Summer Walkerが「R&Bは2020年のヒップホップより優れている」と語る

トラップやアフロビート、ハウスといったダンスミュージックまでを吸収し、一方でルーツに回帰するようなアーティストも現れるなど、多様化が進む昨今のR&Bシーン。今年も刺激的かつ優れた楽曲やアルバムが多くリリースされたが、現在R&Bを代表するシンガーの一人であるSummer Walkerが興味深い発言を行なっている。

Geniusによると、先日発売されたBillboard誌の最新号の表紙を飾ったSummer Walkerは、Jhene Aiko、Kehlani、Teyana Taylorを交えた座談会の中で「私にとって、R&Bは2020年のヒップホップより優れていると思うよ。浅くて、退屈なものになってるから」と語った。彼女は「何を言ってるのか分からないようなマンブルラップが流行ってるけど、私たちは本当に正直で、深いところまで行くようになってる」としており、現行のラップミュージックよりもR&Bの方がよりパーソナルかつ芸術性の高いジャンルになりつつある、との持論を述べている。

記事中ではヒップホップとR&Bの売り上げを比較し、2020年のアルバム全体の売上におけるヒップホップの割合は19.17%であるのに対し、R&Bは7.43%に留まっているとの指摘がなされている。しかし一方で、R&Bはヒップホップと比較してもかなり急速なペースで売上を伸ばしていることも明らかにされている。

またSummer Walkerは「ラジオにちょっとだけ苛つくことがあるんだよね。私の曲の中で、ラジオで凄く良い結果が出るのは、よりアップビートの曲ばかりのように思う。私たちの曲やスロウで心のこもった曲を聴いていても、多くの人がそれを馬鹿にしているように思える。でも、ラジオでは曲に合わせてお尻を振ることが出来なければ、役割を果たしていないことにされるんだよ」と、ラジオがリスナーを分かりやすく踊らせる曲ばかりをヘビープレイし、テンポが遅くムードを重視したタイプの楽曲はあまりプレイされないという現状にも苦言を呈している。

もちろん音楽ジャンルに優劣をつけることは出来ない上にR&Bとヒップホップはかなり接近を見せているのが現状ではあるが、これらの発言はR&BアーティストとしてのSummer Walkerの矜持や、R&Bシーン全体が勢いを増しつつある状況が窺えるものだ。

Summer Walker、Jhene Aiko、Kehlani、Teyana Taylorが登場するインタビューの全編はこちらから読むことが出来る。

RELATED

Summer Walkerがコロナウイルスに関するフェイクニュースを拡散し批判を浴びる

全世界でパニックを引き起こしている新型コロナウイルス。イベントの中止など音楽にも大きな影響を与えているが、そんな中SNSの難しさや問題点が浮き彫りになる騒動が起こってしまった。

Justin Bieberのヒット中のニューシングル"Yummy"にSummer Walkerが参加したリミックスを公開

2/14(金)にニューアルバム『Changes(チェンジズ)』をリリースするJustin Bieberが、先行シングル"Yummy"にSummer Walkerが参加したリミックスを公開した。

Summer Walkerが自身主催のイベントで歌わなかったことでブーイングを浴びる

10月にリリースされたアルバム『Over It』が女性R&Bアーティストの1週間のストリーミング数の最高記録を更新するなど、絶大な人気を誇るSummer Walker。そんな彼女が、自身が主催するパーティでトラブルに巻き込まれてしまったようだ。

MOST POPULAR

音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果

音楽を聴いて鳥肌が立つ、という体験をしたことがあるだろうか。もしあるならば、あなたはとてもラッキーな経験をしている。

大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていると、研究により明らかになった。

Appleの重役がiTunesの音楽ダウンロードが終了することを認める

ついにその日が来てしまうのだろうか。先日発表されたアメリカレコード協会(RIAA)の2017年末の収入報告でもデジタルダウンロードの売り上げが2011年以来6年ぶりにCDやアナログレコードなどの売り上げよりも少なくなったと発表されたが、ちょうどそのタイミングでApple Musicの重役のJimmy Iovineが、iTunesストアの音楽ダウンロードが、終了する見込みであることをBBCの取材に対して認めている。