H&Mがストリートアートは著作権法の運用外と訴えた裁判を取り下げると発表
昨日H&MがグラフィティアーティストのREVOKを相手取り、グラフィティやストリートアートなど、公の場所などに無許可で制作された作品は著作権法の適用外だとNYの連邦裁判所に訴訟を起こした一件を伝えた。
この件は当然のようにグラフィティアーティストなどから、文化の盗用を許すものであるとして、大きな批判が巻き起こったが本日H&M側が訴訟を取り下げたとDaily Beastが伝えている。
H&MはDaily Beastに対して「H&Mは媒体に関係なくアーティストの独創性と創造性を尊重しています。私たちはこの1件についてのアプローチで違う方法をとった方がよいでしょう。パブリックアートに関する先例を作ったり、ストリートアートが合法かどうかについての議論に影響を与えるのは、決して私たちの意図ではありません。その結果としてH&Mは裁判所に提出した訴状を取り下げています。私たちはREVOKに直接コンタクトをして、解決策を掲示しています」とコメントを発表。
その後Twitterにも同様の投稿を行っている。
— H&M (@hm) 2018年3月15日
しかし現在未だにH&Mのサイト上ではREVOKの作品が用いられた広告写真は掲載されており、REVOK側が求めていた広告の使用停止は叶えられておらず、どのような解決策をH&Mが掲示しているかは謎のままだ。
この問題については、多くのグラフィティアーティストがH&Mに抗議の声をあげていたが、伝説的なアーティストの1人KawsもInstagramのストーリー上にH&Mの墓標をアップしている。
今回の1件でH&Mに対するストリートアートシーンからの不信感は相当強まったといっていいだろう。今後H&Mはどのように、「アーティストの独創性と創造性を尊重」しているかをみせていく必要があるのは間違いない。