高橋恭司が新作写真集『Midnight Call』を刊行

90年代よりPURPLE magazineをはじめ数々のポートレートを残してきた高橋恭司が、その長いキャリアで初となる新作のみ・216ページの写真集『Midnight Call』を刊行する。

本作は、高橋が2019年の秋に初めてパリを訪れた際に撮影した写真で構成された写真集。チャールズ・ブコウスキーが名付けた第一作品集『THE MAD BROOM OF LIFE』やPURPLE magazineをはじめ数々の風景やポートレートで名高い高橋の写真は、常に構造や風潮の「外へ」と見るものを誘うオルタナティヴな引力をまとってきた。その視線が、近代の夢が終わり果てた断絶の2010年代末を捉える。

知らぬ者のいない「花の都」であるパリは、同時に近代写真の始まりの地にして世界を欲情させてきたイメージの都であり、万博や近代オリンピックといった近代国家的スペクタクルの象徴的な舞台でもあった。今日も我々が互いをまなざしあう近代の視線や構造が形をとった街であり、「無用のもの」として排除され、埋め立てられた声の集積の上に建つ光学都市。その都市の声を聞きつつ高橋が採取した、近代を底流で駆動してきた様々な文脈の断片には、現在私たちが忘れつつある「複数の時空間を移動する」という振る舞いが刻印されている。そこに亡霊のように立ち現われるものは、誰もが己の身体や彼我の境界に囚われたパンデミック下の集合的無意識でもある。今まさに開催されようとしているオリンピックに象徴されるように、無数の小さな声を踏み潰しながら進んできた近代を考えるにあたって重要な、同時代的な問いを帯びた写真集となっている。

また、7月15日からは展示も行われる。こちらも是非足を運んでみてほしい。

Info

2021 年7月20日発売

高橋恭司 新作写真集『Midnight Call』

216 頁

オールカラー

232mm×165mm

コデックス装+カバー

定価¥7,500(税別)

日英テキスト収録

写真・テキスト:高橋恭司

編集・解説:安東嵩史(TISSUE PAPERS)

アートディレクション:米山菜津子

印刷:サンエムカラー

ISBN 978-4-909287-08-3

・TISSUE PAPERSオンラインストアほか全国書店で発売https://tissuepapers.stores.jp/

・オンラインストアでは7/20までのサイン本予約可能

刊行記念写真展「Midnight Call」

吉祥寺book obscura

期間:2021年7月15日(木) - 8月9日(月)
営業時間:12:00~19:00
定休日:火曜・水曜日

【オンライントークイベント】
高橋恭司×TISSUE PAPERS安東嵩史(本書編集発行人)

第1回:7/24(土)

第2回:8/7(土)

いずれも19:00スタート、参加費1200円

諸々の詳細は店舗ウェブサイト https://bookobscura.com/ よりご確認ください。

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