【インタビュー】思い出野郎Aチーム 『ソウルピクニック・ファンディング』|パーティーをまた始めるために
新型コロナウイルスの感染拡大の状況の中で、ライブハウスやクラブなどのクラウドファンディングが多く生まれている中で、これまで全国各地のフェスやイベントなどに出演してきた思い出野郎Aチームが、独自の企画『ソウルピクニック・ファンディング』を立ち上げている。
このファンディングプロジェクトは、思い出野郎Aチームが中心となり、今まで思い出野郎がライブイベント、パーティーを開催した場所と今年出演予定で延期になってしまったフェス、イベントの主催者に声をかけて賛同者と共に連盟を組んだもの。集まった資金は、連盟に加入している場所、イベント、スタッフが必要としている経費に使用する。
各地のヴェニューを愛し愛されてきた思い出野郎Aチームらしいこのプロジェクトについてメンバーの高橋一にメールインタビューに答えてもらった。
- まず思い出野郎Aチームの皆さんの近況を教えてください。
高橋一 - それぞれ普段の仕事がテレワークになったり、減ったりする中で、バンドとしてはライブ活動も停止しているので、もっぱら自宅でデモ音源を作ったり、夜はZOOMで飲み会をやったりしています。
- 今回のプロジェクトを立ち上げたきっかけを教えてください
高橋一 - いよいよ新型コロナウイルスの拡大が広がり、毎日のようにイベントの中止連絡が届く中で、いち早く#Save Our PlaceやMUSIC UNITES AGAINST COVID-19の活動が始まり、僕らにも声をかけていただいたのがきっかけです。Ramonesがツアーをした後に街にパンクバンドが増えたという逸話があるように、こういった活動をみて自分たちにも何かできるかも!と思いました。そして、どれか一つの支援で全てをカバーできるような規模の損害ではないように感じたので、バリエーションを少しでも増やしてより多くの苦境に立たされている場所や人にたとえ少額でも支援を届ける必要があるのではないかと話し合いました。
- バンドが主催して、イベントやベニューを支援するプロジェクトは思い出野郎というバンドならではの取り組みだと思いますが、どうやってこのような形に行き着いたのですか?
高橋一 - パーティーはいつも会場やスタッフの皆さん、DJやお客さんと一丸となって作り上げている感覚があるので、今回もその感覚のまま始めたように思います。
そして一方的な支援というより、クラブやライブハウス、イベント、レコーディングスタジオ、そしてそれらを支えるたくさんの魅力的な人々は僕らにとって本当に必要な存在なので何よりも自分たちのためにこのプロジェクトを始めたような感じです。対象にできなかったけどお世話になった場所や人がたくさんいるので葛藤もありますが、身近なところからまずは始めてみようという感じです。
- 目標金額も2000万円と高額ですが、なぜこの金額になったのですか?
高橋一 - 現実的に必要と考えてこの金額にしました。高額なので目標達成は自分たちの力では難しいかもしれないとは思いましたが、当たり前ですが達成感を得るためにやるわけではないので、本当に必要な額を目標にしました。
- 今回のリターンとなっている楽曲“独りの夜は”は現在の新型コロナウイルスの状況を歌った曲だと思いますが、バンドとして集まるのも困難な状況の中でどのように制作していったのでしょうか?
高橋一 - この曲はこの騒動の前からデモを作り始めてはいました。なかなか歌詞が進まず「独りの夜は終わりさ」という歌い出しの1行のみ出来ていました。
そしてコロナ禍でその意味が大きく変わったことをきっかけに書きたいことがまとまり、現状の歌詞になりました。制作は各自家で録音した音源を集めて進めています。現在YoutubeにあがっているデモはしっかりとDAWで録音しているメンバーもいれば、スマホで録音されたパートもあります。バンド内のmac bookの普及率が上がりました(笑)
- また通常盤の7インチはレコード店へのサポートという形になっていますね。思い出野郎としてレコード店はどのような意味で特別な場所なのでしょうか?
高橋一 - 物理的に過去の名盤に囲まれることができ、数百円のレコード一枚で人生が変わるパワースポットです。そして、奇跡のような傑作たちと同じ棚に自分たちの作品が並べられるのだと思うといつも震えます。
- クラウドファンディングの状況はいかがでしょうか?
高橋一 - 現在約520万円くらい支援をいただいています。目標金額には届かないかもしれませんが、それでもとても大きな金額ですし、何よりも900人以上の人に支援していただきました。コメントをたくさんいただいて本当に励まされてばかりです。感謝しきれません。
- プロジェクトの説明にも書いてありますが、現状の政府の対応についてはどのように考えていますか?
高橋一 - 私、高橋の個人的な意見ですが、以前から現政府は人権や命、文化を軽んじて、分断や差別を広げているように感じてきました。新型コロナ感染拡大に対する対応も御多分に漏れずで、不誠実さばかり感じます。全ての人により多くの公的な支援が必要だと思います。
- ライヴが再びできるようになった時に、思い出野郎として一番したいことはなんでしょうか?
高橋一 - みんなで乾杯したいです。
- 最後にライヴや音源を待っているファンに一言お願いします。
高橋一 - いつも本当に助けてもらってばかりです。この場をお借りして、改めまして皆さんありがとうございます。終息したら必ずや最高のパーティーをやりますので、どうか皆さんお身体に気をつけて、また一緒に踊ってください!
Info
連盟一覧(順不同)
【ライブハウス】
札幌 Bessie Hall
仙台 LIVE HOUSE enn
森下 Rhythm and Betterpress
湯島 MUSIC BAR 道
下北沢 THREE
下北沢 SHELTER
下北沢 mou
幡ヶ谷 Forestlimit
恵比寿 LIQUIDROOM, Time Out Cafe & Diner
渋谷WWW, WWW X
表参道 WALL&WALL
神宮前 bar bonobo
三軒茶屋 32016 梅ちゃんバー
阿佐ヶ谷 Roji
吉祥寺 bar Cheeky
吉祥寺 BAOBAB
吉祥寺 曼荼羅
江ノ島 OPPA-LA
浜松 overdub
大阪 Shangri-La
滋賀 CLUB MOVE
岡山 YEBISU YA PRO
福岡 INSA
福岡 Kieth Flack
福岡 CAFE BAR TRESOL
【フェス、イベント】
SNOW MONKEY BEER LIVE 2020
Craftrock Circuit ‘20
街なか音楽祭『結いのおと2020』
こんがりおんがく祭 2020
森、道、市場2020
【レコーディングスタジオ】
Bigfish Sounds
【スタッフ】
Synk
【レーベル】
カクバリズム
【バンド】
思い出野郎Aチーム
・ソウルピクニック・ファンディング 支援ページ
https://camp-fire.jp/projects/view/261880