【インタビュー】LEX 『LiFE』| ゲストアーティストが聞きたいLEXのこと

LEXが8月にリリースした3rdアルバム『LiFE』の勢いが止まらない。驚異的なスピードで作品をリリースしてきたLEXだが、この人生と名付けられたアルバムは、1つの達成点といっていい作品になっている。LEX自身は常に夢や目標を持つことはないと言っている通り、意気込みすぎることなく制作をしたのかもしれない。今作は、LEX自身のラップはもちろんのこと、客演の妙や楽曲のテイストのバランス感などプロデューサー的なビジョンが、さらにアップデートされた作品になっていると言えるだろう。C.O.S.A.とACE COOLがLEXの楽曲で一緒にフィーチャーされるとは誰も想像してなかったのではないだろうか。

今回FNMNLでは、客演で参加した多彩なゲストアーティストたちから、LEXに対する質問を用意してインタビューに臨んだ。LEXと彼らゲスト陣の関係性も見えてくるかもしれない。

取材・構成:和田哲郎

- リリースおめでとうございます。これまで出してきた2枚分の魅力をグッと一つにまとめて、さらにアップデートしたような印象がありました。制作はいつ頃からですか?

LEX - 前回のEP『NEXT』を発表した頃から作っていました。『NEXT』では「まだ違うな、これはちょっと温めておこう」って思ってた曲が、最初に作った曲です。

 - 最初に作った曲はどれですか?

LEX - “Sexy!”と"Romeo & Juliet”は結構前から出来上がっていたんですよ。でも友達と俺しか知らない状態だったから、自分にとってはようやく世に出せたって感じですね。

  - その2曲は、凄く強力な曲だからこそ溜めていた?

LEX - そうですね、それは自分でも感じていました。「これはちょっと、まだ温めておこう」って。

- しかも、今はライブも出来ないし地方とかにも行けない状況ですよね。だから人に会えないんだけど、逆にゲストが多いアルバムになっているという。

LEX - だからリモートでやってもらうことが多かったです。

 - それは順調に進んだ感じですか?

LEX - 大体はうまく行きましたね。Fuji Taitoくんとかは自分のスタジオに来てもらって、一緒にやったりしたんですけど。それでレコーディング終わりににみんなで爆睡するみたいな、そういう感じでした。

 - しかも、これまでよりもゲストの幅がより広くなっていますよね。

LEX - 力込めたいと思ったし、尊敬してるOGの方とか先輩の方にもお願いしてみようかなって思って、それで連絡させてもらったっすね。

 - 先輩的なアーティストとかに声をかけてみようと思ったのはどうしてですか?

LEX - 『LiFE』っていうアルバムは人生の喜怒哀楽を表していて、山あり谷ありな人生とか、幸せなときとか悲しいときとか、全てのシチュエーションを表したいアルバムだったから、そうなると自分が描いているビジョン通りに作りたくて。それで呼ばせてもらったっす。

 - 今回のラインナップを見た時は、やっぱりびっくりしました。しかも「こういう組み合わせなんだ」ってところもあって。

LEX - 計画通りには行ってて。客演の方にやってもらった後に「これちょっと合わなかったわ」っていうのが全く無くて。全て計画通りに。それは彼らの凄いところとしか言えないんですけど(笑)。

 - LEXくんの中でも画が見えていた?

LEX - 「これは彼っぽくないけど彼が乗せたら凄いんじゃないかな、彼女が乗せたら凄いんじゃないかな」と思って。

Young Dalu

 - なるほど。ゲスト陣の話になったので、この流れで企画をやっていきたいと思います。今回は全員ではないんですが、アルバムの参加アーティストからLEXくんへの質問をもらっていて。まずは"HAPPY”に客演しているYoung Daluくんから、「LEXのオススメのチルスポットを教えてください」。

LEX - はい、Daluくんありがとうございます(笑)。僕のオススメのチルスポットは、茅ヶ崎の海岸にある、結婚式場の下にあるテラスで食べれるお店があるんですけど、そこが凄くオススメで。電気が全部豆電球でツリーみたいになってて。江ノ島も見えるし海沿いで、5歩も歩いたら砂浜みたいなところで。そこによく行きますね。完全にリラックス出来るし。そこのオススメの食べ物はアヒージョですね。是非食べてみてください(笑)。

 - 質問をくれたゲストについても伺いたいんですが、Young Daluくんはどういう存在ですか?

