「全米一の嫌われ者」と呼ばれるMartin ShkreliがWu-Tang Clanの幻のアルバムを約2億円で購入した一件がNetflixでドキュメンタリー化

2015年、Wu-Tang Clanの世界に一枚しかないアルバム『Once Upon A Time In Shaolin』を、大富豪Martin Shkreliが200万ドル(約2億1200万円)という高額で購入した一件を覚えているだろうか?AIDS治療薬の大幅な値上げの原因となり、またその言動によって「全米一の嫌われ者」と呼ばれた彼がWu-Tangの幻のアルバムを購入したことは当時大きな話題を呼んだが、今回、その一件をめぐるがNetflixオリジナルでドキュメンタリー化されることが報じられている。

FADERによると、ShkreliとWu-Tangを巡るストーリーは映画『ブリタニー・ランズ・ア・マラソン』の監督であるポール・ダウンズ・コレイゾがドキュメンタリー化するという。またWu-Tang Clanの中心人物であり自身で映画プロダクションも運営するRZAがプロデューサーを務めるようだ。なお劇中で『Once Upon A Time In Shaolin』の音源が流れる予定は無いという。

『Once Upon A Time In Shaolin』はCDが世界に一枚しか存在しないアルバムで、その存在は知られていながらも内容を聴くことが不可能であるため「幻のアルバム」と呼ばれている。CDはモロッコの金庫に保管されていたが、2015年に同作がオークションにかけられた際、とある人物が200万ドルで落札。後にその落札者がよりによってMartin Shkreliであったことが判明し、ヒップホップファンからは主に怒りの声が多く上がった。また彼は2017年に証券詐欺の有罪判決を受け、裁判所によって『Once Upon A Time In Shaolin』の管理権を差し押さえられた際には、Wu-Tang側からも彼が同作を購入し所有していることを遺憾に思うメッセージが寄せられた。ちなみに同作は後にShkreli自身の手によってe-bayに出品され、何者かによって100万ドル強で落札されることとなった。

このヒップホップ史に残る珍事件を描いたドキュメンタリーは、一体どのような内容に仕上がるのだろうか?クオリティに定評のあるNetflixオリジナルのドキュメンタリーだけに、今から期待が高まる。

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