インターネットラジオ「ポコラヂ」はゆるいからおもしろい?ポコラヂのtomad、てぃーやま、松本に聞きました

昨年から定期的にRed Bull Studioから「ポコラヂ」というインターネットラジオが放送されているのをご存知だろうか?文化批評雑誌を刊行しているRhetoricaというチームとマルチネレコードのtomadらが、毎回アーティストらをゲストを迎えて、たわいもない感じで、さまざまなテーマについて話す番組だ。
ポコラヂとは何かを知るには番組のアーカイブを聞くのが一番なのだが、メンバーにラジオのことを聞いてみた。

取材・写真 横山純

 

簡単に3人の説明をすると、tomad社長はインターネットレーベルの草分け的存在のマルチネレコードの社長。そして、てぃーやまと松本はRhetoricaっていう批評系雑誌を作っているチームメート。てぃーやまがロンドンに留学している時にtomadとSeihoをロンドンに呼んでイベントを開催。さらに日本帰国後JACK댄스の仲間とマルチネレコードのメンバーが出演するパーティも主催。松本は難しい本オタク。って感じかな?

まずポコラヂって何?アーカイブとしては6本くらいYoutubeチャンネルに上がってるけど、もうちょっとやってるよね?いつから初めて、何回くらいしてるのっていうところから聞きたいんだけど。

てぃーやま - いつから始めたっけ?

松本 - アーカイブ残ってるのが2015年の12月14日のアーカイブだけどそれよりちょっと前からやってるね。

どんな感じでやってるの?

tomad - DJやって、だべるみたいな感じでやってるよ。

このメンバー3人でやってるの?

てぃーやま - みーきゅんっていうメンバーもいるよ。PAまわりをずっとやってもらってる。

はじめるきっかけを教えてもらってもいいかな?

てぃーやま - Rhetorica(レトリカ)っていうチームで雑誌を作ったりしてるんだけど、そこを外に開く場所がほしくて。

tomad - レトリカのことを先に知ってて、個人的にレトリカがんばってほしいなって思ってて。宝はある鉱山なんだけど誰も掘ってないみたいな感じがして。ポコラヂをすることで、小出しに金を出すのがいいんじゃないかって思って。

tomad - マルチネもだんだんポップになってきて。とがってる成分を輸入したくて、一緒にやってるって感じ。

誰が一番ラジオ聞いてくれてるの?

てぃーやま - あのラジオを一番聞いているのはtofubeatsのファンなのかなって気がするけどね。Maltineのリスナーは聞いてるのかな?tomadがラジオの告知をしても、ファミマの冷やし中華がどうとかっていうツイートよりもファボ少ないからね。

てぃーやま - このあいだなんて、tomad社長のポコラジの告知、2ファボ。1こオレ。いいんだけどさ。笑

何人くらい聞いてるの?

てぃーやま - 最初は70人くらい。その後はゲストによるけど毎回20人が固定客みたいな感じで聞いてくれてる。

tomad - 外にそんなに開かれてないし、むしろやることが重要。

てぃーやま - 聞いてる人は聞いてる。どう見られてるかはどうでもよくて、やってるほうの理由の方が大きい。

内容はどんな感じなの?

てぃーやま - だらだらしゃべる感じ。こういう感じでアーティストがしゃべるっていうのはなかなかないよね。

tomad - リリースのタイミングでアルバムについてどうですかって聞くってことはないね。

そのタイミングで来てくれたアーティストには、関係ない話はできないもんね。

tomad - 場所も大事だよね。誰でも来れるっていう場所が大事かな。誰かの家とかだとハードル高いけど、Red Bull Studioでやってるから、とりあえず来なよってできる。Boiler Roomの家でやる回みたいなね。

てぃーやま - 朝飯食いながらね。今みたいにご飯食べながら。

だから日常系のツイートの方求められてて、ふぁぼられるんじゃないの?

てぃーやま - 同じだね。

tomad - 松本くんポコラジについてどう思いますか?

てぃーやま - この2人だと深みが足りないからね。

tomad - 松本君はラジオを客観視してるじゃないですか。

松本 - 知らないからね。音楽シーンのことをそもそも。だからに話を聞く回は楽しい。自分が本の紹介をしなきゃいけない回は大変。

tomad - マルチネリスナーに教養をお願いします。

松本 - 難しめの本を紹介するコーナーをやったらマジで事故るから。けど自分がインタビューするのは本当に楽しい。

tomad - 一番良かった回は?

