フランスナンバー1レーベルEd BangerのオーナーBUSY Pインタビュー!

フランスナンバーワンレーベルで今年10周年を迎えたED BangerのボスでありDaft Punkの元マネージャーBUSY Pがインタビューに登場!

Mail Interview 和田哲郎

翻訳 勝池壌二

- Ed Banger Recordsの10周年おめでとうございます。簡単に振り返ることはできないと思いますが、あなたにとってどういう10年だったでしょうか?

Busy P -とても楽しい10年間だったよ!レーベルにとっての10年は、人生にとっては20年に感じるよ。!まだまだ若いしこれから色々やっていきたいことは沢山ある。

- またこの10年のなかでEd Bangerはヒットをたくさん生み出してきましたが、あなたの中で最も印象的な1曲を教えて下さい。

Busy P - Justice vs Simianの"Never be alone(We Are Your Friends)"が間違いなくレーベルにとって一番重要なトラックだね。20年経っても2003年の古き良き時代を思い出しながら皆に踊って欲しい。

 

Justice Vs. Simian - Never Be Alone

- Ed Bangerはハウスからエレクトロ、ディスコ/ブギー、現在ではベースミュージック、インディーまで様々なジャンルをリリースしていますが、どのようなサウンドがEd Bangerのサウンドだと捉えているのでしょうか?

Busy P - 僕たちはコンテンポラリーなサウンドを作っている。それは何も意味していないからこそ全てにとって意味がある。僕にとって一番重要なのは、自由に自分たちがいきたいとこにいけること。

-フランスのシーンもこの10年で様々な変化をしてきたとおもいます。ハウスからエレクトロ、そこにベースミュージックなどが入ってきたり、Daft PunkはDiscoに回帰したように思います。これからのフランスのシーンはどうなっていくと思いますか?

Busy P - 風向きによって変わるサイクルのようなものだね。ノイジーな音楽が流行ったからもっとセクシーでダウン・テンポな音楽で一度落ち着かせた。でもまた激しいのがくると思うよ。

- フランスのシーンは最近のEDMのシーンとは全く関係なく動いてるようにみえるんですが、EDMについてのあなたのご意見をお聞かせ下さい。

Busy P -ははは、みんなこの質問を聞いてくるんだよね 笑 インターネットでEDMの意味をわざわざ調べたよ 笑
僕はダンス、ハウス、テクノといったエレクトロニックな音楽全般に情熱を注いでいるよ。

- あなたの久しぶりにリリースするEP『Still Busy EP』について聞かせて下さい。今回はジャケットはDr.Dreからのオマージュで音の方もテクノとヒップホップがブレンドされたような音になっているかと思うんですが、このEPのアイデアはどのように浮かんできたんですか?

Busy P - 新しいスタジオをパリに作って、MPC2000をプレイしにいくのがいますごく楽しい。『Still Busy』では僕がまたやる気に満ちていて、身の回りに起きていることに対しての関心が強いといことを人々に知らせたいんだ。1995年から活動しているけど僕はすごくラッキーだと感じているよ。

- またあなたは最近Cashmere Catのリミックスもしたし、Cashmere CatはEd Bangerからもリリースをしています。彼のエレガントなメロディーとしっかりとしたベースミュージックのブレンドはとてもオリジナルだとおもいますが、やはり彼の事を気に入っていますか?

Busy P - 彼は素晴らしいね。エレクトロニック・ミュージックが死んだと言われている今、シーンに希望を持たせてくれていると思う。フランスにはCanblasterというアーティストがいて、彼もまたCashmere Catのような天才だと思う。この二人はモダンなサウンドを作っていて、エレクトロのみならずR&BやHip Hopも取り入れているからとても新鮮なんだ。

 - 次にEd Bangerからリリースしたことないアーティストでぜひリリースしてみたいというアーティストはいますか?

Busy P - 既に12アーティストも在籍してるから、もう満足なんだ。彼等を全員世界中に紹介するのには時間がかかるんだよね。Krazy BaldheadとMr Flashにはもっと注目してもらいたいんだよね。

 - 最近だとインターネットがとても発達していて、アーティストとの出会いもインターネットを介しておこなわれることも多いとおもいますが、あなたはインターネットとエレクトリックミュージックの関係についてどう思いますか?

 

Busy P - もちろん関係性はあると思うよ。でも上手くこのテクノロジーをコントロールしないといけない。使い方によっては良くもなるし、悪夢みたいにもなる。

- Ed Bangerを次の10年でどのようなレーベルにしていきたいと思っていますか?

Busy P -このままパリで小さいオフィスを構えていれば良いと思う。変化を求めなくてはいけないわけではないから。別にビッグにもリッチにも僕はなりたくないよ。音楽を作り続ける保証もできない。レコードショップになっているかも知れないし、もしかしたらコーヒーショップもありえるね。

- 今年のSonic Maniaで来日してくれますね。どんなギグにしたいと思っていますか?

Busy P -僕の大好きな日本にまた来れて嬉しいよ!Busy P Ed Bangerメガ・ミックス・ショーをお披露目するよ。友達も日本には沢山いるから早く行きたい!

- 最後に日本で楽しみにしていることを教えて下さい。今日はありがとうございました!

Busy P -子供の頃日本に行きたくてしょうがなかったんだよね。2000年に初めてDaft Punkと行って、それからも日本に来られるのは夢のように感じているよ。

RELATED

【インタビュー】5lack 『report』| やるべき事は自分で決める

5lackが今月6曲入りの新作『report』をリリースした。

【インタビュー】BES 『WILL OF STEEL』| 初期衝動を忘れずに

SCARSやSWANKY SWIPEのメンバーとしても知られ、常にアクティヴにヒップホップと向き合い、コンスタントに作品をリリースしてきたレジェンドラッパー、BES。

【インタビュー】CreativeDrugStore 『Wisteria』| 11年目の前哨戦

BIM、in-d、VaVa、JUBEEのMC4名、そしてDJ/プロデューサーのdoooo、ビデオディレクターのHeiyuuからなるクルー、CreativeDrugStore(以下、CDS)による、結成11周年にして初となる1stアルバム『Wisteria』がついに発表された。

MOST POPULAR

【Interview】UKの鬼才The Bugが「俺の感情のピース」と語る新プロジェクト「Sirens」とは

The Bugとして知られるイギリス人アーティストKevin Martinは、これまで主にGod, Techno Animal, The Bug, King Midas Soundとして活動し、変化しながらも、他の誰にも真似できない自らの音楽を貫いてきた、UK及びヨーロッパの音楽界の重要人物である。彼が今回新プロジェクトのSirensという名のショーケースをスタートさせた。彼が「感情のピース」と表現するSirensはどういった音楽なのか、ロンドンでのライブの前日に話を聞いてみた。

【コラム】Childish Gambino - "This Is America" | アメリカからは逃げられない

Childish Gambinoの新曲"This is America"が、大きな話題になっている。『Atlanta』やこれまでもChildish Gambinoのミュージックビデオを多く手がけてきたヒロ・ムライが制作した、同曲のミュージックビデオは公開から3日ですでに3000万回再生を突破している。

WONKとThe Love ExperimentがチョイスするNYと日本の10曲

東京を拠点に活動するWONKと、NYのThe Love Experimentによる海を越えたコラボ作『BINARY』。11月にリリースされた同作を記念して、ツアーが1月8日(月・祝)にブルーノート東京、1月10日(水)にビルボードライブ大阪、そして1月11日(木)に名古屋ブルーノートにて行われる。