LEX - 活動を始めた最初の方によくDaluくんに会ってて。その頃はというか、今もそうですけど、全然お喋りを知らなかったんですよ。どういった風に会話を持っていけばいいのか、とか。Daluくんって本当に器用な人だから、そういうところを見てもらっているというか。彼と話していると素晴らしいなと思います。お兄ちゃんみたいな人です。

ASA Wu

 - 次がASA Wuさんですね。ASA Wuさんからは今回のアルバムに参加している"BUNNY”について、「“BUNNYはLEXの『LiFE』にとってどのような意味を示す曲ですか?また“BUNNY”にちなんで、LEXにとって一番美人の動物はなんですか?ちなみに私は鹿さんです」という質問です。

LEX - (笑)。「鹿さんです」...女の子だ。僕の人生における"BUNNY”は、完全に僕がプラスだったらマイナスの存在で、欠けちゃいけない存在だと思ってて。“BUNNY”が僕に活力を湧かせてくれることもあるし、夢を見させてくれることもあるし、逆に失望することもあって、って存在ですね。

 - でも絶対に必要だと。

LEX - 必要だと思います。というか、男女の関係は絶対に繋がるし、男と女は繋がるように出来てると思ってるんで。必要な存在だと思いますね。

 - そして「美人の動物」ですが......。

LEX - 美人の動物は......やっぱり蝶々さんですかね(笑)。シマウマさんとかも結構好きなんですけど。ライオンさんも好きっすね。ライオンさんで行きましょう。逞しいし、ライオンさんの家族の感じとかも好きっすね。逞しいし、最期まで弱いところを見せないところが好きです。

 - ASAさんはどういう存在ですか?会ったことはありますか?

LEX - 無いんですよね。友達がASAちゃんの曲を流してて、「え、これ誰?めっちゃカッコいい」ってなって。コブシを多用するような歌声で、すげえかっけぇなと思って。名前を聞いたら「ASAちゃんだよ」みたいな感じで、そこから「絶対にやりたい」と思ったんです。“BUNNY”を作ったときに「これはASAちゃんかもしれない」と思って頼みました。返ってきたデータを聴いたときに本当に飛び上がって、「これはヤバい曲になったな」と思って。その凄さが確信に変わったっすね。

 - どこが魅力的だと思いますか?

LEX - 歌声はもちろんですけど、やっぱり人間性。可愛いじゃないですか。「鹿さん」とか、言葉遣いが(笑)ラフな感じも好きだし。ライフスタイルがカッコいいと思います。

HEZRON

 - 次はHEZRONくんから、「LEXの今見えているビジョンはなんですか」。夢ってことなのかな?

LEX - 無いですね。現状にどれだけ自分が満足できるかだし、この現状でどう自分がもっと優しくなれるか、とか、どう良い人間になれるのかなっていつも考えてます。やっぱり「今」の連続なんで。人間って、やっぱり前に前に考えちゃうことがあると思うんですよ。結局現状に満足しないというか、前に突き進み続けるものだと思うんで、そうじゃなくて、今どうやって変われるかとか、現状を理解してどう変えていくかってことをいつも考えています。

 - 遠くを見過ぎない、というか。

LEX - それがみんなベターだと思うんですよ。自分もそうだし。でも、それだといつまで経っても現状の自分に満足できないこともあると思うし。

 - HEZRONくんはラッパーとしてはどういうところが魅力的だと思いますか?

LEX - 逞しいし、絶対何か持ってますよね。僕は絶対に信じてるんですけど、彼は多分やってくれると思います。それはレコーディング風景を見ていてもそうだし、彼が放つオーラとか、優しさとかを見ていて、凄くそう思います。信じてます。 彼みたいな人が今のシーンには必要なんじゃないですかね。そう思うからこれからもサポートしたいし、これからも一緒にいたいと思います。

Only U

 - 次はOnly Uくんから来ています。「俺とLEXはよく会うけど、近々で一人でいるときの趣味だったりハマっていることは何ですか?」。相変わらず散歩はしているんですか?