松本 - ワイパさん(DJ WILDPARTY)がDJのセットリストの裏側を解説する回が聞いてて楽しかった。自分がどう考えてDJしているかっていう。

てぃーやま - 会場やイベントの雰囲気に合わせながら、自分の味をどう出すかっていう解説をした回だね。

松本 - 普通にいいラジオだった。

どうやってゲストには出てもらうの?

てぃーやま - 渋谷にあるクラブvisionに出演するアーティストにイベント前に来てもらって出演してもらうってのが多いかな。アーティストは途中で帰っちゃうんだけど。笑

マルチネとかてぃーやま君経由のゲストが多いけど、松本君はゲストを呼ばないの?

てぃーやま - 誰か呼べよ。

松本 - 知り合いがいないからね。

てぃーやま - 気を使いたくないから。

松本 - ゲストとして呼べるかどうかは「お迎えしなくていい」っていうラインなのかな。

てぃーやま - うちくるって感じ?

tomad - やっぱりミッションがある人と話するのがいいのかな。アリムラ呼びたくて。就活の話を聞きたくて。トラックメーカーをやりながら就活をするとどういう弊害があるかっていう。笑

松本 - 新聞に載った時はどんな見出しだっけ。「電子の音に夢託す」みたいな。

tomad - 新聞に載ったとしても面接で音楽活動の事を言うとマイナス材料にしかならないっていうか。特に理系だと。ちゃんと打ち込まないとってなっちゃう。

やっぱりマルチネ好きな人が聞いてるの?

tomad - あえてマルチネっぽくなくはしてる。マルチネラジオにはしたくなかった。だってマルチネっぽいことしないといけなくなるでしょ。

てぃーやま - ポコっていう。謎の名前をみんなが自由に使える感じがいいよね。

tomad - あんまり多くの人に聞いてほしくないんだよね。

松本 - 実は聞いてるって言われるとうれしい。

tomad - そうそう。聞いてるって聞いて、あー地味にここまで来たか、と思いたい。

てぃーやま - いろんな人が来て、いろんな人と話せるから、それだけでメリットあるよね。ラジオのなにがイイかと言うと、飲み会みたいな閉じらてるけどおもしろい話ができる。

これからトークイベントしますよっていう時より面白い話ができる。聞く方もあまり身構えないし。それはラジオじゃないとできない。メディアの特性は活かしてるんじゃないかな。20人しか聞いてないと思えば面白い話もできる。言っちゃいけないことも言えるし。


 

結局インタビューもいつものラジオみたいな感じになってしまったようだ。たわいもなくしゃべってたと思ったら、いきなり真剣になったり。とにかく集まってラジオするってこと!次回のポコラジも期待しています!!!

ポコラヂはこちらから視聴可能 8/17 20時ころから放送開始

https://t.co/HFQMc4oeIQ

ポコラヂの過去番組はこちらのチャンネルから

RELATED

『Red Bull 64 Bars』シーズン3の最終回でMummy-DとDJ KRUSHのコラボレーションが実現

キュレーターの選んだラッパーが、同じくキュレーターの選んだトラックメイカー/プロデューサーのオリジナルトラックで、文字通り“64小節”のラップをレコーディングし、その模様をアンカット(一発撮り)の映像に収めるHIP-HOP映像シリーズ『Red Bull 64 Bars』。日本語ラップのパイオニアZeebraを迎えたシーズン1、ANARCHYがキュレーターを務めたシーズン2に続く。キャリア30年以上のヒップホップグループ、RHYMESTERのMCであるMummy-Dが全10エピソードのキュレーションを担当したシーズン3の最終回となるエピソード10が本日公開された。

紫のRed Bullが新登場

Red Bullからエナジードリンクの新フレーバー『レッドブル・エナジードリンク パープルエディション』が6月8日(火)より全国で発売開始となる。

RED BULLによる『64 BARS』のシーズン3がスタート|キュレーターはMummy-Dで田我流やGOCCIなどが登場

Red Bullによる64小節のヒップホップ映像シリーズ『64 BARS』の日本版シーズン3(全10エピソード)が本日から公開となった。

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

WONKとThe Love ExperimentがチョイスするNYと日本の10曲

東京を拠点に活動するWONKと、NYのThe Love Experimentによる海を越えたコラボ作『BINARY』。11月にリリースされた同作を記念して、ツアーが1月8日(月・祝)にブルーノート東京、1月10日(水)にビルボードライブ大阪、そして1月11日(木)に名古屋ブルーノートにて行われる。