ドナルド・トランプの公約を実現した「LAのバンクシー」

アメリカ・カリフォルニア州ハリウッドに「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」と呼ばれる歩道がある。5キロに渡って映画・音楽などエンターテイメント界で活躍した人物の名が彫られた星形のプレートが埋め込まれており、ハリウッドの観光名所として数えられる。もちろん不動産王としてエンターテイメント界で活躍し、大統領候補にまで上り詰めたドナルド・トランプ氏の星形プレートも埋め込まれており、(不)人気スポットになっている。
その彼の星形プレートの周りに、とある「壁」が設置され、観光客の目を楽しませている。ドナルド・トランプの星形プレートを囲うように作られた15センチほどのコンクリートの壁には、英語とスペイン語で「立ち入り禁止」と書かれており、壁には有刺鉄線が張り巡らされて、物々しい雰囲気だ。
ロサンゼルス在住のストリートアーティストPlastic Jesusがトランプ氏の「メキシコとアメリカの国境にGreat Wallという壁を設置して不法移民を防ぐ」という公約にインスパイアを受けて制作した。彼は"The Banksy of LA"と呼ばれる社会派ストリート・アーティストだ。
彼がこの作品をInstagramにアップロードしたところ現在15000のいいねが付いたり、観光客も写真を撮影しSNSなどのアップロードするなど、話題になっている。しかし熱心なドナルド・トランプのサポーターがInstagramのコメントに「私たちはトランプ大統領が必要なんです」と書き込んだりするなど、コメント欄で論争も始まっている。
BBCのインタビューに対してアーティストのPlastic Jesusは壁を設置した理由を説明する。
「私はドナルド・トランプが行おうとしている政策に興味を持ってほしいのでこれを制作しました。今週共和党の大会があるのをもちろん知っていましたし、そのタイミングで注目してほしかったのです。」
彼はイギリスからアメリカに4年前にやって来た移民であり、アメリカと移民について「アメリカでは世界中からの移民の人と触れ合うことになり、その事実はアメリカを素晴らしいものにしている要因の1つです。ドナルド・トランプが提案する政策はすべての移民にとっての脅威です」と語った。
彼の他の作品はウェブサイトから見ることができる。
via BBC