Post Maloneの"rockstar"をチャートトップに導いたのは謎のループビデオではなかった
ついに今週Billboard Hot 100でNo.1に輝いた"rockstar"であるが、それを大きく後押ししたものとして"rockstar"のループビデオについて、先日FNMNLでも取り上げられた。
しかし、GeniusによるとこのループビデオのYoutubeでの再生回数は"rockstar"のチャートアクションにおいてさほど大きな役割を果たしてはいないという。
調査会社・Nielsenによる今週のHot 100チャートのビデオストリーミングデータによると、YouTubeでのこの"rockstar"のビデオは、チャート2位のCardi B "Bodak Yellow"だけでなく3位のLogic "1-800-273-8255"や4位のTaylor Swift "Look What You Made Me Do"に比べても再生回数が少ないことが判明したのだ。
YouTubeでの動画再生回数は以下のようになっている。
1位 Cardi B, “Bodak Yellow”: 21,685,616 回のYouTube動画再生
2位 Logic, “1-800-273-8255”: 11,646,575 回再生
3位 Taylor Swift, “Look What You Made Me Do”: 11,148,985 回再生
4位 Post Malone, “rockstar”: 10,204,879 回再生
5位 Portugal The Man, “Feel It Still”: 2,183,971 回再生
上の数字によれば、Cardi Bの“Bodak Yellow”は4610万回のストリーミング再生のうち、半数をYouTubeのビデオから得ていることがわかる。それに比べて、Post Maloneの"rockstar"ではYouTubeからの再生回数は全ストリーミング再生のうちの5分の1程度である。すなわち、"rockstar"の再生回数はSpotifyやApple Musicなどの課金型のストリーミング再生によって押し上げられたものであることがわかる。実際、9月に"rockstar"はApple Musicにおける週間再生回数の記録を更新している。
もしもYouTubeの再生回数がBillboardチャートに反映されなかったとすれば、“Bodak Yellow”はここまでヒットソングになっていなかったかもしれなし、"rockstar"のチャートアクションはさらに圧倒的なものだったかもしれない。
Republicの公式アカウントがフル尺のMVではなくループビデオを公開した謎は残るが、楽曲自体が人々の支持を得ているこの曲の力を実感するとともに、音楽マーケティングの新しい可能性をまだまだ感じさせてくれる一件である。
"rockstar"のトラックを作った生物学専攻の大学生についての記事はこちら。
(辻本秀太郎)