New Assembly Tokyoに出演する元Nine Inch NailsキーボーディストAlessandro Cortini インタビュー

ドイツ・ベルリンにある発電所跡地のKraftwerk、そしてClub Tresor、OHMにて毎年夏に開催されているフェス「Berlin Atonal」が初のサテライト・イベント「New Assembly Tokyo」を2017年2月17〜19日の3日間、東京で開催する。

2/17には昨年のBerlin Atonalで初公開され大絶賛されたソロのライブA/Vパフォーマンス「AVANTI」を引っさげ、また2/19にはNew Assembly Tokyoがワールドプレミアとして送るMerzbowとの共同プロジェクトとして登場する、エモーショナルなシンセ・サウンドの達人、元Nine Inch NailsのキーボーディストAlessandro Cortiniにミニインタビュー。

Interview by Jun Yokoyama

今、どこで何していて、何を聴いているか、最後に食べたか教えてください。

午前7.17。Misoスープ。今は何も聴いていない。最後に聴いたのはDrab Majesty - "Dot In The Sky"

日本では何度ほどパフォーマンスをしたことがありますか?

何度したかは正確には覚えてないな。3〜4回はしたんじゃないかな?日本にはNine Inch Nailsとして、そして自分自身のインストルメンタルのセットも披露したことがあるよ。

Berlin Atonalをあなたなりに日本の読者に紹介してもらってもいいですか?

Berlin Atonalは、いつもと違う音楽でまだ馴染みのない音楽体験に浸ることができるまたとない機会。様々な音楽による対話で構成されていて、すべてが一つになるとなぜかそれを理解できるんだ。

New Assembly Tokyoで楽しみにしているアクトはありますか?

Puce Mary、Sigha、Ryo Murakami。もちろんMerzbowと一緒に演奏できるのを楽しみにしているよ。

最近発見したニューミュージックを私たちにシェアしてもらってもいいですか?

最近はこんなのを聴いているよ。

Chino Amobi - airport music for black folk

Ekman - Alchemy

Ian Martin - Clairvoyant

Lorenzo Senni - Persona

日本出身/在住のアーティストであなたに影響を与えたアーティストを教えてください。

どのようにして影響を与えたか、を説明するのはむずかしいけど、お気に入りのアーティストはたくさんいるよ。

Merzbow、Boris、Yoshio Machida、坂本龍一(ソロとYMO)

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Alessandro Cortiniは2月17日(金)にソロ・パフォーマンス「AVANTI」でSuperDeluxeに出演、2月19日(日)にMerzbowとのコラボレーション・ライブでContactに出演

Alessandro Cortini

イタリア生まれ。音楽キャリアを追求するため、1998年に渡米。彼がこよなく愛するBuchlaのシンセサイザー、Music Easelは彼の代表的な”声”となっている。Nine Inch Nailsのインストゥルメンタル・アルバム『Ghosts I-IV』の制作に参加していた時期にソロとしても『Forse』シリーズを作り上げ、〈Important Records〉から2枚組LPの三部作シリーズとして発表。長期に渡り、Nine Inch NailsとHow To Destroy Angelsののギター及びエレクトロニクス担当としてライブ活動をしていただけでなく、SONOIO名義のソロ・プロジェクトも並行して行ってきた。〈Hospital Procuction〉から発表した『Sonno』、『Risveglia』によってソロ・アーティストとしての地位を確固たるものにした後、Shiftedの〈Avian〉から放ったSkarn名義の作品や、Slumberman名義でのDrumcellのリミックスなど、テクノ・シーンにも接近しながら、卓越したスキルと表現力で各方面で注目を集めるアーティストである。

Alessandro Cortini SoundCloud

Alessandro Cortini + Merzbow

日本が誇る唯一無二のノイズ・レジェンドMerzbowとAtonalのオーディエンスにはお馴染みとなったエモーショナルなシンセ・サウンドの達人、元Nine Inch NailsのキーボーディストAlessandro Cortiniの二人。New Assemblyがワールド・プレミアとしてお届けする彼らの新たな共同ライブ・プロジェクトは、2017年の実験音楽シーンにおいて最も興味深く予想不可能な出来事となるだろう。

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Berlin Atonal presents  - New Assembly Tokyo

Berlin Atonalは音と光を実験的な表現で探索するフェスティバルです。1982年に西ベルリンで始まり、創造性豊かなパイオニアたちが芸術、特に音を使った表現の全く新しいアイディアや可能性を試すためのプラットフォームとなりました。しかしベルリンの壁の崩壊と共に、1990年に一度休止しました。

2013年、フェスティバルはベルリンに復活し、それ以来ヨーロッパでも代表的な、新たなオーディオ・ビジュアル・アートの創造、発表、発展の場として定着しつつあります。芸術、スペース、音と光に対する、先進的で妥協を許さないアプローチの代名詞として。

20172月、Berlin Atonalはその歴史の新たなページを開き、初めて日本は東京へと旅をし、New Assembly第一回を開催します。3日間に渡る音の冒険には、今回のために企画された全く新しいプロジェクト、国外からのアーティストと日本のアーティスト、そして過去のBerlin Atonalのハイライトが含まれています。

new-assembly.jp

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