカのミュージシャンは2万5000ドル以下の収入であることが明らかに
ストリーミングプラットフォームの盛り上がりもあり、過去最高の業績をあげているアメリカの音楽産業だが、平均的なミュージシャンにとっては、無縁だということが新たな調査でわかった。
1227人のプロ・アマチュアアーティストを対象に行ったこの調査で、平均的なアメリカのミュージシャンは2017年に3万5000ドルの収入があり、このうち音楽関連で得たものは2万1000ドル(231万円)だという。
また2012年~2016年に行われた調査の平均は2万ドル~2万5000ドルであり、音楽業界の業績の好調さとアーティストたちの収入は比例していないこともわかっている。調査を行った Music Industry Research Associationによれば61%のアーティストがこの収入では生活費に足りていないと回答している。
さらに音楽関連の収入の内訳でいうと、ライブが一番大きく、それに続くのは音楽レッスンや、教会や結婚式でのパフォーマンスで、音源での収入はそれより低いという。ちなみに好調が続くストリーミングサービスでの収入の8割はメジャー3レーベルが獲得していることもわかっている。
またこの調査で女性のアーティストの比率は2016年は全体の34.2%で、2010年の35.1%より低下し、1990年の32.9%と比べても大きくは増加していない。また女性のアーティストのうち67%がセクハラを受けた経験があり、72%が性差別を受けたと回答。さらに全体の10%のアーティストが自殺願望を抱いたことがあり、これはミュージシャン以外も含んだ場合の3~5%より大きい数値となった。
若手のラッパーたちが数百万ドルの契約金を手にするのは、本当に業界の一部分の話でしかないのがわかるアンケート結果だ。