シャーロッツビルのデモ後、インターネット系の企業がヘイトグループ排除の方向に舵を切る
先週末アメリカに大きな衝撃を与えた、米バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義団体によるヘイトデモ。SNS企業や出会い系アプリ業界などのインターネット系の企業が、ヘイトグループに対抗する姿勢を見せ始めた。
12日、米バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義団体による集会がおこなわれた。そこに反対派のグループが衝突、反対派グループの集団に車両が突っ込み、死傷者が出る最悪の事態となった。
この事件をきかっけに様々なインターネット企業が白人至上主義排除の動きを見せている。Spotifyは「憎悪バンド」と認定されたバンドの配信を中止した。他にもTwitterは極右サイト「デイリー・ストーマー」に関連するアカウントを停止。Facebookも白人至上主義団体の集会ページを閉鎖。Googleも「デイリー・ストーマー」のドメイン削除に動いている。SNS業界はこれまでイスラム系武装組織や、違法性のあるアカウントにのみ対策をおこなっており、思想や言論に対しては規制が緩かったのだが、今回の事件後ヘイトスピーチに対して厳しい規制を見せ始めている。
シャーロッツビルでの事件後、VICEは白人至上主義団体にスポットを当てて、今回の事件を報じるドキュメンタリー映像を公開。白人至上主義を代表した男性、Chris Cantwellが紹介され、今回の集会と、それによって起こった事件について言及した。
そのドキュメンタリー映像が公開されると、アメリカの大手出会い系アプリがChris Cantwellのアカウントを削除することを発表した。
米出会い系アプリ『OkCupid』はTwitterで声明を発表している。「Chris Cantwellからコンタクトを受けたユーザーから通報を受けた。その後すぐCantwellのアカウントを削除した」とのこと。
We were alerted that white supremacist Chris Cantwell was on OkCupid. Within 10 minutes we banned him for life.
— OkCupid (@okcupid) 2017年8月17日
「ヘイトグループに関わっているユーザーを見つけ次第通報するように」そして、「愛を探すアプリでヘイトは必要ない」と宣言。
If any OkCupid members come across people involved in hate groups, please report it immediately https://t.co/K6PTo8Rtlr
— OkCupid (@okcupid) 2017年8月17日
『OkCupid』のCEO、Elie Seidmanは「OkCupidはレイシストを決して許与しない」「我々がどちらの味方かはっきりさせる責任があったのでCantwellのアカウント削除を発表した」とコメントしている。
また、別の米出会い系アプリ『Bumble』も「様々な種類のヘイトスピーチに携わるアカウントを率先して停止し削除する」と発表。『Bumble』は必ず女性の方からから男性に声をかける、女性主導の珍しい出会い系アプリ。『Bumble』は以前、女性優遇に納得しないネオナチのコミュニティからいやがらせの攻撃を受けたことも言及。「言論の自由は支持するが、オンラインで攻撃すること、いじめ、など危害を与える自由は支持しない」と主張した。
これまでフラットなプラットフォームとして機能してきたインターネット企業が、次々とヘイトスピーチ対策強化をおこなっている。今後さらにインターネット上でヘイトスピーチに対する監視強化はさらに強まって包み込みだ。シャーロッツビルでのデモの映像から参加した白人至上主義者をひとりづつ特定し、職場などに通報する動きもあり、それによって職を失った人もいるようだ。
VICEの公開した今回のシャーロッツビルでの衝突についてのドキュメンタリーはこちら