LEX - してます、散歩は欠かせないですね。趣味は散歩です(笑)散歩と、最近はちょっと体を動かしたりしているんですよ。バスケしたり。後はやっぱり旅ですかね。友達と行く旅も好きなんですけど、これは完全な趣味で、一人でバックパック一個持って旅するのも好きで。一人でいるときは結構一人を満喫してるかもしれないですね。一人の時間は結構好きだし。一人旅もすげー好きです。そーっと行って、そーっと帰る(笑)。インスタにもアップしないから、そこで会ったファンとかにびっくりされるんですよ。「え、何してるんですかここで?」って(笑)。かなり変人だと思われてるんですけど、僕は別にそれでいいんです。バックパック一個で(笑)。格好も歩くのに適した格好をしているから。

 - 着飾っていないんですね。

LEX - それが一番楽しいですね。

 - Only Uくんはどんな存在ですか?

LEX - 音楽を始めた頃からずっと一緒にいるし、二人で一緒に始めて、同じところを見つめていて。そこから年齢が上がって個々に活動を始めて、彼を見てると自分たちがどれだけ成長しているかを実感するし、それが嬉しく思うし。俺が知らないことを教えてくれるし、俺は彼が知らないことを教えてあげたいなと思うし。一緒に頑張ってるってイメージが強いですね。

 - Only Uくんも9月にアルバムを出しますよね。

LEX - それもみんなで決めてて。やっぱり一緒のタイミングで出そうって。

C.O.S.A.

- 次はC.O.S.A.さんから、「To LEX. 今は何が一番大切ですか?」。

LEX - 今の自分に大切なのは、お金でもなく物でもなく、目標でもなくて、愛なんだなって感じるっす。カッコよくはなりたいけど、愛のある人になりたいなと思うし。もっと愛について理解を深めたいなと思います。

 - そう思ったのはどうしてですか?

LEX - 最初は洋服とかお金とかが好きだったんですけど、やっぱり物欲とか金銭欲って長く続かないものだなと思うし、自分はそれで愛の無い人間になってしまいそうだった。というかなってましたね。それで色々な人が離れたりくっついたりして、絶望したんですよね。それからは完全に繋がりが大事だと思ったし、愛が大切だと思うようになりました。一回絶望を感じたからなのかもしれないですけど、よく人が言う「上に行きたい」とか、そういうのが分からないです。

 - なるほど。C.O.S.A.さんは元々トラックとかを聴いてて影響を受けたと言っていましたが、今回ようやく頼みたいと思った感じですか?

LEX - そうですね、まだまだですけど、ようやくC.O.S.A.くんにお渡ししても恥ずかしくないような曲が出来上がったからお願いしてみて。でも不思議な感覚で、昔から聴いてるヒーローと一緒に自分がやるっていうのは本当に不思議で。緊張を覚えるわけでもなく、不思議な気分でしたね。歌詞も聴き込んじゃうし。やっぱり「あ、C.O.S.A.くんだ」って感じでした。ありがとうございました、兄貴。

ACE COOL

 - 同じ曲に参加しているACE COOLさんからは、「客演にC.O.S.A.とACE COOLを呼んだ経緯、もしくは理由を教えてください」。

LEX - 結構自分は理由をつけるのが下手くそで、直感で生きてるんですけど、トラックと自分が乗ってるデータを聴いたときにビビっと来て。「これはACE COOLくんとC.O.S.A.くんに絶対頼みたい」ってなって。理由は分からないですけど、それは直感ですね。

 - あの曲は、自分はアルバムで一番好きなんですけど、3人それぞれフロウが違いますよね。

LEX - そうなんですよね。そこを裏切らずやってくれるところも、先輩方が凄いなと感じるし。

 - ACE COOLさんはどういうアーティストとして見ていましたか?

LEX - 絶対的な何かが彼の中にはあって、それが彼を突き動かしてるんだなって、一回会って喋った時に感じて。彼の動機は絶対に軽いものではなくて、断固たる決意があって、今こうやって活動しているんだなっていうのを感じました。

- やっぱり存在感も凄いし、独特のキャラクターもあるし。

LEX - そうなんですよね。心臓の深い部分に感じたっす。それは直感とかではなくて、何かが存在しているなとわかりますね。

JP THE WAVY

 - 次はJP THE WAVYさんから2問あって、「普段何食べてるの?」って質問と、「今一番欲しいものは?」という質問です。

LEX - 普段はラーメンっすね。ラーメン大好きなんで。甘党というよりはそっちの人なんですよ。結構ラーメン好きっすね。3日に一回は必ず食うし、大事ですね。ラーメン無かったら油そばでも食うし。必要ですね。カップラーメンを食うとかいう失礼な行為はしないです(笑)ラーメンはちゃんと食べたくて。自分にとって大事です。

 - お気に入りの店もあるんですか?

