2017 Best Or Worst by 蒲谷健太郎 (bal)

2017年も音楽、ファッション、それぞれのシーンの内外で様々なトピックが生まれた1年だったのは間違いなし。そんな1年をFNMNLに振り返る企画『2017 Best Or Worst』。アーティストやデザイナー、ショップオーナーなど様々なジャンルで活躍する方々に、個人的なベスト、もしくはワースト、もしくはその両方をピックアップしてもらい激動の2017年を回顧する。

音楽とファッションの親密な繋がりをものづくりに反映したハイカジュアルなストリートウェアに定評あるbalのデザインを担当する蒲谷健太郎の2017年のベストとワーストは?

2017 Best by 蒲谷健太郎

NETFLIX『マインドハンター シーズン1』

2017 Worst by 蒲谷健太郎

NETFLIX『ハウス・オブ・カード シーズン5』

コメント

映画よりもドラマの比重が高くなってきて、今年も沢山海外ドラマを見ました。

ベストはNETFLIXの『マインドハンター』。監督・総指揮はご存知デヴィッド・フィンチャー。内容は全体をダークなトーンに包みながらも、オフビート的な笑いもあって絶妙なバランス。FBI捜査官バディものとしても楽しめる。セルフオマージュもたっぷりで映画ファンはニヤリとしてしまうシーンも。
『セブン』公開時は自分もシリアルキラーブームにしっかりと乗って、世界の猟奇殺人やマーダーケースブックなどを読み漁った時期がありなんだか懐かしい感覚。
監督としても原点回帰的な作品なのかな。一筋縄ではいかないフィンチャー節全開の快作。シーズン2が楽しみです。
次点には、HULUのHBOコンテンツで、超豪華キャスト、エミーも総なめの『ビッグリトルライズ』、
コメディ部門から『アトランタ』、『シリコンバレー』なんかもおすすめです。

ワーストはNETFLIX『ハウス・オブ・カード』のシーズン5。
大傑作のシーズン4から一転。今シーズンから脚本のボー・ウィリモンが離れ、
『24』さながらのドタバタハチャメチャな話になってしまった。
自分なりの正義の元に行動していた主人公のフランシスが、あり得ない行動に出て野心からというよりも傍若無人で意味不明なキャラに。魅力的だった他キャラクターも腑に落ちない行動で浅い印象に。脚本でここまで変わるかとがっかりさせられた感が半端なかったです。

「こんな大統領は嫌だ」的アプローチで始まった本作も、実際の大統領がドラマよりめちゃくちゃなトランプになってしまった今、すでにドラマとして推進力を失ってしまったのかも。
ケヴィン・スペーシーのスキャンダルでの降板でシーズン6への興味はさらに失われたけど、ロビン・ライト演じる大統領夫人の物語さてどうなる。
ワースト次点としてはHULU『ウォーキング・デッド シーズン8』衝撃の始まりですっかり意気消沈してしまい何の進展もなく終えたS7から、ぐだぐだと続くストーリー展開にげんなり。一応は見てますが惰性です。

来年に向けての告知

1月には18SSの新作が入荷予定。
サイトや各SNSをチェックお願いします。
蒲谷健太郎
IMG_9815
1999年創業の balanceweardesign を経て、都市環境に順応したトータルウェアとグラフィックの提案をコンセプトに、1990年代のミックスカルチャーにインスパイアされたリアルクローズを展開する。音楽とファッションの親密な繋がりをものづくりに反映したハイカジュアルなストリートウェアに定評あるbalのデザインを担当。フードラバーの一面も。SNSやMASTERD.JPにてフード連載など発信中。

RELATED

BEST BUY 2020 Selected by KENTARO KABAYA(BALデザイナー)

今回は、音楽や様々なカルチャーに造詣が深く、ファッションブランドBALのデザイナーを務めるKENTARO KABAYAのベストバイ。

1 of 2018 Selected by 蒲谷健太郎 (bal)

FNMNLの恒例の年末企画、今年は『1 of 2018』を展開。この企画ではアーティストやDJ、デザイナー、ショップオーナーなど今年を彩った重要人物たちに、個人的に印象的だった出来事、楽曲、映画、本などから1つテーマを自由に決めてもらい紹介してもらおうというもの。ベストなものから中にはワーストなものも飛び出すかもしれない、この企画をきっかけにそれぞれの2018年を振り返ってみては?

ベストサマーチューン 2018 Selected by 蒲谷健太郎 (bal)

FNMNLの夏の恒例企画『ベストサマーチューン』が今年も帰ってきました。アーティストやブランドデザイナー、ショップオーナーなどの方々が、思い思いの2018年の夏の1曲をピックアップ。暑すぎる今年の夏のお供に選ばれるのは、一体どんな楽曲たち?

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

WONKとThe Love ExperimentがチョイスするNYと日本の10曲

東京を拠点に活動するWONKと、NYのThe Love Experimentによる海を越えたコラボ作『BINARY』。11月にリリースされた同作を記念して、ツアーが1月8日(月・祝)にブルーノート東京、1月10日(水)にビルボードライブ大阪、そして1月11日(木)に名古屋ブルーノートにて行われる。