【脇の下こちょこちょスピンオフ 最終回】エミー賞史上最大のサプライズ:ショーン・スパイサーご本人が登場!

9月17日,テレビ界の祭典であるエミー賞授賞式がロサンゼルスで行われた。スティーブン・コルベアの毒量たっぷりの司会も見事だったが,話題をかっさらったのはショーン・スパイサー元大統領報道官のサプライズ登場だ。アンナ・クラムスキー(『VEEP/ヴィープ』のエイミー役の子)のこの驚きっぷりを見れば,彼の登場がいかに想定外だったかお分かりいただけるだろう。

via GIPHY

舞台に立ったスパイサー氏は「今回のエミー賞の聴衆は過去最大になるだろう。以上!」と発言し,会場を沸かせた。これは例の「大統領就任式の聴衆の数,盛りすぎ事件」を受けたもの。むっつり顔でいかにも融通の利かなそうな彼が,自分を散々笑い者にしてきたコメディアンたちを前に自虐ギャグを放ったわけだから,そのギャップ効果は計り知れない。この瞬間,悪名高きトランプ大統領の元側近に好感を持った人も少なくないだろう。

授賞式後の打ち上げパーティーでも大人気だったようで,スパイサー氏と写真を撮りたがるセレブが続出したとか。しかし,コメディアンのジェームズ・コーデンはこう戒める。

「みんな忘れたのか? あの男はアメリカ国民に嘘をついてきた奴だぞ。受け入れちゃダメだ」

・・・と言うコーデンだが,Variety誌のインスタグラムをのぞいてみると・・・

お前が一番はしゃいどるやないかーい!!!

コーデンはこう弁解する。「僕がショーン・スパイサーにキスしている写真のように見えるけど,スパイサー的精神ではそれは事実じゃない」

代替的事実(=みえみえの嘘)でトランプ政権を支えてきたスパイサー氏を当てこすり,笑いをとったコーデンであった。
---------------------------------
「脇の下こちょこちょスピンオフ」は今日で最終回です。全国500万人のファンの皆様,長らくのご愛読どうもありがとうございました(笑)。

(文・まごおりしんぺい)
https://twitter.com/magochan_www
https://kocho-kocho.blogspot.jp/

RELATED

【脇の下こちょこちょスピンオフ Vol.11】アフガン増派決定:トレバー・ノアが明かした不都合な真実

今月は「ついに干されたか」と思うくらい仕事がなくて暇だったが、アメリカでは実に様々な事件が起きた。シャーロッツビルでの衝突、皆既日食、バノン首席戦略官の更迭、メイウェザーvsマクレガー戦などなど。いろいろあった中、今回は、8月21日に発表されたトランプ大統領の「対アフガニスタン新戦略」を取り上げよう。

【脇の下こちょこちょスピンオフ Vol.10】大統領との対立を深めるジェフ・セッションズ司法長官、その知名度は?

混迷を極めるトランプ政権。発足からわずか半年余りで政府高官らの辞任・解任が相次いでいる。今月は、以前この連載でも紹介したスパイサー報道官が辞任(メリッサ・マッカーシーのあのモノマネがもう見られないなんて残念!)。そして、その数日後にはプリーバス首席補佐官が更迭された。まるで“閣僚ビンゴゲーム”とでもいうべき異常な事態になってきている。

【脇の下こちょこちょスピンオフ Vol.8】北朝鮮の場所を知らないアメリカ人を笑うなかれ

北朝鮮情勢が緊迫する中、ニューヨーク・タイムズがアメリカの成人1746人を対象に、北朝鮮の場所を地図上で指し示してもらう調査を行った。その結果がこちらだ。

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

WONKとThe Love ExperimentがチョイスするNYと日本の10曲

東京を拠点に活動するWONKと、NYのThe Love Experimentによる海を越えたコラボ作『BINARY』。11月にリリースされた同作を記念して、ツアーが1月8日(月・祝)にブルーノート東京、1月10日(水)にビルボードライブ大阪、そして1月11日(木)に名古屋ブルーノートにて行われる。