LEX - お気に入りは、家系が今は一番かな。でもベーシックな感じですけど、学生ラーメンも好きです。普通の食堂で食べれるようなラーメン。あの味って、基礎の味みたいな感じがするじゃないですか。あの味も色んなラーメン食べてると食いたくなってきて。ラーメンは大好きっすね。

- もう一つの、今一番欲しいものはなんですか?

LEX - 今一番欲しいものは......Wavyくんのお家とか言ったら怒られますかね(笑)Wavyくんみたいなお家が欲しいですね。あと、僕はトーク力とかですかね。結構シャイで、そのことに最近気づいて。「あ、俺シャイだからダメなんだ」ってなって。人前で明るくて楽しい人が好きなんですよ。そういう人といると楽しいし。だから自分もそうなりたいと思うんですけど、それが足りないから。トーク力というか、明るくて楽しい人になりたいですね。それが今欲しいものです。そういう人になりたい。

- Wavyくんはどういう存在ですか?

LEX - 僕にとっては兄貴っすね。完全なる兄貴。そんな生温い言葉では言えないような愛を感じるっす。Wavyくんは優しさも教えてくれるし、厳しさも教えてくれるんですよ。僕が音楽活動を始めて、初めて叱られた存在で。「こういうことを言ってくれる人もいるんだ」って、その時すごく感動したんですよ。自分の意見に賛同する人とか、それを笑って「ヤバいね」とか言う人しかいなかったから、「これがJP THE WAVYか」って。凄く愛のある人だと思います。

 - 確かに、アーティスト同士ってそれぞれ個人主義じゃないけど、「俺は俺、お前はお前」みたいな感じですもんね。

LEX - それって先輩だから出来ることなんですけど、それをしない人もいるじゃないですか。それも良いと思うし。でもそこで他人の領域に踏み込んで言ってくれる人ってなかなか勇気があって、自分には出来ないことだなと思うから。そこは凄いなと思います。

MIYACHI

 - なるほど、言うときはちゃんと言ってくれると。次はMIYACHIさんから、質問というか......「LEXくんがスーパースターになった時にMIYACHIのこと忘れないでね」という言葉が来ました。

LEX - えぇ......(笑)なんだろう、24時間テレビみたいなコメントですね(笑)そんなこと絶対に無いと思いますよ。だし、スタイルが凄いですよね。己が強いから出来るんだろうなと思って。ちゃんとバックグラウンドも持ってるし、基礎を知ってるじゃないですか。そこの知識は絶対的なものだから、凄く尊敬しています。それは向こうに行かないと感じられないところかもしれないし、それを感じてるMIYACHIくんは本当に凄い人だし。尊敬しています。

Shark kid

 - 次がShark kidさんから。「LEXはいつもとんでもないことを考えてるから何を考えてるか分からないんですけどアメリカに住んだらまず何がしたい?」と。そもそもアメリカに住みたいんですか?

LEX - そうですね。アメリカじゃなくても、いつかは海外に、何かが落ち着いたら住みたいですね。最愛なる人と。今はいないんですけど。でも、「LEXはいつも何を考えているか分からない」って言いますけど、サメ(Shark Kid)が一番分からないですよ(笑)。

 - そうなんですね(笑)。

LEX - ぶっ飛んでるっすね(笑)。放送禁止用語ばっかり言ってるし。海外に住みたいけど、でも住んだら何がしたいって、それは完全に架空の話じゃないですか。多分向こうに住んだら向こうに住んだで、こっちに住んでるのと変わらないような生活があると思うんですよ。だから、っていうよりはそこの人たちの人間性が好きだったりして、住んでみたいんですけど。携帯は使うけど、全然コンビニしか無いような海辺にこっそり住みたいですね。

 - それは、さっき言ってた一人旅をする理由と近いものですか?

LEX - そうですね。こっそり居るのが好きだし、大々的にLAとかっていうのは自分は向いてないと思うし。っていうよりはほのぼの、オレンジジュースとかレモンジュースとか売って生活したいです。アイスクリーム屋さんとか。その生活の中で得られる幸せが自分の好きなものだから。海辺に住みたいから。極力自分で作ったりもしてみたいですね。全然出来ないんですけど。

 - 農業とかってことですか?

