月間韓国音楽2017年4月編 Selected by stttr & DJ DJ機器

アメリカのメインストリームのポップスやダンスミュージックの影響を受けつつ、独自な進化を遂げているK-Popシーンは、日本でも人気が衰えることなく、もはやブームというよりは、完全に定着したものとなっている。

しかしK-Popが面白いというのは知っているという人でも、毎月膨大にリリースされるK-Popをはじめヒップホップ、R&B、ダンスミュージックと韓国の音楽から良い曲をセレクトするのは、意外と難しい作業のはず。ハングルを学べば直で情報がゲットできるけど、中々億劫という人のために、2人の韓国音楽愛好家が毎月のおすすめ曲を紹介するコーナーがスタート。

セレクトしてくれるのは、新旧韓国音楽のディガーとして度々韓国も訪れVincent Radioでもミックスを披露しているstttrと、正体不明、国籍も謎のDJ DJ機器の2人だ。

stttrの2017年4月オススメ曲

1. DEAN - "FLOWER POWER"

 

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ポップス界の至宝、DEANの新曲はスポーツブランドKolon Sportによるチェジュ島の希少植物保護プロジェクトのためのキャンペーンソング。ペ・ドゥナの出演にも注目だが、やはりこの短いクリップのなかで様々なモードをカラフルに使い分けるDEANのポテンシャルの高さには驚かされる。ロングバージョンの公開を期待したい。

2. K.A.R.D - "RUMOR"

 

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K.A.R.Dが前々作”Oh NaNa”、前作”Don’t Recall”に続くダンスホール曲”Rumor”をリリースした。成功しないとされてきた男女混成ユニットながら海外を中心に人気を伸ばし、まだ正式デビュー前なのに南北米ツアーも決定しているK.A.R.D。いちK-POPリスナーとして、新鮮さや奇抜さを競うK-POP市場においてここまで空気を読まず独自路線を貫くK.A.R.Dは気になる存在だ。K.A.R.Dが所属するのはSMエンターテインメントやJYPなどと比べて、二流事務所とされるDSPメディアだけに、一体どこまでが計算ずくなのかは分からない。それだけに、裏に何か意図が隠されているのではと考え始めると、男女の恋愛を歌った歌詞や際どい一線を超えることのないダンスなど、いたって正しく商業的な振る舞いさえ普通に見られなくなってしまう不気味な魅力がある。

3. C Jamm - "Back for More (Prod. JayKidman)"

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ヒップホップからも一曲紹介。BewhYの盟友としても知られるラッパーC Jammがsoundcloudで新曲”Back for More”を発表した。プロデューサーは、先日Vasco改めBill Staxのミックステープにもビートを提供したJay Kidman。得意の不穏なビートを聞かせてくれる。

stttr

stttr

プロフィール

DJ。新旧韓国音楽。
韓国や日本など東アジア各国のポップミュージックを比較研究しています。

https://soundcloud.com/stttr

https://twitter.com/stttr

DJ DJ機器の2017年4月オススメ曲

総評

5月は韓国大統領選挙だったことから、4月にたくさんの楽曲が固まって発表された。今月も非常に素晴らしい曲がたくさんリリースされました。

1. IU - Palette (Feat. G-DRAGON)

 

 

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IUは2年ぶりに戻ってきた。 アルバム内の"Dlwlrma (이 지금)"、hyukohのボーカル、オヒョクが参加した"사랑이 잘 (With 오혁)"は、ネオソウルスタイルの素敵な曲だが、その中でも活動曲"Palette"を。 25歳になったIUの、女性と少女の両面性が感じられる。BIGBANGのG-DRAGONのラップパートの歌詞 「オッパ(お兄ちゃん)性」がとても素敵で、とてもいいですので、興味があればそれをチェックしてください。MVは本当に素晴らしいです。ビデオと一緒にどうぞ。

EXID - "낮보다는 밤 (Night Rather Than Day)"

 

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EXIDが『Eclipse』というミニアルバムでカムバック。"Boy"と迷いましたが活動曲"낮보다는 밤 (Night Rather Than Day) "を。楽しいディスコファンクの曲ですが、ジャンルはよく分かりません。メンバーのソルジがバセドウ病で闘病中で4人で活動しているEXIDですが、少し悪い女性からお姉さん的なルートになった。メンバーのLEがミニアルバム内で作詞作曲で参加しており、前作から引き続きプロデューサー的な立場でも才能を示している。どちらを紹介するか迷った"boy"は、サビに歌の入ってこない曲です…これはもうポップスかどうか分かりませんが、とてもクールです。

3. 지코 (ZICO) - "She’s a Baby"

 

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アイドルグループ、Block Bのリーダー、そしてソロでも活動しているZICOの新曲です。前作"BERMUDA TRIANGLE"はCrush、DEANを率いてのかなり攻めた曲でしたが、今回はジャジーで柔らかな曲となった。いつものように本人自ら作詞作曲、そしてアレンジまで手がけています。中盤でビートが入って雰囲気が変わる、面白い曲です。ビデオには元JYP練習生の南りほさんが登場しました。とてもいいビデオです。本当にK - POPのビデオはうまくいっているものがおおいですね…私は勉強します。

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