ストリーミングの急成長により、アメリカの音楽業界が10年ぶりの売り上げを記録

今週木曜日、RIAA(アメリカレコード協会)が2016年の音楽媒体の売り上げを発表し、2016年は77億ドル売り上げがあったことがわかった。これは、2009年以降最大の売り上げである。成長率でいうと、2016年は1998年以来最も高い11.4%を記録した。

RIAAによると、今回の売り上げの増加はApple Music、TIDAL、Spotifyといったストリーミングサービスの好調によるもので、これらのサービスは前年の2倍の売り上げとなる25億ドルを記録した。また、YouTubeを始めとするフリーモデルのストリーミングサービスも3900万ドルを売り上げた。

ちなみに、CDとダウンロードの売り上げはともに下降しており、これらは合わせて約9940万枚の売り上げで、これは産業の総収入の21.8%にあたる。CDの売り上げが1億枚を下回ったのは1986年ぶりである。

アナログレコードの売り上げは4%の増加を見せ、4億3000万ドルを記録した。これは産業全体の売り上げの26%を占め、1986年以来最大となるシェア率を記録した。

デジタル時代への適応が形になり始め、復活への期待が見え始めたアメリカの音楽業界。しかしながら、音楽媒体の総売上で見ればピークであった1998年の未だ半分程度の規模であることも事実だ。RIAAの会長であるCary Shermanはこの発表について「2016年にみられた成長に私たちはとても興奮しています。しかしこの回復はもろく、リスクに満ちたものでもあるのです。」とコメントし、油断はできないという姿勢を示している。(辻本秀太郎)

Via: Medium

 

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