LEX - やってみたいです。農業とかも歳食ったらやりたいなと思ってみたり。

 - Shark kidさんは「ぶっ飛んでる人」ということで良いですか?

LEX - うん、あの、「チンポの人」です(笑)。でも、Shark kidは凄く飲み込みが速かったんですよ。最初HEZRONとかOnlyとやってた頃はまだ知り合ってなくて、後に「俺も音楽やりたいんだけど」って言って知り合って。でもそういう友達とかにも「作り方教えて」って言われたらマイクとかセットして「はい、どうぞ」みたいな、そこからがスタートじゃないですか。って感じのスタンスなんですけど、彼は「教えて」とかも言わずに、気付いたら機材も買ってて。今では使い方も俺より知ってるし、凄いなと思いますね。 行動力が鬼です。

Leon Fanourakis

 - 今回質問をもらった中で最後はLeonくんからですね。「今回のアルバム制作で一番思い出に残ったエピソードを聞きたいです」。

LEX - 2つあって、本当に色々な状況で録ったから選びきれないんですけど。1個目は“あなたの幸せが1番”。最後の曲なんですけど、あの曲は感情に入り込みすぎちゃって、歌詞書いてるときは大丈夫だったんですけど、やっぱりその気持ちの中に入って歌うじゃないですか。その気持ちで歌ってたら、最初の5分ぐらいで一回目のレコーディングをしたときに涙が止まらなくなっちゃって、結局そのまま30分ぐらいずっと泣いてて。その後は鼻声になっちゃって録れなくなったんですけど、それが凄く印象に残ってますね。あとは“NiPPON”ですね。Leonくんと自分とSANTAくんとで僕のスタジオでレコーディングして。あの日も、基本的に3人とも自分のアイデアをポンポン投げる人だから、凄くアグレッシブに「こうした方がいいんじゃない、こうした方がいいんじゃない」っていうのが1時間、2時間ぐらいで高速に行われて。

 - みんな曲を作るのが速そうですよね。

LEX - 高速に質問を投げかけて、みたいな、スポーティなレコーディングで。凄く楽しかったですね。

 - そのスポーティさは曲にも出てますよね。

LEX - そうなんですよ。その2つですかね。

 - “あなたの幸せが1番”で泣いてしまったというのは、これまでには無かったことでしたか?

LEX - そうですね、泣いたのは初めてだったっすね。

 - 確かにあの曲は、ラストにあるからかもしれないですけど、これまでとも全然違う感じで。Twitterでは「THE BLUE HEARTSみたいだ」って言ってる人がいて、感情がそのまま出てるからってことなのかもしれないですけど。

LEX - 自分はTHE BLUE HEARTSとかクロマニヨンズの歌詞の書き方が凄く好きで。“あなたの幸せが1番”は日本語の曲にしたくて。伝わりやすいものにしたいし、英語っていうカッコつけた表現をしたくなかったんですよ。丸裸にして歌いたくて。だから泣いちゃったんだと思うんですけど。そういうところのアイデアを貰ってたりはしているかもしれないですね。

 - 今回質問を貰えなかった人についても聞きたいんですが、“NiPPON”と“ERiCA”に参加しているSANTAくんはどんな人ですか?

LEX - SANTAくんは、完全に僕には無いものを持ってる人だと思うし、存在感というか空気っていう面もそうだし、話してて目線を下げてくれるんですよ。だから兄貴たちと話してる気分とかも無くて、フラットな気持ちで話せるし、素直に自分の意見を言える感じですね。

 - それはやっぱり優しさがあるというか。

LEX - 凄く優しい人だと思います。

 - 次はOZworldくんですが、OZworldくんは一番仲がいいぐらいですかね?

LEX - OZくんは一番仲が良いって感じになってるんですけど、実は一回しか会ったことが無くて(笑)。でも何かが二人を引き寄せあってる感じがして。というのも、僕が沖縄に行ったときにOZくんの周りの友達と会ったりするんですけど、みんな「OZに似てる」って言うんですよ。OZが18とか19だった時の話し方とか雰囲気が一致してるって言われてて、「そんなにっすか?そんなに言うなら会ってみたいな」と思ってて。この前の撮影で初めて会って、「やっと会えた!やった!」って、会ったときにハグしたりして。完全に、初めて会ったような仲だと感じられなくて、ずっと僕のことを知っていたかのような感じだったし、僕もずっと彼のことをどこかで知っていたような感じで。緊張もしなかったんですよ。だけど、みんなが言うように「似てる」っていうのがあるのかは分からないんですけど、会話が噛み合わないっていう(笑)。同じ感じがありすぎて、会話が凹凸にならないんですよね。っていうのを感じたっす。彼もそう思ってくれてるし。不思議な感じですね。

 - 面白いですね。あとはYoung Cocoくんですね。

LEX - Young Cocoくんは天才だと思います。彼の楽曲は凄く好きだし、彼みたいに日本語をあそこまで削ぎ落として分かりやすく使える人って他にいないと思うんですよ。最近出した“ホンキ!”とかもそうですけど、本当に分かりやすくて、なおかつ日本語じゃないですか。学ばせてもらうことばかりです。曲の売り方とかも凄く上手だと思うし、デザイナーさんも凄くセンスのある人ばっかりだから、勉強になりますね。

 - 最後はFuji Taitoくんですね。

LEX - 彼も、仲間内のノリってあると思うんですけど、一回ライブでご一緒したときに向こうの友達のノリと僕らのノリが合致しちゃって、「これ完全にハマるぞ」ってなって。ノリも一緒だし、バイブスも同じものを感じたんですよね。じゃあ結構ライフスタイルもそういう感じなのかなって予想出来ちゃったりして。一緒にいて凄く楽しいし。彼は凄くリーダーっていう風格が感じられますね。それで彼が悩むこともあるかもしれないですけど、それでも彼は絶対的なリーダーだと思ってます。引き寄せますね。

 - 人を惹きつける力がありますよね。

LEX - ありますね。それは眼からも感じられるし。最高っすね。おんぶしたら重かったっす(笑)寝てるTaitoくんを僕が運んだんですけど、めちゃくちゃ重かったんですよね。

 - 全部預けられてる状態で(笑)。

LEX - 下に力がかかってる(笑)。でも、リーダーってものを凄く感じます。

 - 今話を聞いてみると、やっぱり今のLEXくんは愛とか優しさってところに凄くフォーカスしてるのかなと思ったんですけど。実際にそうですか?

LEX - そうですね。

 - ちょっと前は怒りだったりネガティブなところも出していましたが。

LEX - 今でも怒りとかネガティブなところは人間だからあるんですけど、それありきの人生なんだっていうか。だからそんなに悲観的にならなかったり。苦しいことがあって、生きることはあるんだなって感じるし、苦しいことがないと後々危ないと思うんですよ。苦しいことがあるのが人生だと思ってますね。

 - そういう意味での「喜怒哀楽」ってことなんですね。毎回全然違うタイプの曲を作れるから驚かされますね。

LEX - ありがとうございます。もう少しフラットな人間になりたいですよね。今は凄く大人になりたいです。大人な人になりたい(笑)

 - 今18になったんですよね?「大人」のイメージはありますか?

LEX - 「どういう大人が目標」っていうのは無いんですけど。それって粘土みたいなもので、自分が作り上げるものだと思うから。でも、優しい大人になりたいですね。愛があって、なおかつ人も叱れて。兄貴たちみたいな人になりたいです。

 - ありがとうございました。

FNMNLでは"Romeo & Juliet"のMVでの衣装に迫る企画も掲載中。こちらもぜひチェックしてほしい。

Info

LEX - 『LiFE』

Label: Mary Joy Recordings

配信リンク:https://lexzx.lnk.to/LiFE

Track List

1. Sexy!

2. HAPPY (feat. Young Dalu) 

3. BUNNY (feat. ASA Wu)

4. ERiCA (feat. HEZRON & SANTAWORLDVIEW) 

5. FOREVER (feat. HEZRON & Only U)

6. Romeo & Juliet

7. F*CK (feat. C.O.S.A. & ACE COOL)

8. WORLD PEACE (feat. OZworld & JP THE WAVY)

9. Welcome 2 The Party (feat. Shark kid)

10. Respect Me (feat. Fuji Taito & HEZRON)

11. EMPTY (feat. MIYACHI)

12. I HOPE I NEVER KNOW

13. NiPPON (feat. Leon Fanourakis & SANTAWORLDVIEW)

14. PradaBitch (feat. Young Coco)

15. what ya doing? (feat. SOG) 

16. PAST LiFE

17. あなたの幸せが1番

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